「そうでしょうか。ふしだらな所を見せているような気がします」
CV:杉本るみ
概要
穏やかな人格者であり、ノヴィス・ノアのクルー達にも直子おばあちゃんとして慕われている。司令のゲイブリッジとは学生時代からの縁であり、結婚はしなかったが現在は老いらくの恋を楽しむ関係。
※以下は作品本編の情報が含まれます。
一見して人畜無害で、事実本人が他人に悪意を持って接するようなところは全くないものの、実は伊佐未ファミリーの歪みの原因を作ってしまった人である。
彼女も若い頃はオーガニック・エナジーの研究者であり、ゲイブリッジとはその頃恋人同士であった。しかしアメリカに帰国するゲイブの誘いを「アメリカには馴染めない」という理由で断り離別。これを好機と見てアプローチしたのが、同じ研究室勤務で元々直子に好意を寄せていたと思わしき伊佐未勇(イサム)であり、二人はやがて結婚する。
しかし(少なくとも当初)直子はイサムに対して特別愛情を感じておらず、イサムの「幸せにするから」という言葉に押し切られての結婚であった。その後娘の翠が生まれ、夫にも愛情を感じ始めた矢先にイサムは事故で他界。女手一つで翠を育てるも、両親の微妙な関係が影を落としたのか、研究にのみ没頭し家庭を顧みない娘に育ってしまう。
さらに翠は研究の邪魔だとして依衣子と勇を一方的に直子に預け、また研究に必要という理由で一方的に引き取りにくるが、いずれの時も娘に押し切られる形で子供達を守れておらず、不満は言いながらも娘の身勝手をちゃんと叱るということができていない。
作中後半ではゲイブリッジと行動を共にした結果、気がつけばオルファンの中枢部にまで付いていくこととなるが、「大量虐殺の汚名を着せられても受けるつもり」というゲイブの強硬姿勢すら最終的には受け入れており、良くも悪くも他人にノーということのできない人であることが分かる。
総じて主体的な行動を取ることがあまりない人物であり、彼女が状況に流された結果、本人には悪意がなくても周りにそのしわ寄せがいくというタイプの困った性質の持ち主といえる。
そんな直子が唯一声を荒げたのは最終話。依衣子がオルファンに取り込まれてなお娘を研究対象としてしか見ない翠に対して「あなた達のやっていることは怨念返しにしてもひどい」と翠を平手打ちし、両親の愛情をきちんと伝えなかったことについて謝罪、和解した。
ブレンパワードに登場する母親は家庭に問題のある人物ばかりであるが、いいおばあちゃんに見える直子もよくよく見ていくと翠を育てるのに失敗して、本人は昔の恋人とよりを戻しているという何ともオーガニックなキャラであることがわかる。