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著作権の編集履歴

2020-03-27 12:20:07 バージョン

著作権

ちょさくけん

「著作権」とは、創作作品に対する作者の権利。簡単に言えば「自分の作品を盗作されない・勝手に使われない権利」。

概要

言語音楽絵画建築図形映画写真漫画コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した者に、それらの創作物を排他的に利用することを認めた権利。発明等に対して認められる特許権商標に認められる商標権と同様に知的財産権の一つとして位置づけられている。この項目に関しては主として日本国の制度に関して説明を行う。

大まかな分類

この権利には大別して著作者人格権( 著作権法18条~20条 )と著作権( 同21条~28条 )があり、さらに演奏権( 同22条 )、翻案権( 同27条 )といった支分権が含まれている。

無方式主義

多くの国では「作品を創作した時点で自動的に著作権が発生する」という無方式主義の考え方を採用しており、特許権商標権と違い、役所などの公的機関に届けて権利を認めてもらう必要はない。例えば、音楽などではJASRACなどの著作権管理団体に登録しなければ著作権が認められないということはなく、別の著作権管理団体に登録しても良いし、また、著作権管理団体に登録を行わなくとも自らが管理するということも可能であるし、「自身が作ったこと」を証明出来れば、仮に後に他の人間がそれを勝手に著作権管理団体等に登録して著作権を主張したとしても、裁判などで覆すことは可能であり、これは文章絵画においても同様である。


しかし逆に言えば「作品を自分が最初に作った」と証明することが出来なければ、他者にその権利を奪われる可能性もあることは留意されたい。


例えば、「持ち込みをした原稿のアイデアが盗まれ、他の作家に類似作を描かれた」と主張する駆け出しの創作者は多い。投稿者の被害妄想である可能性もあるが、不心得な編集者がボツにした持ち込み原稿のアイデアを自分の担当クリエイターに伝え、盗作させるという事例が実在することも否定できない。そのような場合でも、自作を公の目に触れる形で発表しておけば自己の権利を主張することができるので、投稿作がボツになった場合、盗作への防衛策としてPixivで公開することをおすすめする。


海外の事例

海外の場合、例えばアメリカ合衆国では著作権侵害訴訟を行うためには「同国著作権局への著作権登録が必須」とされ、登録していなければ訴訟を起こせない。このように、海外ではシステムが異なる場合も存在するため、訴訟に関しては注意が必要である。

中国の場合、著作権登録は訴訟の要件ではないが登録時に発行される著作権登記証書があればそれが証拠となるため事実関係を証明する手間が省けるメリットがある。

(著作権侵害訴訟の場合、創作者や創作日などの事実関係を証明する資料を提出する必要がある)

判断の難しい事例

意匠権

日本の無体財産権に関する法律では、工業製品における意匠権工業所有権に属する。これは先述した特許権や商標権、実用新案などが属する分野で、権利は自然発生しないことになっている。ところが工業製品ないしデザインに関してはそれ自体が美的鑑賞の対象となりえるような美的特性を持たなければ著作権の保護対象とはならないとされている。これはいわゆる「エジソンのお箸事件」( 平成27年(ワ)第27220号 )においても以下のような判断がなされている。( 同判決文11頁以下 )

(前略)

>以上のような各法制度の目的・性格を含め我が国の現行法が想定しているところ

>を考慮すれば,実用に供される機能的な工業製品ないしそのデザインは,その実用

>的機能を離れて美的鑑賞の対象となり得るような美的特性を備えていない限り,著

>作権法が保護を予定している対象ではなく,同法2条1項1号の「文芸,学術,美

>術又は音楽の範囲に属するもの」に当たらないというべきである。

(後略)

この事から、「他者の意匠をまるまると真似て工業製品をデザインすることは著作権の侵害にあたる可能性がある」ため、通常は行われず、少し変えたりする。

著作者人格権の放棄・同一性保持権

著作権は「他者に譲渡する事が可能」であるが、著作者人格権については著作権法59条の規定により「他者へ譲渡する事は出来ない」。つまり、例え著作権を譲渡しても、著作者人格権は著作者に属する。著作者人格権には著作者の意に反する改変を禁ずる同一性保持権( 著作権法20条 )が含まれており、著作者の許諾を受けなければ著作物に手を加える事は許されない。ところが音楽においてはライブ等でアレンジ歌詞などが変更される光景がよく見られる。森進一のおふくろさん事件( 自らの歌う楽曲に勝手にセリフを追加し歌っていたら作詞家川内康範に話を通しておらず激怒、封印作品に )、ジャズ・バンドのPE'Zの大地讃頌事件( 原曲をアレンジしたCDを発売したところ、作曲家が編曲を認めないとして差し止めを求め、結果CDの販売中止と封印作品に )などCDの出荷停止やライブでの演奏禁止に至ったケースも存在する。このような違法行為が蔓延する背景には著作権に対する無知、特に音楽は誰の物かという基本的な知識が浸透していない事が背景にあると思われ、著作権法上、音楽は著作者( 作詞家・作曲家 )、著作権者( 音楽出版社 )の物であるにも関わらず、上述のおふくろさん事件の際に森進一は「僕のおふくろさん」と発言していた。

デジタルデータ

コンピューターソフトウェアは有償のシェアウェアソフト(一般的なパソコンソフトやコンピューターゲームソフトもこれに属する)、無償だが人格権は放棄しないフリーウェアソフト、そして人格権をも放棄し自由な改変・リバースエンジニアリングを認めるパブリックシェアソフト(PDS)に分かれる。ところが、日本の著作権法では人格権の放棄を認めていないため、PDSは厳密には成立しないという問題が存在している。この件に関してはLinuxBSDですでに問題となっていたが、1990年代後半以降、Webによってこれら無償配布ソフトが国境を越えて入手できるようになったことでより顕在化した。現在のところ、製作者がPDSを主張しているソフトウェアに関しては、厳密には人格権の放棄は出来ないがそれを行使しないことは認めるという人格権の不行使という法解釈で取り扱われている。


著作権の保護が及ばない範囲

「思想・感情を創作的に表現」していないとみなされるものには著作権が認められない。具体的には以下のようなものである。



また、デザインは意匠権で保護される。工業製品である場合美術品と同等もしくは美的鑑賞の対象となるような美的特性がなければ著作物性が認められないからである。


著作権と「アイデア自由の原則」

また、著作権の基本的な考え方としてアイデア自由の原則というものがある。著作権保護とアイデアの自由利用が相反した場合アイデアの自由利用が優先である。


が、著作権の保護対象にはならなくとも登録商標、特許や実用新案登録を済ませておけば保護対象となるものも多い。創作物におけるアイデアの実例としては次のようなものがある。


  • ポージング
    • 例えば荒木飛呂彦の漫画作品は創作物だが、キャラクターのいわゆるジョジョ立ちというポーズだけを模倣してもその点は著作権侵害には当たらない。しかしダンスの振り付けなどは創作的な表現に当たる。
  • コード進行
    • 音階の数が限られ、不協和音になる相性の悪い組み合わせもある以上、今までに聴いたことがないようなオリジナルのコード進行などを作ることは不可能。例えば、既存の音楽に採譜支援ソフトを使うなどで、midiや楽譜を大量に集めたうえで、そこからコード進行などをパッチワークするのは同一性を欠くので、侵害に当たらない。2017年から「音商標」の登録ができるようになったが、テンポや拍子などを含めなければならず、コード進行だけを商標登録することはできない。
  • 著作物の題名( タイトル )
    • 商業作品の場合は商標権で保護されるものの、著作権とは異なり特許庁に申請し登録する必要があり、非商業作品には商標権の効力は及ばない。
  • キャラクターの名前
    • キャラクターの絵やビジュアル的な表現は著作権法でも保護対象となるが、キャラクターの名称は商標登録されていなければ保護の対象にならない。

あくまで著作権が保護するのは「作品」である。例えばキャラクターデザインをそっくりそのまま真似たような場合は著作権侵害であるが、「似た要素はあるが本質的な部分で異なる」とか「確かに既存の作品とよく似ているが、ありふれた表現である」と判断される場合は著作権侵害にならない。


言い換えれば「『似ている=著作権侵害』ではない」「同一性が無ければ著作権侵害は成立しない」ということである。


関連タグ

創作 一次創作 同人 二次創作

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海賊版 ブートレグ

含む言葉

著作権侵害 著作権フリー 著作権非親告罪化 ネズミを甘くみると死ぬよ(著作権的な意味で)

権利

外部リンク

wikipedia:同項目おふくろさん騒動大地讃頌事件

e-gov:著作権法

裁判所(ワ)第27220号 - 裁判所

著作権管理団体

著作権管理団体には以下のものがある( すべてではないことに留意していただきたい )。

文章

日本文藝家協会

日本脚本家連盟

日本出版著作権協会

新聞著作権協議会

出版者著作権管理機構

学術著作権協会

映像

日本写真著作権協会

映像実演権利者合同機構

日本複写権センター

音楽

日本音楽著作権協会(JASRAC)

イーライセンス

ジャパン・ライツ・クリアランス

音楽出版社(Wikipedia)

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