概要
アメリカ陸軍が進めている再編計画の一環として計画された装甲車。スイスのモクワ社が開発・生産した装輪式兵員輸送車「ピラーニャⅢ」をベースに開発された。
地域紛争やテロに対して迅速に戦力を展開する「ストライカー旅団戦闘団」に配備されている。
C-130による空輸が可能なように設計されているため、車体自体は非常に軽装甲で、追加装甲は現地で後付けする形をとる。
しかし、それでもC-130に積むにはギリギリのサイズで「一応積めない事はない」レベルのものでしかなく、万が一の時の脱出経路を塞いでしまうなどの問題から、結局C-130で展開した事は一度もない。
「普通の装輪装甲車」として使う分には何ら問題ないので、空輸による戦力投射については次第に話題とならなくなっていった。
ちなみに名称は「Striker(打撃者)」ではなく、第二次世界大戦で活躍した「スチュアート・S・ストライカー一等兵(Stuart S. Stryker)」と、ベトナム戦争で活躍した「ロバート・F・ストライカー四等特技兵(Robert F. Stryker)」に由来する。
バリエーション
- M1126ストライカーICV
兵員輸送車型。搭乗可能な歩兵は9名。
- M1127ストライカーRV
偵察車型。
- M1128ストライカーMGS
火力支援型。MGSはMobile Gun System(機動砲システム)の略。
105mmライフル砲を装備した無人砲塔を持つが、これがなかなかの曲者で、当初はエアコンを装備していなかったためコンピューターのオーバーヒートが頻発し、搭乗員は冷却ベストを着用しなければならなかった。またハッチが小さく、緊急時の脱出も容易ではない。さらに自動装填装置に車内からアクセスできないため、修理が必要になった場合は車外に出て作業を行う必要がある。
- M1129ストライカーMC
自走迫撃砲型。81mmまたは120mm迫撃砲を備える
- M1130ストライカーCV
指揮車型。
- M1131ストライカーFSV
砲兵観測車型。
- M1132ストライカーESV
工兵車型。
- M1133ストライカーMEV
野戦救急車型。
- M1134ストライカーATGM
自走対戦車ミサイル型。TOW対戦車ミサイルを備える。
- M1135ストライカーNBC RV
NBC偵察車型。