「戦士が 命乞いをするものじゃあ無いよ」
「だめだと言うのが わからないのか!!」
CV:櫻井孝宏
人物像
護廷十三隊の三番隊副隊長。
瀞霊廷の下級貴族出身。生真面目な性格でやや気弱。己の使命や上の言うこと、特に隊長市丸ギンには、絶対の信頼を寄せているため、自身のあらゆる感情を押し殺して従う。阿散井恋次や雛森桃とは同期で、檜佐木修兵は先輩。真央霊術院に首席合格しており、その同級生だった頃は雛森に好意を寄せていた。また現在四十六室に所属する阿万門ナユラとは顔見知り。
趣味は俳句で挿絵は雛森が描いている。作家仲間で檜佐木とは仲が良い。好きなものはところてん。嫌いなものは干し柿。
元四番隊の所属であり、治癒能力も使用できる。尸魂界篇ではその性格を藍染に利用され、藍染の思惑も知らないまま、市丸と共に暗躍することになる。松本乱菊との戦いの後、虎徹勇音の天挺空羅により雛森の重傷を知ることで自分が利用されていたことに気づかされた。
「カラブリ」の各隊が出店に出品する物を決める話で隊長っぽいものを売った方が良いと「キツネ饅頭」を提案し、男性死神協会の企画「伝令神機案」だと銀色で狐型で裏に三の刻印、通話時に3mまで伸びる伸縮機能付き案を語った。後者は「隊長ネタ引っぱりすぎ!!マイナス3点!」とツッコまれた。
3番隊に求める人材、応募条件ともに「嘘をつかない人」死神候補生に一言は「来ても市丸隊長はもういませんよ」と市丸離反が尾を引いている。
アニメ版のオリジナル長編において活躍シーンが水増しされているキャラクターの一人である。
斬魄刀は『侘助』。切ったものを倍の重さに能力で二度切れば更に倍、三度斬れば更に倍…とどんどん増えていき、最終的に切られた相手は重さに耐えきれず侘びるかの如く頭(こうべ)を差し出す。故に、『侘助』という名前なのである。
……あくまでこの能力は始解にすぎないのだがよくよく考えると彼の斬魂刀は使いようによっては無類の強さを誇る気がするのは気のせいだろうか。
空想科学読本によると地球の地面を叩いたら地球が滅ぶとかなんとか。
千年血戦篇では見えざる帝国の侵攻であっさり死亡したかに思えたが涅マユリの手でゾンビ化し復活。死者のまま戦線復帰する。
ファンブック『13BLADEs.』収録の小説にてその経緯が明かされた。
マユリ曰く、被検体として好条件だった。呼吸をするかのように自らの価値を拒絶し続け、それでも惨めに世と繋がろうとしている君の事ダ。どのような身体の変質だろうと受け入れるのは必然だからネと語っている。戦力にならないと意味がないと霊圧も増量しているが、殺された席官達の魂魄で身体を補修したという残酷な事実を明かされた。背負うのが好きそうだからネ。思う存分彼らの人生とやらを受け継ぎたまえ。
その後ナユラに「無事に帰らなければ命を賭して四十六室を護ったとして黒崎一護以上の英雄に仕立て上げてやる!」と宣言されて「善処するよ。そんな扱いは、それこそ死んでもご免だからね」と呟いて戦線復帰をした。
市丸と東仙の副隊長であった彼と檜佐木は意図的に協力していたのではないかと疑われ裁判にかけられた事も書かれている。藍染が投獄後なのは四十六室の再編成を終えるまですべての案件が審議停止となっていたゆえ。
自分を裏切った市丸ギンとの関係を淡々と事実だけ述べて藍染に荷担した裏切者だと認めるが、雛森と松本に刀を向けたことは自分の咎、そこは市丸ギンの罪科から削除して欲しいと申し出た。
たしかに大罪人かもしれない、如何なる事情があっても許される事ではない。けれど、市丸が尸魂界を数百年護って来たのも事実で、藍善の謀反とは無関係な虚の襲撃を幾度も一人で片付けてきた。功績が偽りなら自分の罪を背負うのはそれこそ偽りと述べた。
四十六室に向ける彼の目は僕の罪を奪うなと明確に告げていた。
裁判後、四十六室の一人ナユラと名の少女は彼に興味を持ち問いかけた。
「研修中に大虚の群れに襲われたのは貴様らを助けに来た藍染と市丸の計略だった可能性が高い、5番隊に入隊する前からお前たちはいいように利用されてきた」と語るナユラに「ハッキリ言ってくれるね」と自嘲気味に苦笑を浮かべるイヅルに「なのになぜ市丸に罪を全て押し付けなかった?」との問いに「全ての罪を押し付けることはそれこそ重荷。僕にはとても背負えない」と述べた。さらにいくつかの問いをしてナユラは「自身の中でも割り切れぬ思いがあるのだろう」と結論つけた。
二人とも何度か裁判を受けるものの降格処分や除籍は免れた。
最大の理由は隊長格の人材不足だった。また数人の隊長格の嘆願があったり、平子達の隊長格復帰に関する論議、マユリが強制的に部下を自爆させた嫌疑の裁判が控えておりあまり時間を取れなかった。