概要
1969年にアメリカのコルト・ファイヤーアームズ社がマークIIIシリーズの1機種として開発した。名前のローマン(Lawman)は法執行人を意味し、警察等の法執行機関向けに発売されていた。比較的小型ながら、強力な.357マグナム弾を発射でき、銃身の肉厚も従来のコルトリボルバーよりも増している。同社のパイソンとは違い低価格であるが、内部にセーフティコネクタと呼ばれる新型の安全装置を備えており安全性は高め。また、マークIIIシリーズ(ローマン、トルーパー、オフィシャルポリス)は、従来のコルトリボルバーのリメイク版と言った立ち位置の製品群であり、トルーパーとオフィシャルポリスにはマークIII以前のベースになったモデルが存在するが、ローマンだけにはそれがなく、マークIIIオリジナルモデルの模様。
MGC ローマン
どういう訳か本国アメリカでの知名度は著しく低いようだが、日本においてはモデルガンメーカーであるMGCが発売したモデルガンが主に1970〜80年代の刑事ドラマなどで頻繁に使用されていたために、ある程度知名度は高い。このMGCローマンがメディアで多用されたのは、当時の同社の製品の中でもピカイチな発火性能を有しているからであり、事実ドラマ「あぶない刑事」の第二シーズン、「もっとあぶない刑事」にて柴田恭兵は同社のコルトパイソンを使用していたが、発砲シーンだけはローマンと共通であるトルーパーのフレームを組み込んだカスタムガン(通称トルパイ、トルーソン)を使っていた。
しかし、このような実績を持つMGCのコルトローマンであるが、外観に関しては少々リアルに欠ける製品である。実銃との形状の相違点は主に
・グリップフレーム
・サイドプレートの分割ライン
・マズルフェイス(銃口。これに関しては異なるのは後期型のみ。)
である。
まあ、当時はインターネットなどもなく実銃の姿を日本人が見ることなど専門誌などを除けば皆無に等しかっただろうし、我々にとってはMGCのものこそ「本物のコルト・ローマン」であると言えるのかもしれない。