「嘘じゃないさ、本当にウルトラマンに会ったんだって!」
キャラクターとしてのウルトラマンコスモス→コスモス(ウルトラマン)
概要
ウルトラシリーズ35周年&初期のウルトラシリーズの監修を務めた円谷英二生誕100周年記念として製作されたウルトラシリーズの21世紀最初の作品。
当初、2001年10月に放映開始予定だったが、2001年7月7日が円谷英二生誕100周年に当たるということで3カ月繰り上げて放映開始された。
これまで一部例外を除いて倒すべき敵として描写されてきた怪獣との共存を目指しつつ、
邪悪な敵には敢然と立ち向かう新しいウルトラマン像を作り出すべく製作された初のウルトラマン。
優しさと強さを兼ね備えた勇者、というテーマを平成シリーズお馴染みのモードチェンジを使って効果的に描写。
「怪獣を倒すカタルシスがほとんどない」という意見もある一方で児童や親からは歓迎され、TVシリーズ1年強、劇場版3+α作を数える人気作となった。再編集番組である『ウルトラマン列伝』を除けばウルトラシリーズ最長の作品である。
また、ウルトラシリーズで初めて明確にウルトラマンと敵対した組織「地球防衛軍」が登場した(今までの平成シリーズとしてはガイアに根源的破滅招来体を崇拝する集団がいたが我夢個人とは対立していない)。
本作の音楽は『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンレオ』、『ザ☆ウルトラマン』、『ウルトラマン80』、『ウルトラマンネオス』で数多くの劇伴音楽を担当した冬木透が担当した(現時点で冬木氏が関わった最後のウルトラマンでもある)。
物語
宇宙飛行士を夢見る少年・春野ムサシはある日、バルタン星人を追っている最中に
戦闘のショックで地球に墜落したウルトラマンコスモスと出会う。
彼を助けたムサシは、「ウルトラマンに会った」という言葉を疑われながらも、友人との衝突やチャイルドバルタンとの出会いを経験し、もう一度ウルトラマンと出逢う事になる。
大決戦の後、ムサシは「真の勇者」の証である輝石を授かり、夢を信じることを忘れないと、
またの日の再会を約束してコスモスを見送った(劇場版第一作『FIRST CONTACT』)
しかし13歳の頃、宇宙船の事故をきっかけにSRCアストロノーツ養成学校が閉鎖。
コスモスと約束した「夢を信じる心」を無くしかけるも、コスモスと出逢った公園で
ギャシー星人のシャウに地球が異形生命体サンドロスと、その配下である怪獣兵器スコーピス
によって襲撃される「未来」を見せられる。もう一度コスモスと共に戦うという仮想体験を
したことで、ムサシは夢を信じる心を取り戻すのだった。
(『THE BLUE PLANET』ムサシ13歳編)
そして現在、逞しく成長したムサシはSRC宇宙開発センターのパイロット候補生になって夢に邁進していた。
ところがある時、ムサシの親友である怪獣・リドリアスが謎の『光のウィルス』に取り憑かれ暴走してしまう。
リドリアスを元に戻そうと奮闘するムサシのもとに、あのウルトラマンコスモスが帰ってきた。
そしてムサシの勇気に感銘を受けたコスモスは彼と一体化し、共に地球を狙う光のウィルス――カオスヘッダーと戦うのであった。
時系列
諸事情で作中の時系列と公開順が前後している場合があるが、本作の物語を時系列順に並べると以下の通りになる。
劇場版『THE FIRST CONTACT』(2001年)→劇場版『THE BLUE PLANET』(ムサシ13歳編、2003年)→TVシリーズ(2009~2010年)→劇場版『THE BLUE PLANET』(正規版、2012年)→劇場版『THE FINAL BATTLE』(2015年)→『ウルトラマンサーガ』以降のクロスオーバー
登場人物
演:杉浦太陽
宇宙パイロットを目指す19歳。後にその勇気を買われて超常現象捜査チーム『TEAM EYES』に入隊することになる。
かつてバルタン星人との戦いの中で地球に墜落したコスモスと出会っており、
カオスヘッダーを追って再び地球を訪れたコスモスと一体化して共に地球を護る事になる。
どんな相手とでも共存しようとする強い意志を持ち、最終的にはカオスヘッダーとさえ和解することに成功した。
ヒウラハルミツ
演:嶋大輔
TEAM EYES隊長で、33歳。通称『キャップ』。漢字表記は『日浦晴光』。
自ら現場に出て豪胆かつ的確な判断を下す実力派で、隊員たちを時に厳しく、時に優しく導いていく。
ミズキシノブ
演:坂上香織
TEAM EYES副隊長の28歳。通称『リーダー』。漢字表記は『水木忍』。
元防衛軍教官で、前線での戦闘指揮は彼女の重要な役目。
普段はいたって冷静沈着だが、防衛軍時代の元上官に未だ仄かな思いを抱いているなど女性らしい一面も。
フブキケイスケ
演:市瀬秀和
防衛軍出身の隊員で、クールな二枚目の23歳。漢字表記は『風吹圭介』。
真逆の性格のムサシとは度々衝突する仲だが、
ヒウラの計らいで『春風コンビ』を組んでからはお互いを認め合うようになる。
当初はEYESの理念に疑念を抱いている面もあったが、戦いの中で自分の信念に目覚めていく。
劇場版第3作ではEYESの新隊長となり、若い新メンバーたちを導く良き兄貴分に成長した。
ドイガキコウジ
演:須藤公一
EYESのメカニック担当で、25歳。漢字表記は『土井垣浩次』。
巨体に似合わず小心者だが、ここぞの時の勇気は人一倍。
メカ・装備の開発の他、古文書の解読など専門外の解析任務もこなすオールマイティな科学者。
大学時代の友人・吉井ユカリとは何かと事件で関わり合うことが多く、その度に親交を深めていった。
最終的には彼女と婚約までするまさかの勝ち組。
まぁ平成ウルトラのデブは基本恋愛が報われる傾向が強いのだが…
ドイガキを演じた須藤は『ウルトラマンメビウス』第31話でも別人としてゲスト出演している。
モリモトアヤノ
演:鈴木繭菓 、近内里緒(少女時代)
EYESのオペレーターで19歳。漢字表記は『森本綾乃』。
明るく元気で甘えん坊、ちょっぴり惚れっぽい今時の女の子だが、その一方で背伸びしたがる傾向も強い。
怪獣保護への熱意は人一倍で、中盤以降は前線に出ての活躍も多くなる。
終盤ではムサシへの好意からか彼を呼び捨てにするようになり、『サーガ』では、遊星ジュランに移住してムサシと結婚、ソラという息子を授かっていたことが判明する。
主演俳優逮捕騒動について
2002年6月8日の第49話放送後、主演の杉浦太陽が2000年の傷害・恐喝事件の容疑者として誤認逮捕される事態が発生。
次週以降の放送が不可能になったため、急遽穴埋めに劇場版アニメ『ウルトラマンM78劇場 Love&Peace』、
最終回に至るエピソードをまとめた『特別編集編・前後編』、OV作品『ウルトラマンネオス』が放送された。ウルトラマンシリーズで放送が中断されたのは初めてである。
その後傷害については事件の一部が虚偽であったことが判明したため不起訴処分に、
恐喝についても起訴猶予処分となったため放送再開が可能となり、無事番組は最終回まで放送された。
ただし、放送休止分の5話は未放送となり、後に発売された映像ソフトに収録される運びとなった(CSでの再放送では、未放送の分も全て放映されている)。2017年3月からtvk系列で、毎週月曜から金曜日朝7時(3月までは朝8時)から『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』、『ウルトラマンガイア』の平成三部作が再放送されており、もし仮に『ガイア』の再放送が終了して『コスモス』の再放送が開始されれば、地上波未放映の放送が全て初放送される事になると期待されていたが放送されなかった。
ちなみに収録されたソフトには先述の第59話〜60話(第1巻)、第63話〜最終話(第2巻)を再編集した特別総集編も収録されている。
上記のようなことがあっても最後まで優しさを貫き通した。
放送リスト
※第50話、52話、54話、56話、58話は地上波未放映。ただし第50話は『新ウルトラマン列伝』で地上波で初放送された。
No. | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 |
---|---|---|
1 | 光との再会 | カオスリドリアス、リドリアス、カオスヘッダー |
2 | カオスヘッダーの影 | カオスゴルメデ、ゴルメデ、リドリアス、カオスヘッダー |
3 | 飛べ!ムサシ | スピットル |
4 | 落ちてきたロボット | イゴマス |
5 | 蛍の復讐 | カオスバグ、カオスヘッダー |
6 | 怪獣一本釣り | モグルドン |
7 | 空からのプレゼント | ガモラン、ミーニン |
8 | 乙女の眠り | インキュラス、スモールインキュラス |
9 | 森の友だち | ヤマワラワ |
10 | 青銅の魔神 | ゲシュート |
11 | 動け! 怪獣 | ムードン |
12 | 生命(いのち)の輝き | イフェメラ、地球防衛軍戦闘機 |
13 | 時の娘(前編) | ワロガ、ガルバス、地球防衛軍戦車隊「ベンガルズ」 |
14 | 時の娘(後編) | ワロガ、ガルバス、地球防衛軍戦車隊「ベンガルズ」 |
15 | 深海の死闘 | カオスジェルガ、ジェルガ、カオスヘッダー |
16 | 飛ぶクジラ | カオスジラーク、カオスヘッダー、フライホエールジラーク |
17 | 異次元の罠 | ギギ(A、B、C)、ギギ |
18 | 二人(にびと)山伝説 | 戀鬼(れんき) |
19 | 星の恋人 | アングリラ、ミゲロン星人(レダ、レカ) |
20 | ムサシの空 | ボルギルス |
21 | テックブースター出動せよ(前編) | カオスパラスタン、カオスヘッダー |
22 | テックブースター出動せよ(後編) | カオスパラスタン、カオスパラスタンS、カオスヘッダー、パラスタン |
23 | ルナ対ルナ | ゲルワーム、ゲルワーム(M、P) |
24 | ぬくもりの記憶 | グラガス |
25 | 異星の少女(ひと) | グインジェ、スレイユ星人ラミア |
26 | カオスを倒す力 | カオスヘッダー・イブリース |
27 | 地球生まれの宇宙怪獣 | ザランガ、ベビーザランガ |
28 | 強さと力 | カオスエリガル、エリガル、カオスヘッダー |
29 | 夢みる勇気 | カオスヘッダー・メビュート、リドリアス、カオスエリガル |
30 | エクリプス | カオスヘッダー・メビュート、リドリアス |
31 | ゴンを救え | カオスクレバーゴン、カオスヘッダー、クレバーゴン |
32 | 悪夢の実験 | ゴルメデβ、リドリアス、スピットル、モグルドン、ミーニン、イフェメラ、ジェルガ、ボルギルス |
33 | 怪獣狙撃手(ハンター) | カオスネルドラント、ネルドラント、カオスヘッダー、地球防衛軍「ガルス」 |
34 | 海神の怒り | レイキュラ |
35 | 魔法の石 | ラグストーン |
36 | 妖怪の山 | マハゲノム、ヤマワラワ |
37 | フブキ退任?! | カオステールダス、テールダス、カオスヘッダー |
38 | オヤジ星人 | ヘルズキング、ベリル星人 |
39 | 邪悪の光 | カオスウルトラマン、カオスヘッダー |
40 | 邪悪の巨人 | カオスウルトラマン、カオスネルドラントⅡ、ネルドラントⅡ |
41 | 緑の逃亡者 | サイドバクター、エクステル・レイダー、グリーンベルト星人プラテア |
42 | ともだち | カオスデルゴラン、ソル、カオスヘッダー、デルゴラン |
43 | 操り怪獣 | ノワール星人、テールダス・メカレーター、ネルドラント・メカレーター |
44 | ギギVSゴン | ギギ(プログレス)、ギギドクター、クレバーゴン、クレバーゴンジャイアント |
45 | 遊園地伝説 | ムゲラ |
46 | 奇跡の花 | キュリア星人、アブトシア(宇宙の花) |
47 | 空の魔女 | ギリバネス、ギリ、バネス |
48 | ワロガ逆襲 | ワロガ(2代目) |
49 | 宇宙の雪 | アルケラ、スノースター |
50 | 怪獣密輸!? | バデータ |
51 | カオスの敵 | カオスマザルガス、マザルガス、カオスヘッダー、地球防衛軍 |
52 | 変身不能!? | ザゲル、コイシス星人ジュネ |
53 | 未来怪獣 | ラグストーン・メカレーター、アラドス、ノワール星人(2代目) |
54 | 人間転送機 | タブリス |
55 | 最終テスト | ガモランⅡ、ミーニン、ミトル(宇宙少女) |
56 | かっぱの里 | かわのじ |
57 | 雪の扉 | グラルファン |
58 | 復讐の空 | ギラッガス、ギラッガスM、ギラッガスF |
59 | 最大の侵略 | カオスウルトラマン、カオスウルトラマンカラミティ |
60 | カオス大戦 | カオスウルトラマンカラミティ |
61 | 禁断の兵器 | ヘルズキング改、地球防衛軍 |
62 | 地球の悲鳴 | カオスウルトラマンカラミティ、カオスドルバ、ドルバ、リドリアス、カオスヘッダー |
63 | カオス激襲 | カオスエリガルⅡ、エリガルⅡ、カオスヘッダー |
64 | 月面の決戦 | カオスウルトラマンカラミティ、カオスダークネス、ミーニン |
65 | 真の勇者 | カオスダークネス、リドリアス、モグルドン、ボルギルス、カオスヘッダー0 |
クレバーゴン
地球防衛軍「シャークス」
THE BLUE PLANET
パラスタン
ギャシー星人(ジーン シャウ)
ギャシー星人(ジーン シャウ)
リドリアス
ゴルメデ
ボルギルス
呑龍
ミーニン
主題歌・挿入歌
作詞:松井五郎/作曲:KATSUMI/編曲:小西貴雄/歌:Project DMM
ウルトラマンコスモスという番組のコンセプトを凝縮したOP主題歌。ヒーローのフルネームは全く入っていないのはウルトラマンティガ以来。
- ウルトラマンコスモス〜君にできるなにか
作詞:松井五郎/作曲:鈴木キサブロー/編曲:京田誠一/歌:Project DMM
前期ED。劇場版第1作から第2作の主題歌である。タイトルにこそヒーローの名前が入っているものの、歌詞中には全く登場しない。
- 心の絆
作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM
後期ED。
- High_hope
作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM
劇場版第3作の主題歌。日本語での意味は「高望み」で、ウルトラマンコスモスが伝え続けてきたテーマの集大成ともいうべき楽曲。
挿入歌
- Touch the Fire
作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
コロナモードのテーマ曲だが、劇中ではエクリプスモード発動時にも使用された。
- 僕達のエネルギー
作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
- ワンダバ チームEYES
作曲・編曲:冬木透/コーラス:Project DMM
EYESのテーマ。ワンダバが採用されるのはウルトラマンダイナ以来。
- ECLIPSE
作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM
エクリプスモードのテーマ。
- 光の伝説
作詞・作曲:KATSUMI/編曲:京田誠一/歌:Project DMM
- Christmas for everyone
作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
- Never Stop Dream
作詞・作曲:松原剛志(Project.R)/編曲:大門一也/歌:Project DMM
- Can We Live? 〜手をとりあって〜
作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
- JAST A HERO
作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
- Power of Love
作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM
余談
エースとの共通点?
同じく4番目のウルトラマンであるウルトラマンエースとは「光線技が豊富」、「人間に苦しめられた」という共通点がある。
怪獣との共存
「人類と怪獣との共存」というテーマは13年後に製作された『ウルトラマンX』へと受け継がれている。
『X』第14話では「怪獣と人類が共存する理想郷を実現させた戦士」としてヒカルが大地にコスモスのことを教えるシーンがあるほか、『新ウルトラマン列伝』の最終回でも、ガモランとの戦いを振り返る前に、ゼロがエックスに対して「この戦士の戦いはよく見ておいた方がいいぜ」と言い、エックスも戦いを見終わった後で、「彼の戦いは、私と大地も見習うべきものだった」と述べている。
これらのことから、エックスも現在では同じ理念を抱く戦士として、一応コスモスのことを知っているものと思われる。
ちなみに『ウルトラマンタイガ』は『コスモス』や『X』とは対照的に人間と宇宙人との共存を描いた作品であるとも言える。
また、これ以外にも『ギンガS』でウルトラマンと友好的な怪獣が登場したり、『オーブ』で人類と怪獣・宇宙人が交流するエピソードが盛り込まれていたりと、近年では「怪獣や宇宙人を一方的に悪と断罪せず、可能な限り人間との協調・共存を模索しようとする」という作風のエピソードが数多くみられるようになってきている。
一方で、『ウルトラマンZ』のように、怪獣と人類の関係の在り方について別の角度からアプローチした作品も登場し、そこでは「人間の命や生活を守るためならば、怪獣の命を奪うこともやむを得ない場合もあるが、同時に、守れなかった命があるという事実に関してはしっかりと向き合っていかなければならない」という、『コスモス』や『X』とはまた異なった結論を導き出した作品も存在する。一見すると、『コスモス』とは逆に怪獣退治を奨励しているかのようにも受け取れるが、怪獣も命ある1つの生物としてそれ相応の敬意を払うべきであるという思いが込められている点では共通していると言えるだろう。
ご存じの通り、『コスモス』以前にも初代ウルトラマンの怪獣墓場を始めこうしたエピソードは散見されていたし(『コスモス』のこのテーマも『ティガ』から始まり前作『ガイア』で出た答えをさらに発展させたものである)、時代の流れや価値観の変容なども考えられるため一概には言えないものの、『コスモス』の作風は、後の作品にも大なり小なり影響を及ぼしたことが考えられる。
後年のシリーズ出演者との関わり
『ウルトラマンギンガ』、『ギンガS』で礼堂ヒカル役を演じた根岸拓哉は子供の頃は『コスモス』をリアルタイムで見ており、『決戦!ウルトラ10勇士!!』の製作発表会でムサシ役の杉浦と出演した際には、「ウルトラマンコスモスを観て育った世代なので、子供の頃のヒーローと共演できて光栄です」と喜びを語っていた。また、杉浦とは家族ぐるみで付き合いがあるらしい。
また、アニメ『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』の2期でガッツ星人役を演じた声優の松田利冴は、幼少時に平成三部作と『ウルトラマンコスモス』を視聴していたと語っている。
本作終了後
ウルトラマンティガから本作までは毎日放送のTBS系列土曜18時枠で放送してきたが、後番組の機動戦士ガンダムSEEDからはアニメ枠となり、次回作ウルトラマンネクサスは中部日本放送へ移行した。これによって毎日放送は特撮番組から撤退することとなった。
異色作?
ちなみに、平成ウルトラシリーズは「TDG三部作(『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』)」、「ハイコンセプト・ウルトラマン(『ネクサス』、『マックス』、『メビウス』)」、「新世代ヒーローズ(『ギンガ』以降)」と言った公式の括りが存在するが、コスモスだけはいずれの括りにも入っていない(そのためあえて括るのであれば、休止期間中に放送されたネオスを含めて「21世紀初のTVウルトラマン」等になるか)。その理由として、前作『ガイア』と次作『ネクサス』との間で前後ともに2年のブランクがあったからとされる。放送時期が独立し丸1年以上前後両方に作品がなかったのは2020年現在、本作が唯一である(前後それぞれ作品との空白期間があるのは、『セブン』、新世代ヒーローズも同じだが、これらの作品は前後のいずれかの作品が1年以内(前作もしくは後作の放送前年、翌年)に放送されている。また、特撮作品に限れば「80」も独立しているが、80は前年にアニメとはいえ正式にTVシリーズにカウントされるザ☆ウルトラマンが放送され、単発ではない)。
また、コスモスは放送終了後も他の作品と比較しても、
・平成ウルトラマンとしては唯一プロテクターなどの装飾を一切つけていない。そのため2020年現在、最後の無装飾のウルトラマンである。
・ソフビ人形が他のウルトラマンとは違い握りこぶしではなく平手
・メビウスまでの実写テレビシリーズのウルトラマンはCBC制作の作品に何かしらの形で登場しているがコスモスのみは登場していない。そのためかメビウス以前の平成ウルトラマンはCBCによりティガ、ダイナ、ガイアの専用公式サイトが新たに作られたのにも関わらず、コスモスだけは存在せず、加えて円谷プロ公式サイトからも放送当時の毎日放送のサイトにすら移行できないため(移行できないのはダイナも同じだが、ホームページ自体は存在し閲覧可能)、事実上専用公式サイトが存在しない扱いになってしまっている(ダイナ、ガイアにも一応毎日放送版の公式サイトは存在するが、円谷プロ公式サイトから飛ぶとCBCのサイトに移行する。)。
・決戦!ウルトラ10勇士!!では唯一エタルダミーが登場しない。また、その10勇士の中で唯一独自の十字型光線もL字型光線も存在しない(厳密に言えばネイバスター光線はL字でも撃てるが、この光線も基本形態の技ではない。基本形態で打てないのは10勇士ではコスモスのみ)。
・「ULTRA-ACT」では他の平成主人公ウルトラマンは店舗販売された中コスモスだけ唯一魂ウェブ限定の通信販売となってしまう。
・ULTRAMANのスマートフォンアプリゲーム「BE_ULTRA」ではメビウス以前の平成各ウルトラマンのスーツは実装化されたものの、コスモスだけは現時点でデザインすらされていない(これにいたってはネオス、ゼアス、ナイスなど海外ウルトラマン以外のTVシリーズ以外の作品の主人公ウルトラマンですら実装化されている)。
・「ダイナ」や「ネクサス」などが近年再評価されている中で、「新世代ヒーローズ」以前の平成ウルトラマンでは未だに賛否両論である。
ウルトラマンボーイのウルころでは、当時最新のヒーローだったにも関わらず出演していない(この時点でコスモスは既に放送を終了している)。
という、良くも悪くも他のウルトラマンにはあるもののコスモスだけには存在しない要素が多く、不遇ではないものの、グッズなどでハブられたり、扱いが安定せず、一定ではなかったりすることも多い。
しかし、逆に、
・「マックス」以降の昭和作品の要素や怪獣登場する以前の平成ウルトラマンでは唯一、映画内とはいえ昭和怪獣であるバルタン星人と戦っている。ちなみに、平成のTVシリーズのウルトラマンで初めて昭和怪獣と戦った。
・「10勇士」ではメインのギンガ、ビクトリー以外では唯一変身者が登場したほか、TVシリーズ本編に登場した全てのタイプチェンジをゼロ以外で唯一行なっている。また、本編以降では唯一明確に分離シーンが描写されるウルトラマンである。
・タイプチェンジ(コスモスではモードチェンジ)では力を借りる系や、何かしらのアイテムで強化する傾向の多いニュージェネレーション以外では顔の形とシルエットが変わる唯一のウルトラマンである。
・上記にもある通り、冬木透氏が平成ウルトラマンで唯一関わった作品である。
と、コスモスだけの要素もいくつか存在する。
いずれにせよ、「コスモス」は、「唯一要素」が多く、作品のテーマも含めて、異色作と言われることの多い「セブン」「レオ」「ネクサス」とはまた違った意味で異色作と言えるだろう。
そして、本作が他と最も異なる点は、人気、知名度の高く、あまり詳しくない人から「赤と銀の巨人」イメージを持たれやすいウルトラシリーズで2020年現在、
である。