概要
本名は松本智津夫であり、宗教団体アレフ(元オウム真理教)の創設者及び代表であった。
熊本県八代郡金剛村(現八代市)出身で、畳職人の貧しい家に生まれたが、片目が先天性の緑内障で失明していたため寮のある熊本県立盲学校に出された。全盲の生徒が多い中で片目が見える彼は同級生相手に力で恫喝することもあったという。
熊本県立盲学校を卒業後、上京し東大文科1類を目指すが挫折。鍼灸師免許を取得し、予備校で出会った松本知子と結婚。千葉県船橋市に住み鍼灸院を経営していたが、やがてヨガ教室を開きこれを宗教に発展させてゆき麻原の名を名乗る。
石原慎太郎を深く尊敬し、麻原自身が天皇になったら、石原氏を総理大臣にしようと考えていた。
ホーリーネームは「マハー・グル・アサハラ」。衆院選に出馬し、同教団音楽班(後の究聖音楽院)トップである鎌田紳一郎作曲の尊師マーチなどで世間の話題をさらい、テレビではビートたけしと対談し、他にはとんねるずの「生でダラダラいかせて!!」や、朝まで生テレビ!などにも出演したことがある。
95年3月20日に発生した地下鉄サリン事件をきっかけにして5月16日に逮捕される。
本妻や信者の女性たちとの間に多数の子供達がおり、本妻との間だけでも6人の子供がいたが、父の逮捕により一家はバラバラになり、学校の入学を拒否されたりいじめにあったり、教団の後継組織アレフに勝手に名前を使われたりと辛酸を舐めたといい、長女は窃盗に手を染めて逮捕されている。
三女の松本麗華(まつもとりか)は成人後実名を公表し著述活動をしているが、麗華・次女と、手記を「松本聡香」の仮名で発表した四女とは特に折り合いが悪いと言われており、麗華自身もポータルサイトのコラムで妹の発言内容を否定するなど泥仕合状態になっている。
麗華と四女、それぞれの支援を行なっている著名人ら(麗華には麻原の死刑執行に抵抗する森達也や宮台真司がつき、四女には江川紹子が後見人)も巻き込んだ対立構造となっている。
2006年に死刑判決が確定、裁判中から奇行や奇妙な言動が目立つようになり、死刑逃れの仮病と目されたこともあったが、麗華によると既に娘達とすらまともな会話は出来ず、精神を病んでいる可能性が高かったとされる。
2018年、1月にオウム事件に関する一連の刑事裁判が終了、最終的に死刑が確定したオウム関係者は13名だった。3月14日にこのうち6名が東京拘置所から移送され(麻原は東京に残留)、執行の日が近いとも目されたが、4か月後の7月6日に麻原を含む計7名(内訳は、前述の移送組のうちの3名と、東京拘置所に残留した麻原含む4名)の死刑が執行された。享年63歳。
起訴された罪状
この中には裁判の迅速化を図る為に後に取り下げたものも含まれている。
男性信者殺害事件(殺人罪)
坂本堤弁護士一家殺害事件(殺人罪)
サリンプラント建設事件(殺人予備罪)
薬剤師リンチ殺人事件(殺人罪・死体損壊罪)
滝本弁護士サリン襲撃事件(殺人未遂罪)
自動小銃密造事件(武器等製造法違反)
松本サリン事件(殺人罪・殺人未遂罪)
男性現役信者リンチ殺人事件(殺人罪・死体損壊罪)
駐車場経営者VX襲撃事件(殺人未遂罪)
会社員VX殺害事件(殺人罪)
被害者の会会長VX襲撃事件(殺人未遂罪)
目黒公証人役場事務長拉致監禁致死事件(逮捕監禁致死罪)
地下鉄サリン事件(殺人罪・殺人未遂罪)
チオペンタール密造事件(薬事法違反)
LSD密造事件(麻薬及び向精神薬取締法違反)
覚醒剤密造事件(覚せい剤取締法違反)
メスカリン密造事件(麻薬及び向精神薬取締法違反)
尊師マーチ
いわゆる「宗教歌」のひとつで、もともと衆院選での選挙応援歌(上)として使用していたが、宗教歌となる際に歌詞が改められた(下)。
余談
ゲーム「グランド・セフト・オート(GTA)4」には、彼の名を冠した"アサハラ・ロード"という通りが登場する。