俺は太陽の子ッ!仮面ライダーBLACKッ! RXッ!!
概要
前作『仮面ライダーBLACK』の人気を受けて制作された本作ではあるが、前作がストーリー性を重視したシリアスな作風の作品だったのに対し、本作はアクションやギミックなどに力を注ぎ明るい作風で「家族でも楽しめる」という前提の元で制作された。
顕著な例としてはライダー初の武器を使った必殺技・戦況に応じて戦闘スタイルを変えるフォームチェンジ、専用車に乗る等々その後の平成ライダーシリーズの基本スタイルとなるアイディア(前作のBLACKにも見られたのだが)を盛り込んでいる点が挙げられる。言うならば、初代仮面ライダーがシリーズの原点としてRXは新時代(平成)の原点とも言うべきものである。
これによってRXはさらなる人気を呼び高視聴率を獲得したのだが、今までライダーでは見られなかった新要素や、前作がシリアスなストーリーや「原点回帰」で注目された作品だった事が影響し、視聴者だけでなく制作スタッフ内でも意見が分かれるなど放送当時は賛否両論の作品となった。
なお本作をもって昭和年代の仮面ライダーシリーズは一旦終了し、OVAや映画作品を除けば平成の仮面ライダークウガ登場まで10年のブランクが空くことになった。
なお、『RX』放送中に元号が昭和から平成に変わっているが、公式での本作の扱いは昭和ライダーとなっている。
今でも20代後半~30代前半を中心に絶大な人気を誇る作品であり、BLACKと共に後に平成ライダーや他の特撮番組に出演した俳優達も当時ファンであったと答える人が多い。「仮面ライダーディケイド」終盤、倉田てつをが20年ぶりに南光太郎を演じ、ファンの注目を集めた(ちなみにディケイド版は本編と大幅に設定が違うパラレルストーリー)。
また、シリーズで唯一、前作と同じ主人公が連続出演した作品でもある。
あらすじ
暗黒結社ゴルゴムを倒した南光太郎は新たなる敵・クライシス帝国によって変身能力を奪われ宇宙に追放されてしまった。しかし、彼に埋め込まれたキングストーンは太陽光線を浴びて進化・パワーアップを果たし新たなる姿・仮面ライダーBLACK RXとなった!新たなる力を得た南光太郎は地球制圧を目論むクライシス帝国と戦うのだ!!
これまでのライダー達とは異なり、進化する事でさらなる力を得たライダーである。さらに言えば先輩ライダーの多くが敵組織に改造されたが、逆にRXは敵組織に能力を奪われた挙句の進化だったのが異例である。
RXおよび別形態について
各形態には弱点が存在することを説明・描写されているものの、そもそも各形態の万能性は高く、フォームチェンジというよりもパワーアップに近いものがある。その為か「クライマックスヒーローズ フォーゼ」に登場した際にはロボとバイオはパワーアップ形態の扱いになっている。
仮面ライダーBLACK RX
俺は太陽の子っ! 仮面ライダーBLACKっ! RXっ!!
「太陽の子」、「光の王子」の異名をもつ基本形態。数多くの怪人をこの姿で倒してきた。
変身ベルト「サンライザー」で取り入れられた太陽光とキングストーンのパワーが生み出すハイブリッドエネルギーによって、前身のBLACKを上回るパワーを得ている。またサンバスクのおかげで太陽の光さえあれば大ダメージを受けても一瞬で回復することができる(サンバスクが破壊されてもキングストーンで同様に回復するが)。
太陽光で変身する故に太陽光が差し込む時間が限られるような場所では変身できなかったが、後に話が進むと夜間でも変身できるようになった。
平成ライダーで言うところの「基本形態」に相当するポジションで、能力のバランスがとれている。もっとも、1部の平成ライダーと違い基本的にフォームを固定して戦うことはなく、瞬間変身能力でどの形態からでも別フォームの特殊能力を使用可能な為、特に「これが最強フォーム」というものはない。
「キングストーンフラッシュ」を始めとしたBLACK時代の能力を受け継ぎつつ、ライダーキックから三倍に威力をアップしたRXキック(BLACK時とは違い両足蹴り)へと発展した。
だがこのRXキックは決め技として使用される事は無く、新たに追加された光を結晶化させたスティックであるリボルケインを武器として用い、エネルギーを充満させたリボルケインを相手に突き刺す新必殺技リボルクラッシュを得た。
戦いにおいては先にRXキックを繰り出してダメージを与え、追い打ちのリボルケインで敵を倒すという流れが多く見られる。また物語中盤~後半では下記の二形態で怪人を倒せそうな場面においてもRXへと戻り止めを刺すパターンが多くなっていった。
なお、RXキックは決定打には使われず、RX・ロボ・バイオはいずれも止めを刺す際に武器を用いる。が、出現させる武器の名は叫んでも、それを用いた技名は叫ぶことが無く、何気にRXは「止めを刺す際に技名を叫ぶ事が最後まで無かった主役ライダー」第1号となった。
弱点はサンバスクが破壊されると一時的に能力が半減してしまうことと、リボルケイン生成時にキングストーンが無防備になることである。
ロボライダー
俺は悲しみの王子っ! RXっ! ロボライダーっ!
「悲しみの王子」「炎の王子」の異名を持つパワー・防御力・射程距離重視の形態。マリバロンにさらわれた佐原社長の娘・ひとみの命を目の前で奪われた(実は死んでおらず、全く別人だった)RXの深い悲しみの感情にキングストーンが呼応し強化変身を果たした。
全身を覆う金属質の装甲「ロボフォーム」は地球上で最も頑丈な物質で構成されており非常に高い防御力だけでなく炎や熱を吸収してエネルギーに変換する能力も有する。瞬間変身によってRXからロボ形態に一瞬だけ変身して攻撃を防ぎ、RX形態に戻って食らったフリをして相手からは死んだと思わせることも可能。また「ロボ」を冠する名に由来したのか、様々な機械を触れるだけで操れる「ハイパーリンク」というハッキング能力や高い索敵能力も所持している。また、動作から鈍重に思われがちだが時速315kmで走行することが可能な敏捷性も併せ持っている。
武器は光線銃ボルティックシューター。強力な光弾を無制限に連射・速射が可能で、ロボライダーの索敵能力も合わさり、正確な射撃精度を誇る。ちなみにシリーズ初の銃を装備した主役ライダーである。
必殺技はボルティックシューターからエネルギー弾を撃ち出す「ハードショット」やRXを上回るパワーを活かした「ロボパンチ」など。
当然、遠距離戦に向いた戦士だが、接近戦も不得手というわけではなく、敵の攻撃をその装甲で弾き飛ばしながら、のしのし近づいては殴り飛ばしたり、隙を突いて至近距離から銃撃をブチ込んだり、といった戦闘スタイルも見せる。
バイオライダー
俺は怒りの王子っ! RXっ! バイオッ! ライダーっ!
「怒りの王子」の異名を持つ、水をイメージしたスピード重視の形態。ロボライダーのパワーでも脱出不可能な部屋に閉じこめられ、クライシスへの怒りに燃えたRXにキングストーンが応え、再び強化変身を果たした姿。
純粋な身体スペック自体は他の形態を大きく上回る訳ではないのだが、特筆すべきはその反則とも言える特殊能力である。
『水中での活動時間は無限』
『体をゲル状にすることで物理攻撃を受け付けなくなる』
『強力な解毒能力を持ち、体内で毒に対抗出来る抗体を精製できる』
『ゲル状になることであらゆる場所に侵入できる』
『敵の体内に侵入できるレベルまで身体を縮小することができる』(単独ではなく超能力少女の協力が必要)
『ゲル化状態ならば触れた人間と一時的に同化して救助することも可能』
etc…………
また、瞬間変身によりRX形態やロボ形態からでもゲル化可能で、ダスマダー戦でRX形態のまま全身をエネルギーで拘束された際もゲル化であっさり脱出したり、ゲル化状態からいきなりRXキックを繰り出してガテゾーンにトドメを刺したこともある。
前述した瞬間変身能力、短時間での回復能力なども含むRX、ロボ形態の特殊能力と合わせて強さを誇る。「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」などというネタが作られる程。
武器はバイオブレードという剣。切断力が高く、取り回しが容易なため防御にも使える。敵の光線攻撃を敵に跳ね返すこともできたりする反則武器。
必殺技はエネルギーを込めたバイオブレードで敵を両断するスパークカッター。
弱点は4000度以上の高熱。バイオライダーと同様にゲル化能力を持つ怪魔ロボット・ヘルガデム相手には流石に決定打に欠ける為か、怪魔ロボットに有利なロボライダーにチェンジしている。
てつをの人気やネットでの拡大解釈で「最強の仮面ライダー」と呼ばれることもあるが、その手の議論はほどほどに。
『ロストヒーローズ』シリーズでは液状化攻撃はバイオアタックと呼ばれており、RX唯一の氷属性スキルにして全体攻撃用。また、抗体生成の技では回復+状態異常耐性の効果がある。
同シリーズ2作目におけるHEROスキルではハードショット→バイオアタック→リボルケインスラッシュの順で必殺技を食らわせる『フォームチェンジコンボ』が登場。この時RXはバイオアタックで渦潮を起こしている。ぶっちぎるぜ!
コンパチヒーローシリーズの常連
コンパチヒーローシリーズのゲームでは、グレイトバトルシリーズ、コンパチスポーツシリーズ、コンパチRPGシリーズのほとんどに参戦しており、
ウルトラマン、ガンダム、その他特撮ヒーローと歴代仮面ライダーの中でもぶっちぎりで共演率が高い。
余談
仮面ライダーBLACKは日蝕の日に生まれたライダーという設定なのだが、BLACKの放映開始の1987年には金環日食が、RX放映の1988年には皆既日食が起こり、さらにディケイド出演の2009年にも皆既日食が起こった。
正に「太陽の子」であると言えよう。
その時、不思議なことが起きた!
関連項目
その時不思議な事が起こった もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな ゆ゛る゛さ゛ん゛!!
主なゲスト出演者
本名陽子…サボテン好きの少女・小泉千草役
千葉繁…学習塾の先生役
江原正士…ニュースキャスター役
大葉健二…九条オサムの父親・九条勝役
仮面ライダージオウ:こちらは平成最後の仮面ライダー。また、霞のジョーを演じた小山力也がアイテム音声及びオーマジオウとして出演している。