概要
2020年1月16日に発売された龍が如くシリーズナンバリング最新作。
今作では主人公が桐生一馬から春日一番へと変わり、戦闘システムも今までのアクションからRPGコマンド選択へと変更がなされた。
ストーリー
2001年1月1日。東城会の三次団体「荒川組」に所属する極道、春日一番は、組長・荒川真澄から
若頭・沢城丈の犯した罪を被るよう頼み込まれ、出頭を決意。
愛する組のため、尊敬する親父のため……
春日は18年にも及ぶ厳しい刑務所生活を送り、2019年、ついに出所する。
だが、出所をした春日を出迎えてくれる者は、誰一人いなかった。
一人寂しく、故郷である神室町へと戻る春日。
だがそこは、春日の知っているかつての神室町ではなかった。
「神室町3K作戦」という警察の施策により、東城会は崩壊。
現在の神室町は、警察と関西の極道組織・近江連合に完全支配されていた。
そして、そんな状況を作り出した張本人が、荒川真澄なのだという。
(公式サイトから引用)
龍が如くONLINEとの関係
実は2018年11月21日にスマートフォン及びPC向けに配信された『龍が如く ONLINE』と並行したストーリーになっており、所謂パラレルとなっている。分岐点は春日が沢城の身代わりで警察に出頭し出所後に荒川に撃たれてそこから大きく分岐していく。こうなると「onlineが正史だ」や「7が正史だ」とう意見が出ると思うが、結論は「どちらも正史」と言う事であり、捉え方はプレイヤー次第となる
※online時の出所年代は2018年だが7は2019年と1年の差はある
評価
元々ナンバリング前作までの看板キャラクターであった桐生一馬が主人公を降りたことに加え、前作までの戦闘アクションから、コマンド入力方式にゲームシステムが変更されたこともあり、前評判は芳しくなかった。
体験版が配信されてからもこの点の評価はそこまで大きく変わらず、ファンからは「シリーズもここまで落ちぶれた」と酷評されるほど失望の声があがっていた。
加えて、龍が如くonlineから登場した春日一番という新主人公が、あまりにも桐生一馬からかけ離れたキャラクターであることから、発売前は本作を正式なナンバリング作品として認めないという声も多かった。
しかし、いざ発売されると評価は一変した。特に4~6までシナリオ的な批判が多かった同シリーズとしては珍しく、久々にシナリオ面で高評価を得ている。
まず、明るく抜けた性格ながらもどこまでも一途でまっすぐな春日一番という魅力的な新主人公とそんな春日一番を助ける個性的な仲間たちがプレイヤーの心を掴んだ。
もちろん、前主人公の桐生一馬にも仲間達は存在したが各シリーズで一緒に付いていく一部の仲間が死亡するケースが多かった(ただアクション故に桐生が強すぎるせいもあって仲間が弱いと言われているが)。今作でもまた誰かを失ってしまうのではと不安視する声もあったがそのような心配は無く、終盤まで戦い続けてくれる。
そして、現代の情勢を踏まえたうえで極道そのものの存在が軟化し、ゲームシナリオにも影響を与えていたのが否めない中、本作は善悪では計りきれない仁義と任侠を突き詰めた龍が如くの王道ストーリーを描いている。
またゲーム内には、もちろん真島吾朗や冴島大河といった従来の主役級キャラクターや、桐生一馬自身も登場し、物語を盛り上げる最高のエッセンスとして機能している。特に「6」で散々だった東城会を中心とした既存キャラに結末をつけたことで、主人公交代を適切に行えたという点も評価されている。
ついでに言うとこうしたメインキャラだけでなく、従来作のサイドストーリー等で登場した脇役キャラもそこそこの数が再登場しており、往年のファンでも楽しめる内容になっている。
バトルシステムに関しては賛否両論あるものの、春日一番を主役とした新たな龍が如くには相応しいシステムとして、おおむね好意的に受け入れられている。これはこれ、それはそれでアクションでもやりたいという声は絶えないが逆に今までのシリーズで新鮮味のないアクションのマンネリ化の状態が続いたこともあって飽きる人も多数存在した。
テンポが遅い、相性バランスが悪いなど不満点も多くまだまだ完成されたシステムとは言えないものの、従来作からの新鮮味の無い操作やアクションからRPGへ変更のマンネリ化打破や戦略性も見た目以上に高いことから、発売後における新システムの評価は体験版当時よりはずっと高まっている。それらの要素からユーザーからは0に匹敵や凌駕する傑作として評価されている。
以上の要素が重なり、発売前の下馬評を覆して本作は2020年最初の神ゲーとまで言われるほどの高評価を得た作品になった。どん底まで落ちた前評判を全てひっくり返しているのを見るに、正に本作のシナリオと同じ「どん底からの成り上がり」である。
売上は前評判の影響もあってジワ伸びといったペースであるが、現状はそこまで悪くない推移。
サブストーリー
春日一番を中心としてサブクエストをこなすた従来の形式のサブストーリーに加えて、仲間との絆を深めるサブストーリーである絆ドラマが実装されている。
更に、パーティチャットと宴会トークというキャラ同士の日常会話が楽しめるシステムを導入しており、キャラ同士の関係性をより深く掘り下げた内容となっている。
登場キャラクター
基本パーティー
龍が如くシリーズの新たな主人公。
詳細はリンク先を参照。
とある事情により、十八年間刑務所に入所していた。
出所後、荒川真澄が変貌した理由を探っていく中で荒川真澄によって胸を撃たれ、横浜の異人町に捨てられる。
神奈川県警に所属していた、定年退職間際に懲戒免職された元刑事。
作中時間における2019年時点で警視総監となった堀之内の汚職の証拠を見つけることに執念を燃やす。出所した一番の前に現れた最初の人間であり、最初に仲間になった人物。
異人町のホームレス。
元々は看護師をしていたが、とある事情によって看護師を免職される。
春日一番が異人町に捨てられた際に撃たれていた一番を治療する。
一番からは命の恩人として敬意を払われる一方で、気の置けない仲間として強い信頼を寄せられる。シリーズ恒例のモデリングされたキャラクターの一人。
キャバクラのチーママ。
とある事件に巻き込まれたことがきっかけで春日一番の仲間になる。
異人三(いじんさん)
横浜を裏から支配している三つの勢力。
日本のやくざである【横浜星龍会】、中国系マフィアである【横浜流氓】、韓国系の裏組織である
【コミジュル】の三つの裏社会勢力が戦後以来、「肉の壁」と呼ばれる長年の三つ巴のにらみ合いが続いている。その危険な三つ巴の状況から、東城会はおろか、全国制覇を果たした近江連合でさえも「肉の壁」には手出しできず、近江連合の勢力の及ばない裏社会唯一の場所となっている。
名前の由来は、童謡の赤い靴に出てくる歌詞から。
【横浜星龍会】
戦後の復興期から横浜の裏社会を取り仕切っているヤクザ組織。
横浜星龍会の現組長。
仁義や任侠を重んじる反面、ビジネスに抜け目のない現実的な目線も持つ。
一途でまっすぐな任侠を信じる春日一番に一目置き、一番を支えるよき理解者となる。
「肉の壁」の秘密を通じて、荒川真澄とは浅からぬ因縁を持つ。
星龍会の若頭。一見クールなインテリヤクザ風だが、
謀殺された若衆の死に本気で悲しみ、親の許しも得ずに報復に飛び出してしまうなど、
実はかなり熱い男。
戸塚大和:
星龍会の本部長。組のシノギの一環として介護施設『陽だまりの城』を運営しているが、
一方で星野会長にも隠れて「裏のシノギ」に手を出しており、これが原因で春日達と悶着を
起こすこととなる。
【横浜流氓】
読みは「ハンピンリューマン」
戦後横浜に流れてきた中国系の人間が、横浜中華街の覇権争いに敗れて飯店小路を拠点として
二世、三世と続いて勢力を拡大した中国マフィア。
横浜流氓の現在のボス。
元々父親からボスの座を引き継いだために年齢は若く、気さくな性格をしている反面、
食えない言動も多い策士。
馬淵:
横浜流氓のナンバー2。通称「ラオマー」。
現在の異人三の均衡を好ましく思っておらず、様々な陰謀を巡らす。
【コミジュル】
韓国語で「蜘蛛の巣」を意味する異人町の三大勢力の一角。
異人町に集まるあらゆる情報を集め、売買している情報屋としての側面を持つ。
コミジュルのボスを務める女傑。
異人町の「肉の壁」の秘密を知る人間の一人。
詳細はリンク先を参照。6でも登場していたが、実は7で登場するのは別人。
一番製菓
サブストーリーで登場する和菓子会社。
先代経営者の死亡や大手企業による詐欺等が原因で、現在は経営が苦しい状況である。
事情を聞いた春日は、現経営者の力を借りて会社を立て直していく事となる。
鎌滝えり:cv 鎌滝えり
一番製菓の社長で、イベント「会社経営」に関わってくる女性。
祖父の代から続いている会社を守るために、春日と共に会社の再建を目指す。
また、ある条件をクリアする事で仲間になる。
荒川組
春日一番が十八年前まで所属していたヤクザ組織。
元々は東城会系の三次団体として神室町の片隅に事務所を構えていた小さい組だったが、
春日一番が出所する数年前に後に東京都知事となる青木遼と組んで近江連合に通じ、
組長の荒川真澄は近江連合の若頭代行として神室町を取り仕切ることになる。
荒川組の組長。
春日一番の命の恩人であり、同時に人生の目標としている「おやっさん」。
一番からは本当の父親の様に慕われており、彼自身も一番を子分としてかわいがる。
春日一番の出所時には、近江連合の若頭代行として神室町のトップとなる。
龍が如くではおなじみとなった実際の役者からモデリングされたキャラクターの一人。
荒川組の若頭。春日一番とは彼が荒川組に所属していた時からそりが合わなかった。
その一方で、春日一番の出生の秘密を知る唯一の人間。
モデリングされたキャラクターの一人。
荒川真澄の一人息子。
本人はヤクザにはならず堅気として過ごしていた一方で、独自の伝手で日本では認可されていない
医薬品を入手したり、銃を日ごろから携行していたりと、本当の意味での堅気とは言い難い
裏の顔を持つ。春日一番の同い年であったことから、荒川真澄の頼みによって一番が世話係を
務めることになるが、人使いが悪く、真斗に使われる一番は「奴隷」と揶揄されていた。
一番は出所後、病気によって死亡したと知らされていたが……。
ブリーチジャパン
青木遼が設立した、『グレーゾーンを漂白する』という理念を掲げる全国規模のNPO法人。
政治デモ等の手法で反社会勢力の排除を企てているが、真の目的は青木の邪魔になる存在を
排除する為の「表」の部隊であり、更にはバックに近江連合がいる。
ブリーチジャパン横浜支部長。青木とブリーチジャパンの理念に心酔しているが、
組織のためなら前記の理念と矛盾した行動も平気で行う危険な面を持つ。
余談
販売初週売り上げは15万本と実は歴代でも二番目に低く、最も売り上げが低いのはシリーズ最初の作品であり、初週売り上げ12万本の「龍が如く1」であることを考えると、事実上のワースト1。
しかし、作品そのものが大幅な変更を受けたことに加え、「春日一番が主人公」の龍が如くとしては事実上の一作目であること、ゲーム自体が斜陽と言われる状況下なことを考えればなかなかの好発進と言える。
また、上記の通りに春日一番や、一番の仲間となる様々なキャラクターの人気が高いこと、何よりもストーリーが高く評価されていること、そしてその後も堅実な伸びを見せていることを鑑みれば、総合的に見ても決して悪い数字ではない。
パロディ
本作では春日一番が「ドラゴンクエスト」を話題にするなど、テレビゲームのパロディがシステムの根幹からサブイベントに至るまでふんだんに詰め込まれている。その為「汚いペルソナ」や「汚いFF」など言われることも。
- 経験値をたくさんもらえるが倒すには一工夫いる「はぐれホームレス」。
- 戦闘中に料金を支払って助っ人を呼び出し、強力な攻撃やサポートを行ってもらうコマンド「デリバリーヘルプ」
- 妨害要素も含まれているカートレースのミニゲーム「ドラゴンカート」。
- どっかの怪盗団のリーダーのような6股した彼女達の修羅場イベント。
- 足立さんの中の人つながり(某ステルスアクションゲームの主人公)ネタ。
- 「安全装置がかかったままだぞ、ど素人」とブラフから拳銃を奪い取る。
- 追手をかわすためダンボールに隠れる(と見せかけて実際に中に入っていたのは別の理由でダンボール慣れしているナンバだったが)。
- ナンバの中の人ネタ。
- 牛乳を飲むのがやたら早い。
- エビチリに何かトラウマがあるっぽい。
- 「黄色い着ぐるみを着たまま殴られる」ことに関する会話。
- 「一つ上の男」発言
何か任天堂作品が多いような気がするが、上述のパロディ元の主人公らが大乱闘するゲームに出る気なのだろうか。
また、サブストーリーのタイトルが何らかのパロディである割合が前作までよりも多くなっており、元ネタも洋画・邦画・テレビドラマ等、何でもありな状態となっている。
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ペルソナ5…同会社繋がり。喫茶店(あちらはバー)で拠点やあるイベントなどの様々な酷似する部分もある。尚、バーでペルソナ5の曲を聴ける