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クロスオーバーSUVの編集履歴

2020-08-15 14:47:44 バージョン

クロスオーバーSUV

くろすおーばーえすゆーぶい

外装デザインをSUVやクロスカントリー車に似せた乗用車のこと。はしご形フレームを持つ(本来の)SUVに対し、モノコック構造である。

定義

ピックアップトラックをベースにしたSUVや、はしご形(ラダー)フレームを持つ本格的なオフロードカー(クロスカントリー車、クロカン車)に対し、モノコック車体の乗用車をベースに車高を高めにとるなどしてクロカン車風に仕立てた自動車のこと。


クロスオーバーSUVはあくまで乗用車であって、貨物車であるSUVの派生ジャンルではないのだが、日本や欧州では本来のSUVが浸透しておらず、クロカン車も減少しているため、一般的に「SUV」と言えばこの手の車両を指すことが多い。SUV本来の定義からすれば少しおかしいのだが、こうなったのは、各メーカーが付加価値をつけるため、クロスカントリー志向の乗用車を「SUV」と銘打って売り込んだからである。


この記事ではクロスオーバーSUVをクロスオーバー車(Crossover Vehicle)と呼び、本来のSUVやクロカン車と区別することとする。


特徴

クロスオーバー車は、乗用車に大型のタイヤを履かせ車高を上げるなどしてクロカン車のようなデザインを与えたジャンルである。よって、クロカン車のような走破性は基本的に期待できない。


それでもセダンやクーペ、ステーションワゴンに比べると、車高の高さのため乗る時に背を屈める必要がない、目線が高いので視界が良い、室内が広いので荷物も載せやすいなどの(機能的な)メリットがあり、同様のメリットがあるミニバンよりも豪華さなどの付加価値を演出しやすいということで、各メーカーがこぞってこのジャンルの車を手がけている。


一方で、このジャンルの先駆者であるスバルの各車のように、優秀な4WDシステム、トラクションアシストデバイスなどを装備することにより、雪道や荒れた路面での走りやすさを評価されているモデルもある。が、通常このジャンルでは悪路の走破性よりスタイルが重視されるため、前輪駆動モデルが設定されることはもはや珍しくなく、4WDが設定されないモデルすらある。トヨタのC-HR(2WDモデル)に至っては最低地上高が140mmしかなく、正真正銘「カッコだけ」のクロスオーバーSUVである。


なおクロカン車でオンロード寄りの性能を持ったものを「ライトクロカン」と言い、ランドローバーレンジローバー(3代目以前)などがその典型である。乗用車から発展したクロスオーバーSUVとは構造上異なるため区別されることがあるが、スズキエスクード(3代目以前)やダイハツ・ビーゴ/トヨタ・ラッシュのように、モノコック構造とラダーフレーム構造を融合させたラダーフレーム・ビルトイン・モノコックを採用し、ライトクロカンとクロスオーバーSUVのどちらにも分類される中間的なモデルもある。しかしビーゴ/ラッシュは廃止、レンジローバーやエスクードも4代目以降は完全なクロスオーバーSUVに舵を切っており、ライトクロカンは完全にクロスオーバー車に呑み込まれてしまった感がある。


起源

この手の車種、すなわちクロスカントリー志向の乗用車の起源をたどると、1972年東北電力の要請で開発された富士重工業の「レオーネエステートバン4WD」に行き着く。当時の4WD車はジープランドクルーザーのような幌付きのトラックタイプの自動車しかなく、冬は寒く騒音や振動も激しく大変な忍耐を要求されるものであった。冬の林道を巡回するのに適した車として、悪路の走破性を幾分妥協するかわりに、乗用車としての快適性を有する乗用車ベースの4WD車への需要が見出されたのである。


しかしレオーネは走破性が重視されているという点で古典的なクロスオーバーSUVの元祖と言え、商品性を重視したクロスオーバーSUVの起源としては、1983年に発売されたジープ・チェロキーXJがこれに該当すると思われる。XJチェロキーは高い悪路走破性を備えつつも二輪駆動も設定され、都会的なスタイルと手ごろな価格から世界的に大ヒットした。


関連項目

自動車 乗用車 ハッチバック

SUV オフロードカー RV

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