怖い人だけには、ならないでね……ウッソ
概要
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地球の中央ヨーロッパに設けられた特別居住区・ウーイッグでの居住を、地球連邦政府に正式に認められたアースノイド(特権階級)の少女。17歳。
宇宙世紀0150年代における、地球連邦およびスペースコロニーの諸問題を映し出す人物である。
主人公であるウッソ・エヴィンが強い好意を寄せるほど美しい容姿をしており、ウーイッグでは豪商として馳せているルース商会の一人娘として何ら苦労のない生活をしていた。
しかし、母は家の外に男を作り、父はそれを知りながらも仕事に邁進するふりをして目を背け、あまつさえ近郊地域に進出してきたベスパとの取引を持とうとするなど、家庭環境は決して満たされたものではなかった。そしてまた、ウーイッグの特別区において、既得権益にしがみついて地球の資源を浪費しながら生きながらえる人々の有様に対しても、思春期の少女らしい嫌悪感を抱きながら暮らしていた。
宇宙世紀0153年4月5日の夜、ベスパによるウーイッグ空襲により、それまでの安定した生活は一転。激動の運命の中、自らの意志で進むべき道を選択していく事となる。
人物
結論となってしまうが富野監督曰く、「もともと何も考えていなかった女」であり、「クロノクル程度の男にケロッといっちゃうようなつまんない女」である。ただし同時に、「それだけですよ。それで何故いけないの。そういう人だっているでしょ、いいたかないけど」と答えられている。
上記の通り、カテジナは最初から最後まで、特に何も考えていない。
地球連邦政府の庇護の下で暮らしながら、その体制に嫌悪を抱き、しかし何らかの活動を起こす勇気も行動力も持ち合わせてはいない。父(テングラシー・ルース)がベスパとのパイプを築こうとしていたのも、一人娘である彼女の安全を考えてこそであったのだが、その愛情すら「男として母から逃げている」と断ずるのみであった(そもそも、彼女の豊かな暮らしは父の働きによるものなのだが)。しかし、己の優れた容姿に自覚があるため「自分には何かができるはずだ」と夢見てただ日々を浪費し、その浪費を自覚しているが故に無性な苛立ちを常に抱えて生きていた。
ウーイッグを空襲によって焼け出され、ザンスカール帝国という「復讐すべき敵」という目前の目的と、帝国に抵抗する勢力であるリガ・ミリティアとの接触を得たが、そこでは自分から見てただ“鬱陶しい理想を押し付ける子供”でしかないウッソがもてはやされ、また戦地司令であったオイ・ニュング伯爵の、いかなる犠牲を払ってでも目的を遂行する固い意志力は、彼女の期待していた変化と充実をもたらすものではなかった。
しかしそれからわずか5日後の4月10日。またも偶然によって出会った帝国の尉官クロノクル・アシャーは、『女王の実弟』という特別な立場にあり、カテジナが望めばラゲーン基地での身分の確保、サイド2(ザンスカール帝国本国)への同行、彼の秘書官(もどき)としての立場、あまつさえモビルスーツすら与えてくれる『白馬の王子』であった。
更にクロノクルは、姉(女王)マリアと姪(女王の実子)シャクティの再会を映像に収めるなど、“自身の派閥”を形成する野心すら披露し、カテジナにあるいは将来的自らこそが帝国の『女王』となる夢想すら抱かせる男として、琥珀色の目に映ったのだ。
このため、元々何ら主義主張を有していなかったカテジナは、クロノクルのパートナーとなる道を選択し、自らも彼の力となるため(白馬の王子と対等とならんとする、戦乙女を夢見て)MSで戦場に出る。
しかしほどなく、彼女は気づいてしまう。
『モトラッド艦隊司令』という立場から踏み出す事無く、“姉の庇護”にあってなお自己保身に戦々恐々とするだけのクロノクルには、自身の渇望を満たすポテンシャルが無い事実に。
それでも、ウーイッグにおいて能動的にアクションを起こせなかったカテジナには、今さらクロノクルから離れるという選択肢は存在せず、彼女自身もアインラッドでヒトを轢殺する「地球クリーン作戦」の戦列に加わるという、引き返す事の出来ない場所にまで来てしまっていた。
焦り、怒り、そしてなお満たされない苛立ちを叩きつけるようにして戦場に出る度、自分が“鬱陶しい少年”と断じたウッソが彼女の過ちを正そうとするかのように立ち塞がる。
だからこそ、ウッソに出会う度に彼女は、その場その場でただ自身を肯定するためだけの、支離滅裂な主張を繰り返すことしかできなかった。
天使の輪の上で
ザンスカール帝国の本懐である最終作戦エンジェル・ハイロゥにおいて、カテジナは高性能試作機ゴトラタンを与えられ、なおも自分の選択が正しかったことを証明すべく戦場を駆ける。
この『天使の輪』の上で、徹底的に叩いて尚自分への未練を示すウッソを利用して、今度こそ“自分の価値”を証明するため、クロノクルに一騎打ちをけしかけさせるのだった。
「勝った方を全力で愛してあげる」と語りながらも、一方的な理由と共にクロノクルを援護してウッソのV2ガンダムを追い詰めるカテジナであったが、彼女の願いも虚しくリグ・コンティオはV2のビームサーベルによって斬り裂かれ地に堕ちてしまう。
自己肯定のための最後の“柱”たる男を失ったカテジナは、最早帝国の興亡など関係なく、ウッソがシャクティを救出するその瞬間、自分を哂った二人の子供を消し飛ばすためにゴトラタンのメガビームキャノンの予備機を手にエンジェル・ハイロゥのセンターブロック真下で待ち伏せる。
だが、ウッソのガンダムは何かに導かれたかのように、センターブロック対面へと降り立つ。しかしカテジナにとってもまた、此処に至るまでに味わった苦痛から、ウッソの到着さえも予測の範疇としていた。
メガビームキャノンを頭上、すなわちシャクティが祈りを捧げる位置へ最小出力で射出し、わざと船体の対ビーム・コーティングによって弾かせる事で、ウッソへと『反撃・回避の挙動を見せたならばシャクティを撃つ』という、自爆を前提とした警告を行うカテジナ。
そしてウッソはただ、全てを受け入れるかのように武器を捨て、ガンダムを直立させる。
少年の無様な命乞いを望んでいた彼女の理性は弾け飛び、瞳に宿した光と共に眩い奔流に消えたのだった。
その後の冬。光と共に“全て”を燃やし尽くし失ったカテジナ・ルースは、かつて焼き払われた故郷をゆっくりと目指し、雪道を進む。
ガンダム史上最悪の女性キャラ
ガンダムシリーズの中でも屈指の悪女と評されるキャラであり、「ガンダム三大悪女」においては必ずと言って良いほどその名が挙がるほど。
それゆえ当時は軽蔑を込めて「カテ公」と呼ばれたりもしていたのだが、突き抜けたドクズっぷりが一周回って妙なカリスマ性を発揮し、近年では人気悪役キャラとなっている。畏怖を込めて「(おかしいですよ、)カテジナさん」と呼ばれるほどになった。
Vガン勢の登場人物の中で唯一フィギュア化された点から見ても、その人気の高さが窺える。
悪役キャラであったからこそ物語を盛り上げたキャラでもある。戦闘では客観的な目で見れば間違いなくザンスカール軍でスーパーエース的な存在であったと言える。
初陣でなんとウッソやマーベットを敗走させ援護に来たジュンコ機を撃破しビッグキャノンの直撃を阻止している。
続く第2戦ではウッソと一騎討ちを挑みVガンダムを撃破してコアファイターで敗走するウッソを捕虜にしている。
またウッソの母親を捕虜にしたり、ルペ・シノから隊長の座を奪ったりと戦果を挙げている。
V2ガンダムに乗り換えたウッソとも何度も戦い引き分けている姿も劇中にある。
恐ろしいのはまともな軍事訓練を受けていないにも関わらずこれほどの能力を発揮している点で、年表に基づけばカテジナが宇宙に上がってからリグ・シャッコーに搭乗するまでは一ヶ月もない。
同じくまともな訓練なしでMSに乗ったウッソやオデロ、トマーシュは機械に触れる機会が多かったのに対し、「お嬢様」であるカテジナはそういった経歴など無かったであろうことも特筆に値する。
またリガ・ミリティア側を裏切った人物と見られるが、彼女はリガ・ミリティアに属していたわけではない。
マリア主義に同調し彼女自身もそれを望みクロノクルが愛してくれたからこそザンスカールの為に最期まで戦い抜いたと考えると、愛という観点においてはカテジナは義理堅くクロノクルに殉じた人だと言える見方も出来る。
ただし恋人としてはともかく軍人としては問題行動が多々あり、自国の首都上空でビーム兵器を乱射する(出力を抑えているとする記事もあるが、作中では巻き添えになる市民の映像、もしくはイメージが映る)、月で味方の車両を踏み潰すといった行為を見るに、ザンスカールに忠誠を尽くしたと言っていいかは疑問符が付く。
作中の戦果はこういった無我夢中の戦い方によるところも多く、消耗について兵士から陰口を叩かれるなど味方の人望を失う結果となっていた。
もっともこの点について擁護するのであれば、才能だけで戦っている新兵のカテジナが問題を起こすのは当然であり、現にウッソも問題行動を複数起こしている。
ウッソがオリファーからの修正などを経て順応していったことを考えると、カテジナが暴走していったのは甘やかすばかりで軍人としての教育を施さなかったクロノクルにも一因があったと言えるだろう。
民間上がりの天才肌の新人&自身が戦争に巻き込んだ負い目と弟子の才能へのベタ惚れが原因で甘やかす師匠のコンビ、と言う形はカミーユ・ビダンとクワトロ・バジーナと言う先例があるが、第三者のウォン・リーにカミーユが手厳しく叱られた事を切っ掛けにクワトロが自らの甘やかし癖を反省、カミーユも後輩のファ・ユイリィやカツ・コバヤシをフォローする自覚が芽生えた事で問題行動は激減していった。
ウォンのような「新人の才能を期待しつつも筋を通す事を強要し、師匠にも苦言を呈すことが出来る大人」がカテジナとクロノクルの周りに欠けていた事も不幸だったと言える。
搭乗機
メディアミックス作品
漫画版(コミックボンボン)
一切出ない。チラ見せどころか言及すらない。
いけ!いけ!ぼくらのVガンダム(ことぶきつかさ)
シャクティ・カリンに爆弾を仕掛けられて爆殺されるという最期を遂げる。
この時のシャクティの台詞「あんだけ悪事働いといてまだ生きてたか」「そんな事はスタッフが許してもこの私と視聴者が許すもんですか」は、多くの読者の共感を呼んだ。
スーパーロボット大戦シリーズ
第2次GやDにおいて展開次第で味方になる。
(第2次Gではオペレーターとなり、自軍パイロットとして使用できるのはDのみ)
α外伝では(原作では生き残ったにもかかわらず)死亡してしまう。
小説版
戦闘に巻き込まれ全身火傷を負ってしまった所をクロノクルに救出・治療を受ける。
その後、ザンスカール帝国のモビルスーツ操縦研修と並行しスーパーサイコ研究所で強化人間として処置を受けている。 モビルスーツの操作技術を短期間で習得(作中トップクラスのウッソとクロノクルと並ぶ)、精神的な干渉による会話の描写に加え、オールドタイプを見下す発言、ウッソに対する歪んだ執着と嫌悪、目的のために手段を選ばない卑劣な性格など、情緒不安定性や狂気に近い行動が多くなった。
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おかしいですよカテジナさん とち狂ってお友達にでもなりに来たのかい?
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