邪魔立てするか、御子の忍びよ
解説
CV.津田健次郎
SEKIROに登場するボスキャラ。
戦国末期の日本をモデルにした架空の国、葦名の国の国主・葦名一心の孫。ただし、正統な血筋ではない。
主人公・狼の仕える主、竜胤の御子、九郎を連れ去った張本人。
物語が始まった時点で葦名は、外敵・内府軍の攻撃を辛うじて退けるも陥落寸前というところまで追い詰められていた。また一代で国を興し、剣聖と誉れ高い葦名一心も病床にあり、反撃の手立てさえ残されていなかった。
何としても葦名を守りたいという強い思いから弦一郎は、異端の力を手にすることを決意する。それは、契約した者を何度でも生き返る不死にする竜胤の力を持つ、竜胤の御子の協力を得ることであった。
主人公の忍・狼は、九郎を救い出すために葦名城に潜入する。しかし弦一郎に覚られ、左腕を切り落とされた上、御子を奪い返されてしまう。隻腕となった狼は、代わりに忍義手を仕込み、隻狼と呼ばれるようになる。
*以下、ゲーム内容のネタバレを含む*
ボス戦
ゲーム中の選択肢にもよるが、ほとんどのルートでボス敵として登場。ゲームの序盤、中盤、終盤で戦うことになる。
第一戦
ゲームの操作を覚えるチュートリアルステージのボスとして登場。
チュートリアルなのに信じられないほど強く、ほとんどのプレイヤーが為すすべもなくやられてしまうだろう。
しかしただの負けイベントかと思えばそうではなく、プレイヤーの腕前次第でちゃんと勝つことができる調整になっているのがフロムらしい。(勝っても強制イベントで負けにされるため、あまり意味はないが)
第二戦
ゲーム中盤、葦名城本丸に再び侵入した隻狼と再戦することになる。これも全ては、竜胤を危険視する葦名一心の手引きであった。
弦一郎は、九郎に自分を不死にする事を強要するが、竜胤が竜咳(りゅうがい)と呼ばれる病を広め、生死の理を歪める力であることを理由に拒否される。
第二戦の弦一郎は、第1段階、第2段階、第3段階と忍殺する毎に攻撃パターンが変化する。
攻撃は、刀に加え、背負っている弓を使った攻撃が増える。威力が高いうえに隙が少なく、せっかく削った体幹ゲージが回復してしまう。
素早い動きと火力を兼ねそろえた強敵であり、中盤でやっとゲームに慣れてきたプレイヤーを絶望させる。勝利するためには的確な「弾き」と、突きと下段の見切り、そして矢の連射を恐れず攻め続ける度胸が必要となる。
苦労の末に体力ゲージを二本削ると、さらに攻撃パターンが変化。
第3段階に当たる巴流葦名弦一郎は葦名の山奥にある源の宮から流れる変若水の滓(おちみずのおり)によって生き返った姿であり、異端の力を操り、隻狼に襲い掛かる。ここから雷をまとった斬撃が攻撃のバリエーションに加わる。
・・・のだが、この雷攻撃はコツさえ知っていれば簡単に跳ね返せる。せっかく命を捨てて形態変化したのに、むしろ弱体化していると評判である。
第三戦
SEKIROは、条件により複数のルートに分岐する。
弦一郎の登場する場面、ボス戦の回数もルートに従い変化する。
葦名城を囲む内府の軍勢は、葦名一心が事切れたことを察知し、この機に乗じて攻撃を再開始する。
竜胤の問題を解決する方法を探る狼と九郎だったが、落城する葦名城から脱出する。しかし城から脱出する抜け穴の先には、再び弦一郎が待ち構えていた。
葦名の地に隠された不死を殺す刀、不死斬り”開門”を手に入れた弦一郎は、新たに不死斬りを攻撃に加えている。また秘策として全盛の一心を蘇らせるという離れ業まで披露する。
が、本人も独白したように結局彼には、何も為せず、最期まで葦名一心に頼るしかなかったのである。
行方不明
4つあるルートのうち、修羅ルートに入ると弦一郎は再登場しない。
が、とある場面で狼の義父、梟が弦一郎の持っていた不死斬り”開門”を手に「こちらの首尾も上々じゃ」と言って現れる為、梟に討たれたとも考えられる。
プレイヤーからの評価
フロム作品には非常に珍しい、正統派イケメンライバルキャラである。・・・が、それゆえに訓練されたフロムプレイヤーからはネタにされる宿命にあり、「弦ちゃん」として親しまれている。クセの強い登場人物が多いなか、あくまで一途に、ひたむきに、己の故郷を守るため戦い続けるその姿、しかし何もかも裏目に出て凋落し、ストーリーの本筋からも外されてしまう不遇さ、たとえ敗北者となろうとも戦いを止めないその姿、なにもかも世を拗ねたフロムプレイヤーの心を打たずにはいられない。しまいには鬼畜難易度で知られるSEKIROで唯一、強化パッチを望まれるほどである。