声:津川祝子(アニメ版)
概要
初登場は『逆転裁判2』第2話。
年齢不詳だが、妹の年齢(『2』の時点で47歳)から、初登場の時点で48歳以上と思われる。
倉院流霊媒道家元の家に長女として生を受けたが、生まれつき霊力が弱く妹の舞子に劣っていたため、家元の座を舞子に譲った過去を持つ。
DL6号事件の後に舞子が失踪してからは倉院の里の実質的な指導者となり、真宵や春美など後進の育成にあたっている。
娘の春美を溺愛しており、箱入り娘として大切に育てているため、娘の話題には敏感。
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ネタバレ
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実は『逆転裁判2』第2話の事件の主犯・葉中未実の共犯者で真宵を犯人に仕立て上げようとしていた張本人。
事の発端は真宵が外科医の霧崎哲郎から霊媒の依頼を受け、霧崎に霊媒をされると都合が悪い未実から相談を持ちかけられた事から始まる。
相談を受けたキミ子は霧崎の依頼を利用して彼を殺害して口を封じると同時に真宵を犯人に仕立て上げて次期家元の座から引きずり下ろす計画を講じ実行した。
表向きは真宵に対して友好的な態度を取っていたキミ子だが、腹の内では次期家元の真宵を疎ましく思っており、彼女を排除して自分の娘である春美を次期家元の座に就けようと画策していた。真宵と千尋も伯母の本性には以前から薄々気付いていた模様だが、信じたくないという思いが強かったようである(アニメ版ではキミ子が共犯者であることを知った際は真宵は激しく動揺しており、ゲーム版とは違い完全にキミ子を信じ切っていたと思われる)。
キミ子の思惑通り、霧崎は未実に殺害され、真宵が容疑者として逮捕されたが、彼女の弁護を行った成歩堂龍一によって犯行計画を暴かれ、キミ子は未実の共犯者で逮捕。
アニメ版では、最初は未実から『霊媒をせずにうまくごまかしてもらいたい』という相談を受けていたのだが、キミ子は『もっといい方法がある』と言って殺人計画そのものを発案していたことが語られている。又、その際未実に霧崎の殺害を決意させるために『協力しなければ秘密を全て世間に公表する』と脅していたことも判明しており余計に悪人になっている。また裁判後去り際に成歩堂と千尋に「あたくし、あきらめませんわよ」とゲームと違う形ではあるがまだ目的を捨てていないことを意味する台詞を残している。
更にアニメのセカンドシーズン第14話「逆転の潮騒が聞こえる」では春美の回想で再登場した際は真宵に対しての態度も他所様の目が無いところでは敬称を付けはするものの露骨に悪かったと捉えられるような描写をしている。しまいには春美の願いを叶えるために掟を破ってまで春美を里の外に連れ出した真宵に注意する際にも、里を出て行った真宵の家族(舞子と千尋)のことまで引き合いに出し「ああたがた本家は倉院の恥さらしでござあます!!」と激しく罵倒し真宵を傷つけている。
キミ子の陰謀はこれで終わらず、続編の『逆転裁判3』第5話でも真宵の命を脅かすことになり、更に春美の他に美柳ちなみと葉桜院あやめという二人の娘が居ることが判明する。
『2』第2話での計画が失敗に終わった時、キミ子は既に「真宵の暗殺」という最終手段を考えており、自宅にその計画書を隠しておいた。
その内容は、ちなみの死刑が執行された後、倉院流の分家筋にあたる山奥の道場「葉桜院」に真宵を修行に行かせ、そこで春美にちなみを霊媒させて真宵を殺害させ、葉桜院に預けられていた次女あやめにその罪を着せるという、残忍極まりないものであった。
この計画のためにキミ子は自分より先に刑務所に入っていたちなみに協力を約束させ、面会にやって来る春美に自分を完全に信じ込ませた上で、ちなみの死刑執行後に計画を実行させた。
しかし、キミ子と春美の面会の様子を盗聴していたゴドーがその計画を察知し、絵本作家天流斎エリスとして生きていた舞子と、葉桜院のあやめに連絡を取り、計画阻止のために三人は春美が計画を実行する日に合わせて葉桜院を訪れていた。その後、春美の足止めに失敗してしまった事で春美より先にちなみを霊媒した舞子が殺されてしまうも、真宵が助けを求めた千尋の機転によって真宵はちなみから身を守ることに成功し、計画は失敗に終わる。裁判ではまたしても成歩堂によって計画の全貌を暴かれ、キミ子の野望は完全に潰えることになる。
キミ子がここまで自分の娘を家元の座に就ける事に執着したのは、上述したように自分が家元の座を継げなかった事に起因している。
かつての倉院流霊媒道は財政界に対して強い影響力を持っており、その頂点に立つ家元は栄華を誇っていた。また綾里家では代々女性にのみ霊媒師の素質たる霊力が受け継がれ、しかもその遺伝は基本的に長女の方が強いのだが、キミ子は長女であるにも関わらず妹の舞子に霊力で劣っていたために家元の座を妹に奪われてしまい、「姉なのに妹に負けた」「家元を継げなかった」と里の人々に陰口を叩かれ続けてきた。
DL6号事件で倉院流霊媒道の権威が失墜し、夫が二人の娘を連れて里を出ていってもなお、キミ子は家元の座を諦め切れず、再婚して三女の春美を出産した。
ちなみ、あやめと違って春美は天才的な霊力を持って生まれてきたために、キミ子はより一層自分の娘を家元にすることに執着するようになった。
また、ちなみやあやめの発言から、キミ子は霊力に恵まれなかった二人には冷たかったことが窺え、春美に対する溺愛ぶりも、春美そのものよりも彼女の才能を愛していた節が多々見られる。長女のちなみも「春美の意思なんて関係ない」「キミ子にとって大切なのは家元の座だけ」と語っており、幼い春美に真宵殺害の片棒を担がせようとした事からも、キミ子が春美個人の事には関心を抱いていなかったことは明白である。また、その証左として春美に第2策を起こさせるための手紙が、幼い彼女には難読な漢字ばかりであったために、結果的にその解読のため妨害者に読まれてしまうという結果をもたらしてしまった。
そんな身勝手過ぎるキミ子の思惑から真宵と春美を身を挺して守ったのが、キミ子自身の無関心だった一面ととかつて自分から家元の座を奪った舞子であったというのは何とも皮肉な話である。
その異常なまでに、いっそ狂気的とも言えるほど家元に執着する姿は実の娘であるちなみからも軽蔑されるほどで、「キミ子のココロはとっくに壊れている」とまで言われている。
なお、実は彼女は劇中では一度もブレイクシーンを見せていない犯人だったりする。