リアル界のサッカーやバスケットボールに似ていて、チームで戦う。
一番大きな特徴は、プレイヤーが箒にまたがっていて「空中戦」を繰り広げるのだが、かなり小さく、とても速い「スニッチ」を捕獲しないと永遠に続くという、体力・精神力を要する過酷な試合である。
映画でも、迫力あるシーンが大きな見せ場となっている。
単体でTVゲーム化もされている。
フィールド
長径500フィート(150メートル)、短径80フィート(24メートル)の楕円形の競技場の両端に三本ずつのゴールポストが据え付けられ、ポストの上にゴールリングが存在する。
地上に存在するフィールドの境界線の外側に出てはならないが、上限高度は設定されていない。
ルール
4種のボールを用い、両チーム7名の選手によって競技が行われる。
基本的に試合時間中、選手は(墜落して負傷した場合を除き)地面に足をついてはいけないが、
キャプテンが審判にタイムを申し立てた時のみ足をついても良い。試合が極端に長引き
12時間を超えた場合、このタイムは2時間まで延長できる。
反則にあたる行為は700の規定があるものの、当局がこれらの反則すべてを
公開した事はなく、一般的に知られているのは
「相手チームや観客からの妨害に対する護身として杖を携帯する事は許可されているが、呪文で敵を攻撃するのは禁止」
「他選手が持っているクアッフルを奪っても良いが、相手の体や箒を掴む、体当たりだけを目的とした攻撃は禁止」
などの原則的なルールのみとなっている。
ただし実際にはラフプレーが行われる事が非常に多く、学生リーグ、プロリーグともにブーイングを
もらうことはあっても反則による試合中断・退場とならない場合もしばしばあるようである。
特に第1回クィディッチ・ワールドカップの試合はもはやスポーツではなく
ただの殺し合いと言っても過言ではない反則攻撃の嵐となっており、700ある
反則のすべてが行われたという逸話がある。
具体的には「相手の箒に火を付けたり棍棒で破壊しようとする」「相手選手を斧やダンビラで殺そうとする」
「ローブから吸血コウモリの群れを放つ」「相手選手をスカンクに変身させる」等の
危険な反則行為が行われていたとされる。
ボール
クァッフル
赤みがかった革のような素材で作られたボール。
バスケットボールほどの大きさで、いくつか凹んだ部分がある。
他のボールと違って自立して動き回るわけではないが、片手でキャッチしたり
投げやすくなる呪文、落下速度減少の呪文がかけられている。
ゴールに入ると10点。
ブラッジャー×2
クィディッチは高度数十~数百メートルを高速で飛び回るただでさえ危険な競技であるが、クィディッチの黎明期、それでもスリルが足りないと感じたらしいプレイヤーが岩塊に魔法をかけてプレイヤーを叩き落すような仕掛けをした。頭のねじが飛んでる魔法界の住民はそのアイディアをえらく気に入り、クィディッチのルールに取り込まれてしまった。
以降ブラッジャーはプレイヤーをより効率よく叩き落すために危険度を増していき、現代は鉄の球体となっている。
両チームのプレイヤーを見境なく狙って突進する危険なボールで、
味方をブラッジャーから守る為にビーターは棍棒でこれを打ち返す。
スニッチ
一対の翅で飛び回る、クルミほどの大きさをした金色のボール。かつては「スニジェット」という鳥を使っていたらしいのだが、興奮した選手が捕獲の際にしばしば押しつぶしてしまったり、クィディッチゲーム以外の場でも乱獲されたりして絶滅危惧種となったため、その代用品としてスニッチが作られた。キャッチするとそのチームに150点が入り、同時に試合終了となる。
両チームのシーカーがほぼ同時にスニッチをつかんでしまったときのために「肉の記憶」と呼ばれる機能が存在する。
プレイヤー・ポジション
チェイサー(3人)
クアッフルを扱う専門のプレイヤー。クィディッチが単なる箒に乗ったバスケットボールだった時代から存在する最も古いポジション。キーパー、ビーター、シーカーが誕生するに従い区別の必要が発生したために生じたレトロニム。
キーパー
ゴールを守る。黎明期はチェイサー同様にクァッフルを扱って敵ゴールを攻めたりもしていたが、現代ではもっぱらゴールポスト周辺にとどまって自チームの守備に専念する。
ビーター(2人)
どこかの命知らずがブラッジャーというふざけた発想に至った際にほぼ同時期に発生したポジション。片手サイズの棍棒を振るってブラッジャーから自チームのプレイヤーを守る。
この際敵チームに向かってブラッジャーをたたきつけることが奨励されている。
シーカー
スニッチを追跡する専門のポジション。シーカーがスニッチを取ると、シーカーが所属するチームに150点が入り、試合が終了する。
チームの中で最も俊敏かつ高速に飛行できるものが選出される。そして敵チームのビーターに集中攻撃を受けることが多いため、一番ひどいケガをするのもシーカーである。
箒
特にこれといった規定はないが、より競技に向いたカスタムが施された箒が使われる場合が多い。
作中、何種類かのモデルについて言及されているが、イラストや映像化作品では
クィディッチ用の箒は前傾姿勢で乗りやすいように後部に鐙のようなパーツが取り付けられていたり、
軸がグリップ状に作られている、穂先が流線型になるように整えられているなど、
一般的な掃除用の箒とは異なる形状をしている。
普及型のクィディッチ用箒としては「クリーンスィープ」というシリーズがあり、
比較的廉価である事、値段の割に性能のバランスが良くコーナーリング性能が良い事から
ウィーズリー兄弟を筆頭に様々な人物に使われている。
高級モデルを求めると価格も青天井になるようで、
「ニンバス」シリーズ、「コメット」シリーズ、「ファイアーボルト」などは高級モデルとして言及されている。
チームメイト全員が高性能な箒に乗ればそれだけでかなり有利になるため、
特にプロチームではチームメンバーが使う箒を確保できるだけの財力が重要な要素となる。
逆に、お金持ちが箒の提供と交換条件で何らかの見返りを求める事もあり、
作中でもルシウス・マルフォイはスリザリンチームに当時最新モデルだった「コメット2001」を
全員分寄付する見返りとして息子ドラコをシーカーのポジションにねじ込んでいる。
試合の流れ
両チームがポジションについた状態で、審判がブラッジャー、及びスニッチを解放する。
スニッチが両チームシーカーの視線から外れたころ、審判がクアッフルを空中に投げ上げ、試合が始まる。
チェイサーがクアッフルにより互いのゴールを奪い合い、その間シーカーはスニッチを捜索し、ビーターが手近なプレイヤーに向けてブラッジャーを打ち込んでいく。
シーカーがスニッチを発見、追跡、ビーターの妨害に負けずに捕獲すると、捕獲したチームが150点を得るとともに試合終了。
重要なのはシーカーがスニッチを捕獲した際に試合が終了すること。
スニッチが捕獲されれば何があろうと試合は終了し(3.5秒で終了した記録がある)、スニッチが捕獲されなければ両チームキャプテンが試合放棄を承認するまで何か月だって続く(数か月続いた記録もある)
チェイサーが高速で三次元機動を行うクィディッチでは一試合の中でクアッフルによって150点以上の差がついてしまうことはしばしばある。また大会などではそれまでの総合得点等との兼ね合いも存在する。そういった状況において、シーカーはさもスニッチを発見したかのように高速で飛んで相手選手を明後日の方向に誘導したり、さながらカーレースのように相手シーカーのコースを妨害して時間を稼ぐなどのテクニックも要求される。
リアル界でのクィディッチ
何と、アメリカでは本格的且つ大真面目なスポーツとしてルールが作られ、大会まで開かれていたりする。
我々「マグル」(一般人の意)は空を飛べないが、プレイヤーには、箒にまたがること、が義務付けられている。
捕まえれば一発で逆転できる「スニッチ」(ただし、原作及び映画とは点数が異なるが、捕獲すればゲーム終了になるという事は同じである)は、お尻にクッションを付けた人間が演じる。