「―――やっぱお前ら… 今死んどくか」
「あらら…ちょっとごめんな兄ちゃん そこどいてくれるか」
「*友達なんだよ*」
「ええと、アレよホラ ええと…アレって何なんだ? 忘れた、もういいや」
概要
世界の均衡を司るという三大勢力の一つ、海軍本部。
その海軍の中でも最高戦力である「大将」に属していた。
大将時代は“青雉”と呼ばれ、同僚の黄猿、赤犬と共に三大将と呼ばれていた。
その圧倒的な存在感で多くの読者にインパクトを与えているキャラクターである。
海軍本部中将モンキー・D・ガープは恩人。
元海軍本部大将ゼファーは新兵時代の教官。
プロフィール
本名 | クザン |
---|---|
通り名 | 青雉もしくは青キジ(共に大将時代) |
肩書き | 無し(2年前は大将、22年前は中将) |
標語 | 燃え上がる正義→だらけきった正義(共に海軍在籍時代) |
能力 | ヒエヒエの実(自然系) |
誕生日 | 9月21日 |
年齢 | 49歳(2年後編) |
出身地 | 不明 |
主な部下 | 無し |
CV | 子安武人 |
人物
階級の高いものは年長者が多い海軍にあって20代にして中将の地位にあり、若手ではずば抜けていた。
以前は『燃え上がる正義』を掲げ、現在とは違って割とハキハキした態度で職務を実行していたが、22年前のオハラ壊滅事件により、「海軍での、自分の正義とは何か」と苦悩するようになり、その悩みを経て確固たる信念をもって『だらけきった正義』をモットーにするようになった。
そのため今ではつかみどころの無い性格となっている。
普段の性格も結構だらけており、気の進まないことには頭の回転も余り働かないようで、質問に対してダラダラと時間をかけて思考した挙句に途中で放棄し、逆に聞き返したりすることがある。
しかし、基本的には冷静沈着であり、海賊といった一般人を脅かす悪には決して容赦しない。
その一方、
など、海軍でなく一人の人間として相手に接する一面も持っている。
これらは一貫して青キジが持つ『だらけきった正義』の信念に基づいており、海軍の正義を絶対視せず、様々な人の持つ正義を決して否定しない姿勢なのである。
世界レベルの組織の上流階級に与する身でありながら、そのことをあまり鼻にかけず、一民間人の悩みにも聞き入れて協力するなど、飾り気のない優しさもみられる。
20年以上の長い付き合いである上司、中将ガープを尊敬しており、彼の行動理念に強く影響を受けている。
良くも悪くも「海軍」という一つの組織では型破りといえるが、そういった点が彼の魅力であろう。
ルフィに対しては「まだ未熟」と評しているが、その得体の知れない可能性を内心では脅威に感じている。
戦闘能力
名前 | ヒエヒエの実 |
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解説 | 自分や周囲を一瞬で凍らせる |
種類 | ロギア(自然)系 |
全身から凄まじい冷気を放ち、自らの体を氷に変化させる事ができる「氷結人間」。
自分の体は勿論、他者や周辺の有形物を一瞬で凍らせることができる。その気になれば、凍らせた相手を砕けば済むので殺傷力も高い。
海水もたやすく凍らせるため、悪魔の実のペナルティが無いに等しい。海面を凍らせてその上を進むこともでき、船に頼らず海上を移動可能である。
戦法は直接相手を凍らせる他にも、氷で武器を作りだし、それによる白兵戦から飛び道具としての遠距離攻撃など幅が広い。
氷の特性ゆえに、自然系(ロギア)でありながら攻撃の受け流しは出来ないが、砕けた身体の破片を結合することで再生が可能。
そのため武装色の覇気による攻撃以外、物理的なダメージは一切通らない。それどころか、直接攻撃してきた相手に逆に冷気を送り込み、そのまま凍結させて仕留めてしまうこともできる。
またその覇気による攻撃についても何らかの対策を講じており、白ひげに覇気を纏った薙刀で串刺しにされても死なないどころか、自身と薙刀を凍らせて連結して動きを封じて反撃に転じる等、超一流覇気使いでも簡単には青キジへ攻撃を決めることはできない。
覇気を無効化した策についてはシャーロット・カタクリがルフィに対して見聞色による未来視により全く同じ芸当を用いており、青キジも同様に極めて高度な見聞色の覇気によるものと思われるが作中では未だ明言されておらず不明である。
純粋なタフネスも相当なものであり、非常に高い攻撃力を持つマルコやジョズに不意打ちで攻撃を食らっているが、一度もダウンせずに頂上戦争を戦い抜いている。
技
- 氷河時代(アイス・エイジ)
海などに手を浸け、冷気を送り込んで一瞬で凍り付かせる(なお、海水などに身が浸かることによる力が入らない・能力の能動的使用不可といったデメリットは、体の大部分が使っていなければ起きない)。
これが発動した後は、水平線の彼方にまで氷の大地が続く、まさしく氷河時代を思わせる光景が広がる。無論、その範囲内に居れば諸共に氷漬けである。なお、この氷はおよそ一週間は解ける事が無いという。
- アイスサーベル
千切った草などを氷の吐息で凍り付かせ、氷の剣を作り出す。
- アイスタイム
触れた部分から直接冷気を送り込み、相手の全身を瞬く間に氷漬けにする。
氷河時代を単独の相手に対して発動させるような技で、巨人族でさえ全身が凍り付くまでに要する時間は僅か数秒。無論、氷漬けにされてしまえば動くことすらできず、そのまま割り砕かれれば即死である。
- アイス塊(ブロック)
冷気によって氷の塊を作り出す。
氷であるがために形状は自由自在であり、矛の形にして相手へと飛ばす”両棘矛(パルチザン)”や、巨大な雉を象り、その嘴で相手を穿つ”暴雉嘴(フェザントベック)”などのバリエーションがある。
- アイスタイムカプセル
掌から冷気の弾丸を放ち、直撃した相手を一瞬で凍結させる。
- アイスBALL(ボール)
冷気で相手を包み込み、球状の氷塊を作り出して閉じ込める。
アイスタイムと違って距離を置いた相手にも有効だが、内側から割られると脱出を許してしまう。
活躍
時系列は新世界篇準拠。
過去
22年前の中将時代には、オハラに対するバスターコールで出撃。
オハラにいた、海軍を裏切った海軍本部中将にしてクザンの親友だったハグワール・D・サウロを攻撃する。
しかし、サカズキが一般人の避難船まで攻撃する姿勢に驚愕。サウロを氷漬けにしたものの、「自分の正義を信じたサウロを追討し、一般人まで粛正する」『海軍の正義』に悩んだ彼は、サウロが必死に生かそうとしたニコ・ロビンを、サウロの遺志を考慮して逃がした。
偉大なる航路篇
ニコ・ロビンのいた麦わらの一味に興味を持ち、ロングリングロングランドで遭遇。
ルフィ達の成長速度・ロビンが今までいた組織全て壊滅していることから彼らを脅威に感じ、麦わらの一味を殲滅するべく交戦。
主戦力であるルフィ、ゾロ、サンジを圧倒した。しかし、ルフィから「一騎打ち」を申し込まれ、それを承諾。
ルフィに圧勝するも、「一騎打ち」を了承した以上、それ以外の面々に手を出せば自分の恥、及び麦わらの一味によるサー・クロコダイル討伐の恩を理由に、ルフィ達を見逃した。
しかしニコ・ロビンは20年もの間多くの裏組織を壊滅させながら逃げ続け、古代兵器復活の可能性も消えていない以上、もう彼女という危険分子をほおっておけないと考えたクザンは、CP9長官のスパンダムに国家戦争級の総攻撃であるバスターコールの発動権限を与えて、ロビンの確保を行う。
しかし、麦わらの一味とCP9の戦いの場となった司法の島エニエス・ロビーに姿を現し、バスターコールから麦わらの一味が逃げ切ったことを確認し、「完敗」を宣言。
麦わらの一味が身を寄せていた水の都ウォーターセブンに現れ、長年追い続けていたニコ・ロビンが一味に定着したことを確認し、ロビンに「オハラの遺志」がまだ生きていることを確認し、その場を去った。
マリンフォード頂上戦争では、白ひげ海賊団相手と激闘を繰り広げ、白ひげやマルコの負傷に気を取られた同海賊団3番隊隊長ジョズの隙をついて彼を氷漬けにして片腕を破壊し重傷を負わせた。
頂上戦争後、センゴクが海軍本部元帥を引退することとなり、クザンはセンゴクから後任に押されるものの、世界政府上層部はサカズキを推薦。
強硬姿勢を持つサカズキが元帥になることを反対したクザンはサカズキと決裂。彼と決闘で雌雄を決することとなり、パンクハザードでの10日間に及ぶ決闘の末敗北。
お互いに重傷を負った(サカズキ、クザン共にこの時の傷跡がいまだに残っており、クザンに至っては左足を失った)が、さすがのサカズキもクザンに情けをかけ、生き延びたクザンは海軍を抜けた。
新世界篇
海軍を去った後、超ペンギンのキャメルと旅をしている。
2年後の世界を舞台とした2012年12月15日公開の劇場版第12作目『ONEPIECE FILM Z』では、原作に先立ち海軍を去った後の姿が初披露され、そこで赤犬との戦いで右半身に大火傷を負い、左足を欠損していることが判明。
作中では、かつての恩師ゼファー率いるNEO海軍と麦わらの一味の戦いの動向を見届け、一味にゼファーの情報を教える役割として、作中でも重要な役割を果たした。
パンクハザード編では、元部下の海軍G-5支部中将スモーカーが王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴにより殺害されかけたところに突如現れ、スモーカーを助けた。
この際、スモーカーやドフラミンゴに「新世界の闇」に繋がってることを示唆された。
ドレスローザ編では、クザンが黒ひげ海賊団と何らかの関係を持つようになったことが判明した。
余談
- モデル
彼のモデルとなった人物は、俳優の松田優作である。
髪型・アイマスク・ファッションなど、代表作「探偵物語」の頃の松田が、主にモチーフになっている。
- 映画での先行登場
新世界編では、映画『ONEPIECE FILM Z』で先行登場を果たした。
これについて作者尾田栄一郎は「原作で登場させれば驚かさせられただろうに、原作の読者にやんわり伝わってしまったことが残念だった」とのことで、映画『ONEPIECE FILM GOLD』公開前に、原作でロブ・ルッチらを登場させたとのこと。
関連タグ
青雉 青キジ 黄猿(ボルサリーノ) 赤犬(ONEPIECE)(サカズキ)