作品解説
元気爆発大食い娘の小田切双葉、天使の顔を持つ悪魔の葉山照、元お嬢様で極貧生活真っ最中の西川葉子の、3者でそれぞれ違う個性を放つ3つの葉とその周辺の濃い面子が織り成すギャグストーリー。連載開始から8年以上経過しているが、作品内の時間はサザエさん時空になっている。
タイトルは三者三様のもじりであり、主役3人の名前にそれぞれ「葉」がついていることに由来する。
登場人物
主要人物
小田切 双葉(おだぎり ふたば)
中央女子高に転校してきた高校1年生。とにかく食べる女の子で、様々な大食いチャレンジに挑戦し不敗を誇っているため、前の学校の時の大食い仲間の男友達からは「チャンプ」と呼ばれていた。
転校初日で葉山照と友達になり、照と一緒にお昼ごはんを食べていた西川葉子ともそのつながりで友達になった。
成績はテストでヤマを当てるのが得意なため、中の上。
料理を食べるのも好きだが作るのも得意で、結構何でも作る。いわゆる「おふくろの味」が得意らしい。ただ裁縫は苦手。
幽霊や心霊写真、怪談は大の苦手(幽霊はもし敵対しても殴れないから)。しかし宇宙人はまだ殴れそうなので平気とのこと。
たまに突拍子も無いことを思いついて周りを巻き込む。ちなみに超音痴(自覚はしている)。
葉山 照(はやま てる)
三つ編みメガネの、テンプレのようなクラス委員長。成績も常に上位で歌声も素晴らしく、動物が大好きな女の子。
・・・とここまで見ると完璧超人のような人だが、その腹の中は真っ黒で、実の姉でさえ公認しているほど。
かなり普通にひどいことを言ったり精神的に相手を追い詰めたりするので、実態をよく知る双葉や葉子からは悪魔、もしくは鬼扱いされることもしばしば。
三つ編みもメガネ(外すと黒板が見えにくい程度で、生活には支障はない)も、クラス委員長も、勉強を頑張っているのもすべて見た目を良くして周りから良い評価を得るため計算されたものであり、その発端は幼少時の「要望通りのクリスマスプレゼント(ホワイトタイガーもしくはピューマ、ユキヒョウ、サーベルキャット)がもらえなかったのは自分が良い子じゃないから。だったらせめて見た目だけでも良い子になる」という決意に由来する。
無類の動物好きで、動物を前にすると怖いくらいデレデレする。夢は葉山動物王国を作ることだったが、知らない人に自分の育てた動物をベタベタ触られるのが嫌なので諦め気味。
大の運動音痴。
怒らせると怒った素振りは見せないのがかえって恐ろしい。
特になんもないときは優しいので、素性を知らない人たちからはモテる。
「ベル」という猫を飼っている。名前はベルゼブブからきており、拾った時ハエがたかってたためこの名が付いたんだとか。
西川 葉子(にしかわ ようこ)
(元)大富豪の西川家の一人娘。通称「葉子様」。紫の姫カット。
中学まではほとんど金で何でも解決するような大金持ちだったものの、父の会社が倒産したため今は極貧。
昼食はパンの耳が主で、元使用人の山路が持ってくる賞味期限ぎりぎりの食べ物を有難く食べる。マヨネーズが大好物。
腐っても元お嬢であり、喋り方や立ち振る舞い、性格などはお嬢様が抜けきっていないものの、だんだん極貧生活にも慣れてきている。
ただインナーは高級なものをわざわざ通販で買うほどこだわっており、上下数万もするのを買うので、買い換えると金欠になる。
なかなか友達を作れない性格で、クラスにはほとんど友達がいない。(双葉、照とは別クラス)照と初めて出会った時もぼっち飯を食べてるところだった。(以来その場所が3人で昼食を食べる主な場所となっている)
それまでは金の力で作った表面上の友達しかおらず、葉子様の過去を知る者(主に西川家関係者)は「友達ができた」と聞くと驚愕する。
スタイルは抜群であるものの自分の恋愛には(今の生活が精一杯なため)あまり興味がない。
お嬢様キャラのお約束で世間的なことで知らないことが多く、世間一般に馴染めるように努力している。
ちなみに荒井チェリーの別作品であるせいなるめぐみの主人公である刑部 聖とは超お嬢様学校・迷迭香女学院時代の学友。この学校は初等部から高等部まであるものの、葉子様は会社の倒産で仕方なく公立の中央女子高(この世界では公立別学が普通にあるという設定らしい)に通い、聖はお嬢様生活に嫌気がさしたため普通の共学高校へ通っている。
主要人物の親族
西川 孝清(にしかわ こうせい)
葉子様の父。怪しい霊感商法みたいな類を信じるクセがあり、家が没落した要因のひとつ。
まだ30代で外観も若いため、人妻の受けがいいらしい。(薗部談)
生まれも育ちもお坊ちゃまな人だが会社倒産後の仕事は選ばず、よくわからない仕事をよくしている。
しかし飽きっぽいためどの仕事も長続きはしない。高価な水晶をわざわざローンで買って、持ち前の洞察力を活かした占い師になり結構評判になっていたこともあったが「天職じゃない」と言ってあっさり辞めている。(その後山路が受け継ぎ、考清よりも当たると評判になっていたものの、水晶を高値で売ってローン返済の足しにしている)
結構楽天的であり、「社長になる」と言って実は宝くじを10枚買っただけで取らぬ狸の皮算用だったということも。(結果的には3000円当たって±0)
葉子様にはかなり甘い親バカ。
その性格ゆえ葉子様や山路にはかなり気苦労をかけており、山路は血を吐くことも多々。
佐久間 雛子(さくま ひなこ)
葉子様の母。葉子様が幼い頃に他界している。
考清とはお見合い結婚だった(主要人物たちいわく政略結婚)ものの、仲は良かったらしい。
本編で名前は出ていないものの、小説版で初めて明かされた。
臼田 桜(うすだ さくら)
双葉の従姉妹の小学生。将来はアイドル志望で、玉の輿に乗る予定。
双葉とは赤ちゃんの頃からの付き合い。
両親が家を留守にすることが多く、双葉の家にもよく泊まりに来るため姉妹のような間柄。
大富豪の竹園家の御曹司である竹園優のことが大好きであり、恐ろしいほどつけ回す。
超絶ポジティブシンキングであり、計算高い。
照のことを本能的に恐れていたものの、あることをきっかけに「お姉様」と呼ぶようになる。
彼女の歌は聞いてる人が倒れたり、薗部が汗と鼻血を垂らすほどの超絶音痴っぷり。
しかし双葉と違って自覚はしておらず、友達の誕生日会で披露しようと企てるほど。
スイミングスクールに通っているため泳ぎは得意。
ちなみに荒井チェリーの別作品であるみおにっきにも登場しており、主人公である前田 実音とはクラスメイト同士。
葉山 光(はやま こう)
照の姉。いつもぽーっとしており、行動が読めないぬるく迷惑な人。
双葉いわく「迷惑度は照と五分五分」とのこと。
照と違い裏表のない優しい人だが、思考がかなりズレているためさらりと笑顔でひどいことを無自覚で言い放つ。
飼っている猫の「ベル」の名付け親はこの人。(由来は照の項目参照)
健康食を作るのがマイブームで、健康のためいろんな物を混ぜた食べ物を作る。しかしその内容と味は恐怖そのものであり、食べた人は必ず何らかの異常をきたす。(本人は平気)
しかし葉子様は最近この食べ物のファンになってきている。(ありえない力がみなぎるらしい)
普通に料理を作る分にはそこそこ得意。
感覚もかなりズレており、自分が満腹だと気づくまで時間がかかったり、暑さ我慢大会でも優勝してたりする。
変な色のキノコを健康に良いと食べさせようとすることも多々。
照と同じで歌は上手いが、音程が微妙にズレているため、聴いている人の神経を狂わせる効果がある。
照のことが大好きで、昔は照が病弱で体も弱かったため(今では超頑丈)、つきっきりで看病したりした。
くじ運がものすごく良い。
西川家の関係者
山路 充嗣(やまじ みつぐ)
西川家の元使用人。西川家の使用人であった祖父とともに幼少時から西川家に出入りしてた。祖父が亡くなり、使用人を受け継いだ直後に西川家が没落してしまったらしい。
現在は葉子様を影で見守るフリーター兼ストーカー。通称山G。年齢は20代。
気配を完全に消すのが特技で、葉子様が指パッチンや犬笛を吹いたりすると(なぜか聞こえる)、どこからともなく現れる。
よくバイト先の賞味期限ぎりぎりの食べ物を葉子様に届けに来る。
葉子様を敬うよう周りに強制したり、葉子様を心配するあまり変なことを言って葉子様にお仕置きを食らうことも多々。
執事として勉強をかなりしていたようで、資格もかなりある。
しかし葉子様を見守るというライフワークは絶対揺るがないので、就職はしない。(バイト先で正社員登用の話をもらってもためらいもなくつっぱねるほど)
あまりにもそつがなく何でもこなすため、西川家の元メイドである薗部からは「可愛げがない」と言われたり、周囲からは気持ち悪がられることも多々。
葉子様に褒められることが最高の報酬であるものの、葉子様に叱られるのもよしとするちょっぴりマゾで残念なイケメン。あとちょっと苦労人。
ちなみに迷迭香女学院中等部の卒業写真に写り込んでいる。
薗部 篠(そのべ しの)
西川家の考清付きの元メイド。背も小さく童顔なため、一見10代そこらに見えるものの実は30代前半。
かつてエイプリルフールに言った「実は15歳なんだけど父の借金の肩代わりのため年齢を偽って働いている」という嘘を、西川家が没落するまで全使用人が信じていたらしい。
本人曰く「義務教育の頃から体型は変わっていない」とのこと。ゆえに主要人物たちから「妖怪」と呼ばれることもある。
西川家が没落してからはもともと趣味だったお菓子づくりの勉強をし、山路の根回しのおかげで夢だった洋菓子店をオープンした。
名前は「秘密の花園」。店名は決まっていたものの看板をつけるのを忘れていたため、殆どの人が知らなかった。
葉子様が水晶のローン返済のためにバイトをすることになったものの、バイト経験が無くしかもあの性格だと普通のバイトは厳しいという山路の判断で葉子様はここでバイトをすることになった。そもそも山路が根回しをしたのもこれがきっかけで、葉子様のバイトのために造られた店といっても過言ではない。
ちなみに裁縫も得意であり、たまに中央女子高の自作のコピー制服を着て学校に入ってくる。
謀略や人の不幸を見ること、人の嫌がることが大好きで、かなりひどいことを持ち前のポーカーフェイスでさらりと言い放つ。
双葉が(辛さで)ギブアップした鍋ごとの激辛カレーと大盛りご飯を普通に完食するなど、辛さにも大食いにも耐えられるよう。(双葉いわく「この人神経が死んでそう」)
かつて自分を使う側だった人物が自分の店で働き、自分が上司になっていることに快感を覚えている。
しかし考清に対してはいまだメイド感覚が抜けきらず、命令には従ってしまう。
それ以上の感情も持ってることを思わせるような素振りも見せるが、詳細は不明。
山路とは犬猿の仲でちょくちょくバトルを繰り広げるが、「葉子様は傲慢で高圧的でないといけない」という意見については意気投合している。
幼少期にアスベストをほじくって遊んでいたため、毎年健康診断が怖いのが悩み。
歌は上手いものの、歌いだすとなぜか街中の犬が一斉に鳴き出す。
クラスメイト
西山 芹奈(にしやま せりな)
双葉と照のクラスメイト。委員長になりたかったものの照に座を奪われ、成績も常に照に負けているため照を一方的に目の敵にしている人。
ことあるごとに照に喧嘩を売るものの、サタンこと照に口で勝てるわけもなく常に惨敗。
しかし動物好きであることについては共通で、その点については親友レベルの意気投合を見せることも。照の拾った捨て猫のもらい主で、(幼い頃から可愛がっていた猫が最近死んでしまったため)長生きするようにとの願いを込めて「絵多亜名流(えたあなる)」という名を付けている。
薗部の店のバイトの一人。超負けず嫌いで結構ピュア。
近藤 亜紗子(こんどう あさこ)
双葉と照のクラスメイトであり、西山の小学校からの親友。
西山と仲良くなるきっかけは小学校での校外学習で同じ班のときに班長だった西山がいろいろやってくれたから。
この作品で最初に照と西山が絡んだきっかけとなった人物であり、最初は今より目付きも悪く、西山と一緒に照に突っかかってくることもある感じだったが途中で照たちと仲良くしようと考えるようになる。
西山と付き合い過ぎたせいかクラスでは西山以外の友達がいなく、西山が風邪で休んだ時にはぽつねんとしていたため、双葉たちと一緒に昼食を取った。
無自覚に相手を怒らせるような一言を放つため、よく照に口で負ける西山をフォローしようとするが実際全然フォローしていない。あと救いようがないほど一言多い。
辻 小芽(つじ ささめ)
葉子様のクラスメイト。双葉の大食いライバル(自称)である辻一芽の妹。
兄の唯一の自慢の大食いを負かした双葉を敵対視しており、双葉が大食いをしようとしると阻止しに来る。
葉子様に憧れており、なんとか友だちになろうと頑張るがなかなか上手くいかない。
脳の許容範囲が狭いのでよくパニックになる。
その他
辻 一芽(つじ はじめ)
東高と呼ばれる高校に通う高校二年生。小芽の兄。
兄妹揃ってアホであるため、大食いくらいしか取り柄がない。でも背は小さい(コンプレックスにしている)。
驚くほど小芽と似ており、顔だけ見ると見分けがつけにくい。
唯一の取り柄である大食い記録を双葉にことごとく奪われたため彼女をライバル視している。
照に一目惚れし、ある機会にアタックするが光の速さでフラれた。
ちなみに荒井チェリーの別作品であるハッピーとれいるず!にも主要キャラとして登場する。「便利屋」と言うその名の通りなクラブに所属しており、三者三葉本編でもその仕事をやっている描写がある。
竹園 優(たけぞの ゆう)
大富豪である竹園家の御曹司。小学生。
臼田桜のクラスメイトであり、惚れられているため執拗に追い回され、かなり酷い目に遭っている。
本人は葉子様のことを「お姉ちゃん」と呼び、西川家が在りし日から懐いている。
将来は結婚したいと言っているが、葉子様は幼少期の口約束くらいにしか捉えておらず、優のことも弟(はたから見ればペット)としてしか見ていない。
昔は葉子様がフリスビーを投げると何度でも取ってきたらしい。
葉子様と親しいのは優の父親と考清とが大学時代からの親友であり、家同士の付き合いがあったから。(今は酒の席で食った食わないの揉め事で喧嘩別れしているとのこと)
山路のことが嫌いで、山路も優のことが嫌いなので女同士レベルの陰湿な喧嘩をする。
通っている小学校が同じなため、荒井チェリーの別作品であるみおにっきにも出演している。
満腹さん
双葉や一芽が大食いチャレンジに挑戦する大衆食堂・「満腹食堂」を経営する店主。
語尾に「~アル」をつけるエセ中国人な喋り方をするが実は日本人。
双葉は見た目は普通の女子なので、彼女が大食いチャレンジをしているのを見ると彼女のことを知らない普通の人も挑戦するので双葉は良い釣り餌となっていることを実は認めているなど、ちょっと腹黒い。
なかなか大食いチャレンジに成功しない一芽が成功した時や葉子様の生活の実情を知ったときに涙を流すなど、結構涙もろい。
激辛カレーを「ちょっと辛いくらい」と思うほど、辛さに関しては強い方らしい。
荒井チェリーの別作品であるゆかにっしにも登場する。
関連項目