リオレウスとはカプコンの『モンスターハンター』シリーズに登場するモンスターである。
概要
「リオス」と呼ばれる飛竜の雄個体。雌個体はリオレイアと呼ばれる。
今までの作品に全て登場しているモンハンの看板モンスター。
名前の由来はギリシャ語で“獅子”を表す「レオ」、古ギリシャ語で“王”を表す「バシレウス」から。
見た目は鷹やワイバーンがモチーフとなっており、非常にベーシックな王道的デザインをしている。
数いる飛竜種の中でもとりわけ飛行能力に特化した進化を遂げており、雌個体のリオレイアが地上から巣を守る役割をもつのに対し、リオレウスは主に空を飛び回り自分のテリトリーを常に見張り、他の種族や同族がテリトリーに進入してくるとその標的に襲い掛かる。
その気になれば丸三日間空を飛び続ける事も可能らしく、故に行動範囲も広大であり、普通はリオレウスが現れないような土地であっても突然姿を表す事もあるという。空中での機動力も相当なもので、空中で飛び回る小鳥を捕まえられるほどの精密性をもつという。
このような飛行能力の高さから「天空の王者」「大空の王」の異名で知られ、加えてその凶暴性や実力の高さも総合して「飛竜の王」とも謳われる。
体内に火炎袋と呼ばれる内臓器官を持っており、そこから作られる火炎弾を口から吐き出し、外敵に向けて攻撃する。これが彼が「火竜」と呼ばれる所以である。
この火炎弾は着弾すると内部まで一瞬で焼き払うほどの強力な熱量を持っており、あまりの熱量でリオレウス自身の喉をも焼き焦がしてしまうが、リオレウスはこれを自身の異常なまでの回復力で再生させてしまうという(辛くないのだろうか)。
また、岩盤に穴を開けるほど鋭い爪には毒を持っており、これによる上空からの蹴りで獲物を一撃で叩き伏せる。
上空からの攻撃に長けている為視力も非常に優れているが、これを逆手にとられた強烈な閃光などで目を眩まされると、バランスを崩してしまい、簡単に墜落してしまう弱点も存在する。
戦闘能力
「天空の王者」の異名を持つだけあって、戦闘の5割以上は空中にいると言っても過言ではなく、上空からその優れた飛行能力で以って襲いかかってくる。
またシリーズ皆勤の彼であるが、シリーズによっては行動の差異が多く、極端な変更が施される事もあった。
◆MHP2G以前
主に近接武器持ちハンターの攻撃が一切届かないほどの高空まで一気に飛び上がり、上空から火球ブレスで攻撃する。
更に毒爪による蹴りは誘導性、攻撃範囲に優れており、まともに喰らうと確定で気絶するため一見するとガードする以外に躱すすべはないと思えるが、実はリオレウスの真下にいるとリオレウスが不満そうに鳴いて攻撃がキャンセルされる。
空からの火球攻撃も真下には届かないので垂直に飛び上がったら真下にいればまず大丈夫。
降りてくるタイミングを見計らって大剣やハンマーで溜め攻撃を当てるのがほぼ主流の戦い方とされていた。
また更に高く飛び上がり、エリアの周りを大きく飛び回りながらハンターを補足し、一気に滑空し急襲する攻撃(通称ワールドツアー)は初見でビビる事必至である。
どれも攻撃力が相当に高く、多くの駆け出しハンター達をキャンプ送りにした。
◆MH3以降
行動が大きくテコ入れされ、完全に別物と言える行動を手に入れた。
ハンターの攻撃が届かないほどの高さまで飛ぶことは無くなったが、代わりに低空まで高度を下げたホバリング状態がデフォと言える戦闘スタイルが特徴。
空中での機動力は凄まじく、翼を大きく翻しハンターの側面に回り込み火球ブレスをブチかまし、一気に距離を離したと思いきや鋭い蹴りを見舞ったりと非常に凶悪。
その中でも最も脅威とされる攻撃はバックジャンプブレス。
地面に向かって火球ブレスを叩きつけるように吐き出し、爆発の反動でホバリング状態へ移行するという技だが、特に怒り移行時の咆哮の後では確定で使用してくる。
そのため咆哮に威圧されると被弾確定という恐ろしい性能をもつ。怒り状態でなくともノーモーションでいきなり使用してくる事もあり、ハンターが真横にいようとぐるんっと向きを変えて当てにくる。
また上空降下の攻撃に「拘束」が加わった。これは草食モンスターにはもちろん、ハンターにも仕掛けてくる。捕まるとガードや回復行動などがとれなくなる。一回噛み付かれるごとにリオレウスの体力とスタミナが少し回復する。こやし玉を当てればすぐに離れてくれるが、ない場合はレバガチャでゲージを全て減らすと拘束を解くことができる。
厄介な相手だが、閃光玉に弱いという設定は健在。飛び上がったら空中から叩き落としてしまおう。
◆MHW
登場が続投されるモンスターが軒並み不明となっている中、もちろんモンハンの看板たるリオレウスは続投決定。
デザインがかなりリアルになり、顔は鷲のような表情に若干変わっている。なお鳴き声は以前のものと全く違うものに一新された。
新エリア「古代樹の森」の生態系の頂点(主)として君臨しているらしい。
生態が忠実に再現されており、巣にいる時以外は常に飛び回って古代樹の森を周回している。
紹介動画では自身のテリトリーに侵入してきた新モンスターの蛮顎竜アンジャナフに襲いかかる姿を確認することができる。
10数メートルはありそうなアンジャナフを足で掴みあろうことか持ち上げて空中から落下させ、更には火球ブレスで追撃する姿は圧巻。
序盤で見かけるだけで任務クエスト対象にはならないリオレイアとは違い、下位の後半で戦うことになるが、閃光などの対策をしていないとかなり手強い。
拘束攻撃や蹴りでの毒、咆哮からのバックジャンプブレスなどのラインナップも健在。空中に居座られればこれまでのように厄介な相手となっている。
とはいえ今作では、狩りやすくなるようにかなり行動が見直されている。
生態
生態を重視したMH3以降では、戦闘中にもその生態が反映されるようになった。
MHWでは初回任務を除き、平時にハンターを発見してもいきなり襲いかかってくることは無くなったようで、下手にケンカを売らなければ特にこちらを気にかけることもなく普通に過ごしているリオレウスの姿を見ることができる。基本的に巣以外の場所では常に飛んでおり、縄張りに侵入者がいないか監視して回っている。
逆に巣へ戻ってきた時は地に足をつけてリラックスしている。時たま欠伸をしたり、翼や爪の手入れをしている姿が鳥っぽくてなんだか可愛いと評判。
またリオレイアと同じように自分たちの卵が奪われてしまうと、何処からともなく飛来し奪ったハンターを執拗に追い回すという行動に出る。
また夫婦仲に関しても大幅な強化が施された。(詳しくはリオ夫婦を参照)
リオレイアが怯まされたり部位破壊され悲鳴をあげると、別エリアにいたリオレウスがキョロキョロと周りを見渡すようなモーションをした後、急いでリオレイアの元へ駆けつけ、同エリアのリオレイアが怒るに合わせて自分も怒り状態になるなど、良好な夫婦仲のご様子を見せつけてくれる。
更にMHWでは瀕死になって休眠に入ったパートナーの側で滞空し、目覚めるまで周りを見張るという愛情深い行動も取るようになった。
同エリアに合流されれば圧倒的な連携の前にあっという間に1乙である。
全体的に哺乳類のような愛情や暖かさが強調されるようになったといえる。
…ただリオレイアの3連ブレスに狙撃されたり、サマーソルトでハンターもろとも撃ち落とされたりといった場面も見受けられる事もあるが(逆も然り)。お互い誤爆されて怒ると怒りの矛先はもちろんハンターへ向けられるので注意。
納得いかない…
亜種
蒼い甲殻を持つ通称『蒼火竜』。防具名には最初に「リオソウル」と付く。
希少種
通称『銀火竜』。「白銀の火輪」という異名も持つ。
太陽に形容される美しい銀色の甲殻を持ち、原種に比べて攻守がずば抜けて高い。
防具名には最初に「シルバーソル」と付く。
二つ名個体
通称『黒炎王』。「王の中の王」と謳われるリオレウスの二つ名個体。
戦闘能力は希少種をも遥かに凌駕するとも言われている。
テーマBGM
咆哮/リオレウス
無印MHから存在するステージ「森丘」の汎用BGM。
古参プレイヤーからはモンハンといえばこの曲!と評価されるほどの人気をもつ。空の王者リオレウスの強大さ、威圧感を感じさせるテーマ曲である。
とはいえゲーム内では森丘の汎用BGMとして扱われており、リオレウスでなくともこのBGMは流れる。ちなみにMHP2G以前はドス鳥竜専用のBGMはなかったため、ドスランポスにもこの音楽が流れた。すばしっこい鳥竜種との戦闘に威圧感満載なこのBGMが流れる様はなんともアレである。
MH3以降はMH4Gまで森丘が無くなってしまっていた為、しばらくこの曲を聴く機会がなかった。しかしリオレウスの登場ムービーではアレンジされたものが毎回使用されている。
(いっそそこまでするくらいならもう専用BGMにしてくれてもいいんじゃ…)
MHXでは森丘の復活に合わせてこの曲も再登場した。
MHWではリオレウスの登場ムービーに使用されている。この時のBGMは新モンスター、アンジャナフのテーマ「森を牛耳る蛮顎の竜」とのコラボのような曲になっており、ムービー中のリオレウスと相まって迫力満点。
またモンハン代表のBGM故か、様々な曲の参考にもされている。
イャンガルルガ専用の「唸る一匹狼」、セルレギオス専用の「煌めく千の刃」、例のアイツ専用の「舞い降りる伝説」はこの曲のアレンジであることが明らかにされている。
構成自体は単純な曲ではあるが、ポテンシャルをもった曲である。
装備
リオレウスの素材から作られるレウス装備は、シリーズの代表的な防具でもある。
設定上はリオレウスの防具は並みのハンターでは手も届かないほどの代物である為、ハンター達にとっては「王冠」にも近い価値を持っているという。
スキル構成もシリーズ通して非常に優秀。
詳細は該当項目を参照。
コラボレーション
モンハンの看板を張る存在なだけあり、「モンハンとコラボ!」となると必ずと言っていいほどコラボ先に出張している。
◆『メタルギアソリッド ピースウォーカー』(発売元:コナミデジタルエンタテインメント)
行動やデザインはMHP2Gの頃のものがベース。
マシンガンやら追尾ミサイルやら凶悪極まりない現代兵器に負けず劣らず強力なブレスや、空中蹴りで対抗する。
ちなみにワールドツアーもしっかり完備している。
リオレウスを麻酔銃などの睡眠武器で捕獲したり、優秀な成績でクエストをこなすと、リオレウスの見た目を表現した「リオレウス迷彩」や、「火竜の剛翼」が手に入ることがある。
リオレウス迷彩は着用しているとボイスの「キエーーーー」に言霊が宿り、なんとリオレウスの咆哮をあげることができるようになる。咆哮を聴いた敵兵はあまりの威圧感に一定時間萎縮することになる。赤色なため迷彩としては些か派手すぎる気がするが…
素材の火竜の剛翼は設計図扱いであり、「大和魂」のスキルを持つ技術班に渡すと、ハンターならお馴染みライトボウガンの「種子島」が作成できる。
一見なんの変哲も無い火縄銃だが、敵兵に命中させると確率で竜巻を発生させて真上にうち飛ばし、強制的に自分の仲間へ送ることができるという敵兵回収効果を持ったトンデモ武器である。
火縄銃であるため現代兵器が発展したこの世界観ではお世辞にも実用的とは言えないが、中々面白い性能を持った武器である。
◆FF14
FFにてベヒーモスと入れ替わりで向こうに出張。行動、デザインはMHWのものがベース。
回復手段が回復薬に縛られるなど原作元に沿った仕様となっている。
強力な魔法が飛び交うFF世界においても強力な存在として登場しており、なんと対処方法を知らないと強制的にクエスト失敗に追い込む即死技まで習得している。
リオレウス討伐に成功すると鱗が手に入り、収得数によってはリオレウスをあしらった装備や、モンハンの要素を持ったアイテムやギミックの数々、挙げ句の果てにはリオレウス自体を「乗り物」として手に入れることすら可能になってしまう。広大なフィールドをリオレウスの背に乗って移動できてしまう夢のような報酬である(モンハンではそれ以前に外伝作品の『ストーリーズ』で同じことができたのは内緒)。
が、鱗自体が中々集まらないため場合によっては何度も周回する羽目になる事も…
◆スマブラSP
そして8月8日のスマブラダイレクトにおいて、まさかのスマブラSPへのゲスト参戦も発表された。実は前作の段階でMiiファイターのコスチューム「レウス装備」が登場していたが、SPECIALでとうとう本人が登場である。
アシストフィギュアで召喚され、お馴染みの火球ブレスや滑空攻撃で戦うほか、新アドベンチャーモード「灯火の星」や一部キャラクターの勝ち上がり乱闘にてボスとして登場する。
行動はデザインから見て恐らくMH3以降のものがベースだろう。ただ火球ブレスを3回連続で吐いている辺り、リオレイアの要素も混ざっている。また、突進後に停止できずに転倒するというMHP2G以前の要素も一部見られる。
とはいえ、他のボスと比べるとトリッキーな攻撃パターンはなく、基本的な行動パターンも原作とあまり変わっていないので、モンハンシリーズをプレイ済みのプレイヤーなら倒すのにそこまで苦労はしないという、比較的良心的なキャラになっている。
部位破壊要素も取り入れられており、頭と尻尾の破壊が可能。「灯火の星」では破壊に成功すると、爆弾系のアイテムを落とす……タル爆弾繋がりだろうか。
桜井氏曰く開発中は尻尾切断も出来るようにしようとしたらしいのだが、「日本のレーティングに引っ掛かる」と言う理由で取り止めとなったらしい(「CERO A(全年齢対象)で売れなくなっちゃう」とのこと(Nintendo Live 2018東京大会にて)。実際、原作はCERO Cである。)
その為、尻尾は部位破壊扱いに留まり、破壊されると甲殻の一部が剥がれ、黒く染まるようになっている。
他にも、「デクの実」を頭に当てると、原作における閃光玉よろしく一定時間動きが止まる(他の所に当てても効果はない)、「おとしあなのタネ」でリオレウスを罠にはめることができる(ただし、「おとしあなのタネ」を直接リオレウスに当てても効果はないので注意)等、これでもかというくらいの原作オマージュにもあふれている。
「おとしあなのタネ」と「デクの実」はリオレウス戦の最中に出現するようになっている。
驚くべき事に、スネークとは二度目の共演となっており、親世代には過去に狩られ、まさかの子世代がスマブラで遭遇である。
世代と作品の垣根を越えたとんでもないコラボである。
さらには、世界的に人気爆発したポケモン達(一部だが)とのモンスター同士の遭遇というこれまでありそうで無かった共演と言う点も見逃せない。ポケモントレーナーだとまさに伝説系との遭遇の様なものである。
リザードンに至っては火竜同士という奇跡。
むらびととしずえは「どうぶつの森」が「MH4」「アイルー村」と互いにコラボをしており、まさか本物のモンスターと戦う日が来ると思っていなかったであろう。もはや「かいぶつの森」である。
なお、むらびとは斧を装備しているのであえて言うならスラッシュアックスと言うべきか。
ちなみに上記の通り、どうぶつの森シリーズ伝統のアイテム「おとしあなのタネ」はスマブラにも登場している。
クラウドはファイナルファンタジーシリーズ代表のポジションである為、上記のFF14とは全く異なる形でコラボする事となったのである。バスターソードの大剣持ちなのである意味対峙しても違和感は無いだろう。
「ヘタレウス」
プレイヤー達から使われるリオレウスの通称。
該当記事参照。
関連タグ
リオレイア - 本種の雌個体
リオ夫婦 - リオレイアとのイラストに使われるタグ
カム・オルガロン テオ・テスカトル アルセルタス ロアルドロス タマミツネ - 雄モンスター繋がり
ラギアクルス - 「王者」繋がり
セルレギオス ライゼクス - リオレウスのライバル的存在。おまけに後者は雄モンスターである。
ディノバルド - 「地上版リオレウス」をコンセプトに登場したモンスター。
イベルタル←似ている