概要
正式名称は『Cuphead "Don't deal with the Devil "』。
1930年代のカートゥーン風に描かれたアニメーションが特徴で、アニメーションも当時に忠実な方法で作成されている。
2013年に発売予定だったが発売を幾度も延期し、2017年9月29日からXbox One/Steam/GOGにて配信。遅れて2018年10月20日からMac版が配信。また、本作はマイクロソフトから資金援助を受けており、さらにPC(Mac版)とXboxのみの独占配信であると明言されていた為他機種への移植は絶望的だと思われていたがマイクロソフト側からの提案によりswitch版が2019年4月18日から配信され、switch版発売当日のアップデートにて日本語を始めとする多言語版が導入された。
ゲームのジャンルとしてはロックマンやメタルスラッグ、魂斗羅を彷彿とさせるアクションゲームであり、雑魚を倒しながら進むステージよりもその後のボス戦がメインとなる流れになっている。
但しその内容は、目紛しく攻撃や形態が変わる予想外な展開ばかりのボス戦、雑魚敵が無尽蔵に現れる通常ステージなど、見た目とは裏腹に難易度が非常に高い。
ただ、攻撃手段や形態の変化のモーションなど動作表現においては手書きのアニメーションを最大限に生かした見ごたえのあるものとなっており、ゲーム中のアニメーションに使用されたセル画は45000枚以上に上り、「ゲーム制作に使われた最も多い手描きセル画の枚数」としてギネスにも記録されている。
登場するキャラクターやステージには他のゲームやアニメ作品のオマージュやモチーフが数多く隠されており、見つけてみても面白い(ポパイのブルートそっくりのボスやトムとジェリーのトムそっくりのボスなど。あるボスは効果的にダメージを与えられる装備を含めてほぼ某ゲームの終盤ステージのボスである)。
発売から僅か2週間で100万本の大台を突破し、3か月で200万本を、11か月で300万本を売り上げたとの事。
The Game Awards 2017
2017年に発売されたゲームで、最も優れた作品を決めるゲームオブザイヤーにノミネートされた。
ノミネート部門は「Best Art Direction」「Best Score/Music」「Best Action Game」「Best Independent Game」「Best Debut Indie Game, presented by Schick Hydro」の5部門。
部門によってライバル作品は異なるが、「スーパーマリオ オデッセイ」「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」「NieR:Automata」「ペルソナ5」「仁王」と錚錚たる作品と肩を並べられたのが、本作品の評価を物語っている。
そして晴れて「Best Art Direction」「Best Independent Game」「Best Debut Indie Game, presented by Schick Hydro」の3部門を受賞した。
追加DLC
2018年のE3で、追加コンテンツ『Cuphead in "The delicious last course"』が配信される事が発表された。
インクウェル島とは別の島が舞台らしく、新しいチャームやショット、手強いボス達が登場する。
プレイアブルではカップヘッドとマグマンの他に、ゲーム中でスペシャルアイテムを授けてくれる伝説の聖霊チャリスが「ミス・チャリス(Ms.Chalice)」として操作が可能に。
また新キャラに、謎に包まれた塩入れのシェフ「シェフ・ソルトベイカー(Chef Saltbaker)」が登場することも判明している。
2019年に配信だったが、更なるクオリティアップやスタッフの健康の配慮の為に延期し、2020年に配信が変更されている。
また、数々のディズニー作品の制作に参加してきたアニメーター「トム・バンクロフト」氏が開発参加している。
ストーリー
魔法の国「インクウェル島」で暮らすカップヘッドとマグマンはある日、ケトルじいさんの言いつけを破り、家から遠く離れたガラの悪い場所にある『デビルのカジノ』を訪れる。
さっそくゲームをはじめた兄弟は連戦連勝。気を良くしていると、オーナーのデビルが兄弟の前に現れ、彼から「次のゲームに勝てたら、このカジノの全てをやろう。ただし、負けた場合はお前たちの魂をいただくぞ!」と賭けを持ちかけられる。
乗り気でないマグマンをよそに、金に目がくらんだカップヘッドはマグマンの制止も聞かず、サイコロを振ってしまい、案の定負けてしまった。
魂を奪おうと迫るデビルに2人は「何か別の方法で支払いできないでしょうか…?」と命乞いをすると、デビルはカジノから逃げた債務者達の名前が書かれたリストを手渡し、「明日の夜12時までに債務者達の魂を回収してくれば見逃してやろう」と提案、2人をカジノから蹴り飛ばした。
大急ぎで家に帰ってケトルじいさんに事情を話し、彼から魔法の水を授かった2人は自分の魂を賭けて、はびこる債務者達の魂を集めに行く冒険の旅に出る。
主な登場キャラクター
カップヘッド(Cuphead)
主人公で兄の方。
賭け事には強いが、大きな報酬を見ると後先考えずに挑戦を引き受けてしまう一面もある。
アクションゲームの主人公という事もあり、明確な性格描写のシーンは少ないが、弟よりは向こう見ずな性格だと思われる。
2015年版E3トレイラーでは頭に密造酒を注ぐという色々な意味で危険な事をやらかしていた。
マグマン(Mugman)
もう一人の主人公で弟の方。カップヘッドと比べると目が離れて鼻が大きく、ストローが真っ直ぐなのが特徴。
発売当初は2Pだけしか操作できなかったが、switch版発売同日アップデートで、カップヘッドと選択で1Pでも操作が可能になった。プレイごとに自由に切り替えできる。
金に目がくらんだ兄に巻き込まれ、一緒に魂の取り立てに行く羽目になる。
こちらも性格描写のシーンは少ないが、兄よりは慎重で理性的な性格だと思われる。
だがDLCアナウンストレーラーでとんでもない表情を、Mac対応トレーラーでは焦点の合わない目を披露しており、実は顔芸キャラの可能性が出てきた。
とか言ってたらアップデートで追加されたバトル開始時のアニメーションにとんでもない表情が追加された。どうやらそういうキャラへ路線変更しているようだ。
名前はMegamanのオマージュで、カップヘッドよりも先にデザインされた。
ちなみにマグカップは和製英語。Mugだけで英語として通じる。
ケトルじいさん(Elder Kettle)
カップヘッドとマグマンを見守っているケトルの老人。
カップヘッド達がデビルに重荷を背負わされた事を聞き、彼らに魔法の水を授け、自身はデビルに対抗する術を探すべく協力する。
デビル(The Devil)
インクウェルヘルにある『デビルのカジノ(Devil’s Casino)』のオーナーである黒い悪魔。一人称は「俺様」、二人称は「貴様」。インクウェル島全域を支配していると言っても過言ではないほど強い影響力を持つ。
自分の仕掛けた賭けに負けたカップヘッドとマグマンに、見逃す代わりに債務者の魂を集めてくるよう命令する。
キングダイス(King Dice)
デビルの側近であるサイコロのディーラー。
各エリアの出入り口で兄弟2人が全ての魂を回収したかを確認する門番を務める。
全ての債務者の「タマシイの契約書」を集め、インクウェルヘル行くと対戦可能になる。スゴロクの要領でマスを進み、止まったマスにいるボス敵と戦いながらゴールへと進むといよいよ彼と直接対決することとなる。
余談だが、サイコロは出目の3と4の位置で雄と雌に分けられるが、彼はきちんと雄サイコロの出目になっている。(雄サイコロは123の目が時計回り、雌サイコロは123の目が逆時計回り)
ゲーム中のキャラの中ではBGMに歌詞がついている。ちなみにボーカルはAlana Bridgewaterという女性で、加工前の歌声もかなり低い。
債務者たち(Debtors)
「デビルのカジノ」から逃亡した者たち。
各エリアのボスを務め、魂を取られまいとあの手この手でカップヘッド達を倒そうとしてくる。
予想がつかない攻撃方法を取るのがほとんどで難易度が高く、初見殺しは確実。倒すにはかなりの慣れと有効なショットの見極めが重要になる。
難易度は「シンプル」と「レギュラー」があるが、債務者たちの「タマシイの契約書」は高難易度のレギュラーでないと受け取ることが出来ない。
ストーリーをクリアすると「レギュラー」よりも難易度が高めの「エキスパート」が追加される。
兄弟にとっての敵であるが、彼らもまたキングダイスたちに魂を狙われている兄弟と同じ境遇の者たちであり、そのためEDではキングダイスとデビルを倒した兄弟を総出で称賛している。
伝説の聖霊チャリス(Legendry Chalice)
その名の通り、聖杯の姿をした霊体。
インクウェル島に伝わる魔法を探し回っているが、各エリアの霊廟ステージにて恐ろしいお化け達に捕まっている。お化けを追い払うとお礼にボス攻略に役立つ必殺技を授けてくれる。
追加コンテンツではプレイヤーとして操作できるようになり、カップヘッドとマグマンと違って2段ジャンプができる。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
同じく1930年代のカートゥーンを意識した世界観のゲームで、2017年に発売された点も共通している。
外部リンク
公式サイト(※英語)