1955年(昭和30年)に、従前の一等寝台車と二等寝台車の区分を再編した際に新設された区分である。
等級運賃制時代の一等寝台列車の運賃・料金は当時の航空運賃よりも高く、利用率が低迷する反面、二等寝台車は利用率が非常に高かったことから、1955年(昭和30年)7月1日に一等寝台は廃止され、二等寝台車に編入の上統合された。
このとき、旧一等寝台区分室(現在の個室寝台に準じるもの)を「2等A寝台」、旧一等寝台開放室で冷房がついている車両を「2等B寝台」、旧二等寝台開放室で非冷房のものを「2等C寝台」とした。
しかしその後、2等C寝台と同等の設備で冷房つきの車両も2等B寝台としたため、2等C寝台は車両の冷房改造が進むに伴い数を減らしていき、1960年代末に寝台車両の冷房化率100%を達成したのと同時に2等C寝台という区分は自然消滅した。
等級制運賃が廃止されたのはその直後の1969年(昭和44年)のことであったため、頭に「2等」のつかない「C寝台」という区分は存在しなかったことになる。
現在は一般車両の座席や網棚に寝ることを指す、俗語としての「C寝台」という言葉の方が知られているが、これは前述の「2等C寝台」が過去に存在していたことを知らない鉄道マニアの間で広まっていったものと考えられる。