概要(ネタバレ注意!)
※単行本未収録につき、ネタバレ注意。
物語の核心・根幹に触れうる内容なので、コミックス派は要注意!
『悪魔だからって絶対に悪いヤツだって決まってるワケじゃないでしょ だって…アンタは悪いヤツじゃない!』
『アンタは私を一人ぼっちの苦しみから救ったもの!』
アスタに宿る悪魔リーベが冥府から現世に降り立ち、正に死のうとしていた所を救った女性である。
顔立ちは何故かアスタに似ている。
魔法属性は不明だが、魔(マナ)の宿っていないモノを別のモノに出し入れする事を可能にする魔法を使う。
また、生まれつき他者の魔力や生命力を無意識に奪ってしまう体質をしているせいで周囲から疎まれ、村から外れた人気のない土地にある小さな家屋で孤独に生活している。
自身の体質とそのせいで辛い境遇に晒されてるはずなのにも関わらず、それを感じさせないくらい快活で前向きな性格の持ち主。
リーベが力無く倒れている所を風貌に関係なく自身の家で介抱した上に、何も信じられなくなっていたリーベを自分の子供になって欲しいと提案した。
そんなリーベを本当の家族のように想い生活していく中で、リーベは笑顔と心を取り戻し、リチタもまた孤独だった人生の中で幸せを見出していく。
そして、共に生活していく中で上記のセリフを面と向かってリーベに言い切った。
冥府にも現世にも居場所がなく酷い仕打ちを受け続けたリーベが『オレの世界を変えた』と信じる程に大切な存在となった。
その瞬間、不意に現れた最上級悪魔『ルチフェロ』がリーベの身体を乗っ取り、リーベを依代にして現世に顕現しようとする。その時にリチタは自身の体質を活かし身体を張って阻止しようとするも、逆にルチフェロによって致命傷を負ってしまう。
それでも、ルチフェロとリーベを引き離す事に成功するも、微かな命となったリチタは残った力を振り絞り、リーベを五つ葉の魔導書に封じ込めその安全を確保した。
そしてそんなリーベにリチタは涙を流し、微笑みながらリーベに言った。
「生きてね リーベ 私の愛する息子――――」
そしてリーベから初めて「母さん」と呼ばれ、最終的には息を引き取った。
自身の生まれついての体質で孤立する運命に置かれ、周囲から忌み嫌われ孤独に生きてきたリチタ
冥府にも現世にも居場所を見出せず、酷い仕打ちと迫害を受け続けて孤独だったリーベ
深い孤独な人生を生きている中で二人は運命的に出会い、共に暮らしていく中で、かけがえのない存在同士となった二人だった。
理解してくれるものがいない中でも快活で前向きに頑張る考え、自身の直感を信じ大切と思うものを大切にし抜く優しさと思いやり、そして自分の命が危険に晒されても大切な人を守ろうとする心の強さこそがリチタの個性と人間性である。
その個性と人間性は、今のアスタがリチタから運命的に引き継がれているかのような人間として生きているようにも見て取れる。