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レカン(狼は眠らない)の編集履歴

2020-05-19 15:13:40 バージョン

レカン(狼は眠らない)

れかん

「狼は眠らない」の主人公。冒険者。

「迷宮に潜りたい」

「強い獣ほど臆病なんだ。臆病でない獣は長生きできない」

「…少しは剛剣になったかな」

概要

本作の主人公。年齢は27→30歳。冒険者。

パラクド迷宮攻略中に〈黒穴〉を発見し、相棒のボウドと飛び込み異世界へと渡る。

ボウドと別れてしまうが、道中で魔獣に襲われたザイドモール家のルビアナフェルを救出。屋敷に一年滞在し言語を学んだ後、迷宮を求めて旅立つ。

ヴォーカの町で薬師シーラを師事し、調薬と魔法を学び新たな力を得る。そしてエダを冒険者稼業兼魔法の弟子として受け入れ、共に絆を育んでいく。

出会った仲間達と冒険者パーティー〈虹の石〉を結成。迷宮に挑み、踏破しながら国中に名を轟かせる。


迷宮を〈慈母〉とする迷宮信仰者。神の存在は信じるが神殿は嫌い。

鋭く尖った刃物のような人物で、シーラの教えにより剛剣になるべく自問自答しながら自身を磨いていく。


元の世界での通り名は〈片目狼〉。

異世界では〈黒衣の魔王〉〈壁男〉〈蝙蝠魔人〉〈骸骨魔王〉等など迷宮を攻略する度に増えている。


元の世界の身分は王子

人物と能力

人物

冷静沈着な性格で疑り深いが根は高潔。

パーソナルスペースが狭く関心のない人間には冷めた態度をとるが、心を開いた相手は大事にする。

師であるシーラには敬慕を、エダは弟子以上に大切に想っている。焚火には拘りがあり、話すと雄弁になる。冒険者生活が体に染みついているので家での生活力は皆無である。

朴念仁でデリカシーがない。不愛想強面であるが子供には人気者で孤児院から常に依頼がある(本人は子供が苦手)。シーラ曰く「天職」。

寡黙に見えるものの意外と酒場で盛り上がって大笑いしたり、酔った勢いで大失態を犯した事もある。

序盤では感情任せに攻撃的な言動が見られ、特に貴族などの上位者の理不尽な言い分には反抗していた。しかしシーラの教えで相手の立場への配慮や協調性を学び、包容力と風格も身に着けるようになる。

戦闘力、調薬、魔法や知識面など多彩な才能に恵まれているものの、元来人付き合いを苦手としている為か謀略などに疎い。ちなみに理詰めで会得するタイプで行動派ながら研究者向きの性質。

出自は孤児。身分は王族。ナルーム国の国王に気に入られて養子に入り、基本的な作法は備わっている。(おそらくは王族名はあると思われる)

能力

メインウェポンは剣。サブウェポンは短剣や杖など様々。

元の世界から得た創造系〈突風〉、空間系〈収納〉特殊系〈付与〉〈吸収〉と探知系〈魔力感知〉〈生命感知〉〈立体知覚〉魔法を持つ。

更にシーラから多くの魔法を伝授され、金ポーションにでは〈刺突〉〈自己治癒〉のスキルを得た。

魔力量は導師級。無詠唱。創造系、光熱系、知覚系、空間系魔法を多用し、他にも上級〈鑑定〉もこなす。精神系以外は適正がある。

魔法も武器でも近接、遠隔、回復魔法をこなす万能型。精神系の耐性はないが恩寵品で弱点を補っている。しかも元の世界の探知系魔法と現代魔法〈図化〉の応用で非常に優れた探索能力を持ち迷宮や人探しに絶大な効果を発揮する。

シーラ直伝の調薬技術を継承し、正式な技能の意味では兄弟子スカラベルを超える。剣術や体術は自己流で、先輩冒険者の技術を見様見真似で会得したもの。

〈虹の石〉のリーダーを勤め、スキルの応用と経験で抜群の指揮能力を持つ。

冒険者階級は金級。

容姿

黒髪黒眼。体躯雄大で狼を思わせる野性的な風貌を持つ非常に精悍な男。

ある魔物との戦で怪我を負ってからは隻眼で傷が残っている。コミック版では長髪を三つ編みで結い、耳や歯が尖っている。ちなみに毛深い。

服装は漆黒の外套で身を包み、同色の防具や衣服を身にまとっている。その恰好から「黒い剣士」「蝙蝠」「魔王」と呼ばれている。

序盤では常に狷介な凶相で渾身の微笑みは子供に泣かれたり一般人に怯えられたりしていたが、二年後は優しさに満ちた相貌に変化している(ただしエダ限定)。

装備

武器ラスクの剣・アゴストの剣(竜滅剣)・ハルトの短剣・杖・彗星斬り・聖銀剣・etc
防具貴王熊の外套・千々岩蜘蛛のベスト・ウォルカンの盾・小火竜の鎧・女王蜘蛛の鎧
装飾品ザナの守護石・インテュアドロの首飾り・不死王の指輪・闇鬼の呪符・白魔の足環

恋愛及び対人関係

恋愛

典型的な朴念仁で作中ではかなりモテているのに全く自覚がない。

その鈍さはアリオスが「暴力」と断言する程で美意識もどこか欠けている。

元の世界では一時期共にしていた女性がいたが、レカンの迷宮中毒に嫌気がさしたのか失踪している。作中の描写では今まで恋した経験がないらしい。

しかしエダと過ごす内に不可思議な感情が生まれていき、彼女にのみ優しい微笑みを向けるようになる。そして、ただでさえ危ない人物が滅茶苦茶な危険人物と化した。つまりは…。

詳しくは下記参照。

エダ

初対面は決して好印象ではなく「使えん女」「足手まとい」など酷評で、むしろ疎んじて避けていた。しかしシーラの勧めで接していくに心境が変化。

一途に信頼し甘えてくるエダにレカンは不快ではなくなっていた。冒険者としての素質を持つ彼女を仲間として認め、冒険者稼業と魔法の師匠として導く事に決めた。

こうしてレカンはエダを弟子として接し、ときに集中できない程に身を案じ、活躍すれば上機嫌になるなど、大切に思うようになる。そして、自分では気づかぬ内に優しい微笑みを向けるようになった。


…しかし、生まれて初めて守る者ができたレカンはエダを大事に思うばかりに保護欲が暴走するようになる。

エダを攫われたときは激怒してガチ装備で夜襲を決行。エダさえ無事に戻ればいいと獰猛に笑い、犯人未特定にも関わらず貴族のゴンクール邸を躊躇なく襲撃。皆殺しを前提に暴れて主犯を殺害した。


レカンにとって自分からエダを奪う敵=殺害対象であり、「人(俺)のもの(エダ)」なのである。


しかも邸でなかったら他を当たり襲撃を繰り返し、それでもいなかったら家で彼女の帰りを普通に待とうとしていた。この後先考えない暴虐っぷりはエダさえ愕然とした程。

神殿でもエダを狙う神官達(シーラの厳重注意がなければ確実に仕留めていた)をどう料理(拷問)してやろうかと考えたりと、彼女への想いの深さが伺える。というか、エダが関わると殺意が湧く思考回路がおかしい。

シーラの勧めで近場で借家を借りたときはレカンの生活力の無さからエダに完全に尻に敷かれた形となり、レカンは家に帰ってエダの手料理で酒を飲みたいと思うなど、夫婦同然の生活を送っていた。

ちなみに近所の人達は二人を夫婦と勘違いし、レカンは「甲斐性なしのろくでなし」と囁かれていた。


一時期別れの際、レカンはエダの告白は受け止められずに別れたが再会したエダが少女から女性に成長していく姿を見て驚愕する。

同時期にノーマがゴンクール家襲名で結婚決闘が起こりエダの頼みで引き受ける。結果勝利し、ノーマの婚約者となったが彼女の提案でエダの身柄を守るべく婚約を申し込んだ。


やがてエダを迷宮でも私生活でも公私ともに頼れる女性として再認識し、ついに「いつかエダと二人で潜るのもいいな」と思うまでになる。

そしてレカンはエダを子供として見るのをやめ、着飾った姿も「美しい」と思うなど改めて意識していくようになった。


それからはエダの花嫁修業を応援したり二人きりの時間を楽しむなど仲は順調に進んでいる。

弟子・婚約時期も含め、レカンは束縛はしないがエダの安全の為ならば周囲への牽制や配慮を徹底させており、過保護である。

迷宮でもエダの無事な姿を確認して安堵したり、エダが喜ぶなら高額な恩寵品をいくらでも渡しても惜しくはない思うなど露骨な貢ぎっぷりを見せている。

しかもノーマの結婚決闘ではヤックルベンドのいる王都行を全力で拒否したがエダの場合は承諾した。


レカンとの年齢差は14歳

余談であるが、婚約時の年齢は30歳と16歳だったりする。

(異世界では年齢差の婚姻は差ほど問題視されてはいない)


ノーマ

出会いはシーラの紹介でレカンはエダと共に交換条件で医療の技術を学んだ。

お互いに悪感情を抱くことなく、深い信頼関係を築き上げる。

常に戦いを求めるレカンにとって人を救う人生を送るノーマは正反対の存在であり、人柄も含めて好感を抱いている。

レカンが信頼する数少ない人間の一人であり、大切な存在であることに違いはない。

しかしレカンはノーマの好意に無自覚で、むしろ知識面で頼りになる親友のように思っている。

ノーマとの婚約を受け入れたのは形式上の結婚と考えており、あくまで望まぬ結婚を避けたい彼女を助ける為に行った手段に過ぎず、それが策略の上だと気づいていない。

故にノーマに対して「婚約(エダとするから)は解消でいいんだな」「どうでもいい」と発言し、エダの頼みで受け入れた結婚決闘に含まれた真意も始終関心がなかった。

これはノーマがレカン本人に恋情を伝えず方便で婚約をこじつけたもので、結果的に彼をゴンクール家に繋ぎとめるべくエダも婚約者にするよう進言した。

横恋慕であるがノーマはエダを大事にするレカンが好きなのであって、あくまで二人の帰る場所となりたいと願っているのでレカンを束縛する気は最初からない。しかし、結局はエダとの差を複雑に感じ取っている。

レカンとの年齢の差は2歳。

余談であるがノーマはレカンを深く愛しているものの、彼はそれを信頼としか受け止めずエダに寵愛を注いでいる。ノーマ自身が望んだ関係とはいえ、読者からは同情の声がある。


セレス・ラインザッツ

序盤ではレカンはセレスを都合のいい迷宮の案内役としてしか見做さなかった。

セレスもまた己の目的を達する為に〈虹の石〉に依頼したので、お互いに利害一致の関係であった。

しかし圧倒的な戦闘能力を持つレカンの強さに感動したセレスは迷宮での戦いを学び、そして攫われたときに救ってくれた彼の包容さに惹かれていく。

初めて自分より強い男性に出会ったセレスは瞬く間に恋に落ち、別れた後は〈ヴィシュルシャプタの風〉の歌詞にレカンへの想いを重ねて切なく歌い上げた。

次に再会したとき、レカンはノーマの婚約者として現れる。婚約決闘でレカンが負傷したときは泣き叫び、勝利には涙していたので未だ恋心を捨てきれていない事が伺える。

ノーマには祝福の言葉を贈ったものの、彼女と似た魂と断言されているので本音は不明。しかも続けてエダの婚約も決まり、花嫁修業を手伝うセレスの心中やいかに…。

レカンにとってセレスはかつて迷宮を共にした仲間の一人であり、やはりセレスの好意に気づいていない。レカンとの年齢差は8歳。


イライザ・ノーツ

迷宮統括事務員としてレカンにパルシモ魔法騎士の疑いをかけ、対峙する。

レカンが〈彗星斬り〉を獲得した事を密告で知り、問い詰めるが鑑定の規約違反だと気づいたレカンが鑑定士に告げたことでイライザは大目玉を食らう事になる。

イライザ本人は全く状況を理解できず、レカンは幾度も説明を繰り返して別れることとなる。

やがてイライザはゾルタンを介してレカンが気になるようになり、熱心に宿屋に通い会話を望むようになる。当のレカンは思い違いをしており、アリユスや他の人々のみイライザの想いを察するように。そしてレカンがツボルト迷宮の下層主を単身で破ったと知ると感涙し、〈彗星斬り〉をノーツ家に売買した事で「自分の為に」と思い込みが暴走。ついレカンは適当に返答してしまう。

後にイライザはレカンとノーマの婚約には衝撃を受けたが、未だ自分自身の気持ちがわかっていない模様。つまりはお互いに気づいていない。年齢差は不明。


スシャーナ・ウルバン

呪いで伏せていたところを、チェイニーが手に入れた神薬で事なきを得る。

実はその神薬はレカンとエダの護衛でヴォーカから輸送されたもので、チェイニーの話を聞いたスシャーナはレカンを白馬の王子と感じ、夢想する。

念願叶って対面を果たすとレカンに一目惚れ、父に彼との通い婚を希望する。

しかしノーマの指摘を受けたレカンは領主一家の思惑を知り、全くその気がないのでエダ達を連れて回避した。年齢差は不明。


対人関係

恋愛も含めレカンは何故か癖のある女性との縁が強い

ルビアナフェル・ザイドモール

森での移動中に魔獣の襲撃に遭っていたところをレカンに救出され、邸に客人として招いた。

レカンに言語や文字を教え、ひと時の居場所を与えた事で彼から恩人と見なされる。

ルビーは常に自分を助けてくれるレカンを大好きな白炎狼物語の登場人物に見立て「私の狼さん」と呼ぶようになる。そしてレカンに愛称「ルビー」と呼ぶように強制させた。

レカンが滞在中に成人を迎え、シャドレスト家の輿入れが決まる。嫁ぐ前にレカンの持つ宝玉が欲しくなり、母の形見である〈ザナの守護石〉と交換させる。

レカンの宝玉は体力・魔力回復が付与された貴重な恩寵品で、本人は交換はしたくはなかったので後日密かに戻そうと考えていたが機会に恵まれずルビーは嫁いで行ってしまう。

ルビーは恩寵のおかげで正妃となり、自分の運命に幸福をもたらした宝玉を〈狼石〉と名付ける。

そして、レカンは〈ザナの守護石〉の隠された付与で地竜トロン討伐に成功し、迷宮探索にも効果を発揮した。一時は惜しんだものの、今は重宝し常に身に着けている。

一方でルビーは知らなかったとはいえ〈狼石〉を取り上げてしまった罪悪感に蝕まれ、嫁ぎ先で彼の無事を願い続けている。レカンにとって大切な人間の一人であり、ザイドモール家には真実を伏せてトロンの素材を譲っている。

web版によると〈浄化〉に目覚めた事で〈癒しの巫女〉の称号を与えられたがシャドレスト家の道具と化しており、レカンとの再会は近いらしい。

コミック版では第一巻のメインヒロインとして書かれている。


シーラ

調薬、魔法の師匠。技術だけでなく精神的な部分を導く師でもある。そして


レカンがこの世で頭が上がらない唯一の人物


当然ながら、レカンより遥かに強いのでレカン自身も勝負すらする気がなく従順である。

お互いに身の上を知り尽くしており、発言や行動に遠慮がなく、師弟より親子のような関係に近い。

レカンはシーラを敬慕し宝のように大事に想っており、逆らうことはしない(というか、口でも実力でも敵わない)。しかし癖のある彼女に心の中で悪態をつくこともある

現在のレカンの成長はシーラの存在が大きいといえる。ちなみにレカンが生涯の弟子達の中で最も優秀で調薬、魔法を多く継承している。


ヤックルベンド・トマト

王都を拠点にしているトマト商会の頭目。

シーラの友人にして作中で最も謎めいた人物。ザガ王国の頂点に起つ魔法道具技師であり、レカンが王都に行かない要因。優れた技術を持つ反面、好奇心が旺盛で非常に危険な人物と噂されており、宰相府からも恐れられている。

シーラがレカンの異世界の付与された武器をヤックルベンドに見せた為、この世界の理から外れた魔道具の存在に執心するようになる。

シーラを通じてレカンとの面会を望むが、このときのレカンはヤックルベンドの異常性と武器の価値を知らずにいたので世間話程度で承諾してしまった。後に後悔し、自分も研究材料になるのを恐れて徹底して王都を避けるようになる。

長命種か、それともレカンと同じ〈落ち人〉なのか不明である。ちなみ女性。


余談

主人公であるが作中屈指の危険人物

(ただしシーラとヤックルベンドを除く)


何故かというと敵と判断した相手に容赦なく暴虐の限りを尽くすからである。

それは敵が貴族であっても関係がない。


ゴンクール家への跡継ぎ殺害では主犯以外の無関係な使用人でも皆殺しの範疇であり、実際にその場に居合わせていたアリオスは一族の恩寵品がなければ確実に死んでいた。

神官相手では魔法の実験台にしたり切断及び拷問を考え、神像の器物破損(弁償はした)もしている。

他にも襲撃で数多くの敵を返り討ちにしており、殺し方は躊躇なくえげつない。当然ながら人を殺した罪悪感は皆無である。


非があるのは全て敵側であるものの、結果的にレカンも法に背く行動をしているのは事実。

しかも相手は高い地位を持つ者が大半で、本来ならこの世界で身分を持たないレカンが裁かれるのが一般的である。


それでもレカンが野放しになっているのは何故か。

それはザガ王国による冒険者の優遇処置によるもの。


ソロで迷宮踏破した実力を持つレカンは貴族や神殿でも敵に回すのが恐ろしく強すぎて裁くことができなかったのが実情。


つまりは事実上の有能無罪

なので法律を遵守する者から見たら無法者の認識に違いはないので、快く思わない人間も存在する(ほぼ逆恨みや誤解が占めている)。


ちなみにエダが関わるともっと危なくなる


関連タグ

狼は眠らない エダ(狼は眠らない) 剣士 戦闘狂 朴念仁 危険人物

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