概要
鬼頭月代は、横溝正史の長編推理小説「獄門島」の登場人物である。
金田一の戦友・千万太の妹。獄門島の網元・本鬼頭の長女で、与三松とお小夜の娘。妹に雪枝と花子がいる。
美人だが精神的に幼い性格で、妹たちと一緒になって、座敷牢にいる父与三松に紙を投げつけたりつついたりして遊ぶなど、無邪気さゆえの狂気を感じさせる。
賑やかなことが好きで辛気臭いのは嫌い(本人談)。
祈祷が得意で、嫌なことがあると祈祷所にこもってお祈りする。祈祷時は白拍子のような恰好をする。ちなみに月代の祈祷はよく効くと獄門島でも評判が高い。
相次ぐ妹たち(雪枝と花子)の死に怯えて、村人たちが犯人と思われる不審な人物を捕まえるべく山狩りをするとのことで、犯人が捕まるように祈祷所で祈祷を行っていたところを犯人に絞殺された。
余談
獄門島のヒロインは鬼頭早苗なのだが、1990年版のテレビドラマ(片岡鶴太郎主演)では月代がヒロインになっていて、原作とは違いまともな性格(世間知らずで内向的なお嬢様)で、原作にはない金田一と月代の淡い恋も描かれている。これは片岡鶴太郎主演の金田一シリーズは牧瀬里穂がヒロイン役(もしくはおいしい役)を演じることがお約束であり、このときの獄門島では月代を牧瀬里穂が演じていて、そのため牧瀬演じる月代がヒロイン役としてクローズアップされたからと思われる。