概要
九州地方にある県。諸島部である沖縄県と共に日本列島の南西の端の部分を占めており、地図でも見つけやすい。
県庁所在地は鹿児島市。隣接県は熊本県、宮崎県、海上で沖縄県。
桜島周辺の自治体では、「燃えるゴミ」、「燃えないゴミ」の他に「火山灰」の収集がある。
気候は温暖である一方、冬場になると氷点下まで下がり、積雪が見られるといった京都市より寒い寒冷地が存在する(伊佐市(最低気温-15.2℃)や霧島市福山町(-5~-6℃)など)。また屋久島においても島内の山間部では冬季には凍結や積雪があり、これを理解しておかないと遭難事故につながる。
交通
駅・鉄道
駅について詳しくは鹿児島県内の駅一覧参照
九州新幹線の全線開通により、鹿児島中央駅と博多駅が結ばれている。
なお、鹿児島中央駅は博多駅、小倉駅に次ぐ九州第3位の旅客数を誇り、現在の駅舎は南九州最大の駅ビルとなっている。
しかしながら、JR九州の在来線で使用される車両においては”北部は新車を投入するが、南部は転属車で済ませる”といった傾向があり、鹿児島県を走るJR九州の車両の多くはボロまたは他地域からのお下がり(鹿児島に新製配置されたのは787系(後に転属)とキハ200系の一部のみ)であり、日本で唯一VVVF制御の特急電車が一度も走ったことがない県であることから九州の車両の墓場と揶揄されている(ちなみにきりしまに至っては783系・787系が投入されるまでは485系しか使わせないという冷遇ぶりを受けている)。
JR貨物も南九州においてはこの傾向があり、国鉄時代から九州に配属されているED76や関門から転属のEF81-300番台、また同じく北陸地域からの転属車であるEF81が最後の活躍をしており、こちらも一部で機関車の墓場と揶揄されている。
また九州新幹線の全通と引き換えに、並行在来線である鹿児島本線の県境部分がJRから経営分離され、第三セクターの肥薩おれんじ鉄道へと転換されている。
また鹿児島市の中心部には交通局が運行する市電が走っている。
空港
離島が多いために非常に空港の数が多い。
- 鹿児島空港
- 種子島空港
- 屋久島空港
- 奄美空港
- 喜界空港
- 徳之島空港
- 沖永良部空港
- 与論空港
- 薩摩硫黄島飛行場
鹿児島空港の年間利用者数は福岡空港に次いで九州第2位である。これは離島路線が多すぎることも少なからず影響している。
奄美空港は離島空港であるにも関わらず、かなり規模が大きく国内主要都市のほとんどに路線を持つ。帰省時期は相当込み合うことで知られる。
なお、鹿児島空港は東京便のシェアが高いことから過去に6度もワイドボディ機のメモリアルフライトの舞台となっている(A300・MD11・B777-200/300のファーストフライト、L-1011・B747SRのラストフライトなど)。
港・航路
県内の海岸線が非常に長く、またやはり離島が多いことから、港も当然多い。鹿児島港から奄美群島を経て沖縄県に至る航路や、種子島・屋久島までの高速船は利用者が多い。トカラ列島を結ぶ定期船もここから運行されている。桜島は離島ではないが、薩摩半島から陸路が遠くなるため、薩摩半島と桜島を結ぶフェリーが24時間運航されている(余談であるが、長渕剛はこの桜島フェリーを歌に登場させている)。また鹿児島湾を横断して大隅半島と鹿児島市を短絡する鴨池・垂水フェリーも運行されている。
信号機の傾向
日本信号がやや多く、次いで京三製作所、信号電材、コイト電工の順。
電材擬きも多く見られる。
昭和63年ごろからアルミ灯器に移行し、各社のアルミが出るまでは電材擬きを採用していた。
アルミ移行前までは鉄板灯器が主流だが、海沿いの一部は樹脂灯器もある。
現行灯器は低コスト灯器を除けば30cmのみ。
バス
市が運営するバスもあるが、最も主流なのは鹿児島市に本社を置く「南国交通」のバス。バス停や時刻表を見てもかなり数が多い。しかし遅延が発生するときは30分くらい遅れることも。
また、かなりの悪天候でも大概運行し、台風や大雪の場合も滅多なことでは停止しない。そんな不屈の姿勢から、一部では「鋼の南国」などといった異名で呼ばれることも。市内の学生はバス通学も多いため、「悪天候時の交通麻痺による欠席」が通用せず恨み言を口にする生徒が一部にいる。
かつてはライバル会社として鉄道も経営していた「鹿児島交通」(いわさきネットワーク)があったが、採算悪化による路線縮小を繰り返し、現在では福岡・熊本行き高速バスと鹿児島県西南部のみの運行となっている。また上記の鴨池・垂水フェリーの運営も行っている。
鹿児島県出身およびゆかりがある有名人
加筆お願いします。
実在
- 西郷隆盛
- 島津斉彬
- 島津義弘
- 大久保利通
- 山田孝之
- 元ちとせ
- 長渕剛
- 前田君
- 柏木由紀
- 宮脇咲良
- 上白石萌歌
- 上白石萌音
- 井上雄彦
- 吉崎観音(熊本県・長崎県も出身地)
- wowaka
- 城嶋茂・国分太一(TOKIO。共に父親の出身地。)
- 山里亮太(南海キャンディーズ。生誕の地。出身は千葉県)
架空
pixivに登録している鹿児島県の絵師
名産品
火山灰による土壌は稲作に適さないものの、桜島から二つものギネス農産物を生み出している。また畜産も盛んであり、食肉用の豚・牛・鶏の飼育数は、どれも全国トップ3入りしている。更に錦江湾などの恵まれた海を活かし、ブリ・カンパチ・ウナギの養殖生産量は全国一位。クロマグロの養殖も2位である。
観光地
テーマパーク
県内にテーマパークらしいテーマパークは長崎鼻パーキングガーデンくらいしかなく、あとは大隅の志布志市にあるダグリ岬遊園地ぐらいと少し寂しく、どちらもいかにも潰れそうなくらい赤字で経営難に陥っている。
水族館
鹿児島市本港に鹿児島市立「いおワールドかごしま水族館」があり、鹿児島沿岸・鹿児島湾の海生生物をメインとした展示がなされている。(入館料 大人1、500円)
鹿児島湾沖の定置網に引っかかってしまった小型のジンベイザメを保護し、ある程度成長した後に野生への復帰訓練の上で大海原に返す、という独特のジンベエザメの飼育展示方法を行っている。
寺社仏閣
鹿児島県は非常に廃仏毀釈が激しかったこともあり、全国的にもお寺の数が非常に少ない。現在鹿児島県内の寺院は全て明治期以降のものであり、明治期以前の寺院は廃仏毀釈により完全消滅した。
対して、天孫降臨の地を宮崎県との境目に有することから、霧島神宮という九州でも宇佐神宮と並ぶ社格の大社が鎮座している。また、薩摩隼人の伝説も有名な霧島市隼人町に鎮座する鹿児島神宮も有名。
しかし、鹿児島県で最も参拝者が多いのは、島津家を主祭神とする照国神社。毎年、初詣の際は参道まで多くの人が並んで参拝する。
火山
鹿児島県自体が火山地帯であり、多くの活火山も抱えているが、最も有名なのは言うまでもなく県のシンボル、桜島である。県の中央に位置し、元々は離島であったが、大正時代の大噴火で流れ出した溶岩が大隅半島と繋がり、本土と陸続きになったという極めて珍しい地形となっている。また、火山灰が降り積もることにより形成された「シラス台地」は農業に大きな影響を及ぼしており、人々の生活に密接にかかわっている。
一日に何度も爆発し、衝撃で窓ガラスが揺れたりするのはよくあること。県民にとって桜島の爆発は日常茶飯事なのである。しかし被害が発生する事実も否めない。かつての大正大噴火は当時の火山予知が技術的に未熟であったことも手伝って多くの犠牲者を出し、また今後のさらなる大噴火もあり得ることとして今なお警鐘を鳴らし続けている。火山灰により鳥居が埋まってしまったなんて事例もあるため、警戒するに越したことはないだろう。
しかしそれでも県民はこの活火山を愛している。新幹線の駅の向こうにそびえ立ち、県を象徴し、常に煙を上げる火の山は、窓を開ければそこにある生活の一部なのだ。
鹿児島を舞台とした、もしくは登場した作品
種子島宇宙センターのような科学技術の結晶、もしくは自然豊かな離島といったイメージから、度々フィクションのモデルとして取り上げられる。「もののけ姫のシシガミの森が屋久島をモデルにした」という話は有名。
また歴史物においては倒幕から明治維新にかけて重大な功績を残した人物を多く輩出したこともあり、程度の差こそあれ触れられている事が多い。
教育機関
大学
著名な高校
地域ごとの特徴
薩摩半島
地図で見た場合、県の左側。人口も経済も薩摩半島側に集中している。
鹿児島市は九州有数の人口を有する都市圏。日本全体で見ても中核市の中で船橋市に次いで2番目の人口を有し、中心部、特に天文館だけで見ればお隣の政令市熊本市の繁華街より都会だという声もある。実際新幹線の終着駅が鹿児島中央駅になってしまい、通過点となってしまった熊本市は県の魅力度も鹿児島県より低い(18年度。鹿児島県は18位、熊本県は21位)こともあり危機感を募らせている。
なお、天文館の地価は品川区とほぼ同じである。景観条例のために高層ビルが無いこともあり一見分かりづらいが、全国的に見ても決して田舎の街でないことは街をしばらく歩けばわかる。
また、静岡県に次いで全国二位のお茶(YouTuberのセイキンが愛飲していることを動画内で語っている)の産地である南九州市知覧、砂蒸し温泉で有名な指宿市を有する。
大隅半島
地図で見た場合、県の右側。大隅地方においては、宮崎県との県境である霧島市が国分隼人テクノポリスと通称される工業地帯となっており、ソニーや京セラの工場が立ち並ぶ県第2の都市となっている。また、珍しい国立の体育大学を有する鹿屋市も霧島市に次いで県3番目の人口を有している。
とは言うものの、県庁所在地に人口が集中し過ぎており、他の地域は少々寂しいのも事実。また、大隅半島は霧島市を通り宮崎県に向かうルート以外は鉄道がほとんど走っていないため、移動はほとんど車に頼ることになる。(かつては大隅半島を廻る鉄道路線が存在したが、国鉄民営化に伴い廃線となった)そんな大隅半島ではあるが、肝属郡肝付町は種子島と同じくロケットで有名であり、西日本で唯一、JAXAの研究施設がある自治体の交流組織「銀河連邦」に加盟している。
大隅諸島
ロケットで有名な種子島・世界遺産の屋久島を主とする群島。それぞれ全く違った特色のある島であるが、隣同士のため一括りにされていることが多い。種子島・屋久島には鹿児島県本土からは高速船で二時間程度である。
また、硫黄島・竹島・黒島の三つの有人島からなる三島村も大隅諸島に属するとすることがある。
奄美群島
詳しくは奄美群島参照。
奄美大島を中心とした独自の経済圏を築いている。離島経済としては日本では破格の規模であり、奄美市中心部の繁華街「屋仁川」は鹿児島市の「天文館」に次ぐ県第2の繁華街とも言われている。
中でも与論島は天国に一番近い島と言われている。
トカラ列島
秘境。全体が人口数百人の十島村に属する。さすがに鹿児島県民もほとんどが行ったことがない地域。週一回の定期船しか交通手段がないため、台風などが来ると死活問題。
なお、この十島村と上記大隅諸島の三島村は、村役場が県本土の鹿児島市内に置かれている。
方言
…強烈である。
このぐらいが鹿児島のネイティブのスタンダード。
イメージ通り高齢者には訛りが強い人が多いが、(鹿児島に限った話でもないが)県外に出たことが無い中高生やマイルドヤンキーなどの若者世代の訛りも相当強かったりする。無論、きわめて標準語に近いしゃべりの若者も数多く存在するが、微妙な言い回しの違いで周囲とかみ合わないことが勿論ある。
分かりやすい例を挙げると、「~を片付ける」という意味で「~をなおす」と言うため、大概の人は一瞬混乱する。
因みに創作の類いで取り扱われる際に「おいどん」・「ごわす」などがよく使われるため、全国的に浸透してしまっているものの、近年、実際に使う人は滅多にいない。薩摩言葉は年齢層が上がる毎に解読が困難になる傾向があり、祖父母世代の話す内容が孫に伝わらないなんて事例もしばしば。
大阪で関西弁を真似すると反感を買うのと同じように、鹿児島県民もそういった偏見には敏感なため注意されたし。
鹿児島県発祥のもの
その他
黒に対するこだわり
黒豚・黒牛・黒酢・黒糖・黒ニンニクに代表されるよう鹿児島県には食の黒文化のほか、歴史的にも黒の文化が根付いている(黒じょか等)。近年では新たな黒として黒さつま鳥を生み出したり、2018年にはさつま黒味噌を誕生させている。
他にも黒い餃子や黒いトンカツ、真っ黒なウインナー、果てにはクリームも含めて真っ黒なロールケーキも存在している。もちろん普通の食べ物もたくさんあるためあしからず。
余談であるが鹿児島の離島の軽トラの荷台は防錆対策(FRP加工)で黒色に塗られていることが多い。
原子力発電所・金鉱山
県南西部に位置する薩摩川内市には九州で二か所しかない原子力発電所の1つ(九州電力川内原子力発電所)が立地している。
また県北部の伊佐市菱刈地区には日本唯一の現役金山である菱刈鉱山が稼働している。当地の金鉱石は世界レベルの高品位を誇るという。
問題点
2018年版の最低賃金は761円であり、これは全国で最も安い最低賃金となっているほか、有効求人倍率も全国で2番目に低い。
市町村別出生率が高い反面、近年では大企業の工場撤退(パイオニアやNECなど)が増えていることや、鹿児島県に未進出の店舗などが多いこと、更に九州新幹線の開通など交通網の整備が進んだ事などからか、若者の県外流出率が高い(近年までワースト1だった)ほか、県内就職率が全国ワースト1となっているだけでなく、完全失業率もワースト20以内と比較的高い部類に入り、高齢単身世帯の割合も全国ワースト1であり、県にとって深刻な問題が多い。また、人口10万人当たりのパチンコ店の店舗数も全都道府県中最多であり、県民の80%以上がパチンコをやっている計算となる(次点の高知県ではギリギリ60%代)ため、パチンコ依存性が飛び抜けて多い事も問題である。また、過疎地域や前述の通り離島を多く抱えていることから他県に比べ社会資本整備が立ち後れている。
※どの県にも言えることだが、世間における他県への主張・偏見・悪評などは、それを広める個人の主観にのみ基づいていることがほとんどである。仮に自分にとって嫌な体験をしたとしても、それはその時その状況に限定された、極めて狭い範囲での出来事であることを忘れてはいけない。
自身の見聞による事実として受け入れるのは大変結構だが、それを全体に共通するものだと決めつけ、県そのものを否定することは筋違いにもほどがある。更に周囲に個人的な見解を広めるのは、関係のない県民を攻め立て、反感を買いかねない。
無益な衝突や不毛な議論を避けるためにも、記述は細心の注意を払って行うべし。
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