概要
タイムパラドクスゴーストライターの主人公で週刊少年ジャンプでの連載を目指す漫画家志望の24歳(第1話時点)。
良く言えば一点に集中する職人気質、悪く言えば視野狭窄で人の話を聞かないタイプ。何事も自分の中で抱え込み自己完結する癖がある。
作家の個性が入ること無くそして万人が面白いと思う作品(アイノイツキの言う)「透明な傑作」を理想とするが、それを上手く表現出来ないままでいる事に強い焦りを感じていた。
とある切っ掛けから未来の週刊少年ジャンプを入手し、連載されていた未来の作品を盗作するという行為を行う。
主人公が非倫理的な行為を行う漫画作品は多々あり、それ自体は問題ではない。
しかしタイムパラドクスゴーストライターはシナリオに粗が多く、哲平は自分の行為をひたすら正当化して自己完結するか、または泣きベソをかいて被害者ヅラするばかりの人物(少なくともそういう印象を読者に与えた)になってしまった。
罪の意識を感じている描写はあるが、それも焼肉屋へ行っても「自分に肉を食べる資格はない」としてキャベツだけ食べるとか、盗作で得た印税は使わずに借金生活する(が、本来の作者に印税を返してはいない。謝罪すらしていない)とか、自己完結・自己満足と取れる程度のことしかしていない。
また最終的に「万人に楽しんでもらえなくても、同類にだけ楽しんでもらえればいい(要約)」という答えに辿り着くのだが、それはデビュー前から菊瀬編集に散々言われていたことであり、何事も自己完結するばかりで人のアドバイスを聞かないのがいけなかっただけとも取れるオチになってしまった。
結果、擁護意見も無くはないが、読者からは総じてかなりの批判を受けている。
なお、人生を改変され、ある意味では改悪された人生は、イツキと同じく被害者キャラとする声もある。本来の人生、分岐点のない世界線では、漫画家の道を一度は諦める苦悩はあっても真っ当に社会人になり、その上で実力でデビュー出来たため、自己嫌悪に陥ることもなかったのである。
潜在的に才能が無いわけではなかったにも関わらず、その人生を壊された、改悪されたという意味合いではある意味では相当な被害者とも言える。
超常的なアイテムを手にいれたために悪の道へ堕ちた主人公はジャンプでも前例があり、哲平もシナリオ自体では(善人か悪人かは別として)魅力的な主人公になれたのではと惜しむ人もいる。