概要
ZUN(上海アリス幻樂団)原作による東方Projectの書籍作品の一つ。
漫画作画は銀木犀が担当する。
全体のタイトルは「東方智霊奇伝 反則探偵さとり」。
web上で公開されている作品で、博麗霊夢や霧雨魔理沙の他、タイトルにも名が示されている通り古明地さとりが火焔猫燐とともに登場する。
あらすじ
「 東方Project公式連載が電子専用で登場! 幻想郷でにわかに勃発する難事件。異変解決の専門家たちが戸惑う中で、相手の心を読める妖怪「さとり」が反則的に事件を解決する――! 」
(『東方我楽多叢誌』、「東方智霊奇伝」あらすじページ及び
ニコニコ静画、「東方智霊奇伝 反則探偵さとり」、作品紹介より引用)
紅魔館で「 殺人事件 」が起こったと魔理沙から聞いた霊夢は、魔理沙とともに調査のため現場となった紅魔館に赴く。しかし霊夢たちはその事件の様子から部外者として締め出されるばかりでなく、容疑者として疑われていることも知る。
他方、霊夢と魔理沙に先立って、「 第三者 」がこの事件を調べていることも語られ、それによれば「 慈悲も無く一瞬で事件を解決させる探偵 」が動いているとのことであった。
この「 探偵 」こそさとりであり、現場では助手であるお燐が聞き込みと調査にあたっていた。さとりは地霊殿から出ることを望まない外出嫌いを理由にまさに安楽椅子に座したままでお燐の集めた情報を分析し、事件の解決に向けて思索を巡らすのであった。
「 我らの究極探偵様は あたいの情報だけで全てを理解します
安楽椅子に座ったままで 犯人を当てるんです 」(お燐、『智霊奇伝』)
掲載・連載状況
2019年10月28日連載開始。毎月最終月曜更新予定。
webメディアである「東方我楽多叢誌」、KADOKAWAによる正規版配信サービスである「comic walker」、DWANGOによる正規版配信サービスである「ニコニコ静画(マンガ)」などで連載されている。comic walker及びニコニコ静画では『東方外來韋編』のコミックの一つとして位置づけられている。
ニコニコ静画でのジャンルは「少年マンガ」、comic walkerでのジャンルでは「探偵」や「推理」、「コメディ」などとしても分類されている。
連載ページ外部リンク
- 東方我楽多叢誌
- comic walker
- ニコニコ静画
主な登場人物
二つ名とともに登場するキャラクター
キャラクター | 二つ名 |
---|---|
古明地さとり | 地の底の安楽椅子探偵 |
火焔猫燐 | 究極探偵の助手猫 |
博麗霊夢 | 楽園の巫女探偵 |
霧雨魔理沙 | 森の魔法探偵 |
パチュリー・ノーレッジ | 動けない大図書館の魔女 |
十六夜咲夜 | 完全で瀟洒なメイド |
紅美鈴 | 紅魔館の門番 |
レミリア・スカーレット | 紅魔館の吸血鬼 |
フランドール・スカーレット | 吸血鬼の破滅的な妹 |
余談ながら、霊夢は『東方鈴奈庵』などでイメージ的なシーンながら探偵のような装いを披露したことがあり、またアガサクリスQによる推理小説を徹夜で読みふけるなどその方面に非常に興味を持っている。
その他のキャラクター
本作連載開始時点の原作の周辺状況
本作が連載を開始した時点の周辺における原作東方Projectの動きとしては、本作連載開始以前に、書籍作品としては同年中に『東方三月精』(第四部相当部)と『東方茨歌仙』が完結した。
他方で『智霊奇伝』と同時期に新連載が開始したものとして『東方酔蝶華』がある。『智霊奇伝』の連載開始は上記の通り2019年10月末であるが、翌月11月末には『酔蝶華』の連載がスタートしている。
『外來韋編』も発表が続いており、同誌連載の『東方香霖堂』も継続している。
『智霊奇伝』の同期の誌面媒体の作品としては、まずひと月違いでのスタートとなった『酔蝶華』があり、両者は『香霖堂』との連載時期が重複するものとなっている。
ゲーム作品ではコミックマーケット96(C96)において『東方鬼形獣』(製品版)が初頒布され、同年10月上旬開催の第六回博麗神社秋季例大祭では『東方剛欲異聞』β体験版が頒布された。2019年は、6月の『茨歌仙』完結や9月の『三月精』完結、8月のコミックマーケットでの『鬼形獣』初頒布や10月上旬の秋季例大祭での『剛欲異聞』β体験版頒布、10月末の本作『智霊奇伝』や11月の『酔蝶華』のそれぞれの連載開始など短期間の内に目まぐるしい動きがあった。2019年は5月より元号が平成から令和に変わったが、移行後の、令和元年の東方Projectの動きもまた大変機敏であった。
『智霊奇伝』ではさとりを通して地底の動向にも注目が集まるものとなっているが、『鬼形獣』ではまさに地獄の勢力についての物語が語られ、『剛欲異聞』でも地底・地獄関連のストーリーが予想されているなど、『智霊奇伝』周辺の東方Projectでは本作含め地底や地獄の動向が各方面・各視点から語られるものとなっているのも特徴である。