プロフィール
概要
麻倉葉と瓜二つの顔をした少年。持霊は五大精霊スピリット・オブ・ファイア。
落ち着いた物腰に見えるが、その本質は冷酷無慈悲かつ残忍。
その圧倒的な巫力から相手を見下す傾向があり「ちっちぇえな」が口癖となっている。
シャーマンとしての精神の強さは“人類への怒りと悲しみ”。
部下達に「ハオ様」と敬われているものの、それは人の心を読む事が出来る霊視能力を利用して、彼等の良き理解者をただ演じていたに過ぎず、ハオ本人が彼等に共感する意思は皆無。彼にとっては部下達も自分の目的を果たす為の捨て駒でしかなく、敗北した一部の部下達を笑い者にする事は勿論、何人使い捨てにしようが死んだとしても平然としていられる。
この結果、後に霊視能力の真実を知った部下の一人であるペヨーテ・ディアスの裏切りを招き、彼の「くたばれS.F.」の言葉と共に、他の部下達は無理心中で道連れにされる形でほぼ全滅しているが、それすらハオにとっては無関心で、霊となって駆けつけた花組のメンバーに至っては、巫力補充の為の「餌」にしようとすらした。
また、自分に協力を示さない者は、同じシャーマンであろうが躊躇いも無く消してしまうだけでなく、魂までも持ち霊の餌にするというどこかの国の独裁者などよりも性質の悪い独善ぶりを見せており、同時に多くの人間の人生も滅茶苦茶にしている。この為、部下のシャーマン達以上に大勢のシャーマン達から激しく恨まれ、ハオの打倒及び復讐を目的にS.F.に参加していたシャーマンも多い。
ということになっていたが、気軽にシャーマンを殺しまくったのは
『(魂を木っ端微塵にしても)シャーマンキングになれば再生できるから』
『自分が馬鹿にするのはいいが他人に部下を非難されるのは嫌』
というフォローなんだか格下げなんだかよくわからない設定が付いている。
いずれにせよ、人の命を軽んじている上に、やり方や考え方が身勝手以外のなにものでもない事は、否定しようのない事実と言える。
彼の正体
かつてG.Sを使って人類を滅ぼし、優れたシャーマンだけの世界「シャーマンキングダム」を作ろうとした麻倉家始祖の大陰陽師・麻倉葉王。
陰陽道を究め、泰山府君の祭で閻魔大王と契約することにより自らの輪廻転生を自在に操れるようになった葉王は、死後も転生を続け、葉の双子の兄・ハオとして現代に現れた。
因みに人類を憎んでるはずなのにやたら子孫がいるのは後の転生などを考慮したのではなく、単に寂しがり屋だったからほうぼうの娘に手を出しまくっただけである。
幼少時は麻葉童子と呼ばれていた。
ちなみに読みは「あさはどうじ」「マッパどうじ」どちらでも正しい。
母である麻ノ葉が霊と会話出来るために、周囲から「化け狐」と呼ばれ田浅法師に殺された。家も焼かれたために孤児となった彼は乙破千代という鬼と出会う。
親友となり、また乙破千代からは幼い麻葉に世の中のことを教わり、霊視能力を与えられるが、後に折れた刀を媒介にO.Sした金棒で、田浅法師に復讐したために、乙破千代は心の汚れた彼の元を去った。
その後、陰陽師・羽茂忠具に拾われ、弟子となった麻葉童子は、師匠の暴走と陰陽師・山田道茉により、兄弟子・大太郎から生まれた鬼人・「人間式神大太郎法師」を倒し、帝から直接「大陰陽師」の称号と、「麻倉葉王」の名前を授かる。
なお、この時に持霊としていたのは、修験道の開祖・役小角が使役したとされる前鬼と後鬼であり、後に恐山アンナの持霊となっている。
能力
- 読心
元々は1000年前に乙破千代から与えられた他者の心を読む能力。シャーマンの基本能力である霊視の力が更に強化されたもの。
劇中ではハオの他にアンナとオパチョもこの能力を持っていたことが判明するが、アンナはシャーマンファイト開催時点ではもうこの能力を失っている。
戦闘や人心掌握にも活用できる強力な能力であるが、代償として絶え間なく他者の思念が流れ込んでくる為、ハオ自身はこの能力を嫌っている上に、誰一人、自分を慕う部下達さえも信用せず、どうなろうが無関心となってしまった。本人曰く「最初から裏切られた気分だ」。
劇中ではハオはこの能力を使って仲間を集めたり、レーダーのように使うことで物陰から暗殺しようとしている刺客を逆に始末したり、艦隊の中にいる特定の人物を見つける等をしている。
この能力の根幹を成しているのは「寂しさ」であるらしく、それ故に誰でも持ちうる能力であるとされている。この「寂しさ」が何らかの要因で埋められた時、この能力は失われる。
ハオの仲間内ではこの能力についてを知らされているのは、星組の他のメンバーであるラキストとオパチョ、それに後に仲間となったアナホルのみである。
- O・S スピリット・オブ・ファイア
ハオのオーバーソウル。媒介は空気中に存在する酸素。
能力は熱の制御や燃焼現象、発光現象など、ありとあらゆる炎の力で、ハオの力と相俟って生み出される能力は多岐に渡る。
媒介が酸素であるため、ハオの任意の位置に出現させることができる。これにより、オーバーソウルの中ではかなりの巨体であるにも関わらず、まるで瞬間移動でもしているかのようなスピードで動くことができる。また、飛行能力も有している。
出現させる際に必要とする巫力は一回あたり33万。
媒介が酸素であるため、その場一帯に存在する酸素を全て燃やし尽くすことができれば消滅させられる、のだが...詳しくは後述。
- 陰陽術
ハオが極めたとされる術。この術により、ハオは蘇生術、転生術、式神、呪術など、様々なことを行える。また、この術には「五行」と言われる自然の摂理を示す考え方が存在している。
ハオは陰陽師の中でも特に優れた大陰陽師であるため、自然の摂理を表す五行を完全に把握し、全ての森羅万象を読み解き、気を自在に操り、変化させることができる。
この「五行」の能力はオーバーソウルにも応用が可能で、スピリットオブファイアの属性を木火土金水の属性に自在に変化させることができる。
これにより、スピリットオブファイアを「水」の属性に変化させることで、前述したその場一帯の酸素を燃やすことができる「火」に対抗することが可能。故に、ハオに対しては媒介そのものを無効化するという戦法が取れないという有様となっている。
- 甲縛式O・S 黒雛
五大精霊を甲縛式O・Sへと変じた、人の到達できる巫術の究極、黒雛。纏ったO・Sは人知兵器の全てを凌駕する攻撃力、防御力、機動力を備え、放出される炎は凄まじく圧倒的で、骨や魂さえも焼き尽くし無に還してしまうほど。高速飛行能力とミサイルも鷲掴みにする二本のアームを備え、両肩の蝋燭から放つ超密度の炎弾鬼火はどんな物をも一瞬のうちに消し炭へと変える。単独で艦隊に応戦し駆逐する様は、まさに無双の強さ。黒雛を目の前にしたものはその圧倒的な力の前に等しく希望を失い、真なる意味の絶望を味わうことになる。
ただし、この形態になると、霊力が磨り減っていくというデメリットがある。(他の人物の甲縛式O・Sには無いのだが...)
- O・S グレートスピリッツ
シャーマンキングになった者のみが扱うことを許される、最強の超時空O・S。グレートスピリッツはそのものが霊界であり、原始から現代まで地球が観測してきたありとあらゆる情報を持つためにその全てを再現することが可能。人も含めた過去から現在までの生物の能力、軌跡と奇跡の再現がもちろん、自然現象、兵器や道具、それらを組み合わせて起こす強大な力の発現など、絶対無敵を誇り、並の術者では立ち向かうどころか前に立つことも適わない。心の力という概念を除けば、五大精霊という破格の精霊をもってさえ一瞬で消し去る力を持つ。地上でO・Sすれば移動要塞的な働きをする超時空霊界となる。劇中では、シャーマンキングとなったハオが使い、宇宙の理(隕石やビックバン等)を再現し、五人の戦士達を圧倒した。
余談
おそらくモデルは安倍晴明。母親が化け狐(扱い)される点や、過去編で明らかになった人物も、清明の縁の人物である可能性が高い。
また、葉王時代に前鬼と後鬼を使役していた点から、役小角もモデルの可能性がある。
(羽茂忠具→賀茂忠行、大太郎→賀茂保憲、山田道茉→蘆屋道満か。)
なお、生前?の親友の大太郎は 大太郎法師 (ダイダラボッチ)こと闇鬼になってしまい、後にハオ自身が甥の麻倉花に召喚されるように組み込んだ。
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ここから先はネタバレ
その圧倒的な力もあって、S.F.本戦の後半期に「星祭(ほしまつり)」の開催を宣言した後は、ハオの臣下達に太刀打ちできるシャーマンの勢力は、X-LAWS、ガンダーラ、ふんばり温泉チーム、THE蓮を除いて殆どおらず、特に甲縛式O.S.「黒雛」を持ったハオには、アンナをして「理論上有り得ない」と評されてしまう程、勝負にすらならない状況となってしまった。
一部の十祭司の裏切りも重なった結果、もはや公平さも殆ど失われ、実質的に「ハオがシャーマンキングになる為の通過儀礼」と化してしまったS.F.は、悠々とハオがシャーマンキングとなり、それまで自分に尽くしてきた部下たちをあっさりと見捨て、十祭司達に護衛されながらムー大陸へと向かったハオは、グレート・スピリッツを入手。
肉体の死を迎えてシャーマンキングと化したハオに、世界で逆らえるシャーマンは誰一人いなくなり、葉の関係者達は全てハオの意で殺されてしまった…。
しかし、ガンダーラによって見出された葉、蓮、ホロホロ、チョコラブ、リゼルグの5人のシャーマン達が、各エリアを守護する十祭司達を倒す形で五大精霊と共に現れ、ハオはグレートスピリッツをO.S.させる形で、自身を「打倒」ではなく、「改心」させようとしていた葉達との最終決戦を展開する。
最初は自らのシャーマンとしての圧倒的な力と、天変地異をも難無く操るグレートスピリッツの力にモノを言わせる形で圧倒していたのだが、全ての魂の帰る場所とされるグレートスピリッツのコミューンでの戦闘であった事が大きく裏目に出てしまう。
小山田まん太を始めとする葉達の仲間やS.F.に参加していたシャーマン達、そしてこれまで自分が殺害してきたシャーマン達が現れ、更にはずっと探していても見つからなかった乙破千代の魂とも再会。その対話によって心の内の「寂しさ」が消えてしまい、霊視能力を失って1000年ぶりに他人の心も読めなくなった結果、自分の心が怒りや憎しみから解放されてしまった事実を認めざるを得なくなった。
そして、自らの憎しみの根源であった母の魂とも再会し、「王となるのなら、まずは人を愛する」事を教えられたハオは、葉達に時間を与える事を決意。「残された時間の中で葉達がどうやって地上を変えるのかを見届ける事」を宣言し、シャーマン達の魂を全て元の地上へと還した。
エピローグにて、地上の竹山家の墓所で、葉王だった頃の相棒であったマタムネと笑顔で再会し、シャーマンキングの物語は幕を閉じる―――。
ここから先はネタバレ
かくして、シャーマンキングとなったハオであったのだが、実はそのシステムにはとんでもない「落とし穴」があった事が判明する―――。
なんと、シャーマンキングの最後の最後の試練にて、シャーマンキングは遡って7代前までの先任者達に「キング就任の拒否権」がある事実が判明。シャーマンキングになったら基本的現世には帰ってこない為に、実際に誰かが不適格とされでもしない限り知る事の出来ないこの「落とし穴」に、ハオはまんまと嵌ってしまう。というか一度はパッチに転生して情報を調べた彼が知らなかったのだから、ルールとしては存在しても実際に先任者から拒否された史上初のシャーマンキングになった可能性も高い。
当然、歴代シャーマンキング達からの心象は「最悪」そのものと言え、パッチ族を含めて何度も転生しまくって何度も地獄で修行して巫力を底上げし、何度もシャーマンファイトに参加し、シャーマンキングになる目的も地球環境の為にはなるが善なる人間でもシャーマン以外は滅ぼす際どいものであり、シャーマンキングになる過程でも多数の命を貪ってきたという、シャーマンとしてどころか人間としても生命の摂理を平然と無視したハオの行動やインチキ戦略は、根本から間違っていたことが立証されてしまう。
チャンスなど最初からなかったのである…。
このハオのキング就任反対騒動が、続編(シャーマンキングFLOWERS)の大きな軸となっていく。
拒否権発動には、七代中三代までの合意が必要なのだが、ハオの場合直接喧嘩を売ってしまった二人と立川のどっちかで条件を満たしてしまい、特に先任のシャーマンキング達の中でも、何が原因かは不明だが、先代には決定的に嫌われていたという(今の資本世界を作ったのがおそらくユダヤ系である先代のヤービスであり、それをハオが壊そうとしているのも関係している)。
実際、フラワーオブメイズでは、とくにチームヤービスとの戦いが脅威となっている。