概要
登場は物語序盤、魔王軍不死騎団ヒュンケルの口から語られる。
魔王ハドラーのいる部屋へ通じる地獄門の番人をしている旧魔王軍最強の騎士だが、それとは逆にとても温厚で優しい性格をもっている魔物。
ある日、ホルキア大陸のある村を襲撃していた時に置き去りにされた赤子を見かける。
仲間のオークが殺めようとした所を止め『親に見捨てられたか・・・・哀れな・・・』と情けをかけてその赤子を拾い「ヒュンケル」と名付けて育てた。 ヒュンケルを育て初めてから血気盛んで凶暴だった仲間の魔物達にも笑顔が溢れ、一緒に遊んだりして実の息子のように時を共にし ヒュンケルから折紙で作られた<星の勲章>は『自分が初めて貰った勲章だ!』と喜び、大事に首から下げていた。
訪れた破局
時が流れ、ついに勇者が地底魔城へ攻め込んできたある日。 自身が戦場に出る時ヒュンケルに『もしかしたら、自分は戦死するかもしれない』ことを話し、部屋から絶対に出てはならないとそして『わしが死んでも強く生きるのだぞ・・・一人でな』と強く言うと勇者がいる戦場へと向かい
戦死した。
上記の通り、ヒュンケルの育ての親であり、今なおヒュンケルが最も尊敬している人物である。
バルトスの教えはヒュンケルの人としての根幹となっており、人を恨み魔王軍に在籍してなお女性を殺さなかったり、卑劣な手段を嫌うのはバルトスが教えた騎士道に他ならない。
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【これより先、この男を殺めた真犯人が記載されているため 閲覧には注意されたし】
真実
ヒュンケルが手にした魂の貝殻に残されたメッセージで明らかになる。
地獄門を死守するために、自分は勇者アバンと戦い奮戦するが武器は全て取り払われ勇者に倒されるかと思った・・・・
アバンが首にかかっている勲章を見ると剣を納められる『その首に下がっているものは、明らかに子供が作ったもの・・・もしかしたら、あなたにも家族が・・・そう想ったら、あなたを斬れなくなりました』と武の面でだけでなく精神の面でも敗北してしまう。自分の持っている情報の全てを彼に打ち明ける
『わしは全てを語った。 人間の子供を拾って育てていること、今ここで自分を殺さなくてもハドラーが死ねば消えてしまうことを・・・そして頼んだのじゃ 【ヒュンケル】と名付けた人間の子供を強く正しい戦士に育て上げて欲しい。 本当の人間の温もりを与えて欲しいと・・・アバン殿は、快く引き受けて下さった・・・』
しばらくして、ハドラーの断末魔が聴こえると身体が消えていく・・・・・はずが、消えないままだった。
その後、ハドラーの口から自分を蘇らせた者の名前を聴き、自身は【身体の治癒】と【魔力を高めるため】に休眠に入る旨を伝えられるが『その前に、お前を処刑せねばと思ってな・・・』と告げられる。
理由は『お前が、つまらぬ失敗作だからだ・・・・くだらぬ騎士道精神を持ったり、人間の子供を育てることに現を抜かす!! 挙句の果てには地獄門を通らせる大失態とは・・・新たな魔王軍結成の際には、絶対に造らぬ!!』と身体を砕かれた。
その後、いてもたってもいられず部屋を飛び出しやって来たヒュンケルに真実を打ち明けようとするがそれだけの力がなかったため この出来事を【魂の貝殻】に込めた。 何時の日か、これを見つけて聴いてくれることを願って・・・
『ヒュンケルよ、どうか人間らしく生きて欲しい。 そして、アバン殿を決して怨んではならぬぞ! 怨むのなら・・・魔物の分際で人間の子を育ててしまったこのワシを怨め・・・・このワシを!』
『だが、ワシは幸せだった。短い時間ではあったが、冷たい骸の身体に温もりが戻って来たかのようだった・・・・最後に、もう一度だけ言わせてくれ・・・想い出を・・・・ありがとう・・・』