曖昧さ回避
⇒「練炭」の別表記・表記揺れ。リンク先を参照。
概要
煉炭とは「鬼滅の刃」に登場する炎柱・煉獄杏寿郎と主人公・竈門炭治郎のBLカップリング。
二人の初対面は柱合会議のときであり、後に共に任務につく。
原作での二人の関わり
二人の出会いは単行本6巻、那田蜘蛛山の任務が終わってからの鬼殺隊本部での柱合裁判である。
鬼を連れた隊士である炭治郎の処遇に、
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
と高らかに処刑を宣言する最悪の出会いであった。
炭治郎の事情が明らかになっても人を殺める可能性のある鬼を赦さずお館様にも反対をしていた。
しかし炭治郎が「鬼舞辻無惨を倒し悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!」と宣言した時、煉獄は笑うことをせず(うむ、いい心掛けだ!)と好意的にとらえた。
これが煉炭のはじめの一歩であった。
これ以下原作7巻以降のネタバレ注意
竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助、竈門禰豆子の4人が炎柱である煉獄杏寿郎と共に挑んだ無限列車での任務は煉獄の圧倒的な強さと4人それぞれの活躍によって無事完遂された。
が、そこに新たな災厄が襲来する。
負傷していて動けない炭治郎の前で、煉獄は上弦の参と激闘を繰り広げるがあと一歩のところで敗北。
戦いによって致命傷を負い自身の余命を悟った煉獄は炭治郎に向かい、静かに語り出す。
「竈門少年、俺は君の妹を信じる」
「鬼殺隊の一員として認める」
「命をかけて鬼と戦い人を守る者は誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」
「胸を張って生きろ」
「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け」
「俺がここで死ぬことは気にするな。柱ならば後輩の盾となるのは当然だ」
「そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ」
「俺は信じる」
「君たちを信じる」
(前後・一部省略)
そう言い遺し煉獄は逝った。
煉獄と炭治郎が共にいた時間は一日にも満たないが、煉獄が炭治郎に与えた影響は計り知れない。
この出来事によって抱いた無力感により炭治郎は更なる修練に励み、また遊郭編の戦いの最中に煉獄の言葉を思い出している。
また、煉獄の家族の望みにより煉獄の刀の鍔は炭治郎に託され
しばらく表に登場することはなかったが、刀鍛冶の里の戦いにおいて重要な役割を果たした。
その後炭治郎に委ねられた5本目の日輪刀の鍔としてつけられた。
即ち、これ以後の戦いにおいて煉獄は常に炭治郎の側にいるとも言えるわけである。
その後、柱稽古での反復動作の際に家族の事を思い出した後『心を燃やせ』という言葉で集中力を高めたり、猗窩座戦では「杏寿郎は死んでよかった」という言葉に闇堕ちするかのような表情で激しい怒りを見せた等、終盤になっても炭治郎にとっての煉獄の存在感は非常に大きいと言える。
ここより単行本未収録のネタバレ注意
無惨の攻撃により右目を失い、毒により生死の境を彷徨った炭治郎が戦場に復帰し、無惨との一騎打ちとなった時、炭治郎は煉獄の鍔の付いた日輪刀を握りしめ『心を燃やせ』と自らを鼓舞した。このシーンでは炭治郎の日輪刀に付けられた煉獄の鍔がアップされ、彼が炭治郎の心の拠り所であるとことを見せつけたシーンとも言える。
無惨との死闘が最終局面に入り、炭治郎は巨大な赤ん坊と化した肉塊に取り込まれてしまう。
太陽光から必死に逃げようとする無惨を鬼殺隊総力をもって食い止めるも万策が尽きた時、無惨の肉塊のに取り込まれた炭治郎は日輪刀を握りしめ、単独での赫刀を出現させた。そのダメージは無惨への最期の致命打を与え、太陽光で灰塵となった。
炭治郎は最後の最後まで心を燃やせと鼓舞し煉獄と共に最後の力を出し切ったのだ。
闘いは終わり、朝を迎えた炭治郎は呼吸も心臓も止まていた。
膝をつき、折れた刀を握りしめこと切れた炭治郎の姿はまるで黎明の煉獄の姿そのものであり、こんなところまで彼を追わなくとも・・・と誰もが涙する。
しかし炭治郎は無惨の最期の血を注ぎ込まれ鬼と化す。
皆が必死に食い止め、人間化の薬を打ち込まれた炭治郎は無惨に取り込まれた精神世界の中で死んでいった仲間たちに後押しされ、元の世界へと戻ろうとしていた。
その時、一番力強く炭治郎の後頭部を支えたのが煉獄だった。
闘いが終わり3か月が過ぎ、見舞いへ訪れた槇寿郎が「杏寿郎の鍔を付けて戦ってくれてありがとう」というと炭治郎は「俺の方こそどれだけ杏寿郎さんの言葉に励まされたか 感謝しています」と改めて煉獄杏寿郎への感謝を口にした
最終回のネタバレ
時は流れ現代。
炭治郎の子孫で炭治郎に瓜二つの『炭彦』という少年と、煉獄杏寿郎に生き写しの『桃寿郎』という少年が5ページにわたり一緒に登校するシーンが描かれ、鬼滅の刃の物語は幕を閉じた。
アニメ版の追加シーン
23話『柱合会議』
・隊員の質の話になったところ炭治郎は見どころがあるという話になり
「あれは実にいい頭突きだった!」
「入隊後まもなく十二鬼月と遭遇とは引く力が強い」
などと名前は憶えていないものの既に炭治郎を気に入っている様子が強化されている
24話『機能回復訓練』
・無限列車の任務へと出陣する煉獄と胡蝶しのぶとの会話が追加
「胡蝶、あの頭突きの少年を預かってどうするつもりだ?継子の枠を増やすとか言っていたがそういうわけでもあるまい」
としのぶが炭治郎を継子にする気なのかと探りを入れてくる。もうこの時には既に継子にする気満々だったと思われる
それに対ししのぶは
「別にとって食べたりしませんよ」
と軽くいなし、
「それはそうだろう!ははははは!」
二人で軽く牽制しあいながらも煉獄は笑いながらその場を後にした。
アニメではしのぶが炭治郎達を無限列車の任務へ同行させる推薦をするなどの要素も追加されたため二次創作では煉炭アシスト柱として登場することも多い。
劇場版 無限列車編
・列車内で合流した炭治郎に隣の座席へポンポンと手を叩き「ここに座るといい」と促すシーンが追加された。炭治郎だけここに座れという実に露骨なシーンである。
・席に座ってからの台詞も原作とは若干異なっている。
「君たちはどうしてここにいる。任務か?」
「はい。鎹烏からの伝達で、無限列車の被害が拡大した、現地にいる煉獄さんと合流するようにと命じられました」
「うむ!そういうことか!承知した!」
「はい――それともう一つ、煉獄さんに聞きたいことがあって」
「なんだ?言ってみろ!」
「俺の父のことなんですが」
「君の父がどうした!」
「病弱だったんですけど」
「病弱か!」
「それでも肺が凍るような雪の中で神楽を踊れて」
「それはよかった!」
「・・・・・・その!」
「なんだ!」
「ヒノカミ神楽・・・円舞!とっさに出たのが子供の頃に見た神楽でした。もし煉獄さんが知っている何かがあれば教えてもらいたいと思って・・・」
「うむ・・・だが知らん!」
ここからは原作とほぼ同じである。テンポよく、だが緊張しているのかどこかかみ合ってない感じが実に初々しい煉炭である。
・「俺の継子になるといい!面倒を見てやろう!」「俺のところで鍛えてやろう!もう安心だ!」のシーンはかまぼこ隊皆に言っているというより炭治郎のみを誘っている演出となり明らかに煉→炭が強化されている
・そんな煉獄に炭治郎は振り回されつつも(変わってるけど面倒見のいい人だな。匂いからも正義感の強さを感じる・・・)としっかり匂いを嗅ぎ微笑んだ。
・血鬼術で眠らされるシーンでは原作同様煉獄の肩にもたれかかるように炭治郎が眠ってしまうが煉獄からも炭治郎側に体重がかかっている感じになっており、密着度がマシマシになる素晴らしいシーンとなった。
・原作からもそうだったが「君も気合を入れろ!」のシーンの顔が近すぎる。顔が近すぎる。
・魘夢討伐列車横転後、煉獄の止血指導シーンで止血後に身体を休めろと言った煉獄に気の緩んだ炭治郎が微笑むシーンが追加されている
・猗窩座戦、玖ノ型煉獄を放つ直前に
「心を燃やせ!限界を越えろ!俺は炎柱!煉獄杏寿郎!!!」
と自らを鼓舞する演出が追加されている
煉炭の象徴ともいえる「心を燃やせ」の強化する演出と言えよう
・黎明での「心を燃やせ」は陽光できらめく炭治郎の涙に濡れた赫灼の眼に煉獄の姿が映るというあまりにも美しいシーンとなった
・劇場版無限列車編は炭治郎が心臓を抑え、「煉獄さん・・・煉獄さん・・・」と慟哭するシーンで終わる。
この映画は竈門炭治郎の魂へ煉獄杏寿郎という炎が焼き付いた物語である。
・テーマソングである『炎』は炭治郎が煉獄の遺志を背負い前へと進む歌詞であり、公式による煉炭ソングと言っても過言ではない。
キメツ学園での煉炭の関わり
鬼滅の刃単行本のオマケページでのスピンオフ『中高一貫!キメツ学園物語』では歴史教師煉獄杏寿郎と一年筍組竈門炭治郎の教師と生徒となっている。
ほぼふんわりした設定のみのため自由度が高いが、料理が壊滅的に駄目な煉獄と実家がパン屋で料理上手な設定などもあり本編では一晩だけだった煉炭が平和な世界で幸せに暮らすキメツ学園軸も非常に人気が高い。