概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。こちらへ向かってくる物体を遮るように構え、マントを振りかざすことで、物体の軌道を変えてこちらには当たらないようにする防具。
その性能は凄まじく、大型ミサイル等の物理攻撃、レーザー等の光学兵器、原理が不明な魔法、実体を持たない衝撃波、マントの大きさを遥かに超える大型宇宙船等といった、体積や質量、物理法則を無視して、あらゆる攻撃や物体を跳ね返すことが出来る。また、静止している物体に対してもこちらからマントを振れば向きを変えたり吹き飛ばすことができる(2009年版「のび左エ門の秘宝」)。
更に、跳ね返す対象にマントを当てる必要はなく、攻撃がこちらに向かって来る途中でマントを振っても効果を発揮する(水田わさび版アニメ「ぼく、桃太郎のなんなのさ2008」、「子犬イチの国 ~キボウ編~」)。つまりマントを適当に振り回しているだけでも、攻撃が勝手にこちらを避けてくれる。
反対に、マントを床に置くなどして静止させ、そこに向かって突き進んで行ったとしても自分が跳ね返されてしまう。実際にのび太のパパはこの仕様が原因で家に入ることが出来なかった。
『宇宙漂流記』では複数のビッグライトでひらりマントを巨大化させ、宇宙船の軌道を変えて天体との衝突を防ぐシーンがある。ただし『新・宇宙開拓史』では、先述の通りマントの大きさを遥かに超える大型宇宙船を、マントを巨大化させること無くそのまま跳ね返している。
『魔界大冒険』でのドラえもんの解説によると、電磁気の反発を利用した道具であるらしい(作中で説明しかけるが途中でやめてしまう)。
映画版『海底鬼岩城』や『南極カチコチ大冒険』では耐久限界があり、一定量のダメージを受けるとマントが損傷して使用不能となっていた。また、漫画『ドラベース』でも、高速で迫って来るボールをマントで跳ね返そうとするも、逆にマントがビリビリに破れてしまう描写があった。
ただしこれら3作品での描写が例外であり、原作短編・大長編においてひらりマントが破損する描写がある作品は存在しない。
エル・マタドーラ仕様
ドラえもんズのエル・マタドーラが使うバージョン。牛の絵が書かれており、周囲にヒラヒラが付いている。
関連道具
- 追い払いごへい
『ふしぎ風使い』に登場した、ひらりマントの御幣版とも言えるひみつ道具。
これを振ると、向かって来る攻撃を全て回避することが出来る。
- 安全カバー
大きな袋型のひみつ道具。
この中に入ると、あらゆる衝撃から身を守ることが出来る。カバーに入った状態でも自由に動き回ることが可能。
カバーは非常に頑丈で、バットで殴られたり土管を投げ付けられたとしても、カバーの中にいる者には一切影響が無い。むしろ投げ付けられた土管の方が粉々になってしまう。
更に、ひみつ道具図鑑等では「原爆が直撃したとしても無傷でいられる」と説明されている。
- バリヤーポイント
小さなボール型のひみつ道具。
これをズボンのポケット等に入れてスイッチを押すと、自分の周囲に半径2mの見えないバリヤーが張られ、外からの攻撃を全て防いでくれる(作中では攻撃に限らず、雨等の自然現象に対しても効果を発揮している)。
ただし、バリヤーの中に入れたい物がある場合、その名前の頭文字を言えばバリヤーの中に入れるようになる(例えば「ジのつくもの入れ」と言えば、じゃがいもやジャイアン等、名前の頭に「じ」が付く物は全てバリヤー内に入れるようになる)。
- 痛みはね返りミラー
手鏡型のひみつ道具。
これを持っていると、誰かに攻撃されても痛みを一切感じなくなる。それだけでなく、ミラーを持っていた者が本来感じるはずだった痛みを2倍に増幅し、攻撃してきた相手に跳ね返すことが出来る。
ただし、これを持っている者が誰かを攻撃した場合、相手は無傷で自分が2倍の痛みを感じてしまう。