概要
『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』のラスボス。最終面であるレベル8:ギャンブルギャラクシーの最奥部で戦闘する。
『暗黒の支配者』(原作では平仮名のあんこくのしはいしゃ表記)と言われており、何者かによって宝箱の中に封じ込められていた(メタナイトはそのことを知っていたので何らかの関連性があると思われる)。大いなる力を狙っていたドロッチェによって封印を解かれ、彼に憑依、ダークドロッチェとなる。そのまま宇宙の彼方へと飛んでいったが、そこで何をするつもりだったのかは不明。
ダークゼロの力なのか、最終ステージであるギャンブル・ギャラクシー背景には暗黒の渦のようなものがある。
そこで盗まれたケーキの行方を追うために宇宙へと飛び立ったカービィに追いつかれ、戦闘となる。
戦闘
ダークドロッチェ
- ごく・アイスレーザー
カービィを追って高度を調整してから、杖の先端から氷属性のレーザーを横一直線に放つ。
ダークゼロの持つ氷の力によるものか、ノーマルドロッチェが使用したものに比べてレーザーの太さと勢いが大幅に増している。
- ドロッチェフレアボム
カービィを狙って爆弾を落とし、爆弾は一定時間後に縦一直線の火柱を上げて爆発する。
地上に落ちた後の爆弾にも攻撃判定は残っている為にこちらの動きを制限する機能を果たしており、二連発する事もあるので非常に厄介。
更に、爆弾は基本的に無敵で極一部の攻撃でしか除去できない。
ダークゼロの持つ炎の力によるものか、ノーマルドロッチェが使用した爆弾よりもずっと凶悪になっている。
- トリプルスター
ランダムな方向に超高速で飛び回り、壁・床・天井で反射するという回避困難な星型弾を三発同時に放つ。
ランダム行動故にどのタイミングで使用するかが読めない上、予備動作も無く、二連発してシックススターになってしまう事もある非常に危険な攻撃。
ノーマルドロッチェが使うものより速度が増している様だ。
- しゅんかんいどう
使用中は無敵な上、ランダム行動かつ頻繁にワープをするのでなかなかこちらの攻撃が当たらない事もある。
上記の攻撃手段にこれが加わることで攻撃面、防御面共に隙の少ないボスになっている。
瞬間移動の仕様自体はノーマルドロッチェが使うものと同じ。
回避困難な技が多いので、攻略する場合は使用中に無敵になるトルネイドを推奨される事が多い。
この形態が敗れると、ようやくドロッチェの中に潜んでいたダークゼロが抜け出し、ステージの奥へと消えていく。
この際、ドロッチェは伝説の秘法であるトリプルスターをカービィに託してくれる。
ダークゼロ本体
ドロッチェから抜け出してステージの奥へ進んでいく時の形態は、「ダークスター」と呼ばれ、コピー能力を捨てた時に現れる能力星を真っ黒にした姿になっている。
ステージ最奥部までたどりつくとようやく正体を現し、星型のダークマターといった趣きの一つ目の怪物になり、サイズも巨大なものとなる。
赤い眼光をぎらつかせる演出や紫のオーラを纏った姿やBGMも禍々しく、これから戦うプレイヤーに、強敵であることを感じさせる空気を身に纏っている。
また、同じ星型つながりということで、一部では『ヒトデマン』とも呼ばれている。
戦闘中はランダムに炎・氷・雷の三つの姿にモードチェンジして行動する。星型のラスボスらしく、ダークゼロの輝きに照らされてゲーム画面の背景の色も変化するという演出がある。
炎モード
ただ在るだけで周囲の宇宙を赤々と照らし、敵対者を触れただけで燃え上がらせるという、星というよりは太陽等の恒星の様な趣の形態。
- メテオ攻撃
画面中央上部に移動してから炎の爆弾を投下し、ダークドロッチェが使うものに比べて遥かに太く巨大な火柱を発生させ、その上で地上全域を焼き払う。
炎の爆弾は星形弾一発、トリプルスター2発、空気弾3発で破壊できる。
イラストで使用しているものがこれ。
- 突撃(炎)
暴走して画面上部を滅茶苦茶に暴れまわる。
地上の炎から逃れようと安易なホバリングをするとこの技の餌食になる。
- 星型弾
虹色に輝く星型弾を発射。
画面斜め上に移動してから発射する場合は、カービィに狙いをつけて放つ。
画面斜め下に移動してから発射する場合は、真横に放つ。
画面最上部かつ斜め上に移動してから発射する場合は、真下に弾を投下しながら画面最上部を横切る事で、地上の広範囲に弾丸を投下する。
画面最上部中央に移動してから発射する場合は、地上に向けて四発の弾丸を放射状にばら撒く。
なお、星型弾だけは氷・電モードの時も共通して使用する。
氷モード
炎モードとは対照的な、周囲の宇宙を青々と照らす形態。
戦場を凍てつかせて敵対者の動きを制限し追い詰めた上、触れた者を瞬時に凍結させる程の冷気を纏っての突撃で仕留めるという、冷酷な戦術を使う。
- アイスレーザー
画面斜め上へ移動した後、真下へと氷属性の光線を放ちながら画面上部を横切る事で、地上を薙ぎ払う。
地上の広範囲を凍らせてこちらの行動の妨害を図り、カービィを画面左右端へと追い込む。
イラストで使用しているものがこれ。
- 突撃(氷)
ゲーム画面に円を描く様に飛び回る事で、戦場の左右端にいる者を狙う。
アイスレーザーの死角である画面端へと逃げ込んだカービィを追撃するように使ってくる事もある。
電モード
全身に纏った凄まじい電気で周囲を照らす形態で、放たれる電撃は今作屈指の攻撃範囲を誇る。
また、この形態の存在により、今作の主要な3属性である炎・氷・雷が揃う形になる。
属性攻撃に重きを置いた今作のラスボスとしても、「トリプル」スターを担いで最後の戦いに赴くカービィの敵としても、ダークゼロは相応しい存在であると言えるだろう。
- 電撃
斜め四方向に電撃を放ち、直後に画面上下左右の端全てを電撃で満たす広範囲かつ初見殺しの攻撃。
イラストで使用しているものがこれ。
- 突撃(電)
上下に揺れ動きつつ左右に飛び回る事で、戦場の地上全域に体当たりを行う。
ダークゼロの左右は電撃の死角となっているが、電撃の直後にこれを使用する事で死角を補う形になる。
強さ
では実際ゲーム内での強さはどうなのかと聞かれれば、カービィのボスとしては簡単な部類。
その原因としては
- 戦場に回復アイテム等を複数持ち込む事が可能なゲームシステム
- 3面ボスのメカクラッコからして足場の完全破壊→被弾時硬直の長い電撃を当てて奈落へ落下させるという即死攻撃や第二形態(回復なしの連戦)があり、前座のダークドロッチェは回避困難な技を使うために、そのどれも持たないダークゼロは相対的に弱く感じる
- メカクラッコとは逆に、戦闘前に多くの回復アイテムがもらえる
- 万が一負けた場合でもマキシムトマトとトリプルスターがもらえる
- ドロッチェフレアボムは連射可能な上に他の技と組み合わせて使ってくる事もある上に一部の攻撃でしか破壊出来ないが、ダークゼロのメテオ攻撃は一度に一発しか撃てない上にこの間ダークゼロは行動不能なので隙だらけかつ他の技と組み合わせられない、更には破壊も容易である
- 本作の特殊能力のポジションにある『トリプルスター』が(一応前哨戦として戦うダークドロッチェが手強いとは言え)特別な苦労もなく手に入れられてしまう
- 基本的に挙動がスキだらけであるので攻撃をかわすのは容易(一応、アイスレーザーで端に追い詰めてから突撃や、画面端全体に攻撃判定を出す電撃など、強力な攻撃が無いわけではない)
- 前作のラスボスであったダークマインド第一形態の星型弾に比べ、ダークゼロの星型弾は弾速が遅く、弾をばらまくダークゼロ本体の挙動も遅い
- カービィシリーズの恒例である第二形態への変身やシューティング戦が存在しない。ダークマインドのHPゲージは合計で6本もあったが、ダークゼロとの戦闘はHPゲージを1本削り切れば終了する
- 挙動がランダムでありHPも高くない為、上述の強みである技を使用しない等強さを見せつけないまま倒されてしまうケースがあり、順当に戦っていればせっかくの取り得の三属性を披露しないまま沈む
- 属性攻撃の死角を突撃で補うなど技の機能自体は知的だが、ランダム行動をするダークゼロ自身は技の効果を理解していない為、属性攻撃を披露せず的外れな場所に突撃だけを連発する事もある
- 64時代のラスボス前座、ミラクルマターもあらゆる属性を持つ形態に変身するというコンセプトはダークゼロと共通しているが、こちらは形態毎にHPが別個管理されている為、全ての形態を披露する前に倒されるという事は絶対に無い。つまり、ラスボスのダークゼロよりもラスボス前座であるミラクルマターの扱いの方が良い。
などが挙げられ、初見時やアクションゲームに慣れていないプレイヤー(とはいえ、ここまで到達している時点で、ダークゼロよりも強いメカクラッコとダークドロッチェを倒すだけの慣れと経験は積んでいるのだが)でも割と簡単に勝ててしまったりする。
そのため一部のファンの間では『カービィ史上最弱のラスボス』という悲しい評価をされてしまっている。
これに拍車をかけるのが「エクストラ」モードの仕様。今作ではただのタイムアタックなのだが、好きなレベルのステージ1から挑戦できる。本編ではレベル7に進むには特殊なアイテムを見つける必要があるがこのモードでは不要である。
結果何が起こったかというと、真っ先に最終面のレベル8に挑み、ボスを倒してトリプルスターを回収して他レベルを進めるということすら可能になってしまう。さらに、このモードでダークゼロを撃破すると、エンディングに突入する等のラスボスらしい演出も無く、撃破後に落ちてくる宝箱を回収してステージを脱するという一般ボスと全く同じ形のステージクリア処理で済まされてしまう。
強さだけでなくシステム上の扱いにおいても微妙なのも、ダークゼロの評価への影響としては小さくないだろう。
更に、シナリオ面においては「ケーキを盗んだ何者かを追う」という今作のあらすじはダークゼロと関係が無く、ダークゼロを倒したところで別にケーキ泥棒の行方がわかるわけでもない。
また、ダークマインドやナイトメアはエンディングにおいてどのような悪事を企てたのか説明されるのに対し、ダークゼロは悪役でありながら具体的にどのような悪事を働こうとしたのか一切言及が無い。
その為、「宝箱の中で眠っていたところを叩き起こされ、ケーキを盗んだという濡れ衣を着せられる不憫なキャラ」等というそもそも悪役として見てもらえていないような評価をされる事さえある。
また、本来ダークゼロの登場場面は「ドロッチェは大いなる力を求めていた」という設定がフラグとして回収される場面の筈なのだが、難易度が不自然に低い為にかえって「大いなる力という割には手ごわくないような……」というフラグブレイカーになってしまっている。
暗黒の支配者という肩書きも、特に彼の支配下にある部下等が登場する事も無いまま物語が終わってしまった為、誰にとっての支配者なのかよくわかっていなかったりする。
また、勝ち抜きボスバトルクリア後に表示されるイラストの中では、不気味さや威厳のようなものを捨て、目が×になってやられ顔になるというコミカルで愛らしい表情に描かれている。
しかし、怪我の功名と言うべきか、話題に事欠かない存在となったので発売から十年以上が経過した現在でもファンからの注目度や人気の高いラスボスとなった。
『参ドロ』以外での出演
「トリプルデラックス」ではドロシア(ソーサレス)とのコンビの金ストーン、「スターアライズ」では半空きの大宝箱(デザインはドロッチェ団の物)から顔(?)を覗かせているストーンが登場している。
更にアップデート第二弾で参戦したドロッチェの技としても登場した…のだが、その内容は宝箱の中からびっくり箱のようにダークゼロの人形が飛び出るというもの。所謂これのような類だろう。
ドリームフレンズを主人公に選んで挑むバルフレイナイト戦は過去作BGMのアレンジを聞ける機会でもあるのだが、ここで選ばれたのはドロッチェ団のテーマ曲であり、ダークゼロのBGMは残念ながら未収録だった。
星の○○のEDでは、ドロッチェがダークゼロの絵を描いている様子が描写されており、ドロッチェに好かれている様子。
なお自身のBGMに関して、イラストギャラリー『影なる共闘』でアレンジが作られたと勘違いされることがある。実際はドロッチェ団の雷ステージと鏡の大迷宮のオリーブオーシャンの混合アレンジなので間違えないように。
他には、ラスボスエンデ・ニルの体表に出現する目玉がダークゼロのものと酷似しており、ここに星型の照準を合わせることでダークゼロそっくりな姿になるという小ネタがある。
また、公式Twitterのイラストではクリスマスツリーの飾りつけとして登場。
更に、星の夢の姿やハイネスの服装の没デザインの中にはダークゼロに酷似したものも存在しており、エンデ・ニルの他にもダークゼロに酷似した存在を出演させる予定があったのかもしれない。
スーパーカービィハンターズでは、スタンプの一つとして登場。
余談
姿や名前などからダークマターの一人ではないかという説があるが、立ち位置に関してはユーザーの解釈によって大きく異なるのが現状である。
ちなみに、プププ大全等ではダークマター一族と並ぶ事があるものの、公式では彼らの関連については明確なコメントはされていない。これは0²も同様。
弱いと言われる原因は以上の通りだが、一部では「憑依することで真の力が出せるため、強くなるため憑依した」、「ダークドロッチェ戦で力を消耗してしまったので、ダークゼロ本体は既に弱っている形態。ダークマインドやゼロ等、連戦の末に弱った形態のラスボスに止めを刺す展開は前例がある」、「エンデ・ニルの合計10ある目玉との酷似性から、本来複数個あって完全体といえるうちの一個体分だけだから」と敢えて意図的なものと考える者もいる(逆にそれが原因でネタ扱いに拍車が掛かったりもしたのだが)。
シリーズの恒例として、ラスボスと戦うには色々と条件を満たす事が必要なのだが、ダークゼロと戦うために特に条件は必要ない(ただし、ラスボスより前に条件を満たす部分はある)。
なお、ネタにされることはあまりないが更に弱いラスボスが二名存在する。
正直なところ0²も行動パターンがシンプルで難易度はかなりやさしいが、演出やBGM等から威厳あるラスボスとして評価されている模様。
英語名は「Dark Nebula(ダークネビュラ)」。ネビュラ=星雲ということを考えるとこちらの名前の方が見た目に近いかもしれない。
また、カービィハンターズZには暗黒の支配者と意味合いがほぼ同じの『全ての闇の王』(原作ではすべてのやみの王と表記)という肩書きを持つキングD・マインドが登場した。
ちなみにこちらはカービィ4人をまとめて相手取る存在である点と装備やレベルを整えて数値をインフレさせていくゲームデザインが重なり、カービィシリーズのボスとしては非常に強く設定されている。
関連タグ
ダークスター - 容姿や名前、封印されている設定などが似ている。
ラプソーン - 同じく封印されていた存在で、英語版の肩書きが「ロード・オブ・ダークネス(暗黒の支配者)」で、ラスボスなのにあまり強くないと言われていた等の共通点がある。リメイクでは大幅に強化された。