概要
フランスの彫刻家オーギュスト・ロダンの代表作。
ルネサンス期イタリアの詩人ダンテの姿をモチーフとしているとも、ロダン本人を表しているとも言われている。大学や美術館の入り口に飾られていることが多い。座っている格好からよく洋式トイレネタに使われる。
逸話
元々は、ロダンの『地獄の門』という作品のうちの一部分である。
『地獄の門』は、ダンテの『神曲(しんきょく)』という詩編の中の「地獄編(じごくへん)」をモチーフにした作品であり、かなり巨大な扉の形をした造形物であった。門の周囲に様々なポーズをした人間の彫刻が配置されており、石造の中央に配置されていた人型の彫刻がこの像である。地獄の門の前に連れてこられた者達を審判官(しんぱんかん)が真上から覗き込んでいる場面であり、特に何かを考えているというわけではなく、罪人を上から見つめるポーズとして制作された。
後に、この作品を鋳造した鋳造職人のリュディエが、この人物部分だけを抜き取って販売することを考えた際に、地獄の審判官とか、大型作品のパーツの一部であるとか、そういった背景を全部取っ払い、「ひとりの人間がただ熟考しているだけの姿」として販売することを考えた。
遠目に見れば筋肉隆々の一般人が座っているだけなのだが、不自然なほど丸まった背中に、不自然に顔を支える右手、右手とは不釣り合いに足の上にのせた左手という複雑なポーズが、「見る角度によって表情が違って面白い」「どの角度から見るのが最適なのか考えさせられる」「見ている側が考える人になる」という本来の意図とは違う形で評価を受けた。
ちなみに、芸術界では過去の作品の一部を流用し、全く別の意味合いを持たせた作品として売り出す事が何かと多いそうな。
ナイトミュージアム
ナイト ミュージアム2に登場した。頭脳よりパワーの方で大活躍をした。