あらすじ
ルパン三世の相棒として長年相棒としてずっと共に活躍してきたガンマンの次元大介。
そんな彼は、ルパンや石川五エ門と共に牢屋へ収監されていたある時、自分の人生について振り返っていた。
「そろそろ俺も潮時かもしれねぇな…」
時が経つにつれて時代も変わっていく。それは当たり前な事だった…。
しかし、それでも時代に迎合せず、己自身のスタイルは決して変えようとしなかった次元は、今の時代について行けない気持ちを抱くようになっていた。
銃器を装備したドローンやプラスチック製の玩具同然の拳銃といった最新鋭のテクノロジーに胡坐をかいている警察官達との交戦にロマンの欠片も感じられなかった次元は、泥棒家業から足を洗う事を考え始める。
監獄からの脱出後、立ち寄ったバーにて「非番」と言いつつもルパンを逮捕しに来ていた銭形警部と遭遇した次元は、「どうしてそこまでルパンに拘るのか」と聞くが、逆に銭形からは「どうしてルパンと一緒にいるのか」と聞かれ、次元は曖昧な答えを出してバーを去った。
峰不二子が先に帰還していたアジトへと戻って来た次元は、ルパンや五ェ門も加えて作戦成功の祝杯を挙げるが、不自然にはしゃぐ次元の様子から彼が本当に泥棒家業から足を洗うのではないかと不安を感じた五エ門はルパンに止めないのかと聞くが、ルパンが出したのは、意外にも「止めない」という答えだった。
「時代が変わりゃ自分も変わる…俺はそうやって来た…。けど、次元大介って男だけはそんな俺を黙って受け入れてくれた…。あいつだけは変わらずにいてくれた…。だから俺は、俺でいられたのかもしれねぇ…。ならよ、あいつがどうしようが、黙って受け入れるのが筋ってもんだろ?」
次元を想うからこそ、寂しそうな表情をしながらも、彼が出て行くのを受け入れようとしていたルパンの言葉に、最初は怒った五ェ門も何も言えなくなった。
次元が不二子と何気ない会話をする中、銭形率いる警察がアジトを襲撃。
先にルパンと五ェ門、不二子が逃走し、自分が囮として残る道を選んだ次元は、「その酒…一人で飲んだら承知しねえぞ」と、後でルパンが持っているウィスキーを共に飲む事を約束し、別れる。
それが次元の出した「答え」だった。
「やっぱり変わらねえな…。お前はクラシックだよ…次元」
次元大介のルパン三世達との日々は、まだまだ終わらない…。
特徴
本作は、『ルパン三世PART1』の頃より小林清志氏が演じて来た次元大介(別名:小林次元)の送別会とも言える作品と言える。
その為、当然ながら次元を視点とする形で物語は展開し、五エ門、不二子、銭形、そしてルパンといった長年共にしてきたメインキャラ達との対話も丁寧に描かれている。
本作を最後に、小林氏は次元役を勇退。第1話以降は同じく『PART1』にて五エ門役を担っていた故・大塚周夫氏の子である大塚明夫氏の演じる次元(別名:大塚次元)が活躍していく事になる。