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キルバーンの編集履歴

2019-11-20 11:20:48 バージョン

キルバーン

きるばーん

漫画「ダイの大冒険」に登場する敵キャラクター。大魔王バーンの側近の一人。冷酷なサディストであり、その悪辣なキャラクターから少なからぬインパクトを読者に与えた。

…蜘蛛の巣でもがく昆虫のように罠にはまって狼狽する相手を見るのは最高さ…!一途に努力してきた奴ほどその表情が楽しめる…一度それを味わってしまうと、他の殺し方なんてバカらしくなってしまうんだよ。そんな相手にスウッととどめを刺してやる時、はじめて心の底から思えるんだよねェ…


ボクは死神なんだってね…!!


概要

キルバーン」は「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の登場人物のひとり。

大魔王バーン直属の部下であり、その意に沿わない邪魔者や、軍団内部で不始末をしでかした者を排除する暗殺者である。その存在はハドラーからも恐れられていた。

使い魔である一つ目ピエロピロロを従え、大魔宮バーンパレスに仕掛けられた死の罠でダイ達を追い詰める死神

「キルバーン」という名前は「バーンを殺せ」という意味のコードネームであり、本来の名前ではない。彼はバーンと長年覇を競っていたライバルである冥竜王ヴェルザーによって派遣された協力者であり、隙有ればバーンの抹殺を敢行する刺客なのである。


飄々としてはいるが非常に残酷な性格をしており、弱者を卑劣な手段で嬲り殺すことが大好きなサディストである。

ザボエラ等と異なり高い実力がありながら、好き好んで卑劣な戦いをするあたり、”死神”を自称するに相応しい食えない存在である。

強敵そうな雰囲気と大がかりな仕掛けを使うが、異名に反して劇中では誰も殺せていない

これは彼の腕前が未熟なのではなく、むしろそれ以外で彼の姿を見た標的はすべて始末されているからである。実際、魔王軍の中でもそれまで彼の姿を見た者がいなかった。

そもそも、物語全体を通してまともに死んだ名前ありの味方キャラは、バランとハドラーくらいのもので作風と対象年齢ゆえに成果がだせなかったというべきであろう。


洞察力も特筆すべきものがあり、ポップの可能性を見抜いて真っ先に始末しようとする、バランから黒の核晶を隠す等の活躍を見せる。

ダイに対しても「これ以上彼に戦闘を経験させるべきではない」とバーンに対し忠告するなど、敵側視点に於いて最もダイ一行の戦力を正確に評価していた点は特筆に価する。


同じ大魔王バーンの側近であるミストバーンとは親友同士。両者は性格や嗜好などが正反対であり、本来このような性格は彼が嫌うタイプの人物像のはずではあるが、バーンに対して臆さばかりか堂々と「キルバーン(=バーンを殺せ)」と名乗る度胸から、互いに実力を認め合う仲になっている。

バーンに対してもその器の大きさから好意を持っており、義理ではあるが一応の忠誠心のような態度は持っている。


バランが離反した際には刺客として差し向けられたが、一瞬で胴体を切り捨てられ敗北するも、ピロロが使用した不思議な粉の効果で瞬く間に復活。ハドラーが離反した際は加勢しようとしたアルビナスの背後を取り動きを封じたが、「妙な真似をすればあなたも黒焦げになる」と相討ち覚悟の脅しを受け「人形ごときが」と毒づきながらも静観に徹する。最終血戦ではハドラーとダイの戦いが終わると「ダイヤの9」を発動させ双方の始末を目論んだが、ポップの奮闘とアバンの活躍によって失敗に終わる。姿を隠してアバンを始末しようとするもハドラーに心臓を貫かれて倒れ、死んだ振りをしてから再度アバンに襲い掛かるも、殺気を感じて、それを見越していたアバンの策によりゴールドフェザーで動きを封じられた上に笑いの仮面を割られ、屈辱に塗れながら撤退した後、怒りの仮面をすげ替えて三度アバンと対峙。亜空間で戦い、「ジャッジ」を用いた罠(メガンテ)で勝利したかに思えたが、またもアバンの策とハドラーが起こした「奇跡」によって失敗。アバンストラッシュの前に敗北。その際、全身が火だるまとなりピロロの命乞いでアバンに助けられるが、直後にファントムレイザーを発動させ逆襲に出るが、アバンが用意していた策で首を跳ね飛ばされて戦死した。


『死神といえど首がちぎれて無事な生物なんていない・・・』



アニメ版のCVは田中秀幸であり、ダイの師であるアバンと同じ声優。そのため、物語の最後までアニメ化されていたならば同じ声優同士のキャラによる戦いを見ることができたはずだった。


ただし声優の実力もあってか温かみのあるアバンの声に比べるとこちらは無機質で抑揚のない声であり演じ分けが出来ているのは流石である。そのため声が同じであれこの段階でもアバンとキルバーンが同一人物だという事が断定できないような演出となっている。


戦闘スタイル

武器や道具を用いたトラップで術中に陥れることを得意とする。死神の笛を使い相手の五感を奪う特殊能力を持ち、トランプを模した罠を多数持つ。しかも自身の身体に流れる血液は、魔界のマグマと同じ成分であり、迂闊に斬り付ければ武器が破損する。例としてドラゴンの皮膚も貫く「ドラゴンキラー」は、キルバーンの胸に突き刺さっただけであっという間に。」溶解してしまった。

また、ある理由のため刃物で突き刺されたり胴切りにされたとしても平気で立ち上がれる。

むろん、死んだフリなどをして相手を騙す手法としても最適。

その他、壁の中に姿を隠したり、透明になることもできる。


以下は彼の武器について解説。

  • 死神の笛
    • 鎌の形をした武器。見た目どおりの使い方の他にも、振るうたびに高周波音を出して五感を奪い、最後には指一本動かせなくなる力を持っている、まさに悪魔の「笛」。キルバーン曰く「暗殺には最適」。
    • 欠点は、職人芸のような精微な作りによって高周波を出していることであり、ヒビが入るだけでも笛として使いものにならないデリケートな武器を持つこと自体、彼の高い戦闘力を証明するものでもある。
  • 血液
    • 魔界のマグマと同じ成分で、超高熱と強酸を含んでいる。武器にでも付着しようものなら、腐食は免れない。ドラゴンキラー(店で買える武器の中でも最高クラスのもの)を使い物にならなくし、自己修復能力を持つ真魔剛竜剣の切れ味をも鈍らせた。その高熱自体も十分武器として機能し、体が破損しても平気という特性を活かし自ら片腕を切り落とすし、肉体分の血液を一気に炎上させて相手に放つ「バーニングクリメイション」に仕立て上げる。
    • 通常は死神として暗殺の仕事をする彼が、相手と真っ向勝負をする際に使用する、タネも仕掛けもないオーソドックスな剣。死神の笛を使いこなす戦闘力を持っている彼がデリケートではない普通の武器を使えば、当然無類の強さを発揮する。アバンとの一騎打ちでは先制攻撃で痛手を負わせ、その後も互角に渡り合う腕前を持つ。
    • このように通常の鍛え方をしていればまともに戦っても無敵の強さになれる素質があるが、彼のモットーは「相手を罠にかけて倒すことこそが死神としての最高の瞬間」というものであり、「弱さゆえに卑怯だったザボエラ」とは一味違う「十分強いにもかかわらず卑怯を好む」というスキのない人物像を証明する武器とも言えよう。
  • ジャッジ
    • 魔界での決闘を行う際に使われてきた、由緒ある審判マシーン。正確かつ公平な審判が可能で、手には大鎌を持っており、最終的に敗者とみなした側の首を即座にはねるようプログラムされている。判定はリアルタイムでボイス付きにて行われ、攻撃時のダメージ量などが通知される。これはゲームにおける「数値によるダメージ表示という命のやりとりのデジタル管理」をストーリーに取り込んだ場面とも言える。
    • 問題は、キルバーンの性格。これまでの挿話を読んでいただければわかるように、彼は正々堂々の勝負を仕掛けながら罠にはめる型。このマシーンを使ったのはデザインが気に入った(死神である自分のスタイルに酷似する)からだが、密かに改造を施しており、いざという時には審判の仕事を放棄し、相手を巻き込みメガンテを唱えるようプログラムを書き換えている
  • ファントム・レイザー
    • 上記の剣を使った真っ向勝負の最中に仕掛けた狡猾な罠。あたかも真剣勝負をするように見せかけておき、実際それができる腕前を持つ故に、完成するまで相手に悟られることすらなかった。
    • その効果は「自分にしか場所がわからない1本の刃を空中に設置する」というものだが、彼が所有するのは13本。巧妙に、相手を取り囲むように少しずつ設置すれば、やがて相手は取り囲む見えない刃にズタズタに切り裂かれる。並の剣なら真っ二つに折る硬度を持ち、破壊も困難。使用後もピロロが新たに全補給してくれるなど、リソース管理も抜かりない。
    • ただしこれにも欠点はある。「透明ゆえ設置者にしか位置がわからない」こと。一見欠点に見えないようだが、「設置者=キルバーン」とは限らない点に注目。この刃を相手に奪われて設置し直されると、当然その刃が仕掛けられていることに気づかず、逆に自分が罠にはまるリスクとなる
    • 描写からして頭部から発射して仕掛けるようである。

その他

  • 笑いの仮面:初登場から身に付けていた仮面。不気味な笑みを浮かべた顔をモチーフにしており、バーンパレスでアバンに割られてしまい憤慨した。ピロロ曰く『お気に入りの仮面』だったらしい。
  • 怒りの仮面:アバンとの再戦時に身に付けた仮面。 本人曰く『今の心境にぴったりの物が見つかった』とのこと。この仮面を身に付けてからというもの彼に正々堂々の勝負(という新たな罠)を仕掛けるようになる。

関連イラスト

キルバーン死神と影


関連タグ

ダイの大冒険 ミストバーン ピロロ 死神の笛

歩く核弾頭 死神  ピエロ



ネタバレ
























































※これより先、物語の結末に触れる内容のため注意されたし


































『【首がちぎれて無事な生物なんていない】か・・・君の台詞だったねぇ』












『確かにそうかもしれない。  【生物】  だったら・・・ね』










『ボクの身体が 【生物】 でないとしたらどうかね?  【機械仕掛けの人形】か何かで、それを外で操っている奴が他にいるとしたら・・・』








































正体

















実際にキルバーンと思われていた死神(人形)を動かしていたのは全てピロロであり、わかりやすく説明すると「腹話術師の逆バージョン」である。「キルバーン」をいくら攻撃しても死なないのは至極当然。

ピロロは周囲からただの弱い使い魔と思われていたが故にダイたちの標的になる事なく、本体だとは誰も気が付かなかったのである。

正体を明かすときのシーンは、一見すると最後の最後で取ってつけたかのようなものだったが、正体を知った上で読み返してみるとそれらしい伏線がちらほらとあったりする。この伏線の張り方だが、異なる解釈ができる余地を残しているため、伏線と断定できないのが巧妙。

登場人物はもとより、読者にすら正体をさとられないあたりは相当な演技派である。あるいは、人工的な人格によって擬似的に自我をある程度持たせていたのかもしれない。

もちろん魔王軍のメンバーたちにも一切正体は気づかれておらず、親友となっていたミストバーンを完全に騙していたことを考えると、死神としての活動などほんの序の口と言えるほどの策略家である。


当然、死神ボディは人形なので損傷してもまったく平気なのは当前で、壊れても換えの四肢で修復すれば何度でも使える上、戦闘力も高いザボエラの超魔ゾンビも真っ青の「傷ついても痛くもかゆくもない」兵器である。

アバンが「対等の相手と戦ったときに必殺の気迫が感じられない」と思うのも生物じゃないのだから当前と言える。

だが、死神ボディもまた、これまで挙げた戦闘・暗殺能力以外に、本当の恐ろしい能力を隠し持っていた。それがハドラーにも埋め込まれ、ピラァ・オブ・バーンにも仕掛けられていた、魔力で作動する破壊爆弾「黒の核晶」である。

もしもの時はこれを使いバーンを始末するつもりであり、「キルバーン」という名前はジョークでも脅しでもなかったわけである。

あのバーンをして「さしもの余も残酷さだけはお前には及ばん」と言わしめた更なる本性であった。通常の「核晶」と異なり体内に流れるマグマが冷気をはじく為、凍結させて停止させられない。

余談だが、このマグマが血液というのも生物じゃないのだから真っ赤な嘘なのだが、動力源であることは事実でありマシンである死神ボディにとっては実質的な血液に相当している。


こうした活動をするためにやってきたそもそもの理由は、彼を雇っていた「冥竜王ヴェルザー」の本心によるもの。大魔王が「地上を消滅させて魔界に太陽の光を照らす」のを目的としていたのに対し、ヴェルザーは「魔界も地上も欲していた」。キルバーン曰く「ドラゴンらしくない、まるで人間のような性格」とのことで、バーンが地上を壊滅させることを知ったことでそれを阻止して地上をも手に入れようと動き出した。

結果的に封印されたが、それでも諦めることなく、地上入手の敵であるバーンを監視するために刺客を送りこんだのが、キルバーンなのである。


そんな「真・キルバーン」とも言うべきピロロにも、完全に騙しきることができなかった相手がいる。そう、ダイたちである。何故か。簡単だ。すでに書かれている通り、自らペラペラと正体を明かし、目的まで白状したから

それは、暗殺者にとって、最もやってはならないことであり、相手にとどめを刺していないのに勝利を確信してしまうわかりやすい死亡フラグを立ててしまったことを意味する。

しかも真相まで洗いざらい話してしまい、今度こそ自身が標的にされる。その結果は···あまりにもあっけない瞬殺。「使い魔ピロロとしての戦闘力の弱さ」だけは、演技ではなかったのである。黒の核晶を作動させて逃げ帰る刹那、アバンが投げたフェザーによって動きを封じられ、マァムに裂光拳を喰らい即死という呆気ない最期であった。


ただ自身の弱点を晒しただけの無意味な行動に見えるこのネタ晴らしだが、その一方でこの暴露が少なからずダイたちに絶望感を与えたことは事実である。彼がその気であれば、密かに「黒の核晶」を作動させてダイたちを殺すことは容易だった。あえてしなかったのは、勇者たちを絶望させることを望んでいたからだ。「相手を罠にはめる死神」としての嗜虐心が、皮肉にも「相手に自分の存在を悟らせず暗殺する死神」としての矜恃を裏切ってしまったわけである。「キルバーン」はあくまで暗号名であり、ピロロはそのまま彼の本名である可能性が高い(残酷さと知略からヴェルザーに刺客として見込まれたとはいえ、肉体そのものは脆弱な一つ目ピエロが偽名を必要とする程注目されているとは思えない)。

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