概要
とある魔術の禁書目録
上条当麻の右腕が破壊された場合に、その切断面などから出現する竜の頭の形状をしたなにか。
上条の右腕に宿る幻想殺しとの関係は不明。
初めてこの「竜王の顎」が現出したのは原作2巻において、錬金術師アウレオルス=イザードが上条の右腕を能力で切断した時である。
その大きさは上条本体に並ぶほど巨大で、まるで恐竜のような大口を開けていた。色はガラスのように透明であり、材質は不明。
アウレオルスの能力は現実を改変する能力であり、「負ける」という意思があったのでこのように現実が改変され、アウレオルスの恐怖と焦燥がこのような形で溢れ出たのではないか、という説もあるが、上条はアウレオルスの想像とは無関係なのでは?と疑問を呈した。
暫くその存在は忘れ去られていたが、旧22巻で右方のフィアンマに右腕が切り取られた際に「謎の力」が上条の肩口から姿を現す。
フィアンマが放った力は確かに惑星を塵にし、十字教のあらゆる神話を再現し得る程の莫大な力だった。しかし謎の力はその力をも容易く切り払い、上条の意思で顕れたさらに別の力によって消滅、その余波で右腕までが完全再生した。
22巻で現れた力は「竜」の姿をとっていなかったが、竜王の顎はアウレオルスが上条の奥底に潜む何かを連想したのではないか?と2巻の伏線がすぐ話題に上がり、次第にアウレオルスが再評価されるようになった。
もっとも、アレイスターの発言や記憶喪失前の上条が幻想殺しの謎を知っていた可能性がある件も含めて、一介の平凡な高校生という上条のアイデンティティーも崩壊したわけだが…。
その後、新約4巻バゲージシティ編のオティヌス戦で右腕を失った際に同様の力が現れたが、オティヌスには雑魚扱いされ一瞬で握りつぶされていた。
また上条は新約9巻でオティヌスと共に何千億回もループを繰り返し、何度も彼女に殺されているのだが、その世界の一つが描写された際、右腕に「正体不明の力」が集まり実際に出現しかけた事がある(未遂に終わっている)。
新約15巻のオティヌスの発言によると、謎の力の正体は大体予想できているらしいが、木原加群が生きていれば予想に確信を与えられたのだという。
なお、新約14巻における上里翔流との対決で『幻想殺し』が吹き飛ばされた際もそれらしいものが出現しており、その際は上里の理想送りを無効化した挙句に彼に瀕死の重傷を負わせている。
あくまで幻想殺しは異能を打ち消すだけの力だが、竜王の顎は物理的攻撃力も有するようだ。
これについて上条自身は「以前とは違うモノではないか」という予測をしているが依然、正体は不明である。
新約18巻でエイワスはこの力を指してか「成長」「純度」と言っていたが、エイワスに言わせるとまだ完全ではないようで、たったの2行で握りつぶされている。
とある科学の超電磁砲
外伝作品『とある科学の超電磁砲』の大覇星祭編の終盤(つまり、原作小説やアニメでカットされた部分)、木原幻生の暗躍で怪物化した御坂美琴との戦いにおいて、再びその姿を見せる。
その際は一頭では処理しきれなかったのか、他に7種類のドラゴンの首が出現し、文字通り御坂美琴の呼び出した、削板曰く「別の世界から来た何か(ダークマターorテレズマ?)」を喰らい尽くした。
まるで異能の力そのものを貪り食うようにして美琴を元に戻すような描写が有る事から、「幻想殺し」の本質はこの「竜王の顎」が成長する為に異能の力を文字通り喰らう事による現象だと推測されるが、詳細は不明である。
また、異能の消去以外にも特殊な力があるらしく、天使の様な意匠をした竜の一体に、羽を突き刺した相手を魅了するという能力がある事が現在判明している。
恐らくそれ以外の竜にもそれぞれの竜に対応した能力があると思われるが、詳細不明。
アウレオルスの記憶が消えた原因も竜の力である可能性も出てきた。
考察
竜には自然信仰の見地から「自然の化身」としての意味合いがあり、つまり一種の神なのである。伝説にも竜討伐後にその土地が衰退したというものもあり、幻想殺しは「地球、もしくは世界の復元能力」と推測する事もできる。
追:実際に世界を作り変えられる程の力を持った魔神によると「世界の基準点」「バックアップ」としての役割を持つらしく、竜との関連性は兎も角、この説は正解に近いのかもしれない。
またアレイスターの発言で右腕、幻想殺し、神浄は「オシリスの時代」の力ではなく「ホルスの時代の力」である事が示唆されている。
ファンの間では力の正体はセレマの神格とも推測されており、特に「右」との関係が強い「ハディート」説を提唱している者も割と多い。
4大属性の歪みがセレマ基準だったり、アレイスターが過去に「法の書」を執筆して「セレマ」を提唱した事も確定しているため、有力説ではないだろうか。