CV:蟹江栄司
概要
植民地惑星デロイアに駐留する地球連邦軍第8軍の副司令官。階級は大佐。デロイア出身のデロイア人。劇中ではよくフルネームで呼ばれる。
SC152年に決起を拒否した第8軍司令のダンロック中将を射殺した。この時、彼が放った1発の銃声が物語の始まりであった。その後、反乱軍デロイア独立正規軍を率いて、首都カーディナルの連邦評議会を制圧、そこで会議をしていたドナン・カシム議長を始めとする評議員たちを人質に取り、デロイア独立を大々的に宣言した。
クーデター鎮圧に動いた救出部隊が議事堂に突入したがその際、人質となっていたはずのドナンは「一部の議員たちに扇動されて反乱を起こした」と主張し、フォンを免罪にした。
彼の望みはデロイア独立ではなくデロイアを植民地から自治州に昇格したかっただけでそこを議員達に付かれて利用されたと主張した。そしてデロイア州代表に就任された。
実はフォンは最初からドナンと共謀しており、このクーデターも独立派ゲリラの排除と独立の機運を潰すのが狙いで、独立を目論んではいなかった。実際、彼はデロイア人だが地球育ちで地球の士官学校も卒業している。その為か、思考や理念は地球人と同じである(実際クーデターの時、従軍記者のディック・ラルターフはそれを知っており、そんな彼が独立を目論むのを疑問視していた)。
かつてはジャッキー・ザルツェフ少佐を初め多くの兵士から尊敬されていたが、ドナンの傀儡に成り下がって以降は現場を無視した政治的配慮優先の命令を下すことが多くなっていった。そして最も尊敬していたザルツェフからは「背広が着たくなったか」と嘆かれ、一般兵からも「あんな人じゃなかった」と酷評されるようになった。
しかし軍事面では追い込まれた時の方が強いらしく、事実、度重なる敗戦で第8軍が弱体化後、北極ポートに進軍する解放軍に対し特殊部隊を編成し連邦軍がゲリラ戦を行うという奇策を実行、多大な戦果を上げたりもした。
しかしドナンが倒れると駐在弁務官として私欲にまみれた策略をするラコックの悪質さと卑劣な姿に嫌気がさし始め、デロイア人としての誇りを取り戻し、ヘリでサマリンとの直接会談に向かうが、これに驚き焦ったラコックのなりふり構わぬ強引極まりない攻撃で撃墜されて死亡、その死はラコックの策略により事故死として片づけられた。
余談
彼はデロイア人でありながら何故か地球で育ったと言う。恵まれた環境で育ち財界にも顔が広いと言うから恐らくは金持ちの家の出身であったと推測される。