解説
軽戦車は第一次世界大戦後の戦間期から第二次世界大戦初期までは比較的広範に使用された。
軽ければ、普通の戦車では立ち往生してしまう泥炭地などでも活動でき、空挺作戦や水陸両用作戦にも活用しやすい。
そして、トラクター(牽引車)の技術で開発でき、運用ノウハウの蓄積や訓練にも適当である。
もちろん安価で数をそろえられ、戦間期には多くの国家が独自開発している。
・前線では威力偵察や歩兵の火力支援
・後方では市街地の警備
に充てられた。
機動性のよさ・小回りのよさを生かせるように、というか「弱い」のは最初から解っていたので、正面切っての戦闘には関わらないようにしていたのだ。
だが第二次世界大戦が始まると
・(機動力のために)重武装できず攻撃力が低い
・(機動力のために)装甲が薄くなり防御力が低い
といった短所が改めて浮き彫りになる。
それでも大戦終盤以降には単純な火力なら中戦車に匹敵するものが登場し始めたが、歩兵の携帯火器にも対抗できないほどの装甲の薄さは朝鮮戦争やベトナム戦争で能力不足を露呈し、次第に活動の場を狭めていった。
そういった役割なら武装を強化した装甲車(歩兵戦闘車や偵察戦闘車)で十分だったのである。
よって、現在軽戦車そのものは廃れているが、16式機動戦闘車やチェンタウロ戦闘偵察車のような「機動砲」「装輪戦車」と呼ばれる車両は、軽戦車のコンセプトを色濃く受け継いでいると言える。
また、中国では新型車両として15式軽戦車が配備されている。こちらは、普通の戦車では入りにくいどころかエンジンをかける事すら困難な山岳地帯での活動を想定しており、砲塔正面装甲のみ第3世代主力戦車に準ずる防御力があるとされる。
ちなみに、これより小さい物には豆戦車の分類がある。
だがこちらも戦車という割には弱すぎ、同様に廃れている。
主な軽戦車
- I号戦車
- II号戦車
- M3スチュアート
- M5軽戦車
- M22軽戦車
- M24軽戦車
- M41
- 九五式軽戦車
- 九八式軽戦車
- 二式軽戦車
- 三式軽戦車
- 四式軽戦車
- 6t戦車
- テトラーク軽戦車
- 35(t)戦車
- 38(t)戦車
- T-26
- T-50
- T-60
- T-70
- PT-76
- FIAT3000
- L6/40
- ルノーFT-17
- ホチキス軽戦車
- ルノーR35
- ルノーAMR35
- ルノーAMC35
- AMX-13
- 7TP
- ベルデハ