概要
A300の胴体を延長したワイドボディ機。だが、主翼と水平尾翼は設計し直されており、コックピットもA320のものとほぼ同じ。ゆえに、A320のライセンスを持っていれば、(数日程度の転換カリキュラムさえ受けておけば)簡単にこの機体の操縦が可能。なお、垂直尾翼はA310のものを使っている。
1980年代初頭から開発が模索され、1987年6月に開発が正式決定。1992年10月にロールアウト、同年11月に初飛行を行った。なお、これのエンジン4発版のA340と並行して開発されてはいるが、どちらかというとA340の方が優先的に開発された。
1994年1月に初めての商業フライトがパリ-マルセイユ間で行われた。オペレーターはフランスの航空会社だったエールアンテール(後にエールフランスに吸収合併されて消滅)。
元々はA340-300の中短距離用双発タイプという位置付けだったようで、そのタイプしか発売されなかった。だが、航空会社がA340のように長い距離を飛べる双発機を求めるようになり、エアバスがA330とA340の中間で胴体を短くした長距離タイプが開発・製造されることになった。それがA330-200であり、これに伴い、それまでのA330はA330-300と呼ばれるようになった。なお、200型の垂直尾翼は300型よりやや長くなっている。
その後A330の改良型としてA350が開発される予定だったが、これは結局完全新規型の旅客機A350 XWBとして開発されている。だが、A350 XWBはA330の後継という訳ではなく、「長距離はA350 XWB、中短距離はA330」という棲み分けがなされる予定。A350 XWBの主翼と内装を取り入れA330ceoよりも航続距離の長い、A330neoが開発されることになった。
なお、軍用機としては、200型をベースにした空中給油機(兼輸送機)・A330MRTTがあり、オーストラリア、イギリス、フランス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、韓国の各空軍に採用されている。
日本では
外国の航空会社によって成田空港や関西空港や中部国際空港や福岡空港に乗り入れている。
その一方で日本の航空会社ではスカイマークが2014年に導入したものの、経営破綻→再建のあおりを喰らい、2015年1月末をもって運行継続を断念した。