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鬼舞辻無惨の編集履歴

2021-02-25 18:25:55 バージョン

鬼舞辻無惨

きぶつじむざん

漫画『鬼滅の刃』のラスボス。本作に登場する鬼たちの始祖である。

※存在そのものがネタバレのような人物であるため、この記事には『鬼滅の刃』のネタバレがかなり含まれます。閲覧する際はご注意ください。




「違う違う違う違う」


「私は限りなく完璧に近い生物だ」


「私の好きなものは“不変” 完璧な状態で永遠に変わらないこと」



プロフィール

身長179cm
体重75kg
趣味輸入される物品、外国の言葉、新しい機械などを学ぶ
CV関俊彦(擬態時も同じ)
佐々木喜英

概要

吾峠呼世晴による漫画およびそれを原作としたアニメ『鬼滅の刃』のラスボス。

千年前から生き続ける人喰い鬼の原種にして首魁であり、主人公の炭治郎にとっては家族を惨殺し、禰豆子を鬼へと変貌させた因縁の相手。

 

彼の血は人間を鬼に変え、鬼にさらに血を与えると力が増すという特性を持ち、これによって配下を増やしてきた。ただし、素養を超えて注ぎ込んだ場合は細胞が変容に耐え切れず崩壊を起こし死亡する。


幾多の配下を従えつつも無惨は彼らを誰一人信用しておらず、配下たちはもし無惨に関する事を喋ろうものなら(それこそ名前を口にしただけでも)その身が滅び去ってしまう“呪い”を受けているだけでなく、彼の気分次第で幹部に匹敵する十二鬼月であろうと普通に殺される。

下弦の処刑の際は、唯一気に入った反応を返した一人を除いて四人を問答無用で処刑しており、残っている一人に関しても「自身の血による強化(耐えきれない場合は死亡)」というデッドオアアライブな”死刑宣告”を行うなど、その容赦の無さは筋金入り。

もっとも下弦たちは少々考えの甘い節があったため、行き詰まっても明確な打開策をもって動いていた響凱などに比べれば、処分されても文句はいえないような所は一応はある。

だからこその使いようもあったのだが(詳しくは後述)。


一方で、人間時代の境遇の影響でより歪んで鬼となった者は一番のお気に入りであり、何かと優遇している。他にも鬼の中でも人間らしさが希薄な(それこそ鬼からさらに外道に落ちたような)タイプの鬼も、自分の血を大量に分け与えるなどそれなりに優遇している。

また、向上心が高い鬼便利な鬼も表にこそ出さないが気に入っている様子。

ただし、気に入られているからといってパワハラを免れる訳ではない。


鬼でありながら人間社会に溶け込んで過ごす事も多く、ある時はモダンな紳士「月彦」、ある時は利発な少年「俊國」、ある時は妖艶な芸妓の女性(声はそのまま)に姿を変えており、その際には妻子を連れていたり、富豪の養子になったりと人間の家族と暮らしている。

鬼舞辻無惨

ちなみに「俊國」の姿は、太陽を克服する薬開発の場所の確保の為の姿。

芸妓の女性は、人間を使った青い彼岸花の捜索と情報収集の為の姿。

そして「月彦」の姿は、芸妓では無理な情報収集や資金集めの為の姿と、それぞれ使い分けていた模様。


上記の通り、自分の姿を不定期に変化させているが、実は彼が最も嫌うのは『変化』という精神的に歪な面が見られる。


人物像

一見落ち着きある人物に見えるが、その実タチの悪い癇癪持ちであり、いわば歩く地雷原「限りなく完璧に近い生物」と自称する通り極めて強大な力を持っているものの、それに似つかわしくない臆病な面も(後述)。

しかし冷静さとて無いわけではなく、市井に紛れているときに酔っ払いに絡まれた際は「すみません」とやり過ごそうとした(青白い顔と言われて激昂し結局皆殺しにしたが)。

常識的な対応といえなくもないが、作中の言動の数々と照らし合わせると彼の不気味さが際立つ。

 

なお大切な者の仇を討つために身命を投げ打つ鬼殺隊のことは異常者の集まりだと思っており、「お前たちは助かったのだからそれでいいだろう」「私に殺されるのは大災に逢ったのと同じだと思え」「(自然災害がどれだけ人を殺そうが)天変地異に復讐しようとするものはいない」などと好き放題に貶し、自身の行いをさも自然の摂理とばかりに語る傲慢さを見せている。

 

炭治郎は「鬼も元は人間である」ことや、「無惨の支配によって彼を無条件で狂信する者もいれば、鬼となったことに苦しみ、悔やんでいる者もいる」という事実を目の当たりにして「鬼とは虚しく悲しい生き物」という価値観を抱いているが、そんな彼も怒りの限界を超え、心の奥底まで厭悪が渦巻く中で「無惨 お前は存在してはいけない生き物だ」と言い放った。


ファンブックにおいては上記を総して「人間的感性がなく、共感性が極めて低い、人間というよりも昆虫に近い」と記載されていた。

 

まごう事なき「本物の鬼」、それが鬼舞辻無惨という男なのである。

 

最凶最悪!ブラック上司欲張りセット

基本的に表には出ない上、ワンマン、気まぐれ、傍若無人、無慈悲、残忍、極悪非道…と実に見事なブラック要素てんこ盛り。そして彼が直接姿を現すと大抵部下に制裁か罵倒が飛んでくる。

事あるごとに幹部を集めては理不尽な怒りをぶつける様はブラック会議、その「会議」にて部下を殺していることから十二鬼月討伐数一位と言われたりすることも。

実際、作中で十二鬼月を葬った数は炭治郎の四体(下弦一体+上弦三体)を超えた五体(下弦四体+上弦一体)。

特に下弦四体を無意味に殺した事による損害は甚大であり、作戦に動員できる面子を一気に失ってしまった結果、大規模な行動が取れなくなった事で、結果的には鬼殺隊に鍛練等の強化の為の時間を与えてしまっている。

 

鬼同士は同族嫌悪の呪いの影響もあって連携が難しいが、無惨が命令した通りの行動はできるので、作戦や采配次第では下弦の鬼四体も充分に活躍できていた可能性は高かった。

彼らはあくまで上弦の鬼や鬼殺隊のといった作中上位クラスの面々と比較すれば劣る」という事であり、"下弦の伍"(数字的には下から二番目だが、実力的には下弦の壱前後の実力はあったらしい)のでさえ、大勢の一般隊士を向かわせても太刀打ち出来ない程の強敵。

さらに十二鬼月ですらなく弱すぎると珠世に評された矢琶羽朱紗丸ですら、当時の炭治郎一人では勝てなかった(というか愈史郎の協力が無ければ攻撃の正体がわからずそのまま敗死もあり得た)相手なので、一般隊士が相手なら普通に戦力足り得たのである。


いざ自らが戦場に立てばロクな術も持ってないくせにアホみたいに強く、馬鹿みたいに高い身体能力に任せて刃物状に変化させた腕を振り回すだけで鬼殺隊を一蹴し、想定外の事態も理詰めで元を探り、常に即死級の攻撃を頻発し、反撃のチャンスも潰す冷静さと冷徹さを発揮するという高い技量を見せつけているものの、まさしく「お前が行け!」と言いたくなるところ。

だがそうしないのも理由がある。


目的は「とにかく生き続けたい」

無惨の目的はシンプルに「自分が生き延びること」。

普段は周到な擬態により人間として市井に紛れ、戦闘でも生命の危機を覚えたら躊躇いなく撤退を選ぶ。どれだけ歯痒さや苛立ちを抱こうが、見苦しかろうが、逃げの一手を覆す事はしない。

また『死』に対して過剰な畏れを抱いている節があり、圧倒的な力を持ちながら自身は決して鬼殺隊と戦おうとしないのも、人喰い鬼を増やし、精鋭たる『十二鬼月』を直属として選別し、彼らを手駒として戦わせているのもこの為である。

無惨がこうした慎重な戦法をとるようになったのは、かつて戦国時代で無惨をして化け物と呼ばれる男と遭遇したことが後を引いているためと思われる。その時男の放ったただ一撃で瀕死の重傷を負った無惨は、自分で奥歯をかみ砕いてしまうほどの屈辱を抱きながら分裂して逃亡。無限城決戦編で分裂しようとした際はこのような動作は見られなかったため、この時は本当に悔しかったようである。だが無惨は、復讐を考えるどころか相手の寿命が尽きるまで数十年以上逃げ続けるという力技でその男との戦いを終わらせたのである。

 

そのなりふり構わない「生き汚さ」もまた無惨の厄介さのひとつであり、結果から見れば「身の安全より己のプライドを優先して敗北する」典型的なラスボスの轍を踏まない賢明な立ち回りだったという側面も一応はある。


一方で、そんな配下の鬼達の事も本質的には全く信用しておらず、彼らが徒党を組んで自身に歯向かって来ないよう絶対服従及び同族嫌悪の“呪い”をかけており、そんな鬼達の前にしか姿を現そうとしない無惨の在り方は、珠世が評したような「臆病者」の面が垣間見られる。


想いを継げなかった無惨

無惨には数百年間貯え続けた見識と、未知の現象を前にしても知識を応用して対処できるだけの判断力、いざというときには長期間の潜伏も辞さない忍耐力、そして鬼の祖としての圧倒的な戦闘力がある。しかし、どれだけ組織を拡大しても結局は無惨一人で戦うための時間稼ぎ程度の運用にしか使えなかった。これは宿敵の産屋敷が構成員の一人一人を消耗品ではなく人間として扱い、戦う目的と理想を与え、かつ産屋敷自身がそれを体現して組織をまとめ上げたのとは対照的である。

実際、無限城での総力戦という局面に至ってまで、上弦の鬼たちは個々に好き勝手に戦っていただけであり、柱たちのように良い連携が取れていたとは言い難い。


なまじ無惨個人の力が強すぎるために、人間はおろか配下の鬼たちのことも基本的に見下しており、最終的に自分だけ戦える状態ができていればそれで構わないため、味方を切り捨てることにも躊躇しなかった。これもまた、味方の喪失(死)を受け継ぐべき想いにかえ、覚悟にかえて戦うことのできた鬼殺隊とは真逆であった。


死を否定し、想いを継ぐことを否定し続けた無惨は、まさに「鬼滅の刃」という物語の最後の敵に相応しい人物だといえるだろう。


能力・技

詳細不明。

生物”として他の全てをあらゆる面で圧倒的に超越している

人間と比較すれば隔絶した能力を持つ鬼を更に大きく超越しており、人間を鬼化させる能力を唯一持っているなど、鬼とは別種の生物(上位種)と表現する方が近い。この為に、日輪刀で頚を斬り落とされてもに至る事は無い。

他にも鬼の始祖であるが故に、自身が作った鬼達の細胞を破壊する事ができ、基本的に不死の存在である鬼を問答無用で殺す事ができる唯一の存在である(他の鬼の場合は、相手を完全に無力化した上で太陽に晒して焼き殺すという間接的なやり方くらいでしか、問答無用で同族を殺す事はできない)。

単純な身体的速度においても凄まじく、全力で逃げ出した"下弦の参"や、不用意な言葉を口にした"上弦の伍"らを、彼らに認識されるよりも前に一瞬で頚を刎ね飛ばしたり、己を包囲していた鬼殺隊隊士達を一瞬で虐殺したりと、まさに神速。

このように“最強”すらも容易く超越する、万能にして無敵に限りなく近い存在なのだが、やはり自身は決して表舞台に上がろうとはしない。


しかし逆に言えば、無惨は単純に身体スペックが桁外れだから強いというだけであり、戦略眼や戦闘技術そのものは未熟で、戦い方そのものも目前の相手をただ薙ぎ払って脅威を排除するというだけの雑なものである。この点は純粋に強さを求めて実力を磨いた者達とは対照的である。


他にも血液を自在に変形、操作できるようであり、血液を有刺鉄線状に変化させて敵を打ち据える『黒血 枳棘(こっけつ ききょく)』などの技を持つが、悲鳴嶼行冥に一蹴されても大した反応もなかったあたり、無惨からすればほんの小技程度の可能性が高く、未だ詳細不明。

この血鬼術を抜きにしても、原初の鬼としての血を攻撃に混ぜるだけでも常人にとっては即死級の代物である。無惨が人間を鬼に変える以上の量を注入するだけで、人間は細胞が崩壊して即死する。

 

日輪刀で傷を付けても、刃が身体に入った瞬間から再生するという異常な速度の再生能力で即座に再生する為に、彼の身体に傷をつけるのは事実上不可能である。そして頸を斬られても死なない不死性のからくりは、人型の肉体の中に心臓と脳をいくつも有している為。かつて継国縁壱が追い詰めた時点では、心臓を七つ、脳を五つ有していた。

再生の結果なのか現代でもその異様な構造は健在であり、その不死性の要となっているようである。




過去

※これより先はネタバレ有り



















「遂に太陽を克服するものが現れた……!!よくやった半天狗!!」

「これでもう青い彼岸花を探す必要もない クククッ永かった…!!」

「しかしこの為 この為に千年増やしたくもない同類を増やし続けたのだ」

「十二鬼月の中にすら現れなかった稀有な体質 選ばれし鬼」

「あの娘を喰って取り込めば私も太陽を克服できる!!」


始祖なる鬼といえど元から人ならぬ者だったわけではなく、平安時代に人間の男性として生まれた。

後の産屋敷家に繋がる貴族階級の人間であったらしく、屋敷に住んでいた描写がある(千年以上前の事になるため無惨と耀哉自身は超がつくほど遠縁ということになるが、二人の顔は双子のように瓜二つだと16巻のおまけページにて描かれている)。

さぁさ皆々様、どうぞお静かに

先天的に虚弱な体質であり、母親の腹の中にいた頃から心臓は何回も止まり、生まれた時には脈も呼吸もなかったために死産と判断され、荼毘に付されようという際に息を吹き返した。

当時の医師からは「二十歳になるまでに死ぬ」と言われていたが、そんな彼が少しでも生き永らえるようにと苦心していた善良な医師がいた。

医師は無惨の病状が良くなることを願い、まだ試作の段階であった新薬を処方したが、それでも悪化の一途を辿っていった事に腹を立てた無惨は、背後から刃物で医師の頭を割り殺してしまう


加えて人間だった時代に妻を娶った時期もあるのだが、この時から人の負の心理の観察に長けており、生来の共感性皆無の毒舌で、5人いた妻全員を自殺に追い込んでいる。

このように、人間だった頃からその本性は現在と何も変わらない人物だった。


しかし皮肉な事に、それから間もなく薬の効果が現れて無惨の体調は良くなっていき、更には常人離れした強靱な肉体を手に入れるもそれと同時に日光の下に出られなくなり、人の血肉を欲するようになる。彼が“最初の人喰い鬼”となった瞬間である。

食人衝動は人を喰えば済むと問題にしていなかったが、昼間の行動が制限されてしまうことは酷く屈辱であった為に、彼は日の下でも死なない体となるべく医者が自分に処方した薬青い彼岸花の調合法を調べた結果、実際に青色の彼岸花が使われていると突き止めそれを探し始めたが、千年以上に渡って日本中を探し回っても、生息地や栽培法さえ判明しないままであった。


その為にこれ以降は、当時その医師が住んでいた地域である、後の「東京」周辺を中心に主に活動するようになる(実際に、炭治郎と初対面した場所も東京だった)。


そうして彼は日光の克服の為に、『青い彼岸花を見つけ出す』事と、増やした『同類の鬼たちから日光を克服できる者を生み出す』事を最優先としてきたのである。


産屋敷家が代々短命を宿命づけられたのも、一族から無惨という怪物を生み出してしまった事による呪いだと耀哉は語っている。

これに対し無惨は「逆恨みも甚だしい、自分にはそんな呪いは降りかかってきていない」と切り捨てている。前述の通り無惨自身も病弱だった為、産屋敷家(かつての鬼舞辻家?)は最初からどうあがいても短命だった可能性もある。一方で、無惨の親族が病弱だったという描写はなく、実際に無惨が倒された後の産屋敷一族は、人並みかそれ以上の寿命を得ている為、やはり無惨を原因とした一種の呪いをかけられていた可能性が高い。


鬼に関しては本人も後者の理由の為にあくまで不本意に作り出していたようで、半天狗の戦闘によって「太陽克服の手がかり」を発見した際には初めて他人を罵倒なしで称賛しつつも、配下の鬼の存在を増やしたくもない同類とすら言い切っている。


『無限城決戦編』にて(以下、本誌ネタバレ注意)


⚠️更にネタバレ注意(単行本21巻ネタバレ、及び未収録)⚠️





















鬼滅本誌注意 私がこれから皆殺しにする

「誰も彼も役には立たなかった 鬼狩りは今夜潰す 私がこれから皆殺しにする」


産屋敷耀哉の自爆、珠世の人間化の薬、悲鳴嶼の頚への渾身の一撃を受け、無限城に鬼殺隊を落とした後に肉の繭で回復を待っていた無惨だったが、第180話で遂に復活。

髪は白く染まり、体の大半が大量の口がついた赤黒いものに覆われた異形の姿へと変貌を遂げ、とうとう自らの手で鬼殺隊を殲滅することを宣言する。


覚醒後の戦闘・能力

これまでの鬼の多くが血鬼術による搦手を用いてきたのに対し、無惨は殆どそれを用いず、鬼としての人智を超えた身体能力に任せたゴリ押し戦術を用いる。ただし作中では、珠世の薬の影響で血鬼術を自由に行使できる程の力が回復していなかったから使わなかった可能性が高く、平時の状態でも血鬼術を使わずに戦うスタイルなのかは不明。

ただし、ゴリ押しとは言うものの、無惨の力自体が上弦の鬼すら比べ物にならない規格外のものなのでその脅威は計り知れず、柱五人と炭治郎、善逸伊之助カナヲの九人を同時に相手取った上でなお優勢な程である。

また、下記の「管」のように身体構造自体が自由に変化し、その外見も攻撃手段もまさに変幻自在である。そもそも無惨には決まった姿形そのものが無く、人型の生物と認識して戦う事自体が禁物なのである。


前述の通りパワハラ会議では、離れた場所にいる部下の鬼の頸を一瞬で手元に引き寄せるという能力を見せていたのだが、これは単純に腕を視認できない程の速度で伸縮させて、頸をもぎ取っていただけである。


また、下記の能力の数々で柱を初めとした多くの鬼殺隊士を苦しめ続けた無惨だが、作中では無惨との戦闘が本格的に始まった時点から、後述する珠世の薬の影響で弱体化が毎分進行している状態だった為に、実は本編では一度も無惨は全力を出して戦えてはいない。

唯一作中で無惨が全力で戦ったであろう描写は、戦国時代の縁壱との戦いだけであり、こちらは一瞬で決着がついている(なお、結果は無惨の惨敗)。

その為、無惨の本来の戦闘能力は、結局作中では明らかにはされないままだった。


両腕を変化させた肉塊の如き極太の管二本、背中から伸びる先端に骨の様な刃の着いた血管状の細い九本の管、合計十一本の管を武器とする。

振るう管はリーチが非常に長い上に柱ですら回避が困難な程高速であり、周囲の建造物をズタズタに引き裂く威力を持つ。

無論直撃すれば即死級、掠っただけでも傷口から無惨の血液を毒として注入され、細胞を破壊されて死に至るというからえげつない。

なお、管は無惨の意志によって自在に生やすことが可能で、上記の姿での戦闘に相手が慣れてきたタイミングで不意打ちのように管を増やして攻撃することも可能。

最終決戦では、腿から他のものより高速で振るわれる八本の管を瞬間的に生やして攻撃する事で、無惨との闘いに光明を見出したばかりの七人に、戦闘不能になる程の重傷を負わせて吹き飛ばした。


  • 風の渦

全身に生じた口による吸息により強烈な吸い込みを伴う風の渦を生じさせる。この渦も言わずもがな凶悪な威力を誇り、触れた部分の肉が抉り取られるほど。渦自体の大きさもある程度は調節可能。

回避しようにもあまりの吸引力に引き寄せられ大振りな回避動作を取らざるを得なくなり通常の何倍もの体力を消耗してしまう。

無惨はこの渦を上述の触手と合わせて繰り出すことにより、触手を回避した相手の裏をかくように巻き込もうとしてくる。


  • 空気弾

全身の口から吸息した後、その息を高圧で吐き出して攻撃する。ただの空気と侮るなかれ、周囲の建造物や地面にクレーターを作る程の威力を持つ。


  • 衝撃波

身体を斜めに横断する形の巨大な口を開き、稲妻のような衝撃波を放つ。

直撃を受ければダメージだけでなく神経の動きを狂わされ、呼吸を維持出来なくなる。単純な攻撃ではなく血鬼術の一種の様であり、日輪刀を自身の体に刺すことで解除できる。

遠く離れた場所にいる産屋敷輝利哉にも衝撃が届いていたが、これが「目」を使って戦況を把握していた為なのか技の効果なのかは不明。

相当に体力を食うらしく、九千年分の老いと激戦の疲労により連発はできず、伊之助相手に使用を試みた際には地面に十字の傷を刻んだだけで不発となった。


場所を問わず肉体を変化させ、牙口を作り出す。覚醒直後にはこれを使い、鬼殺隊士を攻撃と同時に捕食して養分にしていた。

窮地に陥った際には巨大な口を作り眼前の炭治郎を噛み砕こうとしたが、蛇柱が身を挺して防ぎきった。


  • 肉の鎧

鬼殺隊の限界を超えた追撃と、遂に射した暁光の前に曝した最後の姿。

全身の肉を分厚く盛り上がらせ、人の背丈の数倍はあろう赤子のような姿に変化する。

動きこそ鈍重になってしまうものの、その厚さをもって日輪刀を含むあらゆる攻撃に耐えることができ、短時間であれば日光の下でも活動ができるほか、機動力の低下を補うように地面潜航能力を使えるようになる。

また、その巨大な体躯と重さは強力な武器にもなり、無造作に拳を振り下ろすだけで自動車を叩き潰している。

残存した鬼殺隊数人がかりを列車の客車ごと押し返し、満身創痍とはいえ隊士数人以上の怪力を発する悲鳴嶼に拮抗してみせるなど、太陽光に全身を焼かれて格段に弱体化してさえ一厘でも力を抜けば逃亡を許しかねない。

赤子のような姿は後述の過去より、赤子の頃から死にたくなく生存本能が極めて極大でそれが一切変わっていなかったという意味では本質を表現している。


しかし、度重なる弱体化により自慢の再生力は既に底を尽き、陽光の下に引きずり出されたとあって既に虫の息も同然の状態。そんな最後の悪あがきの段階さえ予断を許さないのが無惨が無惨たる所以でもあり、鬼殺隊全員が死に体を引きずって命懸けの戦いを余儀なくされた。


戦績

遂に本気を出し、鬼殺隊殲滅に乗り出した無惨。復活直後から鬼殺隊隊士たちを布切れのように引き裂き、復活後の養分に捕食しながら無限城を飛び回る。

途中、炭治郎と義勇に遭遇して言葉を交わすも炭治郎の逆鱗に触れた。

それも意に介さず葬り去ろうと襲い掛かるが、途中から愈史郎鳴女の脳を支配されてしまい、無限城の操作権限を掌握されて邪魔立てされた為に、やむなく遠隔操作で鳴女の頭部を潰して無限城を放棄、地上に出る。

大半の柱や主要隊士が揃う中で第二幕開戦となるが、脅威の不死身ぶりと圧倒的な破壊力で鬼殺隊を寄せ付けず、終始主導権を握っていく。


しかし、珠世が己が身に仕込んだ薬は人間返りだけではなかった。


ここから珠世の仕込んだ「老化の薬」がいよいよ目に見える効果を現し始め、無惨の体力そのものを奪い始める(実は、復活した時点から無惨の髪色が白くなっていたのはこの薬の影響であり、この時点で無惨は実に九千年分も老化していた)。

隙を見て飛びかかった炭治郎を『管』で昏倒させるも、今度は柱たちの猛攻が開始され、無惨への包囲網が徐々に形成されていく。

その合間で炭治郎は愈史郎に治療され復帰し、夢の世界で耳飾りの剣士との最後の語らいからヒノカミ神楽の真髄を見出して無惨へ喰らいつく。

鬱陶しさに、五百年前同様に分裂して逃走を図るが、既に珠世の第三の薬「分裂阻止」が無惨の肉体を蝕み、分裂による逃走を封じられてしまう。

なおも夜明けまで粘る鬼殺隊に、怒りを爆発させ襲い掛かる無惨。

夜明けまで小一時間を切ったその時、珠世最後の仕掛け「細胞破壊の薬」によって最大の武器で再生能力に歯止めをかけられ、遂に窮地に立たされる。

敗色を察した無惨は、一も二もなく逃走を決意。だが善逸・伊之助・カナヲたち新鋭の隊士が到着し、退路を断つべく奮戦。隙を見て体勢を立て直した柱たちも加わり、一丸となって無惨を追い詰める。


その執念により、遂に夜空に暁光が射す。

急いで影に隠れんとする無惨に、炭治郎と義勇が喰らいつくと、無惨は肉の鎧を発動させて抵抗。炭治郎を肉に巻き込んだまま暴れだした。

それでもなお鬼殺隊に阻まれ、陽光から逃れようと地中へ潜るが、悲鳴嶋を筆頭とした鬼殺隊一丸の綱引きに思うように潜航できず、やっとの思いで振り切り――


呑み込まれた炭治郎が最後の足掻きに渾身の拳を腹へ見舞い、痛みに悶絶した時点で鎧が崩壊。


そのまま明けの空の下太陽に焼かれ、遂に鬼舞辻無惨は消滅した。


改心

死の間際、彼は自身が死産の淵から甦ってこの世に生を受けたことを思い出す。

ただ「死なない」という一念に駆られ、捻じくれた精神をもってなお生に執着した男は宿敵の信念と自らの敗北を認め、敵の力の大きさにようやく気付くのだった。


そして自らの滅びを悟った彼は何世代にも数百年にも渡って自らに命懸けで挑んできた者たちの「想い」に感動を覚え、自身も彼らのように“想いを繋ぐこと”を決意する。


最期の最後で…孤独な鬼の王は自分以外の誰かに目を向けたのだ。


プロトタイプ

作者が新人漫画賞に投稿して佳作となりジャンプに掲載された読み切り作品「過狩り狩り」には、「白いスーツとソフト帽に黒ジャケットとネクタイで残忍な性格の鬼」というキャラクター「時川」が登場している。


鬼滅の刃とは異なり傲慢や小物臭を感じさせず冷静沈着なキャラクターである。また同作には珠世愈史郎のプロトタイプも登場しており、時川と協力して鬼を狩る存在から逃げているなど、他の鬼と協力する柔軟さも持ち合わせている。戦闘能力についてはさほどではないようで、鬼を狩る存在を恐れる描写もある。


作中では外国から来た吸血鬼のような存在が縄張りを荒らすため、珠世や愈史郎と協力して撃退しようとするなどダークヒーローのような立ち回りで、逆に鬼を狩る男「ナガレ」が不気味な存在のように描かれれていた。一応主人公はナガレであるが、台詞が少なく見せ場が中盤以降となることや、前半で世界観を説明し行動する時川が主人公であるかのようも見える。


なお「過狩り狩り」には竈門炭治郎に相当する人物はおらず、後に作成されたネーム「鬼殺の流」からの登場である。プロトタイプから存在する鬼舞辻無惨は単なるラスボスではなく、ある意味では作品の根幹をなす存在ともいえる。


劇場版

第一弾『兄妹の絆』では名前も存在も不明だったため、第二弾『無限列車編』での1カットが初登場となる。しかし想起するのが魘夢なので、彼が登場したTV26話の姿であり、原作・TVとも未見の層からは「鬼滅の刃のラスボスは極妻系和風美女」という感想がちらほら挙がる事態となった。


キメツ学園

日本を乗っ取ろうとしている悪い政治家として登場。

悪事をいつも邪魔されてイラついているが、産屋敷の差し金だと分かってもいてスパイを送り込んでいる。ファンクラブあり。


関連イラスト

鬼舞辻無惨という男

鬼舞辻無惨鬼舞辻無惨


関連タグ

鬼滅の刃 鬼(鬼滅の刃) 十二鬼月 青い彼岸花

鬼滅の刃の登場キャラクター一覧

パワハラ 外道 臆病 小物 ラスボス 美形悪役


エヴリン(バイオハザード7):「自らの力を他人に分け与える」「精神を支配し、意に沿わない者を遠隔ででも処刑可能」「ラスボス」と言う共通点を持つ。ただし、その根底にある思いは「家族が欲しい」であり、この一点を考えると、累(鬼滅の刃)の方が近い。


小物界の大物…現在では、このタグを代表するキャラクターとして広く認知されている。

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