概要
開発時のコードネームはLonghorn。
Vistaとはイタリア語で眺望を意味する。
マイクロソフト曰く「混乱を解消し、あふれる情報を整理し、未来を垣間見せる」とのことである。
Windows XPのリリースから実に5年の歳月が費やされておりその開発費用は6億ドルに上ると言われる。
しかしこの開発期間についてはコンピューターウイルスの大流行への対策など、セキュリティ対策のための開発中止期間があったためでもある。
インターフェースがXPから一新され、Windows Aeroと呼ばれる3Dグラフィックが採用された。
しかしその結果、使い勝手の変化に戸惑ったり、XPで使えたのに使えないアプリケーションが多数現れたり、ユーザーアカウント制御(UAC)の警告が鬱陶しいという声が出るなど、ユーザーの多くはあまりいい印象で受け取っていない様子である。
図体がでかくてメモリをよく食う、ソフトの互換性に問題があるなど、特にVista発売直後は「XPの方が絶対良い」「アップグレードして失敗した」という声が多かった。その名とは逆に余計な混乱を引き起こしてしまったため、短命に終わってしまった残念なOSでもある。
その後2009年10月22日にVistaの改良版であるWindows 7が発売された。
Vistaと比べれば圧倒的に使いやすくなっていた7であるが、XPから7へは直接アップグレードが出来ず、XP時代のPCに7を入れたら当然重くなるため、2010年代に入ってもXPを使い続けた人も多い。
かつてVistaのサポート期限はBusiness以外2012年までに設定されていて、2014年までのXPとのサポート期限の逆転が起きていたが、2012年2月に急遽Microsoftから「Vista『Home Basic』『Home Premium』『Ultimate』のサポートを2017年4月まで延長する」との方針が発表された(http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20120218/1041442/)。
2017年4月、予定通り延長サポートが終了した。
問題点
Vista(Windows7も同様)のウィンドウシステムであるAeroは、画面上のオブジェクトをすべて3DCGとして描画する構成になっており、このためPCにはある程度の性能を有したGPU(具体的には、Direct3D 10対応の製品)が搭載されていることが大前提である。この構成を満たしたPCを「Premium Ready」として認定する制度もあった。
しかしながら、Vistaが登場するまではゲーム用途でもない限りGPUの性能についてはほとんど注目されておらず、このことをきちんと理解していないユーザーやメーカーが低性能なGPUしか搭載されていないようなPCに無理やり適用したことで「重い」という印象がついてしまった。さらにCPUもシングルコア、メモリも1GB以下のものがまだまだ多く、システム要件を満たしていないPCが多かった点も誤解に繋がった。
しかし、その後Vistaのリリースを受けてその後オンボードGPUの性能が大きく向上し、ほとんどのPCがPremium Ready要件を満たすようになったことや、CPUもデュアルコア以上、メモリも2GB以上が当たり前になるなど、「重い」という問題はWindows7登場前にほぼ解決している。
また、あまり知られていないが、Vistaは起動時、使用頻度の高いアプリケーションをメモリに一括キャッシュすることで、起動中の性能の向上を図る。従って搭載メモリ容量を増大させると、それに従ってシャットダウン状態からの起動に時間がかかるようになり、これもまた「Vistaは重い」という誤解につながっている。電源ボタンの基本操作がシャットダウンではなくスリープ(ハイブリッドスリープ)に設定されているのはこの機能の存在が前提であり、そもそもVista PCは頻繁にシャットダウンすることを前提に設計されていない。
pixivでのVista
パソコンVistaのトラブル話や、OSを人の姿に擬人化したOSたんにこのタグが付けられる事が多い。なお、VistaのOSたんには黒歴史(ふたば常連による)がある。OSの特徴を捉えて作られた本来のOSたんとも言えるものはVistaたんであろう。