概要
歴代シリーズにおける正義のトランスフォーマー「サイバトロン(オートボット)」の総司令官の名称。作品によってはサイバトロンの役職名としても使用されている。
総じて少々抜けた部分のある司令官だが、これはサイバトロンの司令官が勇気や信念といった精神的なものを基準として選ばれるからであり、現に人望はかなり厚い。
精神的要因で司令官が選ばれるという性質上、戦術的には司令官なしでも統率のとれた行動が可能であり、実際『プライム』にてオプティマスがとある事情で陣営から一時離脱した際にもオートボットは問題なく作戦を立てて行動していた。
『マイクロン伝説』ではコンボイの死後、ホットロッドが臨時リーダーになって全員纏まって行動している。なお、彼がリーダーに選ばれた理由は「コンボイの想いを一番受け継いでいる」なので、やはりこちらも精神的なものが大きい。
その抜けた部分故に周囲のサポートが必要となっており、これがサイバトロン陣営の結束を高める一因にもなっている。この特徴は首領のメガトロンが圧倒的な能力で部下を束ね、ナンバー2のスタースクリームが首領の座を狙い、強力なリーダーが居なければ烏合の衆と化してしまうデストロン陣営とは対照的になっている。戦闘時にも味方の士気を鼓舞しつつ敵を畏怖させるという役割を果たしており、この点も作戦や謀略で敵を追いつめるメガトロンとは対照的と言える。
名前について
日本で制作されたTFシリーズの「コンボイ」は、原名に合わせたネーミングに改名されたり、逆にそのままの名前で海外に輸出される事もある。原語版での名前はオプティマスプライム(Optimus Prime)。
何故コンボイという名前になったかというと、「オプティマスプライム」という名前が当時の日本の販売元で子供達には長すぎて発音しづらいと判断された為である。
ちなみに、『オプティマス』はラテン語で『プライム』は英語なのだが、どちらも『最良、最善、一番』といった意味なので、日本語に訳すと『一番一番』のような名前になる。
なお、「コンボイ」とは『護送』『守護』『護衛』を意味する。『護送車』であるトラックに変形し、平和の『守護者』であるサイバトロンの司令官に相応しい名前と言える。
日本での「コンボイ」の名前の由来は、コンボイ司令官の前身となった玩具『ダイアクロン』の「バトルコンボイ」からそのまま取ったものと考えられる
「コンボイ」にはトラックの車列という意味もあり、量産型であるバトルコンボイは、TVCMなどでその名の通り輸送隊を組んでいた。
G1
CV:ピーター・カレン、日本語版:玄田哲章
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』ではサイバトロンの総司令官であり、軍をまとめあげる頼もしいリーダー。
後作との区別の為に「G1(Generation-1)コンボイ」と称される事も。
赤い巨大なトレーラー(フレイトライナーCOE)に変形する。更に牽引しているコンテナは補給や修理を行う為の整備基地となり、その内部には自律行動が可能な偵察用車両のローラーが格納されている。主に使用する武器はレーザーライフル。また、劇中で使用したのは1度きりだが、右腕からはエネルギーを斧状に形成したエナジーアックスを発生させる事ができる。他には、エネルゴン・ブラスターなども使用する。
セイバートロン星での過去の出来事を描いた第60話「引きおこされた戦争」という回によれば、900万年前の彼はオライオンパックスという名だった(この名は米版、日本版で共通。綴りはOrion Pax)。
オライオンとしての彼は意思は強いが、知識や思慮は不十分なただの若者に過ぎず、丁度その頃デストロンを組織したばかりでまだ本性を隠していたメガトロンに対しては、伝え聞いていた評判から崇拝とも呼べる気持ちすら持っていた。しかし、略奪と破壊を開始したメガトロンに重傷を負わされ、アルファートリンの手によりリペアと強化改造を施されて強靭な戦士コンボイに生まれ変わり、リーダーの証マトリクスを託される。
やがてサイバトロンのリーダーとなったコンボイは、エネルギー資源の枯渇問題に伴い仲間と共にアーク号に乗り資源探索の為に宇宙に繰り出したが、宿敵メガトロン率いるデストロンの戦艦ネメシスの襲撃を受け、敵味方共々太古の地球に墜落する。それから約400万年後の西暦1985年に復活し、地球の資源を足掛りに再び宇宙征服を企てるデストロンの脅威から人類と宇宙を守る為に戦う事になる。
- カセットロン(主にコンドル)にやたら弱かったり
- 崖とか高いところがあるとすぐ落ちにいったり
- すごい短気だったり
- 時々口が悪くなったり
- レイアップシュートをレイカップシュートとか言い間違えた挙句バックダンク決めたり
- 「私にいい考えがある!」と自信たっぷりに決めてやった作戦が毎度のように大失敗したり(でも成功率が低いだけで絶対ジャナイヨ、特に人事面では成功率が高い)
- 合体戦士を相手にするとすごい強かったり
- 一人で敵の本拠地に乗り込んでもすごい強くて一気に企みを阻止したり
- 新幹線と二度も衝突したのに全然気にしなかったり
- 仲間が暴れて手に負えなくなるとしびれを切らして破壊しようとしたり
- 人間がいる波浪発電所を大破させて多数の怪我人を出したり
- ご先祖様を改造して囮に使ってみたり
……とまあいろいろあるけど頼り甲斐のある司令官。
あと日本語版はとにかく叫び声がすごい。
オォォォォォォウ!
ほあああああああああああああああああ!!
こういった破天荒な行動は、文化の違い(TFと地球人、そしてアメリカと日本の両方)と重度の天然ボケからくるものであると考えられる。その為、欠点はあるもののその豪快かつ温厚な人柄は仲間達にも人間達にもよく好かれている。彼自身も仲間の事をとても大切に考えている為、それ故にちょっと行動や作戦に問題があっても、それに惹かれ慕うようになる。
実際のところ、彼もメガトロンに負けず劣らずの部下への寛大さを持つ。事実、命令違反で利敵行為を行なったグラップルやホイスト、反逆行為を働いたダイノボット達やアラートをあっさりと許している。
また、反発する部下同士を敢えて組ませる事でお互いの長所を認め合わせるよう図るなど、前述の通り人事面も非常に優秀。サイバトロン軍で殆ど離反者や反乱が起きなかった(アメコミを除く)のも、彼の人事能力が優れていたからだと言える。
なお、実写映画版のコンボイ(実写オプティマス)は多少マシになったものの、性格はおおむねこのG1コンボイに準じている(声も同じく原語版はピーター・カレン氏、日本語吹き替えは玄田哲章氏が担当)。
玩具は旧タカラ(現:タカラトミー)が80年代初頭に発売した『ダイアクロン』シリーズの後期商品『カーロボット』シリーズのバトルコンボイの仕様変更品で、カラーリングに大きな変化はないものの、ロボットの拳やバギー(ローラー)のタイヤと車体の形状、ステッカーが変更されたほか、足の裏が磁石となっているダイアクロン隊員を立たせる為のコンテナ内部のサイドパネルの鉄板が廃されている。
初代アニメ以後
『ザ・ムービー』にて地球でのデストロン軍団相手に鬼神ぶりを見せつけた。しかしメガトロンとの決闘で致命傷を負い、マトリクスをウルトラマグナスに託し息を引き取った。
その後の時系列は以下のようになる。
- キスぷれ
- 2010
- ザ☆ヘッドマスターズ
- ユナイトウォーリアーズ
- リターン・オブ・コンボイ
- G2
なお、G1キャラクター(ほとんどがアニメと同一人物という設定)が多数登場する『レジェンズ』では、WEBコミック第23話「復活!メガトロン様!!」の数コマのみと、メトロフレックス収録話での回想シーンのみ。
ロディマスコンボイ(2010)
“宇宙を一つに!”
CV:ジャド・ネルソン(劇場版)リシャール・ゴーティエ(TV版)テッド・シュワルツ(TV版初期)
日本語版:石丸博也
『ザ・ムービー』にて、サイバトロンの若き戦士ホットロディマスが絶命したコンボイからマトリクスを受け継いで変身した姿。原語版での名前はロディマスプライム(Rodimus Prime)で、キャンピングカー風のトラックに変形する。名前こそコンボイだが、何故か顔はメガトロンのように老け込んだ。
司令官とは言っても、マトリクスにより半ば強引に任命されたこともあってか、当初は自分の責務から逃れようとする事も多かった。しかし、戦いの中で段々と自分の使命を全うするようになっていく。
ビーストコンボイ(ビーストウォーズ)
“やあ、メガトロン。悪いがそのデカくて悪どい顔の自慢ならまたにしてくれないか?"
CV:ゲイリー・チョーク、日本語版:子安武人
『ビーストウォーズ』(初代)、『メタルス』、『リターンズ』、『リボーン』のコンボイ。ゴリラに変身するビースト戦士で、サイバトロン(マクシマルズ)のリーダー。「ビースト~」と付くのは後の玩具やこのような解説において区別を付ける為で、劇中での呼称は単に「コンボイ」である。
顔こそG1コンボイに似ているが、全くの別人であり、原語版での名前はオプティマスプライマル(Optimus Primal)。日本語ではムチャゴリラ、コンちゃん、イボンコ…などの愛称?がある。
元々は「惑星探査船アクサロン」の艦長であり、セイバートロン星からゴールデンディスクを奪い逃亡したメガトロン(ビーストメガトロン)を追いタイムワープするが、追撃戦の末に彼らと共に惑星エネルゴアに不時着。エネルゴアの豊富な資源を元に宇宙征服を企むメガトロンを止める為、仲間達と共にデストロンに立ち向かう。後にメタルスコンボイ→パワードコンボイ→リターンズコンボイへと姿を変え、この他にもセイバートロンモード、コンボバット、バーニングコンボイ、惑星アニマトロスでリフォーマットされた姿などが存在する。
ゴリラをスキャンしたせいかバナナが大好きで、バナナの事になるとタガが外れる。漫画版『メタルス』では「食いすぎて腹壊した」事があるらしい。タイガトロンからは「バナナは、おやつじゃないでござる」、ラットルからは「ちょっと食いすぎじゃないの」と突っ込まれており、ライノックスも無言だが呆れた様子だった。
日本語版のアニメでは岩浪美和による悪乗り気味なコメディ調の脚色が加えられたものの、元の原語版はシリアスかつ暗めのストーリーであり、漫画版『メタルス』では上記のバナナネタ以外でギャグシーンは一切見せていない。
ライオコンボイ(ビーストウォーズⅡ)
“私はパパではない。”
CV:郷田ほづみ
その名の通り、白いライオンに変身するサイバトロンのリーダー。彼もビーストコンボイ同様、サイバトロン内の一部隊の指揮官である。隠し子が居た事で有名で、「知っていたらちゃんと名付けたい」と思っていたらしいが、用意した名前は何故か日本風。また、一部では「ライオンコンボイ」と間違われているが、正しくは「ライオコンボイ」(「ン」は無い)なので注意。
本作が日本独自のシリーズという事もあり、海外での名称は長らく確定しておらず、当初は「ライオコンボイ」(Lio Convoy)の名前のままで登場していたが、玩具独自のシリーズ『Transformers Universe』でレオブレイカーの頭部やカラーリングを変更し、ライオコンボイ風にアレンジした製品が発売されたのを境に「レオプライム」(Leo prime)という名が正式に採用されるようになった。
部下の自主性は重んじるタイプで、ジョイントロンの暴挙にも「平和を守る方が少し変わっている」と言う事で笑って許せる寛大な心の持ち主だが、ストーリーが進むにつれ流石に不安になっていく。当然だが、他のメンバーはジョイントロンの勝手な行動に対して非常に怒っている。また、漫画版には酒乱という裏設定があり、ビーストモードになって暴れている姿が描かれ、これが原因でややこしい事態になったにもかかわらず「癖になっちゃった。寝オイル。」と呟いている。
その一方でサイバトロン破壊大帝の代名詞コンボイの名前がつく者にしては最も穏健・平和的であり、無抵抗な敵に対しては手を出さない。ガルバトロンに対し、戦いではなく話し合いによる解決を最後まで試みようとしており、インセクトロン、シーコンズに対しては実際に和解する事に成功している。
デストロンサイドからはスタースクリームとメガストームの「その説教臭い口調は…!」の台詞から「説教臭い」と思われているようで、DVD-BOXのブックレットにも「説教くさい口調に注目」とコラムに書かれている。
歴代司令官の中では大人しいタイプだが、『ビーストウォーズネオ』や『ロボットマスターズ』OVA最終回を観ればわかるようにおいしいところはしっかり持っていくタイプである(無意識なので運も強いようだ)。
ライオンクローを駆使したワイルドな肉弾戦を得意とするが、ライオンミサイルやライオビーム等の武装も身体の各部に内蔵しており、火力も高い。
続編の『ネオ』及び劇場版を含めると変身バンクが4種類あり、『Ⅱ』のアイキャッチでは唯一変身バンクではなく、BGMもない。『ネオ』の時は前作の『セカンド』仕様と変身バンクの2種類があった。
玩具は『ビーストウォーズ』日本展開向けに新規に作られたものであり、海外では一般販売はされていない。隠し武器の展開やたてがみを高速回転させるライオンタイフーンなど全身にスプリングギミックが仕込まれているのが特徴。『ロボットマスターズ』ではサイズダウンして各種ギミックを排した代わりに、プロポーションを格段に向上させた玩具が発売された。
ビッグコンボイ(ビーストウォーズネオ)
“みんなよりちょっとお兄さんなだけだ!”
CV:井上純一
マンモスに変身する、サイバトロンのツンデレ教官。もしくはGTO。これまでのコンボイとは違い、軍やチームのリーダーではなく新兵達の教官と言う立場にいる。ぶっきらぼうで慣れ合いを嫌うが、根は仲間思いで後述の任務を経て本人の考え方も変化していく。基本的に砕けた口調だが、ライオコンボイの前では敬語を使っている。
元々はワンマンズアーミーの異名を持つ傭兵なのだが、教官に選ばれてしまい新兵達と共に宇宙にばら撒かれたアンゴルモアカプセルを探す事になった。第1話にしてデストロンの基地を陥落させるほどの実力の持ち主で、彼が出てきた場合は大抵サイバトロンの勝利が確定する事が多く、第12話ではリスキーでありながら的確な指示を出して作戦を成功に導いている。時々ベクターシグマの交信によって「自分らしくないこと」を言うことがあるが、実際にはベクターシグマがビッグコンボイの身体を借りて喋っているので「らしくない」事はベクターシグマの言葉。
「また、私らしくないことを言ってしまった・・・。」
『トランスフォーマー』シリーズでは珍しく、一人称が「俺」のコンボイであり、漫画版は最後まで「俺」だったが、アニメ版では立場故か基本的に「私」を使っている。
歴代『ビーストウォーズ』のコンボイの例に漏れず重武装であり、主武装のビッグキャノンをはじめ、マンモストンファーやマンモスハーケン等の数々の武装を装備している。更にビッグキャノンにはマトリクスを収める事でマトリクスキャノンとなり、威力が倍増する。また、ビーストモードの鼻先からはマンモスダイナマイトと呼ばれる超振動波を発生させる事が可能。
なお、本作における「コンボイ」は名前であると共にサイバトロン軍の役職名のような扱いとなっており、彼の上官としてグレートコンボイ達が登場する他、漫画版最終回では、彼の教え子だったブレイク達がコンボイ(一軍の指揮官)となった姿が描かれている。一方、アニメでは訓練生の教習を終えた後、再びワンマンアーミーに戻った。
玩具はそれまでの『ビーストウォーズ』で培われたノウハウの集大成的なものとなっており、ロボットモードの各部関節の可動範囲や豊富なギミックが際立つ一品。ビーストモードの耳を後ろに引くと牙が上下に可動し、頭頂部のレバーを引くとマンモスの鼻が上がるギミックがある。ロボットモードの胸部には取り外し可能なマトリクスが収められ、ビッグキャノンや脚部のマンモスハーケンはスプリングの力でミサイルを発射可能。
後に海外では『Transformers Universe』シリーズとして配色を黒系統に変更したネメシスプライムがハズブロより発売(日本ではジャスコにて限定販売)。プライムの名を冠しているが、彼はユニクロンの尖兵であり、胸部に収められたデッドマトリクスはマトリクスの効果を打ち消すと言われている。更に2013年には水色と白の寒色系のカラーリングにリカラーされたウルトラマンモスがハズブロの会員制サイト・Transformers Collectors Clubにて限定販売されている。
ファイヤーコンボイ(カーロボット)
“熱い心に不可能は無い!”
CV:橋本さとし、英語版:ニール・キャプラン
消防車に変形するサイバトロン(ガー)の司令官。消防車(ファイヤー炎神:Fire engine)に変形するので、ファイヤーコンボイ……と思いきや肩書きは「炎の司令官」である。
G1コンボイに負けず劣らずの豪快かつ天然ボケ気質のせいでサイバトロンガー破壊大帝として知られている。最終回の言動からしても影の支配者としては申し分ない活躍である。基本的にレベルを上げて物理で殴るを地で行くド直球万歳な性格。「いい考え」がなくても何とかなり、悪運が強い。口癖は「熱い心に不可能は無い」(ゲルシャークに1度だけ「ある」と突っ込まれた)。
ゴッドマグナスと握手をする事によって合体することが可能で、合体後のゴッドファイヤーコンボイ(英語名はオメガプライム:Omega Prime)はアメコミでは全トランスフォーマー中最強の強さを誇り、不完全な状態とはいえあのユニクロンを完膚なきまでにボコボコにするほど。
人の良さも最強で、簡単に人を信じてしまうが、騙されたと気づいた後の言動は最凶であり、正義の味方らしからぬ追い討ち、ダメ押し、毒舌、連続攻撃をやってのける。決して怒らせてはいけない司令官の一人。ゲルシャークのギガトロンに対する忠誠心は高く評価しているが、彼が一句詠んだ時は「俳句じゃなくて川柳だ。面白くない。*」とバッサリ切り捨てた事がある。
ライオコンボイ同様、息子…ではないが彼から生まれ存在であるブラックコンボイがいるが、ブラックコンボイはサイバトロン時代より過激思想の政治犯だったうえ誕生する時ギガトロンに悪のスパークを注入されデストロンガーについてしまった。
双子の兄弟ゴッドマグナスや、親戚のアートファイヤーがいたりと、やたら家族構成がはっきりとしている。
玩具は同シリーズの第1弾として発売され、透明窓の付いたコンパクトな箱にビークルモードで梱包された初期生産版と、股関節部が砕けやすい初期生産版の欠陥を解消し、ロボットモードで梱包された後期生産版の2つがある。
メッキパーツや軟質素材製のゴムタイヤを採用し、ビークルモードの質感を高めた点はトランスフォーマーの祖たる『ダイアクロン カーロボット』譲りであり、外観もビークル・ロボット両モードで全く破綻がなく、ファイアーコンボイ時に余ったパーツ(車両後部)を組み替えて整備基地・トランスリベアとなる。更にファイヤーコンボイにビークルの一部のパーツ(ファイヤーナックルとトランスマイン)を取り付けた簡易的なパワーアップモードにも組み換え可能。
ギミックも豊富で、ビークルモードでは回転灯を発光させながらサイレンを鳴らし、ロボットモードでは数種のセリフをランダムで発する。梯子は実車と同様に延長可能で、先端部はスイッチ操作で放水銃が展開し、梯子の基部のスイッチを押すとスプリング仕掛けで発射可能な4基のミサイルランチャーが跳ね上がる。
更に余剰パーツと合体した強化形態・スーパーファイヤーコンボイとなる事も可能で、なおかつ合体モードでもほぼ全ての関節が可動する…などなど、前年の『トランスフォーマーG2』や『ビーストウォーズ』で培われたそれまでの技術の集大成とも呼ぶべき一品となっている。また、ゴッドファイヤーコンボイへのパワーアップ合体も劇中でゴッドマグナスと握手をするシークエンスを再現可能となっている。
ボディの一部をクリア素材に変更し、ゴッドマグナスとスーパーゴッドソードを同梱したトイザらス限定販売品や、『トランスフォーマーカーロボット』DVD&セルビデオの応募特典として抽選で100名にプレゼントされたブラックバージョンなど、その後も国内外でカラーリングを変更した多数のファイヤーコンボイの玩具が製造された。
ちなみに日本での『カーロボット』の人気は前年の『ビーストウォーズ』に比べて今ひとつだったが、海外のファンの間では最高傑作として今でも根強い支持を得ている。
これには『ビーストマシーンズ(ビーストウォーズリターンズ)』があまりにも鬱な内容で、アクの強すぎるキャラクターのデザインも相まって視聴率は落ち込み、玩具の売上も低迷、ビースト系ばかりでファンも飽きてしまった為か人気もなくなり、もはやトランスフォーマーも終わりか……という状況を一気に覆したという背景があった。
コミックでユニクロンさえブチのめす破格の扱いも、当然っちゃ当然だったり。ちなみにアメリカでこれほどオメガプライムが人気になったのは 9.11でファイヤーメンがヒーローになった からと言うのも理由の1つらしい。
アルマダコンボイ
“サイバトロン軍総司令官としてではなく、一人のトランスフォーマー、コンボイとして!”
CV:大川透、英語版:ゲイリー・チョーク
『マイクロン伝説』では、トレーラーに変形するサイバトロン軍総司令官。放送時は単にコンボイと呼ばれていたが、後年では他のシリーズのコンボイと区別する為、英題『Transformers Armada』から引用したアルマダコンボイと呼ばれる事もある。
今までのコンボイに比べると冷静沈着な性格ではあるが、序盤はこれまでの司令官に比べ影が薄かった。また、敵であるスタースクリームを受け入れる懐の深さやラッド達の拳で突き合う挨拶をホットロッドと一緒にやるノリのいい一面も見せている。割と出来た性格だが、終盤でダブルフェイスに「お前の本性は戦いが好きなトランスフォーマーだ。」と内なる好戦的な本性を指摘され、ユニクロンとの戦いを終えた後「マトリクス…今の私に持つ資格はない。」とマトリクスを放棄してしまう。
前年のファイヤーコンボイと同様に、ビークルモードで牽引している後部コンテナと合体し、スーパーモードにパワーアップ可能で、合体シーンは足から手が生える。中盤以降ではジェットファイヤーとの合体形態「ジェットコンボイ」や、ウルトラマグナスとの合体形態「マグナコンボイ」も披露。ジェットファイヤーやウルトラマグナスと同時合体した究極形態「マグナジェットコンボイ」にもなれるが、劇中ではこの姿で戦う事はなかった。勿体無い…。
後半にて地球を守るため一時的に死亡してしまうが、マイクロンとマトリクスの力で復活。終盤では見た目も中身も黒いファイナルバトルカラーになり、ブルース・リー顔負けのアクションを見せる。最終クールでの熱い展開は感涙必至である。
携行武装のコンボイガンや腕部に備えられた排気筒型の速射砲ダブルカットアウト、更に組み合わせた両腕を振り下ろす事で光球を撃ち出すビッグパンチを主な武器とし、更にパートナーマイクロンのプライム(英語版ではスパークプラグ)とのエボリューション(合体)で必殺技「マックスファイヤー」が発動する。劇中ではスーパーモード以外でエボリューションする事はなかったが、プライムがコンテナを操作してコンボイのサポートを行うシーンがある。
玩具は赤外線を利用したコンテナの自動変形と合体が可能な物の他に、コンテナを廃し可動を重視した小サイズのスタンダード版が販売された。スタンダード版にはプライムの代わりにSF風のジェット機と銃に変形するマイクロン・サージが付属し、背部に合体させて上下に動かすとパンチアクションを繰り出す。
劇中ではコンボイ、ジェットファイヤー、ウルトラマグナスの3体合体は果たせなかったものの、日本ではトイザらス限定販売品としてこの3体の配色を変え、セットにした商品が発売されている。
グランドコンボイ(スーパーリンク)
“私の名を言ってみろ!”
CV:小西克幸、英語版:ゲイリー・チョーク
設定上は前作『マイクロン伝説』のアルマダコンボイと同一人物だが、前回における最終戦でのはっちゃけが後を引いているのか、以前の面影が見えない程の暴れん坊で、豪快な人。『マイクロン伝説』で合体したジェットファイヤーからグランドフォース→ウィングセイバー→オメガスプリームと次々に合体相手を乗り換えたプレイボーイでもある。ちなみに合体後の呼称はちゃんとあるにも関わらず、劇中では何故か全て「グランドコンボイ」で統一されている。
ウィングコンボイ「ウィングコンボイと呼んでくれ!」
ロディマスコンボイ&ホットショット「「グランドコンボイ」司令官!」
ウィングコンボイ「おっぷ・・・。」
ロディマスコンボイ&ホットショット「「おっぷ・・・。」」
オメガコンボイ「お前たち・・・覚悟はできてるだろうな!」
ビルトロン「誰かと思えば・・・。」
ブルーティカス「グランドコンボイか!」
オメガコンボイ「オメガコn」スペリオン「グランドコンボイ司令官!」
オメガコンボイ「おっぷ・・・。」
余談だが、グランドコンボイの玩具はスーパーモード時のプロポーションを重視しているのと音声ギミックをボディに内蔵する都合上、手足の大きさに対して通常時のボディが肥大化しており、一部のファンからは「ドスコンボイ」、「曙コンボイ」と揶揄されている(英語圏でも同様に「Fatimus Prime」(太ってます・プライム)と呼ばれている)。
また、『Energon』版の初期製造分の玩具には『ビーストウォーズ』のコンボイのようにマスクの口の部分が露出した造型のものがあり、同シリーズの玩具に付属するカタログ兼コミックでもわざわざ口が描き加えられたコマがある。
日本版で発売されるにあたって音声ギミックは削除され、一部の成型色が変更されたほか、スーパーモード時の胸部が銀メッキ加工されている。
ギャラクシーコンボイ(ギャラクシーフォース)
“宇宙を守れ!トランスフォーム!”
CV:楠大典、英語版:ゲイリー・チョーク
消防車に変形するサイバトロン軍総司令官。消防車にしてはヤケに物騒な物がそそり立っているが決して軍用車両ではない。2017年現在、日本においてコンボイの名を冠する最後の司令官でもある。他のシリーズと違って部下には「総司令官」と呼ばれている。
マイクロン三部作に於ける合体パターンはしっかり受け継いでおり、ライガージャックが腕として合体する事で「ライガーコンボイ」となり、ソニックボンバーが背部に合体すると「ソニックコンボイ」となる。合体時のシークエンスは勇者シリーズさながらでやたらカッコいい。通常時は『ビーストウォーズ』のコンボイと同様に口の周りが露出しているが、合体時にはマスクが展開する。
仲間に対して厳しくも優しく見守っており、彼らからの信頼も厚いが自分の立場について悩む一面もある(直後にベクタープライムに殴り飛ばされたが)。G1コンボイやファイヤーコンボイ程ではないが天然なので、冗談を真に受けてしまう一面も(第8話)。敵に対しては度々容赦せず、リンクアップもしくはイグニッションで返り討ちにしている。勇者パースの使い手でマスク割れも再現されているが、やや分かりづらい。
マスターガルバトロンとの最終決戦後はドレッドロックをサイバトロン軍総司令官代理と宇宙連合の議長に就任させて、新スペースブリッジ建設隊のリーダーとして旅立った。エンディングのラストではコビーとローリの結婚式に出席しているが、その大きさ故に写真は頭しか映っていない(因みにこのシーンは本編終了から10年後の世界)。更に最終回では「私にいい考えがある」を使っている。
玩具はファイヤーコンボイに劣らず非常に出来が良く、ギミックやプロポーションに優れた一品となっている。同シリーズの特徴としてフォースチップを使ったギミックがあり、スーパーモードのバックパックにあるスロットにチップを挿入すると、バックパック右側のローラーキャノンはスプリング発射可能な2基のミサイルランチャーが展開し、左側のギャラクシーロックレーザーは砲身が開いてギャラクシーブラストレーザーとなり、チップ挿入前と発射音が変化する。
余談だが、担当声優の楠大典氏は『カーロボット』にて悪のコンボイ「ブラックコンボイ」を演じており、この配役が決定した時は非常に喜んだとか。後に彼は実写映画版でジャズを演じている。
漫画版を描いた岩本先生のイメージは「美味しいところを持っていく中々の策士」。アニメ版と比べるとクールで闘志の熱いリーダーとして描かれ、スーパーモードにならずともマスターメガトロンをパンチ一撃で倒している猛者。
海外版では『マイクロン伝説』のコンボイ、『スーパーリンク』のグランドコンボイは同一人物だが、(大人の事情で)日本語版にこの設定は適用されていない。
トランスフォーマーアニメイテッド)
“オプティマスプライム、ハトのものまねをやります!ホロッホー♪”
CV:デビッド・ケイ、日本語版:高橋広樹
アニメの司令官としては初めて原語版と同じオプティマスプライムの名となった。
子供には長くて覚え辛そうだが、実写映画版とは色々連動しているらしいので引き続きこうなった。同作に登場するTFの例に漏れず立派なアゴをお持ちだが、彼の玩具は割とバランスが取れたアゴに造型されている場合が多い。
とある理由でエリートコースから外れ、ワケありな事情を持つ部下達を引き連れて辺境のスペースブリッジ修復といった地味な任務に就いていたが、色々あって地球ではオートボットの代表となる。リーダーとしての素質はあるものの、若さゆえに判断を誤ることが多く、度々仲間を危険な目に晒してしまうが、終盤はジャズと共にブリッツウィングの捕縛に成功している。苦手なものは蜘蛛。
変形する車両は消防車…という事になっているが、消防車の車両後部の部分がごっそりと無くなっていて、一部の回ではトラック用のコンテナまで牽引していた事から実質トレーラーと言っても間違いは無いだろう。
武器は伸縮自在の斧ウルトラアックスや腕から発射されるウルトラアンカーの他、投擲武器を投げつけたり消化剤を撒いたりと、多種多様な装備類を持つ。
バンブルビーから「(名前)長くない?」と言われ、略称を検討した事もある(その時「コンボイでいいじゃん。」という意見が出たが「それはダメ…かな。」と却下している)。結果「オプティマスプライム、プが二つで“ププ”」という名称をバンブルビーが思いつき、予告中ずっと弄り続ける。その間オプティマスは一切噛む事無く「オプティマスプライムだ!」と訂正し続けた。これだけ言い続ければ、流石にテレビの前の良い子達も名前を覚えられたのではないだろうか。
吹き替え版の中の人はかつて『ビーストウォーズⅡ』でスタースクリームとマンティス、『カーロボット』でギルドーを演じている。この作品(吹き替え版)は出演陣の大半がかつてのTF作品出演経験者だが、高橋氏は数少ないBWⅡ出演経験者。同作ではスタースクリームを演じていたせいか、スタスクの名が挙がるとつい反応してしまいそうになった事も多々あったそうな。そして原語版の中の人はなんと『ビーストウォーズ』やユニクロン3部作でメガトロンを演じたデビッド・ケイ氏である。
司令官オプティマスプライム(トランスフォーマープライム)
“宇宙の平和を守る為、日夜ういろうを食べて頑張っている!”
CV:ピーター・カレン、日本語版:森川智之
オートボットをまとめる司令官。G1コンボイと同じくかつてはオライオンパックスという名であり、サイバトロン星の古代遺物を管理するアイアコンの司書官だった。原語版の中の人はG1シリーズや実写版でお馴染みのピーター・カレン。日本語吹き替え版の中の人は『ビーストウォーズメタルス』ではメタルスジャガーを演じていた。
ディセプティコンによるサイバトロン星襲撃から逃れ、ラチェット、アーシー、バンブルビー、バルクヘッドと共に地球で活動している。冷静沈着な性格で、ライオコンボイのようにディセプティコンとは和解を求めている。だが、その甘さを旧知の仲であるラチェットに指摘されることもあった。
実写映画版のオプティマスのようなボンネットタイプのトレーラーに変形し、必要に応じてコンテナを牽引する事もある。武器は両腕が変形するブラスターとブレードで、戦闘能力はメガトロンとほぼ互角。
日本版の予告ではういろうやひつまぶしが好きだと言ったり、ラチェットに「プライムってさー、昔コンボイって名前だったよなー。」と前述のアニメイテッドと似たような事を言われたり、自分が番組に出演していることを忘れてラチェットに「君は出てるじゃないか!」とツッコまれ「テヘペロ。」と答えたりと、コミカル?な一面もみせる。
オライオン時代は文献を読みふけっている本の虫だったが、やがて現在の腐敗した政治体制に疑問を抱くようになり、革命家メガトロナスに接触。彼と親友になり、片腕として真の自由を手に入れるべく活動を始めた。政治家メガトロンとなったメガトロナスとオライオンは次期プライム候補として民衆の支持を集めるが、攻撃性を増していくメガトロンと共存を望むオライオンは徐々にすれ違いはじめ、次期プライムを決める会議で互いの主張をぶつけ合った結果、メガトロンよりも支持を集め、親友を蹴落とす形で新たなプライムとなった。
これがきっかけでメガトロンはディセプティコンを結成して武装蜂起。サイバトロン星を徐々に破壊していく。オライオンは星を救う道を創造神プライマスに求め、プライマスからマトリクスを授けられ、プライマスが認めた最後のプライムである「オプティマス・プライム」に転生するが、メガトロンの暴走を食い止めるには至らず、サイバトロン星は滅亡を迎えてしまった。彼がディセプティコンとの和解を望んでいるのは、この苦い経験から来ている。
その後はエネルゴンが豊富な地球に生き残ったチームと共に移動し、アメリカ政府から与えられた秘密基地「オメガワン」にて宇宙に散ったオートボットに呼びかけ静かに暮らしていたが、ディセプティコンの母艦ネメシスの発見やメガトロンの帰還をきっかけに戦いを始める。当初は和解を呼びかけていたものの、メガトロンがラフに重傷を負わせた(後にジューンとラチェットの救命医療によって一命を取り留めた)事によって覚悟を決め、攻めの姿勢に転ずる。
中盤、地球そのものであったガイアユニクロンを封印する為にガイアユニクロンに切り捨てられたメガトロンと手を組み、マトリクスの力で封印に成功するが、その代償としてオライオン・パックスに戻った挙句、それまでの記憶を失ってしまう。
オライオンに戻った彼はメガトロンに偽りの情報を吹き込まれ、ディセプティコンの一員としてエネルゴン鉱山で働いていた。だが、メガトロンの立ち振る舞いに徐々に疑問を抱くようになり、ベクターシグマの鍵を託されたジャックに記憶を再アップロードされた事でプライムとしての記憶を取り戻し、オートボットへと復帰。
後に世界各地に散らばった古代遺物を巡る戦いでは、神器の一つ「マトリクスセイバー」を入手し、更にかつての師匠でもあったアルファ・トライオンとの対話からサイバトロン星を復活させる鍵となるオメガキーとオメガロックの存在を知る。
幾多の困難の末にオートボットは何とかオメガロックの起動に成功したが、不運にもディセプティコンによって子供達を人質に取られてしまう。やむを得ずオメガロックをディセプティコンに明け渡してしまうが、メガトロンの目的はサイバトロン星の復興などではなく、地球を金属化させる事だった。
子供達の悲痛な声を聴いたオプティマスは、オメガロックを破壊することで地球金属化計画を妨害するが、僅かなエネルギー放射でサイバトロン星を復活させたメガトロンによって「母星の復活を阻止した大罪人」と断じられ、直後に総攻撃を受けてしまう。もはやこれまでと判断したオプティマスはグランドブリッジでメンバーを逃がし、一人ディセプティコンの大群に立ち向かうのだった(日本版はここで完結)。
※以下、『ビーストハンターズ』のネタバレ注意
続編にあたる『ビーストハンターズ』(日本未公開)では、フェイズシフターを確保していたスモークスクリーンによって瓦礫の中から救出され、レーダーに映らない岩壁の中に匿われていた。
だが、自らの死期を悟っていた彼は遺言としてスモークスクリーンを自らの後継者に選び、ソラスプライムハンマーによるオメガロックの復元とマトリクスを託す事を伝えるが、機能停止寸前に精神がオールスパークの中に飛ばされた際にアルファトライオンと再会。「まだ死にたくない」という本心を伝えるが、無情にも現実世界の体は機能を停止し、マトリクスも体外に排出されてしまう。
しかし、彼の死を認めなかったスモークスクリーンによってソラスプライムハンマーの全エネルギーを吸収し復活。その結果、より攻撃的で刺々しいデザインに生まれ変わり、本作のオートボットの中で唯一飛行が可能となった。ビークルモードはファウラー捜査官が用意した、G1コンボイを彷彿とさせるキャブオーバータイプの軍用トラック(見方によっては装甲車かも)をスキャンした。
オートボットとアメリカ軍のダークマウント要塞攻略戦に参戦し、新たに手に入れた飛行能力でメガトロンを圧倒、オートボットを勝利に導いた。その後は作戦指揮官ウルトラマグナスの指示に従い、巨大フュージョンキャノン破壊作戦に参加。フュージョンキャノンの無力化と、今まで辛酸を舐めさせられ続けたメガトロンへのリベンジを果たし、ジャスパーを奪還した。
敗走したディセプティコンがサイバトロン星の古代生物「プレダコン」の復活を企んでいる事を知ると、「ビーストハンターズ」としてディセプティコンとの化石争奪戦を展開。強いエネルゴン反応を示すディセプティコンの拠点を発見し、ショックウェーブの研究所をレッカーズと共に爆破。ついでにサウンドウェーブを捕らえ、プレダコンのボスプレダキングとも互角に戦うが、その隙にサウンドウェーブに逃げられラチェットを人質に取られてしまう。
プレダキングがディセプティコンに反旗を翻した隙に逃げてきたラチェットからメガトロンが巨大オメガロックによる地球金属化計画を企んでいる事を知り、オートボットの全戦力を投入して戦艦ネメシスに突入。ダークエネルゴンセイバーを持ったメガトロンと直接対決に挑むが、メガトロンの最期はバンブルビーによってとどめを刺される形となった。ディセプティコンの脅威が去った後は、オメガロックを使用してサイバトロン星を復活。復興の為に子供達と地球に残留したラチェットに別れを告げ、去って行った。
完結編『プレダコン・ライジング』では、バンブルビーに戦士の洗礼を施すと共にマトリクスセイバーを託し、自身はホイルジャックと共にプライマス復活の為、宇宙に打ち上げられたマトリクスの捜索に向かう。マトリクスは無事回収に成功したが、プライマス復活に呼応して封印の解けたユニクロンがサイバトロン星を攻撃している事を知り急行。
メガトロンの死体を乗っ取ったユニクロンと対決し、戦闘中オールスパークを体内に取り込み空になった吸引器を利用してユニクロンのスパークそのものを封印することに成功。オートボットのメンバーに別れの言葉と共にプライムの時代の終焉を告げ、マトリクスとオールスパークを自らの肉体ごとプライマスに返還。故郷と一つになり消えたのだった。
オプティマスプライム(レスキューボッツ)
CV:ピーター・カレン
『プライム』と世界観を共有している為、(外見こそ全く違うが)『プライム』版のオプティマスと同一人物という設定になっている。
レスキューボッツ達がまだディセプティコンと戦える段階ではないと考え、地球の文化やチームワーク、ルールと命の大切さを学ばせる為に地球にある科学(と災害)の盛んな街・グリフィンロックへと向かわせ、そこに住む救助隊のバーンズ一家とチームを組ませた。普段はレスキューボッツ達にモニター越しで指示や助言を与えるが、チームやグリフィンロックを救う為に自ら行動することも。
シーズン3から他のレスキューボッツと同様にダイノボットのような恐竜モードを手に入れ、グリムロックのようなティラノサウルス形態にもトランスフォームが可能になった。玩具のロボットモードはまるでビーストメガトロンに似ている。
ハンターオプティマスプライム(参乗合体トランスフォーマーGo!)
CV:森川智之
日本における『プライム』版オプティマスと同一人物である(『ビーストハンターズ』版オプティマスと同一のデザイン)。武器は前作プライムの劇中のマトリクスセイバーと同じデザインの「マトリクスセイバーⅡ」と、ブースターとしても使える「オーピーランチャー」。
ソードボットらの危機に加勢するべくオプティマスエクスプライムにパワーアップ。二振りの巨大な刀「ザンゲキ刀」を武器とする。新たに新幹線と東洋風の龍への3段変形能力を得ており、ケンザンやゲキソウマルとの連結参乗合体も可能。
オプティマスプライム(トランスフォーマーアドベンチャー)
“バンブルビー、いい仲間ができたな。”
CV:ピーター・カレン、日本語版:楠大典
アニメ『トランスフォーマーアドベンチャー』におけるコンボイ。海外では『トランスフォーマープライム』の続編にあたる作品とされており、3Dモデルはトゥーンレンダリングに変化しているもののプライム版オプティマスに近いデザインとなっている。
先の地球での闘いで消息を絶ち、現在は行方不明となっている。生死すら定かではなく、周囲からは「伝説の司令官」とも言われている。その為、本作では主人公の座をバンブルビーに譲っている。
サイバトロン星で活動するバンブルビーの前に突如姿を現し、地球へ向かうように諭す。第2話では、デニーの乗る車を圧し潰そうとするアンダーバイトをすんでのところで静止する形で出現。オートボット達に地球に迫る大きな危機を予見し、地球に滞在してその危機に備えるように指示する。リーダーとしての責任に不安を抱えるバンブルビーを激励し、再び霧のように姿を消した。
その後もたびたび登場するものの、バンブルビーにしか認知することが出来なかったり、「地球にいられる時間が限られている」、「本当に助けを必要とした時しか話すことを許されていない」と発言するなど、行動に制限を課せられている節がみられる。実際はプライムのエリアと呼ばれる謎の空間でマイクロナス指導のもと来るべき戦いに備えて修行を行い、プライムソードを託されたがメガトロナスの地球襲来の際に歴代のプライムたちのスパークを注入された事でシュプリームモードへと進化。地球へ降り立った。
メガトロナス討伐後は、これからは同志として共に戦おうとチームに加わることとなったが、マイクロナスにスパークを返還することになり、(姿こそ変わらなかったものの)衰弱してしまう。それからは弱った体で遠征チームに加わった為に、相変わらず自分を顧みない行動を取り、若い仲間との齟齬が目立った(と思いきやベテランの機転と真っ赤な言動を利かせて仲間を助けるというオチではあった)が、徐々にチームワークが良くなると共に体力も回復していった。
しかし、ディセプティコン島での戦いではバンブルビーを心配してあれこれ口を出す余り、子供扱いされたと感じたバンブルビーに反発されてしまい、ムキになった彼と不和を起こして指揮系統が乱れてしまう。だが、スチールジョーとの決戦では今までの不和は一体何だったのか、と言わんばかりの連携で勝利し、そして成長したバンブルビーを良きリーダーと認めてサイバトロン星へ去っていった。
その後、スタースクリームの来襲に際し再び地球に降り立つこととなる。
声を担当した楠氏は、前述の『ギャラクシーフォース』のギャラクシーコンボイ、『カーロボット』のブラックコンボイを演じており、本作が実質3度目のコンボイとなる。
オプティマスプライム(キュートランスフォーマー)
“オイルが漏れてるんだ!(汗)”
CV:細谷佳正
2014年にトランスフォーマー生誕30周年を記念して制作された、チョロQとのコラボ企画におけるコンボイ。ビークルモードは『ロストエイジ』と同様のウェスタンスター・4900SB風のチョロQ。ロボットモードもそれに準じ頭身がデフォルメされた愛らしいデザインとなっている。ただし、カラーリングは実車映画版に比べてやや青の比率が多め。また、玩具独自シリーズ『オルタニティ』のニッサンGT-R R35に変型するバージョンや、G1のデザインを継承したフレイトライナーバージョンも存在する。
同年8月から配信されたゲームアプリ『帰ってきたコンボイの謎』、更に2015年から放送された同名のアニメで主人公として登場している。久々に饒舌キャラ設定となったバンブルビーと、敵勢であるはずのロックダウンと共に和やかに雑談を繰り広げる。
基本的に、前述のアプリを熱心にプレイしつつ、ロックダウンからの辛辣な問答に答える形で各回の議題を掲示する役目を担っている。『コンボイの謎』が世間で「クソゲー」として定着していることを頑なに否定し、クソゲー呼ばわりするロックダウンに文字通りツッコミを入れ「クソゲーではなく無理ゲーだ!」と訂正したりと、やや几帳面なところがある。だが、そんな彼も第二期ではとうとうクソゲーと認めたらしく「あんなクソゲーの事はもう忘れてくれ!」「あんなものは所詮謎ボイのコンだ!」と第一期の内容を全否定する発言をした。
一方で、議題パートでは他の二人に比べなかなか具体案を出せず、何とか絞り出しては見たものの二人からダメ出しを食らったりツッコまれたり、更にはとっさにボケを重ねられたりと、何かとイジられ役に回される場合が多い。色んな意味で応援したくなる司令官である。
最近では制作側からもイジられる機会が多く、30秒CMで長文の台本を与えられたり(自分の声優の名前を噛んだり)、お台場デックス東京ビーチとのコラボイベントの告知でもエピソードトークを披露させられたりするなど、毎度大量のオイルを漏らしながらも真面目に仕事をこなしている。
なお、タイトルにガッツリ「コンボイ」と書かれているが、本作の彼はあくまでもオプティマスプライムである。
因みに声を担当する細谷氏は、過去に実写映画版トランスフォーマー第1作目にてサムの友人マイルズ・ランカスター(演:ジョン・ロビンソン)の吹き替えを担当している。また、第二期においてはエンディングテーマを歌唱している。
アニメ以外
コミック版G1
CV:ピーター・カレン(コマーシャル)
コミック版G1シリーズにて、一度絶命したオプティマスが新たなボディで復活した姿。パワーマスターオプティマスプライムと呼ばれる。トレーラーと合体することでスーパーモードにパワーアップできる。パートナーのパワーマスターは、ネビュロン人の化学者ハイQ。
マトリクスは以前のボディに残されそのまま行方不明になってしまい、オプティマスは来るユニクロンとの決戦のため、オートボット戦士たちにマトリクス捜索を命令する。しかし、マトリクスを手に入れたのはディセプティコンプリテンダー部隊の指揮官サンダーウィングだった。
サンダーウィングに奪われたマトリクスは邪悪な性質を持ってしまい、サンダーウィングを乗っ取りオートボットたちを攻撃するが、サンダーウィングはユニクロンに破壊され、マトリクスはオプティマスの手に戻り浄化された。
オプティマスはスコルポノック(日本版のメガザラックにあたるがキャラクターはかなり異なる)率いるディセプティコンと同盟を組み、ユニクロンに立ち向かうが、ユニクロンとの戦いでスコルポノックは戦死、オプティマスもマトリクスの力を解放し絶命、その命と引き換えにユニクロンを倒し、トランスフォーマーという種族の未来を守った。
その後、オプティマスは死の直前、ハイQの脳内に自分の頭脳データを転送していたことがわかり、ラスト・オートボットの力でハイQをコアにして復活。
オプティマスたちの活躍で、ついにオートボットとディセプティコンの長きにわたる戦争は終わりを告げたのだった。
このオプティマス(コンボイ)は日本ではコンボイとは別人のジンライとして登場し、邦訳版コミックもないため、日本での知名度はあまり高くはない。
一方アメリカでは人気が高いのだが、リメイク玩具がなく、まだかまだかとリメイクを待ち望んでいたファンも多かった。
2016年、トランスフォーマージェネレーションズ・タイタンズリターン第1弾でリメイク版が発売。パートナーがタイタンマスターのエイペックスに変更され、トレーラーと一体変形するためパワーマスターとの合体や中間形態は再現されていないが、やっとファンの待ち望んでいた新生パワーマスターオプティマスが登場した。
日本では各部のパーツの形状を変更し、『トランスフォーマーレジェンズ』にて「LG35 スーパージンライ」として発売された。
リターン・オブ・コンボイ
“スーパーねえ?スーパーマーケットなら知っているぞ。”
CV:玄田哲章(TFテレフォン)
G1シリーズ末期の日本で独自に展開された玩具シリーズ『リターン・オブ・コンボイ(ザ☆バトルスターズ)』に登場した際はスターコンボイという名前になった。同作は『Z(ゾーン)』の後という設定だが、G1コンボイと同一人物であり、いつの間にかデストロンに盗まれていたコンボイの遺体を回収し、超新星エネルギー・ゾディアックの力によって蘇生したもの。第何次性徴か知らないけれど元の身体から更に巨大化している(グラビアでは復活前からマイクロTFの戦艦と基地になるスカイギャリーと同サイズ)。
トレーラーの他にマイクロトランスフォーマーの前線基地に変形する事が可能で、スカイギャリーやグランダスと合体して「3連合体バトルスターアタック」と呼ばれる必殺技を繰り出す事もできる。
後述の「ユナイトウォリアーズ」には直接の登場はしないものの、物語のクライマックスで後の世界に於けるその存在が仄めかされている。
G2
メガトロンと和平を結ぶも、人類とのすれ違いを起こしたメガトロンと相対することになってしまう。
このとき、初代に近い姿であるミサイルトレーラー型の通称G2コンボイに変化。更にマトリクスの力でタンクローリーに変形するバトルコンボイとなった。
キスぷれ
CV:玄田哲章
『ザ・ムービー』と『2010』のミッシングリンクとして作られた『キスぷれ』では、『ザ・ムービー』で絶命したG1コンボイ本人という設定。絶命後、オートルーパーを取り込み、少女メリッサ・フェアボーンとパラサイテック融合を果たす事で一時的な蘇生を遂げた。時系列では、この姿はロディマスコンボイの後の登場になる。
玩具の商品名は「コンボイ feat.ダッジ・ラム×メリッサ」。『バイナルテック』の海外シリーズ『ALTERNATORS』(オルタネイターズ)で発売されていたオプティマス・プライムの塗装を変更したもので、ピックアップトラックのダッジ・ラムSRT-10に変形。ロボットモードでは、サーフボードが変形した剣を持たせる事が可能。後にこのコンボイとは別に、『バイナルテック』仕様のダイキャスト製のコンボイも発売されている。
シャッタード・グラス
“till all are gone!”
善悪が逆転した世界のオプティマスプライム。生きとし生ける者全ての敵、歩く自然災害、話す近所迷惑高笑いの鬼畜外道と、今までのコンボイとまったく正反対な極悪非道。通称汚プティマス。ただ、どちらかと言えば「G1コンボイの若干ながら強烈に印象に残る鬼畜な部分を抽出して培養した」ようなイメージである。正真正銘の「破壊大帝」であり、原語版でも彼の肩書きは「Emperor of Destruction」となっている。
コンボイ・モードエヴァ
“ウオオオォォォォォ…!!”
玩具独自シリーズ『トランスフォーマー マスターピース』の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とのコラボレーションによって生まれたコンボイ。コンボイがEVA初号機をスキャンした形態で、カラーリングが初号機と同じになり、マトリクスのクリスタル部分やエナジーアックスのカラーが赤に、右肩のサイバトロンエンブレムがNERVのロゴマークになっている。また、身長が使徒と同じ大きさにまで伸びた。
タカラトミーモール内のWeb小説では、スタースクリームの亡霊と第3使徒・サキエルが一体化した使徒スクリームと戦った。
『War for cybertron』シリーズ
CV:ピーター・カレン
海外でのみ発売されたゲーム『War for cybertron』シリーズでは、オートボットの若きリーダーで、サイバトロニアントラックに変形する。当初はただのオプティマスであり、プライムとして認められていなかったが、作中でプライムの名を正式に受け継ぐ。(本作には先代のプライムとしてゼータプライムというキャラクターが登場している)
障害物を力任せに破壊するエネルゴンアックス、メガトロンに一杯食わされる、"I have a Plan.(私にいい考えがある)"など、かつてのG1コンボイを意識した見どころが盛りだくさん。続編の『Fall of Cybertron』では、それまでの曲面を主体としたボディから、より初代コンボイに近い角張った武骨なボディへと変化している。
ゲーム中では全くと言っていいほど関連性がないが、一応前述のプライム版オプティマスの若き頃(サイバトロン星にいる頃)の活躍……という設定がある。矛盾点もチラホラ見受けられる事から、ファンには両者共に別人として扱われる事が多いが、双方の世界観の繋がりを明確にした小説が後に発売されている。
ユナイトウォーリアーズ
いきさつは一切不明だが、ラチェットに修復される姿で登場。ワンダリングローラーに妨害されかけるもラチェットとオラクルの尽力で無事復活。
アイアンハイド、リジェ、プロール、サンストリーカーと合体し、コンボイグランドプライムが完成する。
しかし、TFとしては余りにも生死を繰り返し過ぎたが故にオラクルの力を持ってしても彼に与えられたのはたった七日の命だった。ユニクロンとの戦いの後、復帰したローラー以下サイバトロンはその事実に悲しむも、せめて悔いは残すまいと全員で海に行ったりサッカーに興じたりと楽しい思い出を沢山残した。そして復活から7日後、コンボイは永眠。
その後遺体は花の敷き詰められた棺桶に納められて安置され、その警護はローラーが行う事になる。
しかし「自分の力を超える、宇宙創造に匹敵する力があればコンボイはまた復活出来る」と言うオラクルの発言や、漫画のラストに示された地球の奥深くで胎動する「とある物体」の存在から、いつの日かスターコンボイとして復活する事が示唆されている。
余談だが、再び死を迎えたコンボイの納められた棺は「リターンオブコンボイ」のグラビアにてコンボイの遺体が納められていた器とデザインがよく似ている。
また、コンボイグランドプライムのデザインはその名の通り、グランドコンボイがモチーフの1つになっている。
レジェンズ
恐らくまだLGシリーズの玩具が発売されていないためか、漫画には登場はするものの本人が出てきた回数は数えるぐらいしかない。
一応レジェンズ世界の事は復活を果たしたメガトロンから聞かされて知っているものの、「自分たちが玩具として販売されている世界」と言う非現実的な言葉に首を傾げており、終いにはとうとう耄碌したんじゃないかなんて言い出す始末である。(当然メガトロンは不貞腐れ、一人でレジェンズ世界に行ってしまった。)
という訳でレジェンズ世界の住人に於ける「コンボイ」は専らジンライを指す。当然本人は訂正を求めているが、知名度(ラットル談)と言う超えるに超えられない壁の所為で中々定着してくれないようだ。
ただし、レジェンズに登場するスーパージンライのトランステクター本来の出自を考えると、「コンボイ」呼びもあながち間違いではないのが皮肉である。
その他G2のバトルコンボイとして登場し、戦死したウルトラマグナスの復活の為に再構成マトリクスの力をアルファートリンに託す。