演:井上正大
「大体わかった」
概要
いつの間にか光写真館に居候していた青年。素性不明で本人も過去の記憶がない。
年齢20歳。ディケイドライバーを手に入れた事で仮面ライダーディケイドに変身する。
紅渡から、世界の融合を防ぐ為に旅に出なければならないと告げられ、自分の本当の世界を探す為、世界の崩壊を防ぐ為に光夏海達と世界を巡る旅に出る。
性格
かなりの自信家で、誰に対しても尊大な態度を取る俺様キャラ。襲われている人を身を挺して守る熱いハートを持ち合わせる一方、作戦のためとはいえ無辜の仲間を痛めつけたり女性の顔面を平気で殴る等、その言動はやや不安定。
口調や仕草に癖が多い人物で、物事を何か比喩したアメリカンジョークをよく口にする。
「焼き加減はどれが好みだ? レア? ミディアム? それとも、ウェルダン?」
小難しい話は「だいたいわかった」で済ませてしまい(脚本家である井上敏樹の口癖が由来)、自身が使用するライダーの特色も大雑把にしか理解していない。
また変身後は、ライドブッカー(ソード形態)の刀身を撫でたり、手を払う仕草をよくする。
そんな彼が各ライダーの世界を巡る度に、その世界で学んだ事柄を活かした格言(通称:お説教)を敵にかますのがお約束となっている。
その際、敵に「お前は何者なのか」と問われ、「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」と名乗るまでがワンセット。
海東大樹によく「ナマコは食べられるようになったのかい?」と言われていた為、ナマコが苦手と思われていたが、それ以外の描写は特になかった。
そればかりか「仮面ライダーディケイド ファイナルステージ」のステージショーでは、ディエンドがナマコを食べて錯乱していた。ひょっとしたらナマコのくだりはただのからかい文句で、本当に苦手だったのは海東の方だったのかもしれない。
趣味・能力
写真撮影を趣味としており、2眼のトイカメラ「BlackBirdFly」を常に首からぶら下げて持ち歩く。
ちなみに彼が使用していたピンクカラーのBlackBirdFlyは、数量限定で実際に販売された。
だが、彼の撮る写真は何故かいつも歪んで映る。本人曰く「世界が俺に撮られたがってない」との事。写真が上手く撮れないことは本人なりに気にしているらしく、「カブトの世界」で出会った天堂マユにその写真を「真の才能」と絶賛された際にはかなり機嫌が良くなっていた他、「ネガの世界」でちゃんとした写真が撮れた際には自らその写真を「究極」と称していた。
写真以外の事であれば、料理、スポーツ、営業、音楽など何でもこなす多才ぶりである。
その身体能力は改造人間が殆どいない平成主人公の中でも屈指の人間離れをしており、上級オルフェノク2人とテニヌ対決を行い勝利する、カードを手裏剣のように投げて鎖を切断するなどの離れ業を見せている。
さらには(どう身につけたかは謎のままだが)グロンギ語すら流暢に喋り、ユウスケと出会った『クウガの世界』におけるグロンギ族の大ボスン・ガミオ・ゼダからは「貴様はリントでもクウガでもない」と言われているほか、歴代ショッカーの幹部はほぼ例外なく改造人間であり、お飾りとはいえ一度は首領に祭り上げられたのだから、ひょっとすれば…。
服装
世界を移動するごとに服装と髪型がよく変わるが、「俺って奴は何を着ても似合っちまうな」と豪語し、実際のところよく着こなしているオシャレさん。
ただ、シンケンジャーの世界で黒子に回された時は不服そうで、ブラックの世界ではジョーに間違われたのがイヤだったのか早々に着替えてしまった。
小説『S.I.C HERO SAGA』では城茂の衣装を着こなしていた。確かに性格もどことなく似ている。(リ・イマジネーション城茂は士と容姿が瓜二つという設定)
因みに各世界の職業は以下のようになっている。
・クウガの世界:警察官
・キバの世界:ヴァイオリニスト
・龍騎の世界:弁護士
・剣の世界:BOARD社内食堂チーフ
・555の世界:SMART BRAIN high schoolの生徒
・アギトの世界:郵便局員
・電王の世界:桜井さん(の服装)
・カブトの世界:ZECT隊員
・響鬼の世界:音撃道伝説の師匠(の服装)
・ネガの世界:なし(金持ち)
・ディエンドの世界:サラリーマン
・シンケンジャーの世界:黒子
・RX&ブラックの世界:霞のジョー(の服装)
・アマゾンの世界:野球選手(のユニフォーム)
・ライダー大戦の世界:タキシード(服)
TV本編以外での活躍
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
士の元の世界にたどり着いた一行は、妹「門矢小夜」と出会う。(「カブトの世界」での「妹がいたような気がする」という発言は事実だったということになる)
彼女に仕えていた男、月影ノブヒコの「世界の崩壊を止めるには最強のライダーをたった1人決めるしかない」という言葉に促され、士は記憶を取り戻す。
そして、最強の仮面ライダーを決める「ライダートーナメント」の開催を決めた。
実は門矢士の正体は大ショッカーの大首領であり、世界の崩壊を防ぐ為の「全ライダー討伐」が彼の真の目的であったのだ。
大首領としての記憶を取り戻した彼は、ライダーを全滅させた事で世界の崩壊が止まると信じていたが…。
劇場版 仮面ライダーディケイド MOVIE大戦2010
TV版の続き、実質的最終回であたるこの映画で世界の破壊者として覚醒した士は、ディケイド激情態となり次々と仮面ライダーをなぎ倒していく。
士を演じた井上正大が「最終回ではまだ覚悟が決っておらず、襲ってくるライダーを撃退するだけだったが、何度も襲撃されるうちに撃退では無く「完膚なきまでに叩き潰す」スタイルに変わっていった。」とコメントしている通り、手段を選ばないダーティーな戦い方をする。
劇場版では「最強の悪のライダー」として描かれるディケイドだが、その際の士の髪型がハネた感じに共通している。井上いわく、これが大首領スタイルなんだとか。
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッドと並び、かなり重要なポジションとして出演。
全ての戦隊を倒す為、他の仮面ライダーを引き連れ戦いを挑んでいった。
ディケイドは激情態ではないものの、士のヘアスタイルは「大首領スタイル」である。
「潰す…!」
……まるで成長していない…。
スーパーヒーロー大戦Z
変身後の姿のみ、及び代役で登場。「まさひろ」繋がりで、レッドバスター=桜田ヒロム役の鈴木勝大が声の代役として出演。ディケイド自身はスーパーヒーロー大戦シリーズ皆勤賞である。
仮面ライダーウィザード
特別編(第52話と53話)に登場。
召喚された歴代平成ライダーの中で唯一変身前の姿を見せており、操真晴人と会話するシーンもある。
「ここがウィザードの世界か」(晴人からの返答は「多分違うと思う」 正確にはウィザードのリ・イマジネーションに近い魔宝石の世界)、「大体わかった」、「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!!」といった決め台詞の数々も健在でファンを沸かせた。
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
「今度こそ最後の勇姿か」と思われ続けて、またまた劇場版に帰り咲き。
現役の仮面ライダー鎧武である葛葉紘汰に加え、以前絡みがあった仮面ライダーウィザードの操真晴人、仮面ライダーダブルの左翔太郎、まさかの登場となった仮面ライダーファイズの乾巧の仲を取り持ち、昭和ライダー達へ戦いを挑んだ。
しかも、キャスト発表では最初に発表されている。
映画の内容も、紘汰・士・巧、そして本郷猛の4人が主役の映画とも言える構成となっている。
仮面ライダージオウ
第13話より登場。
アナザー鎧武の一件を受け、本来の歴史から外れつつある常磐ソウゴの事を危惧し、タイムジャッカーへ協力する事に決めたウォズの依頼を受け(たと推測される)、ソウゴ達の前に立ちはだかる。
ゴースト編ではディケイドアギト・ディケイド響鬼・ディケイド龍騎・ディケイドゴーストへと変身し、アナザーゴーストの事件を追うタケルやソウゴ、ゲイツ達を妨害するような行動を起こした。
謎のアイテム・ディケイドライドウォッチや、マゼンタカラーのネオディケイドライバーなど、原典では持ち合わせていなかったいくつかの新アイテムを所持している。
ネオディケイドライバーにはいわゆる平成二期ライダーのライダーズクレストも刻まれているため、二期のライダーも含めた全ての平成ライダーに変身できることが伺える。
更に、新たな能力としてかつて士を目の敵にしていたあの男のようにオーロラカーテンを身一つで展開し、過去の時代に飛ぶというとんでもない荒業も披露している。士の台詞から「過去の世界」であれば時間も関係ないのかもしれない。
(もっとも、士が何の説明もなく時間を越えている描写が過去に映画でもあったため、元から使えていた可能性もある)
おまけに自身のライドウォッチがジオウの手に渡りジオウディケイドアーマーが誕生しても、全く記憶も歴史も失った様子はなく変身もしてみせるというジオウの設定の破壊者っぷりを見せた。
第14話ではゴーストライドウォッチを無力化させる一方で、ディケイドライドウォッチをゲイツに譲渡するなど不可解な行動を取っており、これらの行動には彼独自の思惑も多少絡んでいると考えられるが、現在のところ真意は不明(一応ウォッチの譲渡については「相手が弱かったらつまらない」という趣旨のことを語っている)。
第15話ではオーマジオウが未来から送り込んで来たカッシーンがゲイツを襲う中、それを助けようとするジオウをディケイドに変身して妨害。自分がオーマジオウとなる未来を受け入れられないジオウに対し、「無実の罪と思いながら死んでいくのは不憫」という理由からオーロラカーテンを出現させ、それを利用してジオウとツクヨミを2068年へと飛ばしてしまう。
続く第16話ではソウゴがジクウドライバーを捨てたと知って落胆した様子を見せ、「俺の計画をどうしてくれる」と意味深な台詞を発しているが、オーラにその意味を聞かれた際は何も答えなかった。
その後はゲイツとタイムジャッカーの手先になったカッシーンが戦っている場面に現れ、「こっちに付いた方が面白い」という理由からカッシーンに加勢。ディケイドウィザードになってゲイツを変身解除に追い込むが、ゲイツの説得で決意を固めたソウゴが再びジオウに変身し、更にウールから奪取した予備のベルトでゲイツも再変身した事で2vs2の対決に持ち込まれる。それでもバインドの魔法で2人を拘束するなど強敵ぶりを見せつけたが、ジオウ・ディケイドアーマーエグゼイドフォームの連携には逆に押され、「これ以上は分が悪い」と判断しその場はオーロラカーテンで撤退する事となった。
士「また会おう、元気でな」
オーラ「ほんっと気まぐれね……」
本作では、尊大な態度はそのままに、掴みどころのないどこか喰えない雰囲気の人物として描かれているが、ディケイドアーマーの誕生を祝うウォズに呆れた表情でツッコミを入れたり、ソウゴに会いにクジゴジ堂を訪れた際に、ソウゴのために作られていた夕食を勝手に食べた上に美味しそうに舌鼓を打つ等、どこか茶目っ気のある面も見せている。
これ以降、ソウゴからは「俺の飯を食った人」、ゲイツからは「訳のわからん奴」と呼ばれている。
また、公式掲載された1~16話までの人物相関図(参照)では、ジオウの主要登場人物に並んで「門矢士」もしれっと一緒に掲載されており、ゲイツおよびタイムジャッカーの双方から「変なヤツ」と思われている。演者の井上氏はこの事に対し「逆に変なヤツくらいでよかったよ。」とコメントしている。
なお、いつものカメラは今まで通り首にぶら下げており、時々登場人物たちの写真を不意打ちで撮影している。そして撮った写真は撮影した時点では歪んでいない。
(ただし、過去には実際に現像すると歪んでいたケースがあるため現時点では何とも言えないが)
第16話の時点で、ジオウの設定(本来タイムマジーン等で過去に飛ぶがオーロラカーテンを使用、ライドウォッチが継承されても記憶も変身能力も失わない)、アギトのゲイツ達からの評判、ゴーストライドウォッチ、ウォズの継承の儀、ソウゴの食事(の時間?)を破壊している。おのれディケイド!
第16話で士の出番は一旦終了したが、彼が同話で告げた計画についてはまだ何も明かされていないため、今後もまた何らかの形で登場すると思われる(東映公式も「そのうち、再び、気まぐれに現れることもあるかもしれません」と再登場の可能性を仄めかしている)。
第21話では直接の登場はないが、ウールに「数千回に一回だけ、鏡が割れる瞬間に繋がる失われた鏡の中の世界がある」という情報を与えていたことが判明(ウールが言及するシーンにはジオウ客演時の映像が使われている。またウールのセリフから「鏡像の城戸真司=仮面ライダーリュウガ」の存在も教えていたことが伺える)、アナザーリュウガが生まれる遠因になった。
教えた理由・目的などは不明。しかしこれが本来のアナザーライダーならまだよかったが、アナザーリュウガは当時の戦力では倒す方法がなかったため(詳しくはアナザーリュウガの項目を参照)、実に厄介なことをしてくれたと言える。
「おのれディケイドォォォォ!」
なお、士役の井上氏は寝耳に水だったらしい。(こちらもアナザーリュウガの項目を参考)
その後の第25話で、ソウゴとアナザージオウの変身者である加古川飛流の接点を探していたツクヨミが、2人が2009年4月24日に同じ事故に遭っていることを突き止め、続く第26話ではその時代に向かう模様。
2009年4月当時のライダーといえばディケイドだが果たして...?
仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER
スーパータイムジャッカーのティードが大量に呼び出した怪人軍団との最終決戦でも、他の平成ライダー達と共にディケイドが参戦した。
士としての姿は見せていないものの、今作では井上氏も声での出演を果たしている事から、このディケイドも士が変身した存在と思われる。(新規ボイスのため、ジオウ客演時と同じく本編当時より低い声である)ただ、映画劇中ではディケイドライバーが白い旧式のものであったため、「ジオウ本編より前の時系列の士」である可能性が強い。
小説版
著:鐘弘亜樹の小説「門矢士の世界~レンズの中の箱庭~」(TV版、劇場版のどれとも繋がりはないリメイク作)では性格や設定が異なる。
この作品では自分本来の世界では人と交わることや孤独を恐れ、レンズの向こうに現実逃避を繰り返している陰気な青年であり、尊大な態度は不安の裏返し、ディケイドの力を手にした高揚感によるものとして描かれている。
並行世界を旅しながら自分の弱さを見つめ直し乗りえる事が小説版での大きなテーマ。
前述の「なまこ嫌い」も小説版ではちゃんと本人の口から語られている。
関連イラスト
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もやし:視聴者からの渾名。由来は「門矢士」を音読みすると「も(ん)、や、し」になることから。余談だが、児童誌にて「もんやつかさ」と誤記されたことがある。
一文字隼人・瀬川耕司・相川始・詩島剛:同じくカメラマンライダー。
TV本編で旅を続ける中、「シンケンジャーの世界」で出会い、共闘。
士の訪れた世界の中でも希少な「ライダーのいない世界」のヒーロー。
(しかもリ・イマジネーション世界ではなく本編の世界であり、向こうのTV本編でもこの時の一コマが描かれた)
リーダーのシンケンレッドとは、ボス怪人撃破の際にブレイドブレードと烈火大斬刀を交換して決め技を放っている。
キャプテン・マーベラス/ゴーカイレッド(海賊戦隊ゴーカイジャー)
自分以外の歴代シリーズの戦士に変身して戦える、いわばスーパー戦隊版ディケイドとでも呼ぶべき戦隊のリーダー。大概なんでもこなす自信家の俺様キャラで、偽悪家だけどそのくせ仲間思いなところなど、共通点は非常に多い。
劇場版「スーパーヒーロー大戦」では、大ショッカー大首領として歴代スーパー戦隊を破壊して回る士に対応するかのように、大ザンギャックの大帝王として歴代仮面ライダーを撃破して回り、劇中でディケイドvsゴーカイレッドの直接対決にも到った。
明神つかさ/パトレン3号(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)
名前が「つかさ」で怪盗との対立者、桃系戦士繋がり(ディケイドはマゼンタ、3号はピンク)。