阪神5500系
1995年デビュー。高加速度性能からジェットカーと呼ばれる普通列車用の車両である。阪神・淡路大震災で被災した普通列車用車両の代替および老朽取り換えを目的に登場。
本来は7編成が製造される予定であったが、阪神・淡路大震災によってひどく被災し廃車せざるを得なくなった車両との入れ替わりで、予定より2編成多く製造することとなり、最終的に4両編成9本が製造された。
全電動車の4両編成で、車体や内装は震災前に製造されていた赤胴車の8000系に準拠するが、制御方式は阪神初のVVVFインバータ制御となった。起動加速度・減速度は従来の青銅車より劣るが、中高速域の加速性能向上で在来車並みの運行時分を確保している。
リニューアル工事
初期車の製造から20年以上が経過したため、2017年からリニューアル工事が施行されている。
外観は塗り分け変更、行先表示器のLED化、車両間転落防止ホロの更新、押しボタン式半自動ドアの追加、内装では車内表示器の更新、座席手すりの増設、照明器具の更新などが行われ、5700系に近い機能に更新された。
武庫川線用改造車
阪神武庫川線では旧形の7861形・7890形が残存していたため、その代替車両に5500系を充てることになった。2020年6月より営業運転を開始。
2編成を対象に4両固定編成から2両+2両の分割編成へ変更(中間車を先頭車化改造)し、2両運用に備えてパンタグラフも増設のついでにシングルアーム式へ交換。武庫川線では常時1〜2編成運用体制になることから、予備に回される編成は2両+2両の状態で阪神本線運用ができるような設計にしている。
また外観・内装は変更され、4編成がそれぞれ異なるデザインとなっている。路線長の短い武庫川線運用のため車内表示器は簡略化されたが、ドアブザーは阪神初となるドアチャイムに変更されている。半自動ドアボタンも設置されたが現在は使用していない。
編成表
←大阪梅田 神戸三宮→
編成 | 5550 | 5650 | 5650 | 5550 | 竣工 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
5501F | 5501 | 5601 | 5602 | 5502 | 1995年 | |
5503F | 5503 | 5603 | 5604 | 5504 | 1995年 | |
5505F | 5505 | 5605 | 5606 | 5506 | 1997年 | |
5507F | 5507 | 5607 | 5608 | 5508 | 1997年 | |
5509F | 5509 | 5609 | 5610 | 5510 | 1997年 | |
5511F | 5511 | 5611 | 5612 | 5512 | 1998年 | 武庫川線転用車 |
5513F | 5513 | 5613 | 5614 | 5514 | 1998年 | 武庫川線転用車 |
5515F | 5515 | 5615 | 5616 | 5516 | 1999年 | |
5517F | 5517 | 5617 | 5618 | 5518 | 2000年 |
阪神5550系
方向幕を装備していない5311形が残存していたことから、その代替目的として2010年に製造された。
車体はアルナ車両で製造し、ぎ装は阪神車両メンテナンス(旧:武庫川車両工業)が担当。阪急阪神ホールディングス内での製造となっている。車体は5500系に準じているものの、モーターは赤胴車の1000系と同じ170kWのものを使用しているため、MT構成が3M1Tとなり、元町寄り先頭の5562号車がジェットカー唯一の付随車(制御車)となった。また、制御装置も1000系と同じIGBT素子のVVVFインバーター制御となっている。
5550系は4両編成1本のみの製造となり、その後の増備は5700系に移行した。
編成表
←大阪梅田 神戸三宮→
編成 | 5550 | 5650 | 5650 | 5550 | 竣工 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
5551F | 5551 | 5651 | 5652 | 5552 | 2010年 | 前照灯LED化 |
テレビ出演
1998年11月にザ!鉄腕!DASH!!の「リレー対決!○○ VS TOKIOシリーズ」にてTOKIOと深江駅(1回目)・打出駅(2回目)で250m競争を行った。
2015年11月、同番組の20周年企画として同様の企画が5700系を用いて行われた。