概要
名鉄が美濃町線向けに製造し、2005年の同線廃止後は福井鉄道に移籍した車両。現在も5編成10両全車が在籍する。
名鉄時代
田神線直通運用の増強のために1980年に2車体連接×5本の計10両が新製された。これにより、モ580形のうち残存車3両全車が廃車となり、モ590形のうち3両が運用を離脱した。
複電圧対応車両だが、冷房搭載時は直流600V区間でしか作動しなかったため、夏場は「サウナ電車」という有り難くないあだ名がつけられた。
前面デザインは後に登場した770形やモ780にも改良を加えられて引き継がれたが、770形は塗装変更がなされ、モ780は登場当初から新塗装で運用されたのに対し、本形式は終始スカーレット1色で運用され続けた。
名鉄では2005年3月31日の600V区間廃止まで活躍した。
福井鉄道への移籍
廃止後は福井鉄道に譲渡された。譲渡時に770形と同様の弱め界磁の搭載やパンタグラフのシングルアーム化および1基化などの工事に加え、歯車比の変更、単電圧化もなされている。このため、運行開始が2006年4月と770形より遅れ、かつ当初は不具合が生じたが、2006年5月中旬に漸く改善された。
本系列は770形と異なり、1編成もえちぜん鉄道への直通には対応していない。