壊相(呪術廻戦)
えそう
「バチ 殺 し!!」
概要
『呪術廻戦』の登場キャラクター。
史上最悪の呪術師であり、御三家の汚点・加茂憲倫が妊婦への実験によって生み出した特級呪物・呪胎九相図の二番が受肉し生まれた姿。
夏油傑、真人らの作戦によって呪術高専東京校の保管庫から持ち出され受肉した。
受肉後は真人らに頼まれた宿儺の指の回収のため血塗と共に八十八橋に出向き、八十八橋の呪いを祓いに来た虎杖悠仁と釘崎野薔薇と交戦し、彼らに敗北して殺害される。
人物
史上最悪の呪術師・加茂憲倫により、呪霊の子を孕む特異体質の娘への人体実験によって産み出された人間と呪霊の混血児。「呪胎九相図」の次男。
髪型はモヒカンで、筋肉質な裸体の上に蝶ネクタイと女性物のボディハーネス、Tバックを着用した奇抜な格好をしている。
その変態的な恰好とは裏腹に、性格は基本的には紳士的で、敵に対しても丁寧に振る舞う。しかし背中を見られた時と兄弟を傷つけられた時は口調が荒くなる。
実は背中に異臭を放つ不気味な顔があり、本人も背中を見られるのがコンプレックスになっており、頑なに見せたがらない。しかし隠すとムレるため、露出の多い格好をしている。背中を見られると激怒し、見た相手に殺意を向け「バチ殺し」をしようとする。
生い立ちは悲惨なものの、母親の記憶はなく、人間や呪術師に特段恨みがある訳でもない。
だが同じように産まれた兄弟への愛情は深く、「兄弟のため、兄弟が望むのであれば自分はそれに殉ずる」ことを信条とする。それゆえ兄・脹相が「兄弟にとって都合が良いから」という理由で呪霊側につくことを決めた際は、呪霊を胡散臭いと思いつつも兄に従い、虎杖・釘崎との戦闘時も、共に戦う弟・血塗に気を配る等、本質的に穏やかで優しい性格であることが察せられる。
だが、それは戦いにおいては致命的な隙になりうる甘さにも通じており、最終的にはこの性格が仇となって敗北し、死亡する。
活躍
伏黒恵、虎杖悠仁、釘崎野薔薇が八十八橋の調査に訪れた際に、伏黒が八十八橋に巣くっていた特級呪霊と戦っていた際に、宿儺の指の回収に訪れたことで弟の血塗とともに虎杖・釘崎のコンビと交戦する。
当初こそは弟の連携と、自身の強力な術式によって二人を圧倒するものの、釘崎の術式によって弟が苦しむことになり、その際に血塗から放たれた苦しみの中で呟いた言葉に反応して、思わず術式を解除してしまい、それが仇となって弟を殺害される。
その後、極限まで集中力を増した釘崎が黒閃を発動したことで完全に敗北し、弟の復讐の為に一度二人から逃げようとたまたま通りがかったトラックを捕まえて逃走するが、結局二人からは逃げきれず、虎杖に謝罪されながらも殺害される。
影響
今まで人間と敵対し、呪霊を『祓って』いた虎杖にとっては明確に『殺害』した初めての相手。
戦いの中にあっても弟のことを想い、弟が死亡した際には涙を流しており、敗北が確定した際にも無念の表情は浮かべながらも、無様な表情は見せなかった。
最後まで他人のことを想いながら死亡した壊相の姿は、虎杖にとって必要だから敵を倒した今までとは明確に違う、『命を殺す』という罪を明確に覚えさせた相手だった。
また、彼が殺されたことで兄である脹相は虎杖に対する復讐心を抱き、彼を殺すことを決意させており、また、彼との戦いが終わった後に虎杖は一級術師に推薦されており、虎杖にとって更なる戦いの契機を作った人物となった。
術式
蝕爛腐術 (しょくらんふじゅつ)
浴びると腐蝕する有毒の血液を操作する。全身に浴びない限り死ぬことはないが、死ぬ程の激痛を伴う。
- 蝕爛腐術 極ノ番「翅王」 (しょくらんふじゅつ ごくのばん しおう)
背中に噴出した血液で出来た蝶のような大きな羽を生やし、射程内の対象に向けて針のような血を伸ばして刺す。滴る血には触れた物体を腐蝕させる効果がある。
- 蝕爛腐術「朽」 (しょくらんふじゅつ きゅう)
対象の粘膜・傷口に、壊相か血塗どちらかの血を取り込ませ、二人のどちらかが発動すれば侵入箇所から相手を腐蝕させる術式。発動中は相手の身体には薔薇のような形の紋様が浮き出る。血液は有毒で痛みはあるが、術式はあくまで「分解」。ただし、「翅王」と同時に使うことはできず、壊相が「翅王」を発動すると「朽」は強制的に解除されてしまうのが難点。