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五夏の編集履歴

2021-01-25 11:29:11 バージョン

五夏

ごげまたはごなつ

週刊少年ジャンプで連載中『呪術廻戦』の五条悟×夏油傑のカップリングである。 ※読み方について、そのまま読むと「ごげ」だが、濁音続きで発音しづらいことから「ごなつ」と読む者も一定数いる。
※この項目は単行本未収録のネタバレ情報を含む場合があります。

「僕の親友だよ たった一人のね」

「最後くらい 呪いの言葉を吐けよ」

概要

呪術廻戦』の五条悟×夏油傑のカップリング。

呪術高専東京校に在籍していた頃の同級生であり、下の名前で呼び合うほど仲が良く、互いが互いにとって「たった一人の親友」。


プロフィール


問題児二人、ただし最強。

プロフィール

五条悟夏油傑
年齢28歳 享年27
身長190cm以上不明
誕生日1989年12月7日不明
階級特級呪術師特級呪詛師
職業 東京都立呪術高等専門学校1年担任 呪詛師/教祖
イメソンASIAN KUNG-FU GENERATION『まだ見ぬ明日に』Avicii『Shame On Me』 →Pia-no-jaC←『Paradiso』Two Door Cinema Club『Come Back Home』
お互いの呼び方
声優 中村悠一 櫻井孝宏

祓ったれ本舗

呪術廻戦公式Twitterの告知より、エイプリルフール限定で行われた企画。人気お笑いコンビ「祓ったれ本舗」の五条と夏油が、呪術高専東京校へやってくるというものだった。「春のお笑いまつり」と呼ばれるそのイベントには、地元最強の筋肉兄弟「悠仁と葵」などの他、原作で登場したキャラクター達も登場している。

一般料金より2000円高い御守り付きチケットには、どんな呪いからもあなたを守るという「夏油厄除御守り」がついてくるそう。ちなみにこの中身は木彫りの夏油である。

プロダクション呪力舎のホームページも作られるという凝りっぷり。しかしそんなお祭り騒ぎも長くは続かなかった。

「春のお笑いまつり」のポスターが公開されているにも関わらず、ホームページを開くと「「祓ったれ本舗」解散のご報告」という、プロダクション呪力舎からの無慈悲な文章が眼前に広がった。以下はその抜粋である。



「祓ったれ本舗」解散のご報告


「祓ったれ本舗」はこの度、方向性の違いにより

解散する運びとなりました。

今までのご声援誠にありがとうございました。

(中略)

2020年4月1日 プロダクション呪力舎



  • 余談

この祓ったれ本舗のキービジュアルとして採用されたのは呪術廻戦77話の扉絵である。また、それが掲載された週刊少年ジャンプ2019年44号のアオリが「もうええわ。」であったことと、夏油が処刑対象となったのがこの77話であったことから、笑うに笑えない雰囲気が読者の一部に漂っていた。


英語版呪術廻戦での一コマ

英語版呪術廻戦0巻にて、五条の「僕の親友だよ」「たった一人のね」が以下のように翻訳された。


MY BEST FRIEND DID.

MY ONE AND ONLY.


「たった一人のね」に当たるこの「ONE AND ONLY」であるが、weblio英和和英辞書によると、「(…にとって)最愛の人、真の恋人、唯一無二の、天下にこの人しかいない」という意味を持つ。この英文はプロポーズで使われることが多いと言われている。


  • 余談

海外でも人気爆発中の呪術廻戦。五夏という表記は各国で少々違うため、五夏のサーチを怠りたくない!という方は是非参考にしてほしい。

韓国語고죠게토もしくは고게
英語satosuguもしくはGoGe
中国語五夏

五条の一人称について

五条は学生時代一人称は「俺」であった。だが、「一人称「俺」はやめた方がいい」 「「私」最低でも「僕」にしな」と夏油に矯正を促され、当初は「はっ、嫌なこった」と矯正を拒否していた。※第66話参照

しかし夏油離反後、伏黒恵 に声を掛ける際「伏黒恵君だよね」「が引くレベルのろくでなしで〜」等、口調が柔らかくなっており一人称も「僕」に変化していた。現在でもそのまま「僕」を使用している。※第79話参照

0巻では上層部に対してのみ一人称は「私」を使い普段と使い分けている。※0巻2話参照

これは夏油が発言していた「特に目上の人の前でね」の影響と考えられる。

しかし夏油に関する出来事で動揺すると、「俺」に戻る場面が出てくる。※第90話参照


  • 余談

五条は高専時代天内理子の事を「天内」と苗字で呼んでいたが、離反後「恵君」、現在では「悠二」「野薔薇」など親しみやすい名字で呼んでいる。これは夏油が言っていた「歳下にも怖がられにくい」を参考にしているのではと考える。

また、夏油離反後一人称や口調が柔らかくなったのは五条が一人で最強になった事により夏油の口調をトレースし自身の欠けたピースを埋めているのではないかとも考えられる。


イメージソング

作者が五条のイメージソングとして提示する『Shame On Me』(Avicii)の歌詞中の“you”が、現状どう解釈しても該当する相手が夏油しかいないのではないかという節がある。⇒参考和訳


この曲は辛い恋を経験した人たちの気持ちを表現した失恋ソングです。悲しいというよりも、怒りをぶちまける方に近い内容となっております。ダメ恋ソングみたいな感じです。サビ終わりの「でも、きみなしでは生きられない」という歌詞が素直で切ない気持ちを表しています。。※上記サイトから抜粋


以下、歌詞の一部抜粋


Shame on me for loving you

きみを好きになるなんて、自分が恥ずかしいよ


Can’t deny that you’ve been untrue

だって、きみはひどい嘘つきだったじゃないか


You lie so sweet but you love to tease

その甘い言葉で僕をからかってるんだろう?


Putting out the fire with gasoline

腹が立つったらありゃしない


I’m baptized and born again

洗礼を受けて、僕は生まれ変わったんだ


(You know I can’t live without you)

僕がきみを離せないってこと自覚してるんだろう?


Why, why, why?

どうしてさ?


(And all the things you put me through)

どうして僕をこんな目に遭わせるの?


(Cause I’ll get my kicks without you)

きみを忘れて、歩き出さなくちゃ行けないから


That's what I get for loving you

それがきみを愛して学んだことさ


No I can't live without you

でも、きみなしでは生きられないよ


That's what I get for loving you

それがきみを愛して学んだことさ


Oh I can't live without you

やっぱり、きみなしでは生きられないよ


高専を捨て呪詛師としての道へ進んだ夏油への怒りと捉えられる。



また夏油のイメージソングとして提示されている『Come Back Home』(Two Door Cinema Club)の歌詞中の"you"は五条→夏油か、高専側から夏油へ向けての可能性も考える。参考和訳


この歌はTwo Door Cinema Clubのメンバーの失恋を元にした歌です。

一緒に住んでいた家から出て行った相手に対し、「帰ってきてくれないか」「もっといい方法を一緒に見つけていこう」と説得する歌詞になっています。※サイト内抜粋


以下、一部歌詞抜粋


Another Saturday,another careless move

Tells the world that you’re thinking of what to do”

とある土曜日、自分が何をすべきか知らしめるために、君は軽率なことをしてしまったね


“A window opens up and someone calls your name”

窓を開けて君の名前を呼んでいるけど、

(君が帰ってくる準備はできているけど)


”But I can tell you don’t know how to play this game”

君は駆け引きの方法を知らないんだね


“I know this isn’t it

You’ll hit your target someday ”

本当はそうじゃない(駆け引きがわからない訳じゃない)って知ってるよ

君はいつか目標を達成するんだろう


“So now you’re on your own

もう自分の道を進んでいるんだね


Won’t you come back home”

でも家に戻ってこないか?


“To see you’re not that kind”

君はそんな奴じゃないって、


”And find the strength to find the strength to find another way”

別の道を探せるってわかるはずだ


So have the lines in your head first, for heaven’s sake”

まずはちゃんと調べて、将来のことを考えてよ、一生のお願いだから


“You hear the day beckoning”

「その日」が手招きする音が聞こえるって言うけど


”Know that it’s all in your head”

その音は君の頭の中で鳴っているだけなんだよ


“So now you’re on your own”

もう自分の道を進んでいるんだね


”Won’t you come back home”

でも家に戻ってこないか?


To see you’re not that kind

君はそんな奴じゃないって、


And find the strength to find the strength to find another way”

別の方法を探す強さがあるってわかるはずだ



一般人の大量虐殺という大きな間違いを犯した夏油に、「お前はそんな人間じゃないだろ、戻ってくれば分かるはずだ」「別の方法を見つける強さがあるはずだ」と懇願しているように取れる。



作中の描写(時系列順)

以下ネタバレ注意




  • 「懐玉編」「玉折編」(8・9巻 収録)

若くして特級呪術師である二人は東京校名物の最強コンビ。「正論は嫌い」「弱いやつに気を遣うのは疲れる」という不遜な五条と、「呪術は非術師を守るためにある」という生真面目な夏油は意見の食い違いからよくケンカをしていたが、「二人なら大丈夫」という確かな信頼関係と万能感が両者の間にはあった。


しかし天内理子の護衛任務以降、二人の歯車が狂いだす。天内の死を悲しむこともせず、それどころか遺体を拍手で迎える非術師たちの醜さに触れ、また同時期に己を慕う後輩の灰原を喪った夏油は、「呪術師は誰のために命を懸けて戦うのか」と己の使命に疑問を持つようになる。また伏黒甚爾との戦闘で覚醒し、名実ともに呪術界「最強」となった五条との実力差が開くなかで、灰原の遺体を前にした後輩・七海の「もうあの人(五条)ひとりでよくないですか?」という言葉もまた夏油の胸にしこりを残した。

一方で五条は夏油がどこかやつれたことに気付いてはいたものの、その心情の機微までには思い至らなかった。


夏油は「そもそも呪いを生むのが非術師の精神から流れ出た汚濁であるならば、非術師を皆殺しにすれば、呪術師の命が消費されることもなくなるのではないか?」という極論に辿りつく。同じ特級呪術師の九十九がその考えを肯定したことも後押しとなり、ある日夏油は任務で赴いた村で、虐待を受けて牢に閉じ込められていた呪術師の女児2名を保護し、100名を超える村人を呪殺。呪詛師として処刑対象となり、追われる身となる。


夏油離反の報を受けた五条は驚愕し、また夏油が非術師の両親も手に掛けたことを聞かされる。雑踏のなかで夏油と再会した五条は彼を問い詰め、「非術師根絶などありえない、できるわけがない」と激高するが、夏油は逆に「自分ができることを他人にできないと言う君こそ傲慢ではないのか」と返し、「君は五条悟だから最強なのか?最強だから五条悟なのか?」という問いかけを残し、姿を消した。夏油はこの時まったく無防備であったが、五条はついに夏油を殺すことができなかった。


それから10年近くの間、夏油は宗教団体を乗っ取り、その教祖として呪霊と資金を集め、志を同じくする呪詛師たちとともに来たるべき日に備えていた。一方、五条は夏油のように道を踏み外す呪術師を二度と生まないことを誓い、呪術高専で教鞭を取るようになった。


以下に詳しい会話や展開を記す。


親友の二人(8.9巻描写含む)

第65話 壊玉

五条と夏油の過去が描かれているのは単行本8巻第65話[壊玉]からである。

庵歌姫冥冥が結界内に閉じ込められた所から開幕する。歌姫が二手に分かれ二人のうちのどちらかが脱出出来れば応援を呼ぶ事ができると提案し、冥冥もそれに同意する。しかしその瞬間、

「助けにきたよ〜歌姫」 「泣いてる?」

と五条があっけなく救出。五条の煽りに反論しようとした歌姫の背後には呪霊が迫っていたが、

「飲み込むなよ 後で取り込む」と夏油が術式で歌姫を守り、登場する。

「悟 弱い者イジメはよくないよ」

「強い奴イジメるバカがどこにいんだよ」と五条が返すと、「君の方がナチュラルに煽ってるよ夏油君」と冥冥が指摘する。その後歌姫と仲の良い家入硝子が登場し、歌姫は「硝子‼︎アンタはあの2人みたいになっちゃ駄目よ‼︎」「あはは なりませんよあんなクズ共」と五条と夏油を形容した。


──その後補助監督を置き去りにし、帷を下ろし忘れた五条は夜蛾に指導(物理)を受け、そもそも帷ってそこまで必要?見られても良くね?と疑問に思う。その問いに夏油は目に見えない脅威は秘匿しないといけない、と答える。

『弱い奴等に気を遣うのは疲れるよホント』

「"弱者生存"それがあるべき社会の姿さ 弱きを助け強きを挫く いいかい悟」

「呪術は非術師を守るためにある」

『それ正論?』

『俺 正論嫌いなんだよね』

呪術に理由とか責任を乗っけんのはさそれこそ弱者がやることだろ

『ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ オ"ッエー』

「外で話そうか 悟」

『寂しんぼか? 一人でいけよ』

大乱闘が起きる前に夜蛾が教室に入った事により事なきを得たが、その際の二人の

「さあ?」『便所でしょ』とはぐらかす言動が同じであり仲の良さが伺える。

意見の食い違いでよくケンカしていた二人だが、のちに夏油の発言が現在の五条にどれほど影響しているのか見て取れる。


他にも夜娥の発言に対し『ついにボケたか』「春だしね 次期学長ってんで浮かれてるのさ」とお互いヒソヒソと話したりしているシーンや、五条が天元の術式について理解を示していない際に夏油が詳しく説明をしている描写もしばしば。「肉体が一新はれれば術式効果も振り出しに戻る "進化"は起こらない」『成程 メタルグレイモンになる分にはいいけどスカイグレイモンになると困る だからコロモンからやり直すって話ね』「えぇ…まぁいいや それで」と男子高校生らしいやりとりが見られた。

作中、五条は疑問などを全て夏油に問いかけており、夏油への信頼感が目に見えてわかる。


第67話 壊玉-参-

呪詛師集団Qから天内を救った二人。『一応医者に診せる?』と五条が天内理子を抱え上げていたら、天内は目を覚した。刹那、五条を敵と勘違いし平手打ちを食らわす。「下衆め!!妾を殺したくばまずは貴様から死んでみせよ!!」その出来事に夏油はプッと笑いを堪えていた。

「理子ちゃん落ち着いて 私達は君を襲った連中とは違うよ」

「嘘じゃ‼︎嘘つきの顔じゃ‼︎」前髪も変じゃ‼︎ という発言に夏油は頭に来たのか、五条と共に理子の身体を引っ張るシーンも見られた。


理子が思ったよりアグレッシブだった事に驚いた五条は『同化でおセンチになってんだろうから どう気を遣うか考えていたのに』と言う。「フンッ‼︎いかにも下賤な者の考えじゃ」『あ"?』可哀想と思っている考えは間違いである、ということを理子が長々と説明するものの、五条と夏油の二人は「待ち受け変えた?」『井上和香』と完全に無視。その対応に当然ながら理子は「聞けぇ‼︎」とキレる。そんな理子をよそ目に、『あの喋り方だと友達もいないじゃろ』「快く送り出せるのじゃ」 と口調を真似て揶揄う仕草を見せていた。


第70話 壊玉-陸-

理子に二度目の刺客が襲いかかった際、夏油は五条と黒井に対し「悟、急いで理子ちゃんの所へ」「悟は礼拝堂 黒井さんは音楽室 私は正体不明2人を」と適切に指示を出す。呪術師の在り方で意見が食い違っていようとも、それに沿った行動や電話での情報の伝達はまさに鮮やかだ。

五条が残りの一人を倒し、一安心したのも束の間。理子の使いの黒井が人質に取られてしまう。

「すまない 私のミスだ」「敵側にとっての黒井さんの価値を見誤っていた」と夏油が謝罪をすると『そうか?ミスって程のミスでもねーだろ』と五条はすかさずフォローする。


拉致犯は取引場所を沖縄に指定したが、五条・夏油の二人は沖縄到着から二時間で黒井を救出。その後一緒に来ていた理子と共に、五人は海水浴へ来ていた。飛行機で来たと言う五条達へ、ハイジャックを心配した黒井。それに夏油は「悟は目がいい アイツが離陸前に乗客乗員機内外をチェックして 飛行中は私の呪霊で外を張りました 下手な陸路より安全でしたよ」と返答する。この台詞で五条への信頼が垣間見える。五条が理子と海でナマコとはしゃいでいるのを夏油と黒井は見守っていた。

「いいんでしょうか観光なんて…」

「言い出したのは悟ですよ」「アイツなりに理子ちゃんのことを考えてのことでしょう」

「でもそろそろ 悟‼︎時間だよ」『あ もうそんな時間か』その言葉に、理子はしゅん…と悲しい表情を見せる。理子の表情をみた五条は『傑 戻るのは明日の朝にしよう』と提案する。「……だが」『天気も安定してんだろ』『それに東京より沖縄の方が 呪詛人(じゅそんちゅ)の数は少ない』とおどける五条に、「もう少し真面目に話して」と夏油は返す。『飛行中に天内の賞金期限が切れた方がいいっしょ』「悟」「昨日から術式を解いてないな 睡眠もだ 今晩も寝るつもりないだろ 本当に高専に戻らなくて大丈夫か?」 五条の変化に夏油は気づいていたのだ。その夏油の心配に対し五条は『問題ねぇよ 桃鉄99年やった時の方がしんどかったわ それに『オマエもいる』 その言葉に夏油は呆れたような頼もしいような表情を見せた。


  • 余談

ちなみに、桃鉄99年を全てクリアするのにはめちゃくちゃ時間がかかる。10年で3時間とすれば、1日以上余裕で超えるという。桃鉄はランダム変化の運ゲーでどのくらい頭を使って進めるかにもよる。

二人で協力しながら、たまにはオールして寝不足な時があったりしながら、学生らしい彼らの日常はとても微笑ましい。


1日沖縄での滞在を増やした一行は、ボートに乗ったり五条が理子の沖縄そばにコーレーグスを入れたり(夏油は笑うだけで止めはしない)水族館へ行ったりなど観光を楽しんでいた。

そして、同化当日である護衛三日目。無事高専に戻ってきた五条達であるが、不眠で術式をフルで使っていた五条はとても疲れた様子だった。

「悟 本当にお疲れ」と夏油は五条を労ると『二度とごめんだ ガキのお守りは』とぼやき、五条は長らくかけ続けていた術式を解くのであった。



  • 余談

8・9巻で五条と夏油の二人が互いの名前を呼び合っている数を数えてみると、

五条が『傑』と呼んだ回数が7回、夏油が「悟」と呼んだ回数が21回であった。


親友だった二人

第76話 玉折

"最強"に成った悟は、任務も全て一人でこなすようになった。家入は元々危険な任務で外に出ることはないし、必然的に夏油も一人になることが増えた。


「傑 ちょっと痩せた?大丈夫か?」

「ただの夏バテさ」「大丈夫」


その夏は蛆のように呪霊が増えたため、夏油は何度も呪霊を飲み込んだ。何度も、何度も。吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みするような行為を何度も繰り返すうち、夏油は次第に呪術師としての在り方に疑問を抱くようになる。誰のために祓うのか。何のために取り込むのか。


第77話 玉折 -弍−

シャワーを浴びた夏油が共有スペースにいると、後輩の灰原雄がそこを通りかかる。

他愛のない会話の中、明日の任務が遠出と言う灰原へ「お土産頼むよ」と夏油は言う。「了解です!!甘いものとしょっぱいのどっちがいいですか?」と出張の土産の希望を訊かれた際、「悟も食べるかもしれないから甘いのかな」と、自分ではなく五条が好むものを提案していた。

ふと、夏油は灰原に問うた。

「……灰原 呪術師やっていけそうか?辛くないか?」

「そー…ですね 自分はあまり物事を深く考えない性質なので 自分にできることを精一杯頑張るのは気持ちがいいです」

「そうか そうだな」


そんな時、一人の女性が二人の前に現れる。

彼女は3人の中の特級呪術師の中の一人、九十九由紀だった。その九十九由紀との出会いが、夏油の運命を大きく左右する事となる。

灰原がいなくなり、九十九と二人きりになった夏油。九十九の言う「原因療法」についての話を聞いていた夏油だったが、九十九が言った「全人類が術師になれば呪いは生まれない」という言葉に、それならば非術師を皆殺しにすればいいと思わず口にしてしまう。

しかし特級呪術師の九十九は以外にもそれを"アリ"だと肯定する。非術師は嫌いかと問う九十九に、「分からないんです」と夏油は答える。「呪術師というマラソンゲーム その果ての映像があまりに曖昧で 何が本音か分からない」

そんな夏油に九十九は「どちらも本音じゃないよ」と返す。

「非術師を見下す君 それを否定する君 これらはただの思考された可能性だ」

「どちらを本音にするのかは」

「君がこれから選択するんだよ」


別れ際、九十九から天元の現状を聞かされた夏油は「……でしょうね」と投げやりに返す。死んでほしくないと願った人間がいなくなっても、世界の歯車は止まらない。そんな現実を目の当たりにする彼を畳みかけるように、灰原の訃報が届くのであった。



灰原の遺体の隣で、共に任務に同行した七海が悔やむ。任務先の呪霊は七海達二級術師では手に負えないものだった。予定にない一級相当呪霊との戦いによって、灰原は命を落としてしまったのだ。今はとにかく休め、と声をかける夏油。「任務は悟が引き継いだ」

「……もうあの人1人で良くないですか?」

最強になった五条。一人だけで任務をこなせる五条。目の前で喪われた同級生のショックに耐えきれなかったのか、七海が吐き捨てるように言った。


術師というマラソンゲーム

その果てにあるのが仲間の屍の山だとしたら?

夏油の頭にいつか浮かんだ映像がよぎる。



そして、その日はやってきた。

村落内での神隠し、変死、またその原因と思われる呪霊の祓除を行うため、任務地に訪れた夏油。その彼が見たものは、牢獄に閉じ込められた酷い怪我をした幼い少女二人だった。これは何かと夏油が問うと、依頼主達は「■■■■!?(この二人が一連の事件の原因でしょう?)」と答える。この時既に夏油の耳は、彼らの話す言葉が人間のそれと認識できなくなっていた。

依頼主達の勝手な言い分に、怪我をした幼い少女が口を開こうとするものの、依頼主達は全く聞く耳を持たず怒鳴りつける。

それを見た夏油は指先から小さな呪霊を出し、二人の少女に大丈夫、と伝えさせた。

以前九十九が話していた事を思い出す。


「非術師を見下す自分 それを否定する自分」

「どちらを本音にするのかは」


「皆さん 一旦外に出ましょうか」


「君がこれから選択するんだよ」


旧■■村の住民は全員殺害され、残穢により夏油の呪霊操術と断定された。彼は逃走し、呪詛師として処刑対象となる。

こうして夏油は呪詛師の道を進む事となった。



第78話[玉折]-参−

夜蛾の口から聞かされた、親友が起こした大事件。五条には夜蛾の口から紡がれる言葉が理解出来なかった。

「何度も言わせるな 傑が集落の人間を皆殺しにし行方をくらませた」「…傑の実家は既にもぬけの殻だった」「だだ血痕と残穢から恐らく両親も手にかけている」

「んなわけねぇだろ!!」

大声を出して頭ごなしに否定する五条。しかし、同じように顔を顰める夜蛾自身もまだ信じられていなかった。



家入が街の喫煙所で煙草の火を探していると、故意か偶然か、離反後の夏油と遭遇する。その時の夏油は髪をハーフアップに変えていた。夏油の髪型は、彼の気持ちの変化と対応しているのかもしれない。

呪詛師としての道を選んだ夏油に家入は「なんで?」と問いかける。

「術師だけの世界を作るんだ」

「ははっ 意味わかんねー」

「子供じゃないんだ 誰でも彼でも理解して欲しいとは思わないさ」

「どーせ誰も理解してくれないって腐るのも それなりに子供だと思うけど?」

夏油と会話をしながら、家入は携帯を取り出しは五条へ電話を掛けるのであった。



「説明しろ 傑」

家入から電話を貰った五条はすぐさまその場に駆けつけた。人混みが行き交う街中で、五条は怒りを露わにしながら夏油に問う。

「硝子から聞いただろ? それ以上でも以下でもないさ」

「だから術師以外殺すってか!?親も!?」

激昂する五条に夏油は淡々と返していく。「意味のない殺しはしねぇんじゃなかったのか!?」と激昂する五条に、夏油は「意味はある 意義もね 大義ですらある」と淡々と返していく。


「非術師殺して術師だけの世界を作る!?無理に決まってんだろ!!できもしねぇことをセコセコやんのを 意味ねぇつっつーんだよ!!」


五条の発言に夏油は黙ると、「傲慢だな」と吐き捨て、続けた。

「君にならできるだろ 悟」「自分にできることを 他人には「できやしない」と言い聞かせるのか?」「君は五条悟だから最強なのか? 最強だから五条悟なのか?」

「もし私が君になれるのなら この馬鹿げた理想も他に足が着くと思わないか?」


生き方は決めた。夏油はそう言うと五条に背を向け歩き出す。五条は処刑対象である夏油を殺害するために術式を発動しようとすると、夏油は振り向きもせず言った。


「殺したければ殺せ」「それには意味がある」


結局、五条が術式を発動する事はなかった。



何故追わなかったと五条に問う夜蛾。しかし、それは最強と言えどまだ17歳の少年には酷な質問であった。

夜蛾に対し「俺強いよね?」と確認する五条。生意気にもな、と夜蛾は答える。


「でも 俺だけ強くても駄目らしいよ」

「俺が救えるのは 他人に救われる準備がある奴だけだ」


最強の術師となった五条悟。だが、ずっと隣にいた親友の変化には気付けず、更には夏油を呪詛師への道を止めることも出来なかった。


夏油の離反後、五条は伏黒甚爾の遺言の通り甚爾の子供伏黒恵に会いに行く。


第79話 これからの話

当時小学一年生だった伏黒に話しかける五条の口調は、「のお父さん」「が引くレベルの」「ベターだよね」等といったように柔らかくなっていた。勿論、彼の一人称もこれを機に変わっていた。

このままでは禅院家に売られてしまう伏黒は、自分よりも姉である津美紀の心配をする。禅院家に行っても津美紀が幸せになれる道は100%無い、と断言すると、伏黒は威嚇するように五条を見る。それを軽く笑い飛ばすと、五条は「任せなさい」と声をかけた。そしてどこか遠くを見ながら五条は続けた。「僕に置いていかれないくらい」


  • 余談

この時、五条は先に夏油を置いていったという自覚があったとわかる。夏油が"壊す事"で呪術界を変えて行くとすれば、五条は"育てる"と事で呪術界を変えようとしている。現在の最強の五条悟が存在しているのは、夏油傑の存在が必要不可欠だったことわかる。

夏油の言葉を否定し、肯定する事は無かった五条。否定しつつもそれを何処かで「正しいもの」として理解していたからこそ、彼は真っ直ぐ進むことができたのではと考える。

夏油は高専離反後、「はったりは大事だ」と教祖の服を身につける。その服の名前は「五条袈裟」


9巻の人物紹介

呪術廻戦の自己紹介ページはペタペタ手形を押し付けたデザインが特徴的だが、9巻の五条悟と夏油傑の人物紹介の手形がお互いに手を伸ばしあっているようにみえる。他の巻数の自己紹介にも似たような配置はあるものの、このように見えるのは9巻の自己紹介ページでしか見られなかった。


このような過去もあってか、夏油は「最強の呪術師」とされる五条の唯一の弱点といっても過言ではない存在となっており、二人の間柄は周りも認識している。

渋谷事変においては、夏油の姿を見た冥冥が五条も共謀しているのではないかと一瞬疑ったり、五条封印の際には七海が夏油の存在が決め手となったことを瞬時に理解したり、夏油を崇拝する美々子と菜々子にすら「夏油様が五条悟に殺されるなら、これでもいいと思った」と言わしめる程。


ちなみに、五条が夏油の離反から10年経ってなお彼を「たった一人の親友」と認識し、変わらぬ信頼を寄せているのに対し、夏油は「親友だったんだ ケンカしちゃってそれっきり」と過去形で話している。しかし夏油も、五条袈裟をまとい続けたことや、五条の呼びかけに肉体が即座に反応したこと(後述参照)を鑑みると、両者の繋がりは未だに切れていないことが察せられる。



『呪術廻戦』0巻

2017年12月24日、夏油は非術師根絶の障壁となる呪術高専を陥落させるべく、大規模呪霊テロ「百鬼夜行」を起こす。そして五条の受け持ちの生徒である特級呪術師・乙骨憂太と、彼にとり憑く特級呪霊・祈本里香と戦うが、覚醒した里香の前にあえなく敗戦。重症を負って逃亡し、仲間の呪詛師たちを逃がして再起を図ろうとするも、そこに五条が現れる。

会話の中で、五条が未だに己を信頼していたことを知った夏油。彼はクックックッと笑うと「まだ私にそんなものを残していたのか」と返した(夏油は五条にとっての己の価値を見誤っていたとも言える)。

10年近くの歳月は、五条に夏油を殺す覚悟を否応なしにさせていた。己に対して恨み言を言わないどころか、情に溢れる言葉を言い募る五条に対し、夏油は「最期くらい呪いの言葉を吐けよ」と呆れたような微笑みを浮かべ、処刑された。


ここでのやり取りで夏油は五条の言葉に救われたのではないかと考える。


乙骨ら生徒のもとに帰ってきた五条は「僕の親友だよ、たった一人のね」と、ぽつりと呟くのであった。


  • 余談

0巻3話で乙骨と棘の任務中二重に帳を下ろした者が居た。伊地知はその事態に気付かなかったかったことを悔やなんなりと処罰を…と言うが五条は「いや、相手が悪い」とその犯人を夏油傑がしたものと残穢で見抜いた。五条はいずれ夏油が高専にやって来ると読んだが、夜蛾は疑いを持って「オマエの杞憂じゃないのか?」と話すが、五条は「僕が傑の呪力の残穢を間違えるわけないでしょ」と返していた。

このセリフは本誌掲載の際では「僕が傑の呪力の残り香を間違えるわけないでしょ」と記載されていたという。


渋谷事変(11巻収録)

第90話 渋谷事変⑧


2018年10月31日、特級呪霊たちによる五条悟の封印計画が実行に移された。五条が渋谷にて孤立無援の状態で4体の特級呪霊を相手どり、互角以上に渡り合う。ギリギリの選択肢の中ピンチを乗り越えたかに見えた五条だったが、彼の足元に見覚えのない箱が一つ。すぐさまその場を離れようとしたその刹那、一人の男が五条の前に姿を現した。

そこにいたのは、かつて自らの手で去年殺した、親友。偽物?変身の術式?全ての可能性を六眼が否定する。

本物と断定した五条悟の脳内に溢れ出したのは、3年間の青い春であった。


ある一定の範囲内において、対象の脳内時間で一分が経過すると、獄門疆は強制的に対象を封印する。

刹那、だが彼の脳内では1分などとうに過ぎ去り、現代最強の術師である五条悟は封印呪具・獄門疆に捕らわれてしまう。

「だめじゃないか悟 戦闘中に考えごとなんて」

彼はそのまま話を続ける。獄門疆に封印され、呪力も感じられず、体に力も入らない五条。自身がもう既に動けない事を知ると一番の疑問を夏油?にぶつける。

「誰だよ オマエ」

「夏油傑だよ 忘れたのかい?悲しいね」

しかし、その言葉を五条は否定した。彼の六眼は目の前の男を夏油傑と言っている、しかし。

「だが"俺"の魂がそれを否定してんだよ」

「さっさと答えろ!! オマエは誰だ!!」








「キッショ」








「なんで 分かるんだよ」


夏油を名乗る男はそう言い捨てると、頭蓋を開き、そこに収まる脳を露出させた。夏油の遺体はその術式を欲する呪詛師に乗っ取られていたのだ。真実を知った五条は、額に青筋を浮かべ怒りを露わにする。

「彼の呪霊操縦とこの状況が欲しくてね」「君さぁ 夏油傑の遺体処理を家入硝子にさせなかったろ」「変な所で気を使うね おかげで楽にこの肉体が手に入った」


心配しなくてもそのうち封印は解くさ、君強すぎるんだよ、私の目的に邪魔なの、と嘲笑う偽物。それに対し五条は「忘れたのか?僕に殺される前その身体は誰にボコられた?」と返す。しかし偽物は、彼の並外れた実力は最愛の人の魂を抑留する縛りで成りたっていたに過ぎない、と淡々と答える。


「おやすみ 五条悟」「新しい世界でまた会おう」

「僕はな オマエはそろそろ起きろよ」

その五条の発言に、偽物の右手がピクリと反応を示す。

「いつまでいい様にされてんだ 傑」


その瞬間夏油の腕が勝手に動き、その首をギュゥウウと絞めていた。

偽物は「あっはっはっ 凄いな初めてだよこんなの」と愉快そうに笑う。偽物曰く、偽物の脳に、夏油の肉体の記憶が流れ混んできたのだと言う。


11巻のあらすじ

※一部抜粋

逃げ場のない惨烈な状況下で、五条はなお呪霊側を圧倒する。だが、敵の手には五条封印の決定打が…!!と書かれており、敵側は最強の呪術師五条悟の唯一の弱点が夏油傑ということがバレている。



TVアニメ

2021年1月現在、放送中のアニメ呪術廻戦でも、五条と夏油の関係を匂わす場面がいくつか見受けられた。

1クールEvaが歌う「廻廻奇譚」のOPでは順平→津美紀→沙織ちゃん→夏油(縫い目なし)が映っている。これは主要4人の呪術師に成るきっかけ、ターニングポイントとされる。

夏油傑のシーンでは。酒や器など、何か2人分あるのに対し、酒盃1人分。一番謎とされるのが、前髪垂れてる向きが“逆”であるということ。前髪は漫画でもアニメでも統一されてた。

これは五条悟が見た存在しない記憶や夢を表現してるのかと考えられる。


2クールWho-ya Extendedが歌う「VIVID VICE」のOPではいつもの目隠しをした五条では無く、高専時につけていたとされるサングラスを掛け碧と白の花束を持ち歩いてる場面が映っている。

その中で青い薔薇が象徴的だ。花言葉の意味が昔は「存在しないもの、不可能」とされ、今は「奇跡、夢が叶う」 虎杖や乙骨と出会い色んな物が変わっていってる、と夏油傑に伝えにいったのだろうか。花言葉は本数でも意味が変わってくる。5本“あなたに会えて本当に嬉しい” 7本“ひそやかな愛”9本“あなたを思っています”。他にも五条の持っている花束の中に百合の花のようなものが見える。一本の百合の花言葉の意味は「亡くなったものに捧げる」

他にも幾つか碧い花の考察が上がっており、その一部を上げようと思う。


・ツルニチニチソウ

花言葉は『生涯の友情』


・アメリカンブルー

花言葉は『二人の絆』


・ストケシア

花言葉は『追憶』


・プリムラ・ジュリアン

花言葉は『青春の喜びと悲しみ』


五条はどの様な思いで花束を買ったのだろうか。

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