劣化ウラン(ウラン燃料を取った後に残る産業廃棄物)を弾芯に用いた徹甲弾などの銃砲弾のこと。
当然だが、対戦車用の劣化ウラン弾はメイン画像のものほど小さくはない。
放射性物質であるウランを弾丸にするとは何事かと思われがちだが、いわゆるウランは安定なU238と放射性のU235の混合物であり、劣化ウランはU235を取り除いた残渣なので実は放射性は弱い。(無いわけではない。)
しかも、元々はゴミでしかないものが高密度(鉛なんかより重い)かつ高強度という弾丸に適した性質を持っていたわけであり、弾丸に使用するという発想それ自体はさほど不思議ではない。かつては装甲にまで用いていたくらいである。
ただ、ウランは鉛やタングステンなどと同様に重金属であり、体内に入ると中毒を起こす物質であり、しかも、着弾時に生じる焼夷効果によって微細な酸化ウランの粒子を周囲に撒き散らしてしまうという性質がある。
よって、放射性の問題を除いても他の重金属を用いたものと同様に有害な兵器であると考えられている。
また、焼夷効果もあって加工には酸化させない設備を必要としており、タングステンを使用したものと値段は変わらない、もしくはタングステン弾よりも高価となる。
戦略物資であるタングステンを使用せず、輸出規制等の産出国の情勢に左右されにくい。