曖昧さ回避
概要
大井川鐵道が大井川本線で運用する電気機関車。
1949年にE101~E103の3両が製造された。
そのため、連番になってはいるもののE103のみ外観が大きく異なる。
車両自体は当時の私鉄向けの汎用機をローカライズしたもので、類似の機関車が他路線にも存在した。
導入の目的は貨物列車の牽引であり、金谷駅から国鉄の貨車を自社線内に引き入れて運用していた。
しかし、後に貨物需要が減退すると同時に、1976年に運行開始したSL急行の補機の任務に就くようになる。
1983年に貨物列車が廃止されてからは、ほぼSLの補機専用として扱われるようになった。
E103は2003年に運用を離脱し廃車・解体されたものの、残るE101とE102は製造後70年以上を経た2020年時点でも現役である。
長年裏方に徹してきた本機であるが、2010年代になると、国鉄の旧型電気機関車に似たデッキ付きの古風なスタイルから鉄道ファンの人気を集めるようになる。
時折イベントやSLの代走で見せる、旧型客車を牽引する姿は、昭和中期の客車列車を彷彿とさせる。
E101
最も古風かつあっさりとしたスタイルをしている。
長年の酷使が祟って老朽化が著しくなり、2011年に運用を離脱したが、神戸電鉄で廃車になった同型機のモーター及び台車に換装して3年後に復活。
この際警笛をホーンからホイッスルに交換している。
イベント列車の牽引に抜擢される事が多い。
E102
E101と同型だが、運用中に正面窓へのヒサシの追加やヘッドライトのシールドビーム化を受け、独自のスタイルへと変化していった。
警笛はオリジナルのホーンのままである。
E101と違い、リフレッシュ工事を受けていないため老朽化が激しく、度々廃車説が出るものの何だかんだで未だに現役である。
E103
唯一の日立製作所製。
1970年に岳南鉄道に譲渡され同社の貨物輸送を支えたが、1986年に大鐵に再譲渡され里帰りを果たした。
その後は上記2両と共にSLの補機として活躍し、2003年に廃車された。
尚、元々ホーンだった警笛は岳南時代にホイッスルに変更され、更に大鐵への帰任時に片方のみホーンに戻された為、両側で警笛が異なるという中途半端な形態で運用されていた。