ガヴァドン

がゔぁどん

円谷プロの特撮番組『ウルトラマン』に登場した怪獣。

ガヴァドンとは、円谷プロの特撮番組『ウルトラマン』に登場した怪獣である。

概要

登場は第15話「恐怖の宇宙線」。

分類は「二次元怪獣」。

ムシバというあだ名の少年(演：川田勝明)が、宇宙線研究所の近くにあった土管に書いた落書きがなにかしらの宇宙線を浴びて実体化した存在。

特に何をするわけでもなく、ただひたすらいびきをかいて寝ているだけという騒音問題に目をつぶれば、珍しく無害な怪獣である。

形態にAとBが存在し、Aがムシバ少年の落書きで、BはAの登場後にムシバ少年が友人らと共にもっと強そうな見た目に描き直したもの。ともに寝ているだけでなにもしない。誕生要因となった宇宙線は太陽光線と結びつく事で絵を実体化させる効果を得るため、夕方になると消えて落書きに戻ってしまう。

特に何もしないが、いびきのうるささと、Bは出現場所が東京の丸の内だったことから、日本の経済力に影響が出てしまうために、結局退治されることとなる。

どうしてそうなる。

(この回の脚本を担当した佐々木守は科特隊をはじめ防衛組織を否定的に書く傾向が多い)

科特隊パリ本部によると、同様の現象が海外では絵画などに起こっていた模様。

日本ではガヴァドン一体で終わったが、海外では怪獣が多く出現したのかもしれない。それならムラマツキャップの危惧もまだわかるが…。

※Bは出現場所が東京の丸の内だったことから、ビジネスマンの邪魔になったのは確かで、そのせいで日本の経済力に影響が出てしまう……って、たった数日オフィス街に怪獣が居座っただけで経済が傾くウルトラマン世界って…

あれ、でも毎週町を破壊されて経済がピンピンしてるって……

あれ？

――おい、誰か説明しろ(汗)

ガヴァドンA

身長：30メートル
体重：2万トン

最初に登場した形態。

イルカのような流線形の生物で、見えにくいが一応胴体の下に脚がある。

文字絵で「 (＠、)＞」と表せるシンプルなデザイン。

やることは寝るだけ。

なにこれかわいい。

この造形から、ウルトラ怪獣屈指の『萌え怪獣』に数えられ、生物彗星WoOのモデルにもなった。

ガヴァドンB

身長：60メートル
体重：4万トン

少年たちによってパワーアップした形態。ウルトラマンと戦ったのはこちら。

怪獣らしく厳つくなったが、やっぱり寝てるだけ。

ぶさかわいい。

Aに比べていつものウルトラ怪獣らしい姿をしている。

なお、スーツはその後ザンボラーに改造されている。

事の顛末

端的に言おう、『帰ってくれウルトラマン』である。

出生がただの落書きで、しかも子供たちの夢の具現体であることから、ウルトラマンがアウェー状態という前代未聞の回となった。

そもそも、退治に行く段階で原因が分かっていたことからイデ隊員が「落書きを消せばいいんじゃないか？」とシンプルに解決しようとしたのに対して、ムラマツキャップが「つまらんことを考えないで明日に備えろ」とド正面から退治する気満々。どういうことなの・・・。

結局、ウルトラマンも「ガヴァドンを倒さないで!!」という子供たちの訴えを聞き入れ、7月7日の七夕に会えるよう、ガヴァドンを宇宙の星の一つとすることでかたが付いた。ただし、「七夕に雨が降ったら…？」というムシバ少年の冷静なツッコミには黙り込むしかなかった。

答えてくれウルトラマン。

楳図かずお版

このようなシナリオだったからか、楳図かずお版ではちゃんと口から火を吐きながらビル街をぶっ壊す怪獣らしい怪獣として登場する。勿論、Bは愚かAすら全く可愛くない（トカゲやサンショウウオが好きな人にとっては可愛く見えるかも）。

最後はウルトラマンに大空高く放り投げられ、落下した所を体当たりでぶち抜かれて木端微塵になった。

ウルトラマンギンガにて

劇場スペシャル第二弾にA・B揃ってスパークドールズとして登場。ライブはされなかったが、物語の根幹に関わる重要キャラクターとなっている。

ウルトラ怪獣擬人化計画 feat.POPComiccode

第3話と5話で、教室の黒板に書かれた落書きとしてガヴァドンAが登場（単行本で、エレキングが描いたものであることが判明している）。漫画版ではそのままフェードアウトしてしまうが、単行本ではおまけ漫画において実体化して周囲の生徒たちを仰天させる様子が描かれている。

また、別のエピソードでもヤプールが「カベドンだかガヴァドンだか知らんが」という台詞を口にするシーンがある。

ウルトラ忍法帖

第8話に登場した。

物凄く狂暴であらゆる物を破壊し人々を食いまくる大怪獣として虫歯山の洞窟に封印されていた。姿がAとBの二通りある点に関しては、「封印されている間や覚醒直後は可愛らしいAの姿だが、封印が解けて完全に覚醒するとBの姿に変わる」という形で表現されている。

朧党首領がウル忍を生贄に復活を企んでおり、偽のクリスマスパーティーでウル忍を招待し料理の毒で動けない所を生贄にして復活させようとした。

結局首領によってバド星人を生贄に封印の札をはがされるが、「後5分だけ}}」と再び寝入り、腹を立てた首領が無理矢理起こした事で怒り狂い遂に復活を果たす。

しかし、物凄く寝起きが悪かったため、洞窟や朧党の飛空船を破壊したりケムール人を食ったり首領を踏みつけたりと朧党が酷い目に遭ってしまう。最期は虫歯山が耐え切れず倒壊し、朧党共々生き埋めになった（ウル忍は崩れる寸前で脱出した）。

ウルトラマン倶楽部

『ウルトラマン倶楽部2』ではAが第1章での雑魚として登場。好戦的で集団で襲い掛かってくる他、第3章ではボスキャラにもなっている（言葉づかいもチンピラのそれで、村に生け贄を求めてくる）が、やっぱり雑魚だった…。

カプセル怪獣としても登場、HPを全回復させてくれる。

なお、2には説得コマンドがあるが3のような効果はなく、説得しても怒らせるだけである。

『ウルトラマン倶楽部3』ではガヴァドンAの名前が「コガバドン」、Bはただの「ガバドン」となっている。

敵として登場するが、説得すると共にカプセル怪獣として仲間になってくれることが多い。

コガバドンはHPを1000回復、ガバドンは全回復させる。回復アイテムという物や回復させる能力が存在しない本作では非常にありがたい存在である。

ウルトラマンM78劇場Love&Peace

原作よりもさらに可愛くデフォルメされて登場。

第1話「ウルトラドミノ」のキーキャラクターだが、原作同様にすぐ昼寝をする為、バルタン星人からよくお仕置きされる。ウルトラマンのオブジェから放たれたビームでドミノから実体化した巨大ガヴァドン(A)と連動しており、制限時間内にゴールしなければならなかったが、またも昼寝を始めた為、バルタン星人に尻尾を挟まれて覚醒。なんとかゴールまで辿り着き、巨大ガヴァドン(A)の体が分解されてぐんぐんカットするウルトラマンの絵が完成、ドミノチャレンジはなんとか成功した…が、ガヴァドンは踏まれたり挟まれたりした事を相当根に持っており、バルタン星人を追いかけ回していた。

余談

名前の由来はひょっこりひょうたん島の「ドン・ガバチョ」から。
ガヴァドンAは彫刻家ヘンリー・ムーアの作品、ガヴァドンBはドドンゴの没案だったミイラ怪獣がモチーフになっている。

ガヴァドンAの下にはオバQのような脚があり、イベントに貸し出されたときに伸ばして立っている写真が存在する。
成田亨の画集や宇宙船誌に掲載された、全身落書きだらけでヘラジカの角が生えたセイウチのような没案が存在する。なおデザイン画ではイヤミラーという名。なおこの没案の容姿はスカイドンの脚本での描写に酷似する。

大怪獣バトルでは、技カード『昼寝の時間』としてガヴァドンAが登場。3ラウンドの間、相手のアタックを100下げる効果を持つ。
昭和世代のウルトラマン好きを公言し、円谷プロ公認マニアでもある落語家の柳家喬太郎は古典落語にウルトラマンのエッセンスを加えた改作噺「ウルトラマン落語」を幾つも作っており、その1つに『抜けガヴァドン』（『抜け雀』の改作）がある。
上半分は山なり、下半分は扁平の白い体が「餃子に見える」とネタにされてきたガヴァドンAだったが、バンダイが2014年6月に発売したガシャポン『3分!簡単!ウルトラクッキングスイング』で正式に『ガヴァドン(A)餃子』をレシピと共に発表し、

調理時間	3分
調理者	ウルトラマン
材料	土管1本、宇宙線適量、太陽光線適量

土管にガヴァドン(A)の絵を書き、宇宙線と太陽光線を適量当て、ガヴァドン(A)を実体化させる。
フライパンに油をひき強火で温め、ガヴァドン(A)をおく。
お湯を適量かけ、フタをし、強火で水がなくなるまで焼き上げる。

といった内容に加え、食欲をそそる見事な焼き目を付けたガヴァドンAの姿を真面目に再現してみせた。

※補足資料：本当に食べられる『ガヴァドン(A)餃子』の作り方

ガヴァドンの編集履歴