腐向け

ふむけ

「腐向け」とは、腐女子向けの（男同士の恋愛を対象にした）関連作品に付けられるタグ。 BLじゃないのに腐女子に受けてしまう作品が、冗談でこう呼ばれることもある（この意味の場合、タグ付けは推奨されない）。

定義

「腐向け」とは、主に男性同士の恋愛をテーマとした「女性向け」作品、つまり腐女子（腐男子）向けの作品のことを指す。男性キャラ同士の恋愛を扱った創作や二次創作がこれにあたる。

女装や性転換・擬人化・ケモノなど、ボーイズラブの中でも人を選ぶ趣向の作品も存在するため、「腐向け」タグのついた作品が、必ずしもすべての腐女子に適応しているというわけではない。

また、同じBLでもニアホモとR-18～R-18Gはまったく別の分野であり（少女漫画とTLが別物なのに似ている）、セウト表現（赤面、半裸、キスなど）などの特殊嗜好もタグ付けが推奨されている。

少年を扱ったショタは「女性向け」とも「男性向け」とも取れるため、タグがつけられている場合とそうでない場合が混在する。

夢向け/乙女系とは部分的に被ったり被らなかったりする。夢向けは異性愛者目線で男性キャラクターを傍観する作品、腐向けはそういう目線で男性キャラクターを傍観する作品である。だが、夢向けにも男性の夢主人公が登場するものもある。

女性向け少年漫画と呼ばれる分野（コミックジーン、ゼロサムなど）は、ホモというよりは登場人物の心の動きが描かれている（一般的な少年漫画が男主人公に感情移入、自己投影して変身願望、俺TUEEE願望を楽しむ話なのに対して、こちらは「物語を傍観すること」に特化されている）。

腐女子受けがいいが、腐向けという訳ではない。

腐向けとBL

類義語にボーイズラブ(BL)やメンズラブなどがある。「BL」の記事も参照。

元々はやおい(801)と呼ばれており、やおいとBLは別物という解釈もあったが、「やおい」に代わって「腐向け」という呼び方が流行りだした頃（2000年代後半）から区別が曖昧になり、二次創作もBLと呼ばれることが増えている。

pixivでは創作（オリジナル作品）用に「創作BL」というタグがある。

腐向けの"問題"

腐向け作品はpixivに投稿された総数が膨大であるぶん、その表現自体を好まない層との衝突がしばしば起こるとされる。リアルな声リアルな声2 リアルな声3 リアルな声4 リアルな声5 リアルな声6

このような問題は他ジャンルでも存在し、様々な趣味の利用者が存在するSNSでは、各々が不快な表現を避けるべきとする声もあるが、「腐向け」ジャンルは、各利用者の趣向の違いから揉め事が起こりやすく、自主的に対策を講ずることが必要であると慣習的に扱われている。

検索の問題（棲み分けに関する様々な考え方）

他の好みの分かれるジャンルと同様に、その表現を示すタグを付ける(「腐向け」タグを付ける)ことが棲み分けの手法とされる一方、BLが検索で表示されるだけで軋轢がおきる恐れがある実情ゆえか、検索避けも棲み分けの手法とされる。ただしこの2つの手法はタグを使う上では両立できず、各個人が手法の選択に迫られる。（→棲み分けタグ）

【棲み分けを意識した投稿方法に関する考え方の一例】

タイトルに【○○腐】などの腐向けキーワード＋タグに腐向け又は腐タグを入れる事（キーワード検索、タグ検索のマイナス検索ができるように）。

CP名タグだけを使わない。（歴史物での同姓同名や原作CPとかぶっているものがあるので）

ピクシブ百科事典で自分の作品にあった専用タグができていないか調べる。なければ作り百科事典に記述しpixivマナータグをつけて普及させタグの乱立を避ける。

そのキャラクターのタグを入れたい場合、腐向けだけの絵をまとめて表紙を腐向けじゃないものに「腐向け注意」と書いたものを投稿する。

男性同士の恋愛模様の作品に百合タグを混入しない。

※カップリング(CP)全体の注意点については「カップリング」の記事も参考にしてほしい。

タグ添付にまつわる問題

明らかな腐向け作品であるのに「腐向け」タグをつけない投稿者が存在するなどの理由から、”「R-18」「R-18G」のように「腐向け」の閲覧制限追加を求める"という一部ユーザーの意見も存在する。腐向け作品の愛好家サイドからも腐向けを好まないユーザーとの棲み分けを実現すべく、システムの改善を求める声が上がる場合もあり、トラブルを避けるため腐向け作品をマイピク限定公開にするなど、自ら閉鎖的な活動を行うユーザーも一部では存在する。

これらの声に対し、pixiv運営は2010年7月に「（アンケートにより）検討する」旨の発言をしているが、当該ツイートから数年が経過した現在でもなお実現には至っていない。ただしR-18ランキングの「作品属性で隠す」はそれに近い。

問題回避のための棲み分けではあるが、度を過ぎれば、他人の作品への注文や干渉・嫌悪感や差別観の押しつけ・評価機会の不平等化にも繋がりかねず、逆に衝突を生む要因ともなる。

自分の感情と折り合いをつけられるよう努力し、投稿者との建設的な関係を築くよう心がけましょう。

「腐向けタグをつけて」の誤解（ジャンル分けとマイナス検索）

作品のジャンル分けとマイナス検索（検索避けではなく）を望む層にとっての理想は、腐向け作品にジャンルタグの「腐向け」や「BL」が付くことだけである。
- 投稿作品に腐向けタグが付くことで、閲覧側は検索時に「-腐向け」と入力し検索結果から腐向け作品を除外することが可能。現在はこちらが最も簡素で手軽に実行できるオーソドックスな棲み分け手法とされる。
「作品・作者別、腐向け作品リンクタグ」にあるような派生の専用タグとは無関係に「腐向け」か「BL」タグを付けてほしいという要望も含まれる。
- 基本的には「腐」と打てば「腐向け」やこの字のある専用タグを含めて検索できる。1文字の「-腐」のマイナス検索では「豆腐」「腐川冬子」など一般的な言葉や人名も除外される欠点はあるが、それらはさほど多くない（→腐）ので臨機応変に。
- ただし、「-腐」の部分一致検索ができないケースがある（ミュート機能※と、小説のタグ検索）。そのため、専用タグとは別に大元の「腐向け」タグを欲する利用者もいる。