概要
北海道拓殖銀行(ほっかいどうたくしょくぎんこう)は、北海道を地盤として北海道開拓の振興を図るために1900年に設立された銀行である。
日本勧業銀行や農工銀行と同じような役割を果たすために設立された銀行であるが、他の府県と比較して経済基盤が脆弱であった北海道の開拓を進めるため「北海道拓殖銀行法」を帝国議会で成立させてそれを根拠とする銀行であった。
戦後に同法が廃止されると1949年には普通銀行に転換する。転換後も開拓時代の名残りを残したままの名称を継続した。また、これにより都市銀行の一角となった。
ところが、バブル景気の際に行った融資が大量に不良債権化、さらに札幌市に本社を構えていた不動産会社のカブトデコムや、こちらも札幌市に本社を構えていたソフィアに対する融資に関する問題が噴出、一気に経営が傾く。
ほかの北海道を基盤とする銀行との合併話も浮かんでは消えを繰り返し、もはや経営破たんは時間の問題となってしまう。
結局1997年11月17日に経営破綻してしまった。
1998年11月16日、同じ札幌市に本社を構える第二地方銀行の北洋銀行に営業を譲渡、1999年3月31日に解散した。
その後も精算法人として存続したものの、2006年1月末に精算終了、同年2月6日をもって完全に消滅したのだった。
長年にわたって北海道経済を支えた本銀行の経営破綻は北海道にあまりにも大きな衝撃を与えた。そしてその衝撃から今なお立ち直っているとは言い難い状態が続いている。
ちなみにハドソンも本銀行に運命を狂わされた企業のひとつである。
「こちらが第二地銀だからといって、自分達を卑下する必要はない。
なぜなら、相手は無能だから潰れたんだ」
──拓銀の営業譲受に際して、北洋銀行頭取(当時)武井正直の訓示。